JP2740877B2 - 張弦梁屋根構造のプレロード施工法 - Google Patents

張弦梁屋根構造のプレロード施工法

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JP2740877B2 JP23122689A JP23122689A JP2740877B2 JP 2740877 B2 JP2740877 B2 JP 2740877B2 JP 23122689 A JP23122689 A JP 23122689A JP 23122689 A JP23122689 A JP 23122689A JP 2740877 B2 JP2740877 B2 JP 2740877B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、弦材を緊張することで所定応力が導入さ
れる張弦梁屋根構造の施工法に関する。
「従来の技術」 長大スパン構造の屋根の架構形式の1つとして、張弦
梁構造があり、その施工法の一例として本発明者らは先
に、特公平6−56034号明細書あるいは特公平7−49684
号明細書などにおいて提案を行っている。
前記明細書に記載した張弦梁屋根の一構造例は、第17
図と第18図に示すものである。
第17図と第18図に示す構造の屋根Aは、複数の大梁1
を環状のリングガーダ2の外周部にリングガーダ2を中
心として放射状に接合し、隣接する各大梁1の間に複数
の小梁とブレースを接合してトラス屋根を構成するとと
もに、各大梁1の先端部1aとリングガーダ2の底部のテ
ンションリング2aとの間に弦材3を張設して張力を導入
してなる構造であって、各大梁1の先端部1aを、別途に
構築した側壁部5により支持してなる構造となってい
る。なお、第17図において符号7は側壁部5の内側に形
成された客席部を示している。
そして、このような構造の屋根Aを備えた建築物を構
築するには、例えば、第19図ないし第21図に示す手順で
行う。
まず、第19図に示すようにクレーンによって建築物の
側壁部5の鉄骨建方を行うとともに、建築物の略中央に
リングガーダ用の構台6を組み立て、次いで第20図に示
すように構台6に支持させてリングガーダ2を組み立て
る。このリングガーダ2は例えば平面長円形状のもの
で、その底部にテンションリング2aが形成されている。
次に、側壁部5の鉄骨に鉄筋コンクリートの躯体工事
を施すとともに、側壁部5の上端部とリングガーダ2と
の間に大梁1…を順次クレーンによって架設して側面円
弧状かつ平面長円形状に組み立て、小梁やブレースなど
も取り付けて張弦梁屋根を形成する。次いで、大梁1…
の各先端部1aとリングガーダ2の底部のテンションリン
グ2aとの間に弦材3を第21図に示すように取り付ける。
続いて弦材3を緊張することで、組み立てた張弦梁屋根
に所定の応力を導入し、張弦梁屋根を自立させることで
第17図に示すように屋根Aを完成させ、構台6は撤去す
る。
また、張力の導入後には、屋根Aの上に屋根ふき材な
どの貼設を行うとともに防水工事などの仕上工事を行
い、工事完成とする。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、前記構造の張弦梁屋根は、大梁1…に小梁
とブレースなどの2次部材を接合したトラス構造となる
が、この張弦梁屋根を構築する場合、大梁1…と2次部
材を全て組み立てて相互に本固定した後に弦材3による
張力を導入した場合、以下に記載する問題を生じるおそ
れがあった。
大梁1に作用するはずの張力の一部が2次部材側に流
れる結果、大梁1…に所定の応力が発生しなくなり、大
梁1…の所定の耐力が低下し、大梁1…が所定の変形を
起こさなくなるおそれがある。
小梁やブレースなどの2次部材に力が流れる結果、2
次部材が座屈するおそれがある。
そこでこのような問題点を解決するために、本発明者
らは、2次部材の一部を大梁1…に対して相対摺動自在
に仮止めして応力解除ゾーンを形成しておき、張力導入
時に2次部材に流れようとする力を応力解除ゾーンで解
除し、2次部材に力が付加されないようにするととも
に、大梁1…に十分に応力を発生できるようにした後
に、2次部材を大梁1…に本固定して張弦梁屋根を構築
