JP2744620B2 - 断糸検出方法 - Google Patents

断糸検出方法

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JP2744620B2 JP63176118A JP17611888A JP2744620B2 JP 2744620 B2 JP2744620 B2 JP 2744620B2 JP 63176118 A JP63176118 A JP 63176118A JP 17611888 A JP17611888 A JP 17611888A JP 2744620 B2 JP2744620 B2 JP 2744620B2
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泰生 田川
健治 安田
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、2錘の紡糸装置から紡出された2種類の
糸条A,Bを合糸して巻き取る際の糸条A,Bの糸切れを検出
する断糸検出方法に関するものである。
〔従来の技術〕
紡糸巻き取り工程において、走行する糸条が切れた場
合、すぐに適切な断糸処理を行わなければ、切れた糸の
端部が絡まつてトラブルが生じたり、つぎつぎと紡出さ
れる糸条を巻き取ることができず、正常な状態に戻すの
が大変である。そこで、糸条の走行途中に、断糸検出セ
ンサを配置して、糸条が切れたら即座に断糸信号が出力
されるようにし、この信号を受けて自動的にシヤツター
を作動させ、各ローラの回転を停止させる等の適切な断
糸処理を行うようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、本出願人は、第4図に示すような装置を用
い、異なる2つの錘からそれぞれ原料樹脂を供給して異
収縮混繊糸を得る方法を開発し、すでに出願している
(特願昭63−45417,昭和63年2月27日出願)。すなわ
ち、この方法は、従来のスピンドロー方式に用いる紡糸
用錘(紡糸延伸装置)を2錘一組で用い、片方の錘の紡
糸口金25から紡出された糸条Aを2個のゴデツトローラ
31,32によつて延伸し、もう一方の錘の紡糸口金25aから
紡出された糸条Bを2個のゴデツトローラ33,34によつ
て延伸して両糸条A,Bをインターレースノズル40を経由
させて分繊・合糸するというものである。なお、26,26a
は冷却装置、27,27aはオイリングロールである。
上記の方法を実施するにあたり、その断糸検出をどの
ように行うかが問題となつた。すなわち、従来の断糸検
出方法に従うならば、断糸検出センサを、最も下流側で
ある合糸巻き取り部(第4図において矢印Xで示す)に
配置してこの部分の糸条の断続を検知すればよいのであ
るが、この場合、糸条A,Bがともに切れなければ断糸信
号が出力されないため、片方の糸条のみが切れた場合に
は、この糸切れが他方の糸条の切断を誘発するまでは断
糸処理が作動せず応答が遅れるという問題がある。ま
た、どちらの糸条が先に切れたかの判断がつかないた
め、どちらの糸条に糸切れの原因があるのかを把握する
ことができず、品質管理の上で問題がある。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、
2種類の糸条を合糸巻き取りする際に、どちらかの糸条
が切れた状態を即座に検出することができ、しかもどち
らの糸条が先に切れたかを特定することができる断糸検
出方法の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の断糸検出方法
は、2錘一組の紡糸延伸装置を用い、一方の紡糸延伸装
置の紡糸部および延伸部を利用して糸条Aを得、他方の
紡糸延伸装置の紡糸部および延伸部を利用して上記糸条
Aとは種類の異なる糸条Bを得、上記糸条A,Bを合糸し
て巻き取ることにより異収縮混織糸を得る際に、合糸前
の片方の糸条Aの走行途中に第1の断糸検出センサを設
けて糸条Aの糸切れ時に断糸信号を出力するよう設定
し、合糸後の混繊糸(A+B)の走行途中に第2の断糸
検出センサを設けて混繊糸(A+B)の繊度が一定量以
下に減少した時に断糸信号を出力するよう設定し、糸条
Aの糸切れ時には上記第1の断糸検出センサから出力さ
れる断糸信号を利用して上記第2の断糸検出センサから
出力される断糸信号は利用しないようにし、糸条Bの糸
切れ時には上記第2の断糸検出センサから出力される断
糸信号を利用して、糸条A,Bのいずれの糸条が糸切れし
