JP2740874B2 - 張弦梁屋根構造の施工法および張弦梁屋根 - Google Patents

張弦梁屋根構造の施工法および張弦梁屋根

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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、弦材を緊張することによって所定応力が
導入される張弦梁屋根構造の施工法および張弦梁屋根に
関する。
「従来の技術」 長大スパン構造の屋根の架構形式の1つとして、張弦
梁構造があり、その施工法の一例として本発明者らは先
に、特公平6−56034号明細書あるいは特公平7−49684
号明細書などにおいて提案を行っている。
前記明細書に記載した張弦梁屋根の一構造例は、第17
図と第18図に示すものである。
第17図と第18図に示す構造の屋根Aは、複数の大梁1
を環状のリングガーダ2の外周部にリングガーダ2を中
心として放射状に接合し、隣接する各大梁1の間に複数
の小梁とブレースを接合してトラス屋根を構成するとと
もに、各大梁1の先端部1aとリングガーダ2の底部のテ
ンションリング2aとの間に弦材3を張設して応力を導入
してなる構造であって、各大梁1の先端部1aを、別途に
構築した側壁部5により支持してなる構造となってい
る。なお、第17図において符号7は側壁部5の内側に形
成された客席部を示している。
そして、このような構造の屋根Aを備えた建築物を構
築するには、例えば、第19図ないし第21図に示す手順で
行う。
まず、第19図に示すようにクレーンによって建築物の
側壁部5の鉄骨建方を行うとともに、建築物の略中央に
リングガーダ用の構台6を組み立て、次いで第20図に示
すように構台6に支持させてリングガーダ2を組み立て
る。このリングガーダ2は例えば平面長円形状のもの
で、その底部にテンションリング2aが形成されている。
次に、側壁部5の鉄骨に鉄筋コンクリートの躯体工事
を施すとともに、側壁部5の上端部とリングガーダ2と
の間に大梁1…を順次クレーンによって架設して側面円
弧状かつ平面長円形状に組み立て、小梁やブレースなど
も取り付けて張弦梁屋根を形成する。
次いで、大梁1…の各先端部1aとリングガーダ2の底
部のテンションリング2aとの間に弦材3を第21図に示す
ように取り付ける。続いて弦材3を緊張することで、組
み立てたトラス屋根に所定応力を導入し、トラス屋根を
自立させることで第17図に示すように張弦梁屋根Aを完
成させ、構台6は撤去する。
また、張力の導入後には、張弦梁屋根Aの上に屋根ふ
き材などの貼設を行うとともに防水工事などの仕上工事
などを行い、工事完成とする。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、前記構造の張弦梁屋根Aは、大梁1…に小
梁とブレースなどの2次部材を接合したトラス構造とな
るが、この張弦梁屋根を構築する場合、大梁1…と2次
部材を全て組み立てて相互に本固定した後に弦材3によ
る張力を導入した場合、以下に記載する問題を生じるお
それがあった。
大梁1に作用するはずの力の一部が2次部材側に流れ
て付加される結果、大梁1…に所定の応力が発生しなく
なり、大梁1…の耐力が低下するおそれがある。
前述のように大梁1…と2次部材に設計外の応力が作
用するので、張力の導入を行っても張弦梁屋根が設計ど
うりの変形を起こさなくなり、所望の形状が得られなく
なるおそれがある。
張力の一部が小梁やブレースなどの2次部材に流れる
結果、張力の導入によって2次部材が座屈するおそれが
ある。
張力の導入によって2次部材に設計外の応力が作用す
ると、2次部材の耐力が低下するおそれがある。
そこで、このような問題点を解決するために、本発明
者らは、2次部材の一部を大梁1…に対して相対摺動自
在に仮止めして応力解除ゾーンを形成しておき、張力導
入時に2次部材に流れようとする張力を応力解除ゾーン
で吸収し、2次部材に不要な張力が付加されないように
する施工法を検討している。
この施工法の応力解除ゾーンにおいて、大梁1…に2
次部材を相対摺動自在に仮止めする構造として、2次部
材を大梁1にボルト止めする際に、大梁1と2次部材の
接合部分に長孔を形成しておき、長孔に挿通した連結ボ
ルトを緩く仮止めしておき、張力導入時に長孔に沿って
2次部材が摺動できるように構成することが検討されて
いる。
ところが、鋼材からなる大梁1と2次部材に長孔を形
成するには、相対摺動する距離が数mmの場合であって
も、その距離に連結ボルトの直径を合計した長さの長孔
が必要となるので、鋼材の切り抜き量が多くなり、通常
の丸孔を形成する場合に比較すると、孔あけ費用が2倍
以上になり、製作工期も不要にかかる問題がある。
一方、前記構成の張弦梁屋根を構築する場合、トラス
屋根を周方向に複数に分割してなる大きさであって、複
数の大梁1と複数の2次部材からなる梯子状の分割屋根