する施工法を検討している。
ところが、この施工法を実施する場合、応力解除ゾー
ンの領域内の2次部材の本固定作業は、屋根に設ける仕
上材を含めた屋根全体の荷重がかかってから本固定する
ことを原則としているので、これによると、応力解除ゾ
ーンの領域の仕上工事が2次部材の本固定作業終了まで
できないことになり、工期が長くなる問題がある。ま
た、仕上工事の完了後に2次部材の本固定作業を行おう
とすると、大梁1…と2次部材の上に設けた屋根ふき材
などの仕上材が2次部材の本固定作業の邪魔となり、足
場の確保も困難になるので、2次部材の本固定作業の作
業性と安全性が極めて悪くなる問題がある。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
張弦梁屋根を構築する場合において、大梁に設計どうり
の応力を発生させて所定の耐力を発生させることがで
き、張力導入後に所定の形状を得ることができ、2次部
材の座屈を防止でき、設計どうりの張弦梁屋根を構築で
きるとともに、応力解除ゾーンの2次部材の本固定作業
と仕上工事の干渉を少なくして両方の作業を順序良く効
率的かつ安全にできるようにした施工法の提供を目的と
する。
「課題を解決するための手段」 本発明は前記課題を解決するために、環状のリングガ
ーダの外周部にリングガーダを中心として外方に向けて
複数の大梁が接合され、隣接する各大梁の間に複数の小
梁とブレースなどの2次部材が接合されてトラス屋根が
構成されるとともに、各大梁の先端部とリングガーダの
底部との間に弦材を張設してトラス屋根に応力が導入さ
れ、トラス屋根の上に仕上工事がなされてなる張弦梁屋
根を構築する施工法において、前記大梁に2次部材を接
合するにあたり、2次部材の少なくとも一部を大梁に対
して相対摺動自在に仮止めして応力解除ゾーンを形成
し、この応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊張して
大梁に応力を発生させ、張力導入後、前記応力解除ゾー
ン以外の部分の仕上工事を行うとともに、応力解除ゾー
ンの周囲に、応力解除ゾーンの上に最終的に設置すべき
仕上材と同等の重さの重量物を設置してプレロード状態
とし、このプレロード状態で応力解除ゾーンの2次部材
を大梁に本固定し、その後に応力解除ゾーンの仕上工事
を行うものである。
「作用」 大梁に接合される2次部材の少なくとも一部を大梁に
対して相対摺動自在に仮止めして応力解除ゾーンを形成
するので、弦材に張力が導入された場合、2次部材は摺
動して導入力から逃れ、導入力は大梁に流れる。この結
果、大梁に所定の応力が導入されるとともに、小梁やブ
レースなどの2次部材に対する不要な力の付加が防止さ
れる。また、応力解除ゾーン以外の部分の仕上工事を先
行するとともに、応力解除ゾーンの周囲部分に仕上材の
重さに相当する重量物を設置した状態で応力解除ゾーン
の仕上工事を行うことで、応力解除ゾーンの仕上材分の
荷重を加えた状態で応力解除ゾーンの本固定を実施でき
るので、応力解除ゾーンに所望の応力を付加できる。ま
た、応力解除ゾーンに仕上材を設けていない状態で本固
定作業ができるので、仕上材が邪魔にならなくなり、作
業の安全性と作業性が向上する。
「実施例」 第1図ないし第5図は、本発明方法を張弦梁屋根を構
築する場合に適用した例を説明するためのもので、第6
図ないし第13図は本発明方法を適用して構築された長円
形状の張弦梁屋根の一例を示すものである。
ここで張弦梁屋根を構築する場合、第19図ないし第21
図を基に説明した方法と同様に、建築現場でクレーンに
よって建築物の側壁部5の鉄骨建方を行うとともに、建
築物の略中央にリングガーダ用の構台6を組み立て、次
いで第20図に示すように構台6に支持させてリングガー
ダ2を組み立て、このリングガーダ2を基本として施工
を開始する。
なお、前記リングガーダ2は、第6図ないし第9図に
示すように、底部のテンションリング2aと上部のコンプ
レッションリング2b,2bを鋼材で結合して構成されてい
る。前記テンションリング2aは、一対の直線状の鋼材か
らなる並列部2A,2Aと、並列部2A,2Aの各々に接合された
半円状の2つの放射部2Bからなる平面長円形状に形成さ
れ、並列部2A,2Aは複数本の切梁2Dで補強されている。
