JP2744116B2 - ミネラル強化飲料の製造法 - Google Patents

ミネラル強化飲料の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、マグネシウム、鉄等が有するエグ味や金属
味を感じ難くすることによって、非常に飲み易くしたミ
ネラル強化飲料の製造法に関する。
（従来の技術） 従来より、ミネラルが不足してくると色々な障害が起
こってくるといわれている。例えば、カルシウムが不足
すると骨や歯の形成不全、動脈硬化症、高血圧症等の障
害が起こり、マグネシウムが不足すると血管拡張、心臓
発作等の障害が起こり、鉄が不足すると貧血、発育不良
等の障害が起こるといわれている。
こうした事情から、近時カルシウム、マグネシウム、
鉄等を含有せしめた飲料が多く開発されている。
（発明が解決しようとする技術課題） ところが、上記各種ミネラル類を飲料に添加すると、
どうしてもミネラル類の味が出てしまうという問題があ
った。例えば、カルシウムやマグネシウムの場合はエグ
味、鉄の場合は金属味が感じられて、非常に飲み辛いも
のになる。こうした問題を解決すべく、従来よりマスキ
ング剤としてサイクロデキストリンや糖類を添加すると
いう方法が使用されているが、必ずしも満足できるもの
ばかりではなかった。
本発明者等は、こうした点に着目し、種々のマスキン
グ剤を使用してカルシウムやマグネシウムが有するエグ
味や鉄が有する金属味を感じさせない飲料を開発すべく
研究を行った。その結果、アルコール類を特定量添加す
るだけで上記目的を解決することができるという知見を
得た。
かかる知見を基に完成された本発明の要旨は、カルシ
ウム、マグネシウム、鉄等を含むミネラル強化飲料の製
造法において、アルコール成分を0.1〜１重量％添加す
ることを特徴とするミネラル強化飲料の製造法にある。
（課題を解決するための手段） 本発明は、カルシウム、マグネシウム、鉄等を含むミ
ネラル強化飲料を対象とするものである。飲料として
は、果汁飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料、水等
を例示することができる。カルシウムとしては、グルコ
ン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、パ
ントテン酸カルシウム、リン酸カルシウム等を例示する
ことができ、その添加量としては、カルシウムとして3m
g/ml以下程度でよい。マグネシウムとしては、塩化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム等を例示することができ、
その添加量としては、マグネシウムとして1mg/ml以下程
度でよい。また、鉄については、塩化第二鉄、クエン酸
鉄、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄等を
例示することができその添加量としては、鉄として0.1m
g/ml以下程度でよい。次に、アルコール成分としては、
日本酒、リキュール、ブランテー等があり、これらアル
コール類をアルコール成分としての量が0.1〜１重量％
になるような量を添加する。この添加量が少なすぎると
マスキング効果を十分に達成することが困難になってく
る。一方、この量が多くなりすぎるとアルコール飲料の
ようなものになってしまう。このことを考慮するなら
ば、アルコール成分としての量が0.5〜１重量％になる
程度に添加する方が好ましい。アルコール成分の添加方
法および添加時期は、特に限定されないが、その好まし
い添加方法および添加時期としては、アルコール添加後
に加熱するような場合には加熱処理後にアルコールを添
加する方が好ましく、またホットパックのような充填方
法を採用する場合にはアルコールを添加した後直ちに密
封する方がアルコールの揮散がなく好ましい。
（実施例） 実施例１ アップル果汁100％の飲料100gに乳酸カルシウム1100m
g、クエン酸第一鉄ナトリウム28mg、塩化マグネシウム1
14mg、香料214mg、を添加混合した後、85℃で３分間殺
菌処理を施した。その後、すばやくコーヘルシンＣ（商
品名：東京田辺製薬株式会社、アルコール含量73％）13
70mgを添加し、ビン製容器にホットパックした後、冷却
処理を施してミネラルを強化したアップル飲料を得た。
得られたアップル飲料中のアルコール含量は約１重量％
である。
比較例１ コーヘルシンＣの代わりにサイクロデキストリン100m
gを添加すること以外はすべて比較例１と同様の方法で
ミネラルを強化したアップル飲料を得た。
比較例２ サイクロデキストリン100mgの代わりにサイクロデキ
ストリン1000mgを添加すること以外はすべて比較例１と
同様の方法でミネラルを強化したアップル飲料を得た。
比較例３ サイクロデキストリンの代わりに果糖ブドウ糖液糖20
00mgを添加すること以外はすべて比較例１と同様の方法
でミネラルを強化したアップル飲料を得た。
上記各方法によって得られたミネラル強化アップル飲
料について、添加した各種ミネラルの風味が感じられる
かどうかの官能テストを行った。その結果を第１表に示
す。
実施例２ 水100mgに乳酸カルシウム1100mg、クエン酸第一鉄ナ
トリウム28mg、塩化マグネシウム114mgを添加混合した
後、85℃で３分間殺菌処理を施した。その後、すばやく
コーヘルシンC1370mgを添加し、ビン製容器にホットパ
ックした後、冷却処理を施してミネラルを強化した水を
得た。
（効果） 本発明の方法によると、アルコール成分を特定量添加
するだけで、マグネシウムや鉄等のミネラルが有するエ
グ味や金属味がほとんど感じられず、非常に飲み易いミ
ネラル強化飲料を得ることができる。また、そのための
コストも非常に安いものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】カルシウム、マグネシウム、鉄等を含むミ
    ネラル強化飲料の製造法において、アルコール成分を0.
    1〜１重量％添加することを特徴とするミネラル強化飲
    料の製造法。
  2. 【請求項２】アルコール成分の添加量が0.5〜１重量％
    であることを特徴とする請求項（１）記載のミネラル強
    化飲料の製造法。
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