材を構成し、この分割屋根材をリングガーダに接合して
トラス屋根を構築する施工法を検討している。
ところが、このような施工法を行う場合、分割屋根材
を構成する2次部材においてアーチ型の小梁を使用する
と、分割屋根材をリングガーダに接合して支持する間
に、分割屋根材の自重によってアーチ型の小梁が広がる
ように変形する問題がある。このように小梁に変形を来
すようであると、分割屋根材の2次部材に施工中に初期
荷重が入ってしまうことになる。また、2次部材に変形
を来して分割屋根材自体が変形し、その幅が増加する
と、隣接する分割屋根材どうしを接合する場合、隣接す
る分割屋根材どうしの間隔が変動するので、施工が難し
くなる問題がある。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
張弦梁屋根を構築する場合において、大梁に設計どうり
の応力を付加させて所定の耐力を発生させることがで
き、張力導入後に所定の形状を得ることができ、2次部
材の座屈を防止でき、設計どうりの張弦梁屋根を構築で
きるとともに、分割屋根材の変形を抑止し、施工を容易
にできるようにした方法の提供を目的とする。
また、本発明の張弦梁屋根は、2次部材の仮止め用の
ために、大梁と2次部材にあける透孔を安価にかつ容易
に形成できるとともに、製作工期を短縮できる構造を提
供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 請求項1に記載した発明は前記課題を解決するため
に、相互の間に間隔をあけて配設された複数の大梁とこ
れらの大梁の間に接合された小梁およびブレースなどの
2次部材とを具備してなり、各大梁に連結された弦材に
張力が導入されてなる張弦梁屋根を構築する施工法にお
いて、前記大梁に2次部材を接合するにあたり、2次部
材の少なくとも一部を大梁に対して相対摺動自在に仮止
めして応力解除ゾーンを形成し、この応力解除ゾーンを
形成した後に弦材を緊張して大梁に所定の応力を導入す
るとともに、張力導入後、仮止めしておいた2次部材を
大梁に本固定するものである。
請求項2に記載した発明は前記課題を解決するため
に、直線部と湾曲部からなる長円形状のリングガーダの
外周部に、リングガーダの直線部おいては各々平行に、
リングガーダの湾曲部においては放射状に各々複数の大
梁が接合され、隣接する各大梁の間に複数の小梁とブレ
ースなどの2次部材が接合されてトラス屋根が構成され
るとともに、各大梁の先端部とリングガーダの底部との
間に弦材を張設してトラス屋根に所定の応力が導入され
てなる張弦梁屋根を構築する施工法において、前記大梁
に2次部材を接合するにあたり、リングガーダの直線部
に接合した大梁と、リングガーダの湾曲部に接合した大
梁との間の境界部分に、2次部材の少なくとも一部を大
梁に対して相対摺動自在に仮止めして応力解除ゾーンを
形成し、この応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊張
して大梁に所定応力を導入するとともに、張力導入後、
仮止めしておいた2次部材を大梁に本固定するものであ
る。
請求項3に記載した発明は前記課題を解決するため
に、環状のリングガーダの外周部にリングガーダを中心
として外方に向けて複数の大梁が接合され、隣接する各
大梁の間に複数の小梁とブレースなどの2次部材が接合
されてトラス屋根が構成されるとともに、各大梁の先端
部とリングガーダの底部との間に弦材を張設してトラス
屋根に所定の応力が導入されてなる張弦梁屋根を構築す
る施工法において、前記大梁に2次部材を接合するにあ
たり、大梁の1スパン毎に2次部材の少なくとも一部を
大梁に対して相対摺動自在に仮止めして応力解除ゾーン
を形成し、前記応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊
張して大梁に所定の応力を導入し、張力導入後、仮止め
しておいた2次部材を大梁に本固定するものである。
請求項4に記載した発明は前記課題を解決するため
に、相互の間に間隔をあけて配設された複数の大梁とこ
れらの大梁の間に接合された小梁およびブレースなどの
2次部材とを具備してなり、各大梁に連結された弦材に
より所定の応力が導入されてなる張弦梁屋根において、
大梁と2次部材とがボルト止めにより接合され、大梁と
2次部材の各々のボルトを挿通する部分に、連結用ボル
トの外径よりも大きく、連結用ボルトの頭部およびナッ
トの外径よりも小さい径の円形状であって、連結用ボル
トの外周面との間に移動間隙を形成する挿通孔を形成し
てなるものである。
請求項5に記載した発明は前記課題を解決するため
に、環状のリングガーダの外周部にリングガーダを中心
として放射状に複数の大梁が接合され、隣接する各大梁
の間に複数の小梁とブレースなどの2次部材が接合され
てトラス屋根が構成されるとともに、大梁に接合される
複数の小梁の一部がアーチ状に形成されてなり、各大梁