更に、コンプレッションリング2bは、テンションリング
2aと同様に並列部2A′,2A′と放射部2B′とからなり、
並列部2A′,2A′は切梁2D′で補強されている。
また、この発明の施工法によって構築される張弦梁構
造の屋根Bは、第6図ないし第13図に示す構造となって
いる。
この実施例の屋根Bは、中央部に長円形状のリングガ
ーダ2が配置され、このリングガーダ2の上部周囲に放
射状に大梁1…が接合されている。コンプレッションリ
ング2bの各並列部2A′には、6本の大梁が等間隔で接合
され、各放射部2B′には11本の大梁1が等間隔で接合さ
れていて、各並列部2A′に接合された各大梁1の間の間
隔が等しくなるように、かつ、各放射部2B′に接合され
た各大梁1の間隔が等しくなるように接合されていて、
屋根荷重を大梁1…で均等に支持できるように構成され
ている。
各大梁1は、第9図と第10図に示すように、上弦材1A
と下弦材1Bとラチス材1Cとからなるラチス梁構造をな
し、先端部1aの下弦材1Bに固着されたブラケット13にワ
イヤロープなどからなる弦材3を接合できるようになっ
ている。
また、大梁1,1の間には、第13図に示すように、隣接
する大梁1,1の上弦材1Aを接合した小梁15と、隣接する
大梁1,1の下弦材1Bを接合したアーチ型の小梁16とが設
けられ、大梁1,1の間には上弦材1A,1Aに接合されたブレ
ース17が複数設けられている。なお、大梁1と小梁15と
ブレース17の詳細な配置は第6図に示すように、大梁1
と小梁16の詳細な配置は第7図に示すようになってい
る。
一方、各小梁15,16および各ブレース17と各大梁1と
が接合される部分の構造は、第14図ないし第16図を基に
以下に説明するルーズホール構造になっている。
即ち、各接合部分は、ボルト18…による接合構造にな
っているが、ボルト18を挿通するための透孔19が各々ボ
ルト18の外径よりも数割程度大きな内径に形成されてい
る。即ち、ボルト18の半径よりも第14図に示すようにΔ
/2だけ大きな半径の透孔19が、ボルト18で接合される板
状の母材20と接合材21に形成されている。ここで母材20
は大梁1に接合された接合用のブラケット状の板材を示
し、接合材21は前記小梁15,16の接合部分あるいはブレ
ース17の端部の接合部分を示す。
以上のように構成することで、ボルト18の締め付け力
を弱くして相対摺動自在なように両部材を仮止めしてお
くと、第15図に示すように、ボルト18で仮止めした接合
材21は母材20に対して相対的に摺動して距離Δだけ移動
できるようになっている。
なおこの例では、各透孔19の外径をボルト18の外径よ
り大きなものに形成しているが、透孔19を長孔状とし、
この透孔を接合材21の移動方向に沿うように母材20と接
合材21に形成しても良い。
ここで以下に前記のように構成される張弦梁構造の屋
根Bの施工手順について説明する。
施工開始にあたり、まず、建築現場における地組みな
どの手段によって第1図に示すように分割屋根材25,26
を形成する。この実施例の場合、分割屋根材25はリング
ガーダ2の並列部2A′に取り付けるための梯子状のもの
で、分割屋根材26はリングガーダ2の放射部2B′に取り
付けるための末広がりの梯子状のものである。なお、第
1図ないし第5図において、各図の(a)は分割屋根材
25,26の上弦面を示し、各図の(b)は分割屋根材25,26
の下弦面を示している。
分割屋根材25は、一対の平行な大梁1,1の間に小梁15,
16をボルト止めあるいは溶接により本固定するととも
に、それらの間に設けるブレース17の固定部分に前述の
ルーズホール構造を採用し、ブレース17…を固定するボ
ルト18…を全て緩く締め付けて相対摺動自在に仮止めし
て構成されている。また、分割屋根材26は、先端部にゆ
くにつれて広がるように対向させた一対の大梁1,1の間
に小梁15,16をボルト止めあるいは溶接により本固定す
るとともに、それらの間に設けるブレース17…の固定部
分に前記ルーズホール構造を採用し、ブレース17…を固
定するボルト18…を全て緩く締め付けて相対摺動自在に
仮止めしておく。なお、この仮止めしたブレース17…を
図面では鎖線で示している。
