JP6889743B2 - 水域での架設コンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

水域での架設コンクリート構造物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水域での架設コンクリート構造物の製造方法に関し、さらに詳しくは、水域に立設されている杭に架設されるコンクリート構造物を効率よく製造できる水域での架設コンクリート構造物の製造方法に関するものである。
海や河川等の水域に桟橋などの架設コンクリート構造物を製造する場合には、まず、水域に立設されている複数の杭のそれぞれにブラケットや吊り材などの支持部材を設置する。そして、その支持部材を支えにして、水面付近において隣り合う杭どうしの間に支保工を構築し、その支保工の上に型枠および仮設足場を構築する。次いで、型枠にコンクリートを打設してコンクリートを硬化させ、型枠、仮設足場、および支保工を撤去することで、架設コンクリート構造物を製造する(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の施工方法のように、支保工および仮設足場の組み立て作業は水面付近での作業となる。そのため、陸上や船上での作業に比べて作業効率が低くなり、多くの作業時間を要する。また、潮位や波浪などの影響によって、作業時間に制約が生じる。それ故、施工水域における支保工および仮設足場の組み立て作業は、工期の短縮を妨げる一因になっていた。
特開2003−64632号公報
本発明の目的は、水域に立設されている杭に架設されるコンクリート構造物を効率よく製造できる水域での架設コンクリート構造物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の水域での架設コンクリート構造物の製造方法は、水域に立設されている杭どうしのスパン間に前記杭に固定されているブラケットを介して支保工および型枠を構築する構築工程と、前記杭を囲んで構築された前記型枠内にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、そのコンクリートが硬化した後に、前記支保工および前記型枠を撤去する撤去工程とを行うことにより、前記スパン間に架設される架設コンクリート構造物を製造する水域での架設コンクリート構造物の製造方法において、複数の前記スパン間に渡って延在する前記支保工および前記型枠の底面を構成する底型枠と、仮設足場とを一体化したユニットを予め組み立てておき、このユニットを分離できる複数の分割体で構成し、前記ユニットに前記杭が挿通可能な開口部を設けておき、前記構築工程では、複数の前記スパン間の上方位置に吊り上げた前記ユニットを下方移動させてその下方に位置する前記ブラケットの上に設置して、前記杭が前記ユニットを上下に貫通した状態とし、前記撤去工程では、前記ユニットをそれぞれ前記分割体に分離して水平方向に移動させて、前記コンクリートが硬化して形成された架設コンクリート構造物の外側に引き出して撤去することを特徴とする。
本発明によれば、複数のスパン間に渡って延在する支保工および底型枠と、仮設足場とを一体化したユニットを予め組み立てておく。そして、構築工程では、そのユニットを杭に固定されているブラケットの上に設置する。これにより、施工水域の水面付近で行う支保工および仮設足場の組み立て、底型枠の設置という煩雑な作業が不要になる。さらに、複数のスパン間に渡って支保工、仮設足場、および底型枠を一括して構築できる。これに伴い、施工水域における支保工、仮設足場、および底型枠の構築に要する作業時間の短縮を図ることができる。さらに、撤去工程では、ユニットを複数の分割体に分離して架設コンクリート構造物の外側に引き出して撤去することで、支保工、仮設足場、および底型枠を少ない工数で撤去できる。それ故、水域において架設コンクリート構造物を効率よく製造できる。
本発明のブラケット設置工程において杭に吊足場を架設した状況を側面視で例示する説明図である。 図1のA−A断面図である。 本発明のブラケット設置工程を完了した状態の施工水域を平面視で例示する説明図である。 本発明の構築工程においてユニットをスパン間の上方位置から下方移動させている状況を断面視で例示する説明図である。 図4のブラケットの上にユニットが設置された状況を平面視で例示する説明図である。 図5のユニットの根太材よりも下側の構造を平面視で例示する説明図である。 図4のブラケットの上にユニットが設置された状況を断面視で例示する説明図である。 本発明のコンクリート打設工程において型枠内にコンクリートを打設した状況を断面視で例示する説明図である。 本発明のコンクリート打設工程において型枠内にコンクリートを打設した状況を別の断面視で例示する説明図である。 本発明の撤去工程において分割体を撤去している状況を平面視で例示する説明図である。 製造された架設コンクリート構造物を断面視で例示する説明図である。
以下、本発明の水域での架設コンクリート構造物の製造方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。図中のX方向は水平方向における架設コンクリート構造物80の延在方向(長手方向)を示し、Y方向は水平方向においてX方向と直交する架設コンクリート構造物80の幅方向を示し、Z方向は上下方向を示している。
本発明では、ブラケット設置工程、構築工程、コンクリート打設工程、および撤去工程を順次行うことにより、架設コンクリート構造物80を製造する。架設コンクリート構造物80としては、海洋や河川、湖などの水域WAに立設されている複数の杭20に架設される桟橋、道路橋桁などを例示できる。施工を行う水域WA(以下、施工水域WAという)に杭20が立設されていない場合には、ブラケット設置工程の前に杭打設工程を行う。
図1に例示するように、杭打設工程では、施工水域WAにX方向に互いに間隔をあけて複数の杭20を打設する。この実施形態では杭20として鋼管杭を打設しているが、杭20は例えば、鋼管コンクリート杭やコンクリート杭などで構成することもできる。それぞれの杭20の上部は、水面WLよりも上方に突出している。杭20は、公知の方法で打設する。