の先端部とリングガーダの底部との間に弦材を張設して
トラス屋根に所定の応力が導入されてなる張弦梁屋根を
構築する施工法において、トラス屋根を周方向に複数に
分割してなる大きさであって、複数本の大梁と2次部材
とを接合してなる分割屋根材を複数組み立て、この分割
屋根材をリングガーダに接合してトラス屋根を構築する
際に、アーチ状に形成された各小梁の両端部に弦材を着
脱自在に張設し、弦材を張設した状態の分割屋根材をリ
ングガーダに接合するとともに、リングガーダに接合し
た各分割屋根材を相互に接合した後にアーチ状の小梁か
ら弦材を取り外すものである。
「作用」 大梁に接合される2次部材の少なくとも一部を大梁に
対して相対摺動自在に仮止めして応力解除ゾーンを形成
するので、弦材に張力が導入された場合、2次部材は摺
動して導入力から逃れ、導入力は大梁に流れる。この結
果、大梁に所定の応力が導入されるとともに、小梁やブ
レースなどの2次部材に対する不要な力の付加が防止さ
れる。
また、リングガーダの直線部に接合した平行状態の大
梁と湾曲部に接合した放射状の大梁との境界部分に応力
解除ゾーンを設けた場合、平行状態の大梁と放射状の大
梁とが分断される結果、放射状部分の特性であるリング
効果による拘束が弱まり、逆に大梁の拘束力が強まる結
果、導入張力が大梁に十分に入る。
更に、1スパン毎に応力解除ゾーンを設けることで、
前述の場合と同様に大梁に円滑に所定応力が導入され
る。また、張力導入時に応力解除ゾーンでの変形が大き
くなると想定される場合、1スパンおきに応力解除ゾー
ンを設けることで、1つの応力解除ゾーンあたりの変形
量を小さくすることができ、2次部材の摺動距離を小さ
くできるので応力解除ゾーンの2次部材の設計及び施工
が容易になる。
更にまた、上弦の小梁と下弦の小梁の少なくとも一方
を仮止めすることで、上弦と下弦の両方の小梁を仮止め
する場合と同程度の応力状態を得ることができ、大梁に
円滑に所定の応力を導入できる。
更に、2次部材を仮止めする部分にボルト止め構造を
採用し、この連結用ボルトの挿通部にボルトとの間に移
動間隙を形成する挿通孔を形成することで、長孔を形成
する場合に比較して孔あけ作業と工期が短縮される。
「実施例」 第1図ないし第5図は、本発明方法を張弦梁屋根を構
築する場合に適用した例を説明するためのもので、第6
図ないし第13図は本発明方法を適用して構築された長円
形状の張弦梁屋根の一例を示すものである。
ここで張弦梁屋根を構築する場合、第19図ないし第21
図を基に説明した方法と同様に、建築現場でクレーンに
よって建築物の側壁部5の鉄骨建方を行うとともに、建
築物の略中央にリングガーダ用の構台6を組み立て、次
いで第20図に示すように構台6に支持させてリングガー
ダ2を組み立て、このリングガーダ2を基本として施工
を開始する。
前記リングガーダ2は、第6図ないし第9図に示すよ
うに、底部のテンションリング2aと上部のコンプレッシ
ョンリング2b,2bとを鋼材で連結して構成されている。
テンションリング2aは、一対の直線状の鋼材からなる並
列部2A,2Aと、並列部2A,2Aの各々に接合された半円状の
放射部2B,2Bからなる平面長円形状に形成され、並列部2
A,2Aは複数本の切梁2Dで補強されている。また、コンプ
レッションリング2bは、前記テンションリング2aと同様
に、並列部2A′,2A′と放射部2B′,2B′と切梁2D′…か
ら構成されている。
また、この発明の施工法によって構築される張弦梁構
造の屋根Bは、第6図ないし第13図に示す構造となって
いる。
この実施例の屋根Bは、中央部に長円形状のリングガ
ーダ2が配置され、このリングガーダ2の上部周囲に放
射状に大梁1…が接合されている。リングガーダ2の各
並列部2A′には、6本の大梁が等間隔で接合され、各放
射部2B′には11本の大梁1が等間隔で接合されていて、
各並列部2A′に接合された各大梁1の間の間隔が等しく
なるように、かつ、各放射部2B′に接合された各大梁1
の間隔が等しくなるように接合されていて、屋根荷重を
大梁1…でほぼ均等に支持できるように構成されてい
る。
各大梁1は、第9図と第10図に示すように、上弦材1A
と下弦材1Bとラチス材1Cとからなるラチス梁構造をな
し、先端部1aの下弦材1Bに固着されたブラケット13にワ
イヤロープなどからなる弦材3を接合できるようになっ
ている。
また、大梁1,1の間には、第13図に示すように、隣接
する大梁1,1の上弦材1Aを接合した小梁15と、隣接する
大梁1,1の下弦材1Bを接合したアーチ型の小梁16とが設
けられ、大梁1,1の間には上弦材1A,1Aに接合されたブレ
ース17が複数設けられている。なお、大梁1と小梁15と
ブレース17の詳細な配置は第6図に示すように、大梁1
と小梁16の詳細な配置は第7図に示すようになってい
る。
一方、各小梁15,16および各ブレース17と各大梁1と
が接合される部分の構造は、第14図ないし第16図を基に