これらの分割屋根材25,26を必要個数地組みしたなら
ば、各々をクレーンなどの揚重機によって吊り上げ、第
2図に示すように、各分割屋根材25をリングガーダ2の
並列部2A′に等間隔で、しかも、隣接する分割屋根材2
5,25の間に分割屋根材25の幅に相当する間隔があくよう
に接合し、更に、各分割屋根材26をリングガーダ2の放
射部2B′に等間隔で、しかも、隣接する分割屋根材26,2
6の間に分割屋根材25の幅に相当する間隔があくように
接合する。
この接合の際に、各分割屋根材25,26は第20図におい
て説明した場合と同様に構台6上のリングガーダ2に一
端をボルト止めあるいは溶接で本固定し、他端側は側壁
部5に支持させる。
第2図に示すようにリングガーダ2の全周に分割屋根
材25,26を間欠的に接合した固定したならば、分割屋根
材25,25の間にあけられている間隔と、分割屋根材26,26
の間にあけられている間隔と、分割屋根材25,26の間に
あけられている間隔に小梁15…,16…とブレース17…の
取り付けを第3図に示すように行う。第3図において鎖
線で示す部分が仮止めした部材を表している。
即ち、この取り付け作業においては、分割屋根材26の
両側の部分の総ての小梁15,16と、総てのブレース17の
接合部分にルーズホール構造を採用し、これらの部材を
取り付けるボルトを緩く締め付けて仮止めしておく。な
お、分割屋根材25,25の間の小梁15,16は溶接あるいはボ
ルト止めなどの手段で本固定する。このように仮止めし
た部分のうち、分割屋根部材26の両側の部分は、応力解
除ゾーンZとなる。
以上の仮止め作業が終了した時点で屋根の骨組みは形
状的にはほぼ完成し、目的の屋根Bとほぼ同一形状の屋
根構成体Cが形成される。
次に前記屋根構成体Cにおいて、各大梁1…に設けた
ブラケット13とテンションリング2aとに連結されている
弦材3…の各々に張力を加える。弦材3…に張力を加え
る場合、総ての弦材3…に同時に張力を加えることが好
ましい。このためには、テンションリング2aの各弦材3
の固定部分のそれぞれに、ジャッキ装置などの牽引装置
を固定し、総てのジャッキ装置を同時に作動させること
で総ての弦材3…に同時に張力を導入することができ
る。
総ての弦材3に同時に張力を導入することで屋根構成
体Cには均一に所定応力が付加されて屋根構成体Cは構
台6から離れて自立する。
以上のように応力を導入した場合、大梁1…に応力が
付加されると同時に、応力の一部が小梁15…,16…ある
いはブレース17…に流れて応力として付加されるが、こ
れらの部材の多くは前述のルーズホール構造により大梁
1…に対して相対摺動自在に仮止めされているので、小
梁15,16とブレース17は応力の付加に応じて、応力から
逃れるように摺動する。従って導入した応力は各応力解
除ゾーンZと仮止めした部分の小梁15…,16…とブレー
ス17…などの2次部材に付加されることなく大梁1…に
導入される。
また、リングガーダ2の並列部2Aに個々に平行に取り
付けられている分割屋根材25と、リングガーダ2の放射
部2Bに放射状に取り付けられている分割屋根材26との境
界部分に応力解除ゾーンZが設けられているので、張力
の導入時、平行に設けられている大梁1…と放射状に設
けられている大梁1…とが分断される結果、放射状部分
での特性であるリング効果による拘束力が弱まり、逆に
大梁1の拘束力が強まることにより、導入した応力が十
分に大梁1…に導入される。
なお、前記のように屋根構成体Cが自立したので、構
台6を分解して撤去することができる。構台6を撤去し
たことで屋根構成体Cの下面側は自由な状態となるの
で、屋根構成体Cの下面側に必要な仕上工事などを屋根
工事と並行して施工できる。
前記張力の導入作業が終了したならば、次に、コンプ
レッションリングの並列部2A′に接合されて大梁1…に
前記の如く仮止めされていた小梁15…,16…とブレース1
7…の各ボルト18を締め付けて本固定する。また、コン
プレッションリングの放射部2B′に接合された大梁1…
に前記の如く仮止めされていた小梁16…のうち、最外周
の2本の小梁16…を除く他の小梁16…のボルト18…を締
め付けてこれらを第4図の実線に示すように本固定す
る。
そして、張力導入後、仕上工事を行う場合、並列部2