たかを判別できるようにしたという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この発明は、2錘一組の紡糸延伸装置の各
紡糸延伸装置の紡糸部および延伸部を利用し、種類の異
なる糸条A,Bを得たのちこれらを合糸して巻き取るとい
う特殊な異収縮混繊糸の製法に用いられるもので、糸条
の断続のみを判断する第1の断糸検出センサと、糸の繊
度の量的な減少を判断する第2の断糸検出センサを用い
るようにしたものである。そして、上記第1の断糸検出
センサを片方の糸条の走行途中に設けてこの糸条の糸切
れの有無を検知させ、上記第2の断糸検出センサを合糸
後の混繊糸の走行途中に設けてこの混繊糸の繊度の減少
の有無を検知させることにより、合糸する2種類の糸条
のうちどちらの糸条が先に切れたかを判別できるように
したことが特長である。したがつて、糸切れの原因を究
明しやすく、適正な品質管理を行うことができるととも
に、いずれかのセンサから出力される断糸信号に基づい
て所定の断糸処理命令が出力されるように設定すること
により、片方の糸条の糸切れ時に即座に適正な断糸処理
ができるという利点を有する。
つぎに、この発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例に用いる装置を示してい
る。図において、41は第1の断糸検出センサで、コデツ
トローラ32からゴデツトローラ34に向かつて走行する糸
条Aの糸切れを検出するようになつている。この断糸検
出センサ41は、例えば第2図に示すようなもので、糸条
A(紙面に対し垂直方向に通過する)通過用の切欠部42
を有しており、この切欠部42の相対向する一方の面が投
光部43に形成され、他方の面が受光部44に形成されてい
る。そして、投光部43と受光部44の間を通過する糸条A
が糸切れして受光部44側での光量に変化が生じたときに
断糸信号を出力するようになつている。このようなセン
サとしては、例えば東洋電子社製のYSLシリーズがあげ
られる。
また、45は第2の断糸検出センサで、合糸・分繊後の
混繊糸(A+B)が巻き取られる寸前の位置でその糸切
れを検出するようになつている。この断糸検出センサ45
も、基本構造は上記第1の断糸検出センサ41(第2図参
照)と同様であるが、上記断糸検出センサ41が、通過す
る糸条Aが100%糸切れした場合にしか断糸信号を出力
しないのに対し、この断糸検出センサ45は、通過する混
繊糸(A+B)が完全に糸切れしていなくてもその繊度
が50%以下に減少した場合に必ず断糸信号を出力するよ
うに予め設定されている。したがつて、この断糸検出セ
ンサ45は、合糸以前の段階で糸条Aが糸切れして糸条
Bのみが走行する場合,同じく糸条Bが糸切れして糸
条Aのみが走行する場合,同じく糸条Aと糸条Bがそ
れぞれの経路で同時に糸切れして合糸経路に入つて来ず
混繊糸として得られない場合,混繊糸(A+B)が糸
切れした場合、の4つのケースのいずれかに該当した場
合に断糸信号を出力するようになつている。
なお、第1図において、他の部分は第4図と同様であ
り、同一部分に同一番号を付している。
この装置では、上記2つの断糸検出センサ41,45から
出力される断糸信号を利用して、下記の表に示すように
断糸状態を判別することができる。
このように、第1の断糸検出センサ41の出力信号を利
用して糸条Aの断糸を判別し、第2の断糸検出センサ45
の出力信号を利用して糸条Bの断糸を判別することがで
きる。
なお、第2の断糸検出センサ45は、前述のように、糸
条Aの断糸時にも断糸信号が出力されるので、この出力
信号が糸条Aの断糸の判別には関与しないよう、第1の
断糸検出センサ41の応答速度より第2の断糸検出センサ
45の応答速度の方が若干遅くなるよう設定して誤判定を
防止している。また、断糸の判別結果は、通常、各セン
サ41,45からの出力信号に対応して点灯するランプ等で
表示されるが、第1の断糸検出センサ41からの出力があ
り、さらに遅れて第2の断糸検出センサ45から出力があ
つた場合には、上記第2の断糸検出センサ45からの出力
信号に対応したランプの表示はなされないように設定し
ておく。このように、先着優先(後着信号は利用せず)
の処理を施すことにより、糸条Aがまず断糸して連鎖的
に糸条Bが断糸する場合や、糸条Aのみが断糸する場合
に、第の断糸検出センサ41に対応するランプと第2の断
糸検出センサ45に対応するランプが共に点灯してどちら
の糸条が断糸したのかわからなくなるという事態が発生
することを防止している。したがつて、上記の手当てに