以下に説明するルーズホール構造になっている。
即ち、各接合部分は、ボルト18…による接合構造にな
っているが、ボルト18を挿通するための透孔19が各々ボ
ルト18の外径よりも数mm程度大きく、ボルト18の頭部よ
りも小さな内径に形成されている。即ち、ボルト18の半
径よりも第14図に示すようにΔ/2だけ大きな半径の透孔
19が、ボルト18で接合される板状の母材20と接合材21に
形成されている。
従ってボルト18の外周面と透孔19の内面との間には移
動用の間隙が形成される。ここで母材20は大梁1に接合
された接合用のブラケット状の板材を示し、接合材21は
前記小梁15,16の接合部分あるいはブレース17の端部の
接合部分を示す。
以上のように構成することで、ボルト18の締め付け力
を弱くして相対摺動自在なように両部材を仮止めしてお
くと、第15図に示すように、ボルト18で仮止めした接合
材21は母材20に対して相対的に摺動して距離Δだけ移動
できるようになっている。
なお、ボルトを挿通するための透孔を部材に形成する
場合、例えば、前記のように透孔19の内径をそれぞれボ
ルト径+4mmとすると、2つの透孔19で±4mm、最大8mm
程度まで摺動可能なルーズホール構造を採用することが
できる。従って丸孔状の透孔19を形成することで、あた
かも、長径8mmの長孔(一般には、部材の強度維持の面
からみて、形成不可能な大きさの長孔)を形成した場合
と同等の効果を得ることができる。
ここで以下に前記のように構成される張弦梁構造の屋
根Bの施工手順の一例について説明する。
施工開始にあたり、まず、建築現場における地組みな
どの手段によって第1図に示すように分割屋根材25,26
を形成する。この実施例の場合、分割屋根材25はリング
ガーダ2の並列部2A′に取り付けるための梯子状のもの
で、分割屋根材26はリングガーダ2の放射部2B′に取り
付けるための末広がりの梯子状のものである。なお、第
1図ないし第5図において、各図の(a)は分割屋根材
25,26の上弦面を示し、各図の(b)は分割屋根材25,26
の下弦面を示している。
分割屋根材25は、一対の平行な大梁1,1の間に小梁15,
16をボルト止めあるいは溶接により本固定するととも
に、それらの間に設けるブレース17の固定部分に前述の
ルーズホール構造を採用し、ブレース17…を固定するボ
ルト18…を全て緩く締め付けて相対摺動自在に仮止めし
て構成されている。また、分割屋根材26は、先端部にゆ
くにつれて広がるように対向させた一対の大梁1,1の間
に小梁15,16をボルト止めあるいは溶接により本固定す
るとともに、それらの間に設けるブレース17…の固定部
分に前記ルーズホール構造を採用し、ブレース17…を固
定するボルト18…を全て緩く締め付けて相対摺動自在に
仮止めしておく。なお、この仮止めしたブレース17…を
図面では鎖線で示している。
また、アーチ型の小梁16には必要に応じて弦材を取り
付けることが好ましい。この弦材は、ワイヤロープなど
にターンバックルを組み込んで構成されたもので、小梁
16の両下端部に固着されたブラケットによって小梁16に
接続される。
これらの分割屋根材25,26を必要個数地組みしたなら
ば、各々をクレーンなどの揚重機によって吊り上げ、第
2図に示すように、各分割屋根材25をリングガーダ2の
並列部2A′に等間隔で、しかも、隣接する分割屋根材2
5,25の間に分割屋根材25の幅に相当する間隔があくよう
に接合し、更に、各分割屋根材26をリングガーダ2の放
射部2B′に等間隔で、しかも、隣接する分割屋根材26,2
6の間に分割屋根材26の幅に相当する間隔があくように
接合する。
この接合の際に、各分割屋根材25,26は第20図におい
て説明した場合と同様に構台6上のリングガーダ2に一
端をボルト止めあるいは溶接で本固定し、他端側は側壁
部5に支持させる。
このように分割屋根材25…,26…を設置した場合、分
割屋根材25,26の自重が大きいと、分割屋根材25,26の自
重によってアーチ型の小梁16が伸ばされるように変形す
るおそれがある。即ち、各分割屋根材25,26が各々幅方
向に広がるように変形するおそれがある。このような場
合、前述の如く弦材を各小梁16…に取り付け、弦材を緊
張しておくと、小梁16の変形を抑止することができる。
第2図に示すようにリングガーダ2の全周に分割屋根
材25,26を間欠的に接合して固定したならば、分割屋根
材25,25の間にあけられている間隔と、分割屋根材26,26
の間にあけられている間隔と、分割屋根材25,26の間に
あけられている間隔に小梁15…,16…とブレース17…の
取り付けを第3図に示すように行う。第3図において鎖
線で示す部分が仮止めした部材を表している。
即ち、この取り付け作業においては、分割屋根材26の
両側の部分の総ての小梁15,16と、総てのブレース17の
接合部分にルーズホール構造を採用し、これらの部材を