A′に接合された大梁1…のまわりの部分、および、応
力解除ゾーン以外の仕上工事を先行して行う。そして、
応力解除ゾーンZの仕上工事は以下に説明するプレロー
ド状態で行う。
即ち、第4図(c)に示すように、前記応力解除ゾー
ンZに相当する部分に取り付けるべき仕上材の半分程度
の重量物Dを応力解除ゾーンの両脇の境界部分(分割屋
根材26の両脇部分)に各々載置し、応力解除ゾーンZに
仕上工事完成時と同等の応力を付加したプレロード状態
とする。このプレロード状態とした後に応力解除ゾーン
で仮止めされているボルト18…を本締めして小梁15…と
ブレース17…を本固定する。
以上のように予め仕上工事で最終的に取り付ける分と
同等の重量部を応力解除ゾーンの周囲に設置したプレロ
ード状態で小梁15…とブレース17…の本固定を行うこと
で仮固定していたこれらの部材を応力解除ゾーンZの仕
上状態と同等の応力付加状態にして本固定することがで
きる。
このようにすることでこれらのボルトの早期本固定作
業を実施することができ、施工時間を短縮できる効果が
ある。
応力解除ゾーンに荷重をかける方法としては、一般
に、水、砂などをつけた小袋または固形物を仮置きする
方法、あるいは、仕上材としてALC板を用いる場合は、A
LC板を応力解除ゾーンZの両脇に積み重ねて載置するな
どの方法をとることができる。
前記のような本固定作業が終了したならば、残りの仮
止め部分を第5図に示すように本固定し、防水工事、銅
版貼り付け工事、天井工事などを行い、架設作業台など
を撤去して工事完了とすることができる。
以上説明した方法により張弦梁構成の屋根Bを構築す
るならば、2次部材に流れようとする力を2次部材を摺
動させて吸収し、大梁1…に設計どうりの所定応力を導
入できるので、大梁1…に所望の耐力を発揮させること
ができるとともに、設計どうりに大梁1…を変形させる
ことができ、所望の形状の屋根Bを構築できる。また、
2次部材に無用な張力がかかないので、2次部材が座屈
するおそれがないとともに、2次部材の施工後の耐力低
下を防止できる。
ところで前記実施例では、屋根構成体25,26を全て間
欠的に配置し、屋根構成体26の両側に各々応力解除ゾー
ンZを設けたが、応力解除ゾーンZはコンプレッション
リングの並列部2A′と放射部2B′の境界部分に設けるこ
とが最も重要である。従って、この他の部分に設ける応
力解除ゾーンZは設計に余裕がある場合は少なくしても
差し支えない。ここで図3(c)は、並列部2A′と放射
部2B′の境界部分にのみ応力解除ゾーンZを形成した状
態の上弦面を示し、図3(d)は同じ状態の下弦面を示
すが、このように境界部分のみに応力解除ゾーンZを設
けることもできる。また、図3(e)は上弦の小梁を仮
止めした状態を示し、図3(f)は下弦の小梁を本固定
した状態を示すが、応力解除ゾーンZをこのような状態
にしても良い。
ところで前記実施例では、長円形状の張弦梁屋根に本
発明方法を適用した例について説明したが、本発明方法
を三角形状などの多角形状あるいは不定形状の張弦梁屋
根に適用しても良いのは勿論である。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、弦材への張力の導入時
に、小梁やブレースなどの2次部材側に流れようとする
力を大梁に対する2次部材の摺動により解除するので、
大梁に設計どうりの張力を導入することができ、設計ど
うりの耐力と設計どうりの形状の張弦梁構造の屋根を構
築できる効果がある。また、2次部材に無用な力がかか
らないので、2次部材が座屈するおそれがないととも
に、2次部材の施工後の耐力低下も防止できる。
更に、応力解除ゾーンの周囲に仕上材と同等の重さに
重量物を設置した後に、仮止めしていた2次部材を本固
定するので、仮止めした2次部材に規定の応力を加えた
状態で本固定することができる。また、仕上材を取り付
けていない状態で2次部材の本固定作業ができるので、
仕上材に邪魔されることなく安全かつ容易に2次部材の
本固定作業ができる効果がある。
従って本発明方法を行って張弦梁構造の屋根を構築す
ることで、設計どうりの張弦梁構造の屋根を構築できる
特徴がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明の一実施例を説明するため