より、第1の断糸検出センサ41に対応するランプが点灯
すれば、必ず糸条Aの断糸であると特定することができ
る。逆に、第2の断糸検出センサ45から出力があつた場
合には、第1の断糸検出センサ41からの出力信号に対応
したランプの表示はなされないように設定しておく。し
たがつて、上記の手当てにより、第2の断糸検出センサ
45に対応するランプが点灯すれば、必ず糸条Bの断糸で
あるきと特定することができる。
上記各センサ41,45から断糸信号が出力された場合、
例えばシヤツター46,47(第1図に戻る)を作動させる
支持および各ゴデツトローラ31,32,33,34、巻き取りボ
ビン43等の回転を停止させる指示を出力するように設定
しておくと、断糸の態様に応じた断糸処理を即座に行う
ことができ好適である。
なお、上記実施例において、混繊糸(A+B)の巻き
取りは、実際には第3図に示すように、分繊した小単位
(C1〜C8)ごとに行うので、第2の断糸検出センサ45
は、上記C1〜C8のうちのいずれか一つの部分、例えば第
3図に矢印Yで示す左端のC1部分に配置される。C1〜C8
の全てに、それぞれ上記第2の断糸検出センサ45と同一
センサを配置するようにした方が、より細かい管理がで
きるが、C1〜C8のいずれかに相当する部分で糸切れが生
じた場合、切れた糸が他の部分に飛び込んで連鎖的に糸
切れを誘発していくため、必ず最終的には全ての部分で
糸切れを生じるため、第2の断糸検出センサ45は1個で
充分であるといえる。
また、上記実施例においては、第2の断糸検出センサ
45に対し、通過する糸条の繊度が50%以下に減少した場
合に断糸信号を出力するように設定しているが、断糸信
号を出力する繊度の減少量は、得ようとする混繊糸の種
類によつて適宜に設定される。例えば糸条Aと糸条Bの
繊度の割合がA:B=30:70に設定された混繊糸では、繊度
が70%以下に減少した場合に断糸信号を出力するように
設定する必要がある。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の断糸検出方法は、2錘一組
の紡糸延伸装置の各紡糸延伸装置の紡糸部および延伸部
を利用して、種類の異なる糸条A,Bを得たのちこれらを
合糸して巻き取るという特殊な異収縮混繊糸の製法に用
いられるもので、2個の異なる断糸検出センサを用いて
いるため、合糸する2種類の糸条のうちどちらの糸条が
先に切れたかを判別することができる。したがつて、糸
条の原因を究明しやすく、原因のある方の糸条を紡出す
る紡糸延伸装置の方を点検し補修することにより、適正
な品質管理を合理的に行うことができる。また、いずれ
かの断糸検出センサから出力される断糸信号に基づいて
所定の断糸処理命令を出すことができるので、片方の糸
切れ時にも即座に適正な断糸処理ができると言う利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に用いる装置を示す構成
図、第2図はこの発明に用いる断糸検出センサの一例を
示す平面図、第3図は合糸巻き取り部周辺を詳細に示す
部分的な斜視図、第4図はこの発明を適用する紡糸・巻
き取り装置を示す構成図である。 41……第1の断糸検出センサ、45……第2の断糸検出セ
ンサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2錘一組の紡糸延伸装置を用い、一方の紡
    糸延伸装置の紡糸部および延伸部を利用して糸条Aを
    得、他方の紡糸延伸装置の紡止部および延伸部を利用し
    て上記糸条Aとは種類の異なる糸条Bを得、上記糸条A,
    Bを合糸して巻き取ることにより異収縮混繊糸を得る際
    に、合糸前に片方の糸条Aの走行途中に第1の断糸検出
    センサを設けて糸条Aの糸切れ時に断糸信号を出力する
    よう設定し、合糸後の混繊糸(A+B)の走行途中に第
    2の断糸検出センサを設けて混繊糸(A+B)の繊度が
    一定量以下に減少した時に断糸信号を出力するよう設定
    し、糸条Aの糸切れ時には上記第1の断糸検出センサか
    ら出力される断糸信号を利用して上記第2の断糸検出セ
    ンサから出力される断糸信号は利用しないようにし、糸
    条Bの糸切れ時には上記第2の断糸検出センサから出力
    される断糸信号を利用して、糸条A,Bのいずれの糸条が
    糸切れしたかを判別できるようにしたことを特徴とする
    断糸検出方法。
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