取り付けるボルトを緩く締め付けて仮止めしておく。な
お、分割屋根材25,25の間の小梁15,16は溶接あるいはボ
ルト止めなどの手段で本固定する。このように仮止めし
た部分のうち、分割屋根材26の両側の部分は、応力解除
ゾーンZとなる。即ち、この例の場合、第3図に示すよ
うに大梁1…の1スパンおきに応力解除ゾーンZが形成
される。
以上のように小梁15…,16…とブレース17を取り付け
る場合、前述のように弦材によって各分割屋根材25,26
の変形を抑止しておくと、隣接する分割屋根材どうしの
間隔を一定にできるので、小梁15,16とブレース17の固
定作業が容易にできる。
以上の仮止め作業が終了した時点で屋根の骨組みは形
状的にはほぼ完成し、目的の屋根Bとほぼ同一形状の屋
根構成体Cが形成される。
次に前記屋根構成体Cにおいて、各大梁1…に設けた
ブラケット13とテンションリング2aとに連結されている
弦材3…の各々に張力を加える。弦材3…に張力を加え
る場合、総ての弦材3…に同時に張力を加えることが好
ましい。このためには、テンションリング2aの各弦材3
の固定部分のそれぞれに、ジャッキ装置などの牽引装置
を固定し、総てのジャッキ装置を同時に作動させること
で総ての弦材3…に同時に張力を導入することができ
る。
総ての弦材3に同時に張力を導入することで屋根構成
体Cには所定応力が付加されて屋根構成体Cは構台6か
ら離れて自立する。
以上のように張力を導入した場合、大梁1…に応力が
発生されると同時に、導入力の一部が小梁15…,16…あ
るいはブレース17…に流れて付加されるが、これらの部
材の多くは前述のルーズホール構造により大梁1…に対
して相対摺動自在に仮止めされているので、小梁15,16
とブレース17は導入力の付加に応じて、導入力から逃れ
るように摺動する。
従って導入した力は各応力解除ゾーンZと仮止めした
部分の小梁15…,16…とブレース17…などの2次部材に
付加されることなく大梁1…に十分に導入される。な
お、張力の導入によって2次部材が摺動する際、前述の
ように弦材を張設して分割屋根材25,26の変形が抑止さ
れているならば、2次部材の摺動距離を設計どうりの値
にすることができる。
この点において、弦材を用いない場合は、分割屋根材
25,26が自重で変形することによって2次部材の摺動距
離が長くなり、その分、ルーズホール構造を採用する部
分の透孔19の内径を大きくする必要があって不経済であ
るとともに、透孔19を形成する母材20と接合材21の強度
も低下させるおそれがある。
また、リングガーダ2の並列部2A′に個々に平行に取
り付けられている分割屋根材25と、リングガーダ2の放
射部2B′に放射状に取り付けられている分割屋根材26と
の境界部分に応力解除ゾーンZが設けられているので、
張力の導入時、平行に設けられている大梁1…と放射状
に設けられている大梁1…とが分断される結果、放射状
部分での特性であるリング効果による拘束力が弱まり、
逆に大梁1の拘束力が強まることにより、導入した力が
十分に大梁1…に導入される。
なお、前記のように屋根構成体Cが自立したので、構
台6を分解して撤去することができる。構台6を撤去し
たことで屋根構成体Cの下面側は自由な状態となるの
で、屋根構成体Cの下面側に必要な仕上工事などを屋根
工事と並行して施工できる。
前記張力の導入作業が終了したならば、次に、コンプ
レッションリングの並列部2A′に接合された大梁1…に
前記の如く仮止めされていた小梁15…,16…とブレース1
7…の各ボルト18を締め付けて本固定する。また、コン
プレッションリングの放射部2B′に接合された大梁1…
に前記の如く仮止めされていた小梁16…のうち、最外周
の2本の小梁16…を除く他の小梁16…のボルト18…を締
め付けてこれらを第4図の実線に示すように本固定す
る。
そして、張力導入後、仕上工事を行う場合、並列部2
A′に接合された大梁1…のまわりの部分、および、応
力解除ゾーン以外の仕上工事を先行して行う。そして、
応力解除ゾーンZの仕上工事は以下に説明するプレロー
ド状態で行う。
即ち、前記応力解除ゾーンZに相当する部分に取り付
けるべき仕上材の半分程度の重量物Dを応力解除ゾーン
の両脇の境界部分(分割屋根材26の両脇部分)に各々載
置し、応力解除ゾーンZに仕上工事完成時と同等の応力
を付加したプレロード状態とする。このプレロード状態
とした後に応力解除ゾーンで仮止めされているボルト18
…を本締めして小梁15…とブレース17…を本固定する。
以上のように予め仕上工事で最終的に取り付ける分と
同等の重量物を応力解除ゾーンの周囲に設置したプレロ
ード状態で小梁15…とブレース17…の本固定を行うこと
で仮固定していたこれらの部材を応力解除ゾーンZの仕
上状態と同等の応力付加状態にして本固定することがで
きる。
このようにすることでこれらのボルトの早期本固定作
業を実施することができ、施工時間を短縮できる効果が
ある。