のもので、第1図(a)は分割屋根材の上弦面を示す平
面図、第1図(b)は分割屋根材の下弦面を示す裏面
図、第2図(a)は分割屋根材をリングガーダに間欠的
に取り付けた状態の上弦面を示す平面図、第2図(b)
は同状態の下弦面を示す裏面図、第3図(a)は分割屋
根材の間に2次部材を仮止めした状態の上弦面を示す平
面図、第3図(b)は同状態の下弦面を示す裏面図、第
3図(c)は並列部と放射部の境界部分に応力解除ゾー
ンを形成した状態の上弦面を示す平面図、第3図(d)
は同状態の下弦面を示す裏面図、第3図(e)は上弦の
小梁を仮止めした状態を示す平面図、第3図(f)は下
弦の小梁を本固定した状態を示す裏面図、第4図(a)
は張力導入後に仮止め部分の一部を本固定した状態の上
弦面を示す平面図、第4図(b)は同状態の下弦面を示
す裏面図、第4図(c)はプレロード状態を示す平面
図、第5図(a)は仮止め部分の総てを本固定した状態
の上弦面を示す平面図、第5図(b)は同状態の下弦面
を示す裏面図、第6図ないし第15図は本発明を適用して
構築された屋根の一例の詳細構造を示すもので、第6図
は完成した張弦梁屋根の上弦面を示す平面図、第7図は
完成した張弦梁屋根の下弦面を示す底面図、第8図は弦
材の配置を示す底面図、第9図は張弦梁屋根の側面図、
第10図は大梁の拡大図、第11図は弦材の取付部の底面
図、第12図は大梁の横断面図、第13図は隣接する大梁の
接合構造を示す正面図、第14図は大梁と2次部材の仮止
め状態を示す断面図、第15図は大梁と2次部材の摺動後
の状態を示す断面図、第16図は仮止め位置を示す平面
図、第17図ないし第21図は本発明者らが先に提案してい
る張弦梁屋根の提案に記載された構造例を示すもので、
第17図は張弦梁屋根を備えた構築物の断面図、第18図は
張弦梁の構成略図、第19図は構台の組み立て状態を示す
構成図、第20図はリングガーダと大梁の取付状態を示す
構成図、第21図は建築物の完成状態を示す構成図であ
る。 B…屋根、C…屋根構成体、Z…応力解除ゾーン、1…
大梁、1A…上弦材、1B…下弦材、1C…ラチス材、2…リ
ングガーダ、2a…テンションリング、2b…コンプレッシ
ョンリング、2A、2A′…並列部、2B、2B′…放射部、3
…弦材、15,16…小梁、17…ブレース、25,26…分割屋根
材。
フロントページの続き (72)発明者 中島 肇 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 西谷 隆之 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 山田 利行 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 加藤 博巳 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状のリングガーダの外周部にリングガー
    ダを中心として外方に向けて複数の大梁が接合され、隣
    接する各大梁の間に複数の小梁とブレースなどの2次部
    材が接合されてトラス屋根が構成されるとともに、各大
    梁の先端部とリングガーダの底部との間に弦材を張設し
    てトラス屋根に所定応力が導入され、トラス屋根の上に
    仕上工事がなされてなる張弦梁屋根を構築する施工法に
    おいて、 前記大梁に2次部材を接合するにあたり、2次部材の少
    なくとも一部を大梁に対して相対摺動自在に仮止めして
    応力解除ゾーンを形成し、 この応力解除ゾーンを形成した後に弦材を緊張して張力
    を導入し、 張力導入後、前記応力解除ゾーン以外の部分の仕上工事
    を行うとともに、応力解除ゾーンの周囲に、応力解除ゾ
    ーンの上に最終的に設置すべき仕上材と同等の重さの重
    量物を設置してプレロード状態とし、このプレロード状
    態で応力解除ゾーンの2次部材を大梁に本固定し、 その後に応力解除ゾーンの仕上工事を行うことを特徴と
    する張弦梁屋根構造のプレロード施工法。
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