応力解除ゾーンに荷重をかける方法としては、一般
に、水、砂などをつめた小袋または固形物を仮置きする
方法、あるいは、仕上材としてALC板を用いる場合は、A
LC板を応力解除ゾーンZの両脇に積み重ねて載置するな
どの方法をとることができる。
前記のような本固定作業が終了したならば、残りの仮
止め部分を第5図に示すように本固定し、防水工事、銅
版貼り付け工事、天井工事などを行い、仮設作業台など
を撤去して工事完了とすることができる。
以上説明した方法により張弦梁構成の屋根Bを構築す
るならば、2次部材に流れようとする力を2次部材を摺
動させて解除し、大梁1…に設計どうりの力を導入でき
るので、大梁1…に所望の耐力を発揮させることができ
るとともに、設計どうりに大梁1…を変形させることが
でき、所望の形状の張弦梁屋根Bを構築できる。また、
2次部材に無用な力がかからないので、2次部材が座屈
するおそれがないとともに、2次部材の施工後の耐力低
下を防止できる。
更に、この例のように1スパンおきに応力解除ゾーン
Zを形成すると、応力解除ゾーンZの数を多くできるの
で、後述する例のように、応力解除ゾーンZの数が少な
い場合に比較すると、1つの応力解除ゾーンZにおける
変形量を極力少なくすることができる特徴がある。この
ように応力解除ゾーンZの変形量を少なくできること
は、張力導入時の2次部材の摺動距離を小さくできるこ
とであり、ルーズホール構造における透孔19の内径をよ
り小さくできることになるので、ルーズホール構造の設
計も容易になる。
ところで前記実施例では、屋根構成体25,26を全て間
欠的に配置し、屋根構成体26の両側に各々応力解除ゾー
ンZを設けたが、応力解除ゾーンZはコンプレッション
リングの並列部2A′と放射部2B′の境界部分に設けるこ
とが最も重要である。従って、この他の部分に設ける応
力解除ゾーンZは設計に余裕がある場合は省略しても差
し支えない。
そこで、コンプレッションリングの並列部2A′と放射
部2B′の境界部分のみに応力解除ゾーンZを設けた場合
の例について説明する。
まず、第1図ないし第2図に示すように分割屋根材25
…,26…をリングガーダ2に間欠的に固定した後に、並
列部2A′と放射部2B′の境界部分を除いた部分に小梁1
5,16を本固定することで、境界部分のみに応力解除ゾー
ンZを形成する。また、この例において、分割屋根材2
5,26を予め形成するのではなく、大梁1…を個々にリン
グガーダ2に固定し、隣接する大梁1,1の間に2次部材
を組み付けるようにして構築しても良い。なお、いずれ
の場合も大梁1に取り付けるブレース17…は全てルーズ
ホール構造を採用する。
このように境界部分のみに応力解除ゾーンZを形成
し、この後に張力を導入し、その後に応力解除ゾーンZ
の本固定作業とブレース17…の本固定作業を行うように
して施工を進めても良い。
以上のように施工する場合、前記のように1スパンお
きに応力解除ゾーンZを形成する場合と同様な効果を得
ることができる。
また、以下に、応力解除ゾーンZを設ける場合の他の
例を説明する。
この例においては、分割屋根材25,26を第2図に示す
ようにリングガーダ2の外周部に間欠的に接合し、この
後に、隣接する分割屋根材の間に2次部材を接合して1
スパンおきに応力解除ゾーンZを形成する。この接合の
際に、ブレース17は全てルーズホール構造として仮止め
するとともに、応力解除ゾーンZの上弦側の小梁15…を
全てルーズホール構造として仮止めし、更に、応力解除
ゾーンZの下弦側の小梁16…を本固定しておく。
以上の状態とした後に前述の場合と同様に張力を導入
し、その後に仮止めしておいた2次部材を本固定するこ
とで張弦梁屋根Bを構築する。
このように構築する場合は、小梁15,16をいずれも仮
止めする場合に比較すると、若干、応力発生状態は相違
することになるが、下弦側の小梁16がアーチ形状をなし
ている場合や上弦の小梁15に比較して下弦の小梁16が小
さい場合は、下弦側の小梁16を本固定しても全体として
の剛性は比較的に大きくならないので、応力解除ゾーン
Z内の変形を小さくすることができ、仮止めによって大
梁1…に張力を導入する効果を十分に得ることができ
る。
また、張力導入前に下弦側の小梁16を先行して本固定
しておくことができるならば、小梁15,16の両方を張力
導入後に本固定する場合に比較し、本固定作業を簡略化
できる効果がある。更に、小梁16を先行して本固定する
ならば、小梁16の本固定作業を施工の初期段階で実施で
きるので、施工を早めることができる。
ところで、応力解除ゾーンZを形成する場合、小梁1
5,16のうち、どちらか一方あるいは両方を仮止めしても
良い。更に、本発明を長円形状の張弦梁屋根の他に、多
角形状あるいは不定形の張弦梁屋根に適用しても良いの
は勿論である。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、弦材への張力の導入時
に、小梁やブレースなどの2次部材側に流れようとする
力を大梁に対する2次部材の摺動により解除するので、
大梁に設計どうりの応力を導入することができ、設計ど
うりの耐力と設計どうりの形状の張弦梁構造の屋根を構
築できる効果がある。また、2次部材に無用な力がかか
らないので、2次部材が座屈するおそれがないととも
に、2次部材の施工後の耐力低下も防止できる。
また、リングガーダの並列部と放射部の境界部分に応
力解除ゾーンを設けた場合、平行状態の大梁と放射状の
大梁を分断できる結果、放射状部分のリング効果による
拘束を弱めることができ、大梁の拘束力を強めることが
できるので、弦材を緊張することによって大梁に十二分
に力を導入することができる。
更に大梁の1スパンごとに応力解除ゾーンを設けるこ
とで、より円滑に張力を大梁に導入できるとともに、1
つの応力解除ゾーンにおける変形量を少なくすることが
でき、これによって2次部材の摺動距離を少なくし、応
力解除ゾーンの摺動部分の設計に余裕を持たせることが
できる効果がある。
更にまた、上弦の小梁と下弦の小梁の少なくとも一方
を仮止めして応力解除ゾーンを形成することで、両方の
小梁を仮止めする場合と同程度の応力状態を得ることが
でき、張力導入時に大梁に十二分に張力を導入できる。
また、上弦と下弦のどちらか一方を先行して本固定でき
るので、張力導入後の本固定作業が容易にできるように
なる効果がある。
一方、2次部材の仮止め部分に形成する透孔をボルト
の外径との間に移動間隙を形成する大きさに形成するこ
とで、長孔を形成しなくとも2次部材の摺動を可能にで
きるので、長孔を形成する場合に比較して孔あけ作業が
容易になり、加工費用も削減できるとともに、工期も早
くすることができる。
更に、大梁と2次部材を接合してなる分割屋根材を組
み付ける場合、アーチ状の小梁に弦材を張設すること
で、分割屋根材が自重で変形しようとしても弦材が小梁
の変形を抑止するので、分割屋根材の変形を防止でき
る。従って分割屋根材の変形が防止されるので、リング
ガーダに接合した後に分割屋根材どうしを2次部材で接
合する際に設計どうりの状態で接合できる。また、小梁
の変形を抑えることができるので応力解除ゾーンでの2
次部材の摺動距離が小さくなり、2次部材接合部の設計
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明を説明するためのもので、
第1図(a)は分割屋根材の上弦面を示す平面図、第1
図(b)は分割屋根材の下弦面を示す裏面図、第2図
(a)は分割屋根材をリングガーダに間欠的に取り付け
た状態の上弦面を示す平面図、第2図(b)は同状態の
下弦面を示す裏面図、第3図(a)は分割屋根材の間に
2次部材を仮止めした状態の上弦面を示す平面図、第3
図(b)は同状態の下弦面を示す裏面図、第4図(a)
は張力導入後に仮止め部分の一部を本固定した状態の上
弦面を示す平面図、第4図(b)は同状態の下弦面を示
す裏面図、第5図(a)は仮止め部分の総てを本固定し
た状態の上弦面を示す平面図、第5図(b)は同状態の
下弦面を示す裏面図、第6図ないし第15図は本発明を適
用して構築された屋根の一例の詳細構造を示すもので、
第6図は完成した張弦梁屋根の上弦面を示す平面図、第
7図は完成した張弦梁屋根の下弦面を示す底面図、第8
図は弦材の配置を示す底面図、第9図は張弦梁屋根の側
面図、第10図は大梁の拡大図、第11図は弦材の取付部の
底面図、第12図は大梁の横断面図、第13図は隣接する大
梁の接合構造を示す正面図、第14図は大梁と2次部材の
仮止め状態を示す断面図、第15図は大梁と2次部材の摺
動後の状態を示す断面図、第16図は仮止め位置を示す平
面図、第17図ないし第21図は本発明者らが先に提案して
いる張弦梁屋根の提案に記載された構造例を示すもの
で、第17図は張弦梁屋根を備えた構築物の断面図、第18
図は張弦梁の構成略図、第19図は構台の組み立て状態を
示す構成図、第20図はリングガーダと大梁の取付状態を
示す構成図、第21図は建築物の完成状態を示す構成図で
ある。 B…屋根、C…屋根構成体、Z…応力解除ゾーン、1…
大梁、1A…上弦材、1B…下弦材、1C…ラチス材、2…リ
ングガーダ、2a…テンションリング、2b…コンプレッシ
ョンリング、2A,2A′…並列部、2B,2B′…放射部、3…
弦材、15,16…小梁、17…ブレース、18…ボルト、19…
透孔、20…母材、21…接合材、25,26…分割屋根材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 肇 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 山田 利行 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 西谷 隆之 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 加藤 博巳 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互の間に間隔をあけて配設された複数の
    大梁とこれらの大梁の間に接合された小梁およびブレー
    スなどの2次部材とを具備してなり、各大梁に連結され
    た弦材に張力が導入されてなる張弦梁屋根を構築する施
    工法において、 前記大梁に2次部材を接合するにあたり、2次部材の少
    なくとも一部を大梁に対して相対摺動自在に仮止めして
    応力解除ゾーンを形成し、 この応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊張して大梁
    に所定の応力を導入するとともに、 張力導入後、仮止めしていた2次部材を大梁に本固定す
    ることを特徴とする張弦梁屋根構造の施工法。
  2. 【請求項2】直線部と湾曲部からなる長円形状のリング
    ガーダの外周部に、リングガーダの直線部においては各
    々平行に、リングガーダの湾曲部においては放射状に各
    々複数の大梁が接合され、隣接する各大梁の間に複数の
    小梁とブレースなどの2次部材が接合されてトラス屋根
    が構成されるとともに、各大梁の先端部とリングガーダ
    の底部との間に弦材を張設してトラス屋根に応力が導入
    されてなる張弦梁屋根を構築する施工法において、 前記大梁に2次部材を接合するにあたり、リングガーダ
    の直線部に接合した大梁と、リングガーダの湾曲部に接
    合した大梁との間の境界部分に、2次部材の少なくとも
    一部を大梁に対して相対摺動自在に仮止めして応力解除
    ゾーンを形成し、 この応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊張して大梁
    に所定の応力を導入するとともに、 張力導入後、仮止めしていた2次部材を大梁に本固定す
    ることを特徴とする張弦梁屋根構造の施工法。
  3. 【請求項3】環状のリングガーダの外周部にリングガー
    ダを中心として外方に向けて複数の大梁が接合され、隣
    接する各大梁の間に複数の小梁とブレースなどの2次部
    材が接合されてトラス屋根が構成されるとともに、各大
    梁の先端部とリングガーダの底部との間に弦材を張設し
    てトラス屋根に所定の応力が導入されてなる張弦梁屋根
    を構築する施工法において、 前記大梁に2次部材を接合するにあたり、大梁の1スパ
    ン毎に2次部材の少なくとも一部を大梁に対して相対摺
    動自在に仮止めして大梁の1スパン毎に応力解除ゾーン
    を形成し、 前記応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊張して大梁
    に所定の応力を導入し、 張力導入後、仮止めしていた2次部材を大梁に本固定す
    ることを特徴とする張弦梁屋根構造の施工法。
  4. 【請求項4】相互の間に間隔をあけて配設された複数の
    大梁とこれらの大梁の間に接合された小梁およびブレー
    スなどの2次部材とを具備してなり、各大梁に連結され
    た弦材に張力が導入されてなる張弦梁屋根において、 大梁と2次部材とがボルト止めにより接合され、大梁と
    2次部材の各々のボルトを挿通する部分に、連結用ボル
    トの外径よりも大きく、連結用ボルトの頭部およびナッ
    トの外径よりも小さい径の円形状であって、連結用ボル
    トの外周面との間に移動間隙を形成する挿通孔が形成さ
    れてなることを特徴とする張弦梁屋根。
  5. 【請求項5】環状のリングガーダの外周部にリングガー
    ダを中心として外方に向けて複数の大梁が接合され、隣
    接する各大梁の間に複数の小梁とブレースなどの2次部
    材が接合されてトラス屋根が構成されるとともに、大梁
    に接合される複数の小梁の一部がアーチ状に形成されて
    なり、各大梁の先端部とリングガーダの底部との間に弦
    材を張設してトラス屋根に所定の応力が導入されてなる
    張弦梁屋根を構築する施工法において、 トラス屋根を周方向に複数に分割してなる大きさであっ
    て、複数本の大梁と2次部材とを接合してなる分割屋根
    材を複数組み立て、 この分割屋根材をリングガーダに接合してトラス屋根を
    構築する際に、アーチ状に形成された小梁の両端部に弦
    材を着脱自在に張設し、弦材を張設した状態の分割屋根
    材をリングガーダに接合するとともに、 リングガーダに接合した各分割屋根材を相互に接合した
    後にアーチ状の小梁から弦材を取り外すことを特徴とす
    る張弦梁屋根の施工法。
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