ブラケット設置工程では、施工水域WAに立設されている杭20どうしの複数のスパン間に渡って延在する吊足場30を、陸上や船上などで予め組み立てておく。図1および図2に例示するように、施工水域WAでは、起重機船や陸上のクレーンを用いて、吊足場30を複数のスパン間(この実施形態では2スパン間)の上方位置に吊り上げる。そして、吊足場30を下方移動させて、その下方に位置する複数の杭20の上面に載置して架設する。
吊足場30の具体的な構造を、架設した状態を基準にして説明する。吊足場30は、主桁31、横桁32、支柱33、支持桁34、吊用桁35、足場板36、手摺37、および梯子38を有している。主桁31、横桁32、支柱33、支持桁34、および吊用桁35は例えば、山留鋼材やH形鋼などで構成される。足場板36は例えば、金属製の板状部材や網状部材で構成される。
2本の主桁31がY方向に間隔をあけて、隣り合って配列されたそれぞれの杭20の上面に載置されて、3本の杭20に渡ってX方向に延在している。それぞれの主桁31の上には、X方向に互いに間隔をあけてY方向に延在する6本の横桁32が架け渡された状態で接合されている。それぞれの横桁32の下端部には、Y方向に間隔をあけてZ方向に延在する2本の支柱33の上端部が接合されている。Y方向に隣り合う一対の支柱33の下端部には、それぞれY方向に延在する支持桁34の上端部が接合されている。それぞれの支持桁34は杭20の外周面よりもY方向外側まで延在している。
6本の支持桁34の上に、足場板36が3本の杭20の外側を囲うように敷設されている。足場板36の上には手摺37が設けられていて、手摺37に梯子38を掛けられる構造になっている。図1に例示するように、杭20の近傍に位置する足場板36の一部は着脱可能な着脱パネル36aで構成されている。着脱パネル36aを取外して形成された開口から梯子38を降ろすことで、作業員が梯子38を利用して足場板36よりも下側の水面WL付近で、杭20に対するブラケット21の取付け作業を行える。
主桁31の下端部には、X方向に間隔をあけてY方向に延在する2本の吊用桁35が接合されている。それぞれのスパン間に1本ずつ吊用桁35が配置されている。それぞれの吊用桁35のY方向両端部の上部には、吊足場30を吊り上げる際にクレーンのワイヤロープ60を連結する吊金具35aが設けられている。吊足場30の構造やサイズ、吊足場30を構成する部材の数、部材どうしの接合方法などは施工条件に応じて適宜決定できる。例えば、3スパン間以上に渡って延在する吊足場30にすることもできる。
吊足場30の架設を完了すると、吊足場30での作業者の取付け作業によりそれぞれの杭20にブラケット21を固定する。杭20のY方向における一方側と他方側にそれぞれブラケット21を固定する。ブラケット21は杭20に対して上下方向位置を変更可能に固定しておくことが好ましい。
図1に例示するように、この実施形態では、杭20の外周面にZ方向に延在する金属製の吊材22を溶接で接合し、その吊材22にブラケット21をボルトおよびナットからなる固定金具23で着脱可能に接合している。吊材22にはボルトを嵌める複数の丸孔が形成されている。ブラケット21を構成するZ方向に延在する縦材には、ボルトを嵌める複数の丸孔とZ方向に延在する長孔21aとが形成されている。ブラケット21の丸孔に嵌めているボルトによる固定を解除して、長孔21aに嵌めているボルトによる締め付けを緩めると、長孔21aを利用して杭20に対するブラケット21の固定位置をZ方向に変更できる構造になっている。
ブラケット21の固定位置は施工条件等に応じて適宜決定できるが、この実施形態では、ブラケット21を水面WL付近に固定している。ブラケット21の形状やサイズ、杭20に対するブラケット21の固定方法などはこの実施形態に限定されず、異なる構成にすることもできる。例えば、杭20の外周面にブラケット21を溶接等で直接接合してもよい。
図3に例示するように、ブラケット21の取付け作業が完了した後には、クレーンなどにより吊足場30を吊り上げて施工水域WAから撤去する。以上により、ブラケット設置工程が完了する。このように、吊足場30を使用するとブラケット21の取付け作業を簡易に効率よく行えるが、吊足場30を使用せずに潜水士やボートに乗った作業員などによってブラケット21の取付け作業を行ってもよい。杭20にブラケット21が既に固定されている場合には、ブラケット設置工程を省略することもできる。
次いで、構築工程では、施工水域WAに立設されている杭20どうしの複数のスパン間に、杭20に固定されているブラケット21を介して支保工2、仮設足場12、および型枠13を構築する。支保工2は、杭20に対して型枠13を支持する骨組み体である。仮設足場12は、型枠13の組み立て作業や配筋作業を行う作業員の足場であり、足場板12aと手摺12bを有している。型枠13はコンクリートが打設される枠であり、底面を構成する底型枠14と、側面を構成する側型枠15とを有している。
図4に例示するように、本発明では、複数のスパン間に渡って延在する支保工2および底型枠14と、仮設足場12とを一体化したユニット1を、陸上や船上などで予め組み立てておく。ユニット1は、分離できる複数の分割体1A、1Bで構成する。ユニット1の組み立てはブラケット設置工程を終える前に完了しておくことが好ましいが、ブラケット設置工程を終えた後に行ってもよい。
構築工程では、その予め組み立てておいたユニット1を、クレーンと設置用治具40を用いて、複数のスパン間の上方位置に吊り上げる。そして、ユニット1を下方移動させて、その下方に位置するブラケット21の上に設置する。設置用治具40は、構築工程においてユニット1を吊る際にクレーンのワイヤロープ60とユニット1との間に介在させる吊治具である。
ユニット1の具体的な構造を、ブラケット21の上に設置した状態を基準にして説明する。図5〜図7に例示するように、この実施形態のユニット1は、2スパン間に渡ってX方向に延在している。平面視におけるユニット1の中央部分には杭20が挿通可能な開口部1aが設けられていて、ユニット1のX方向の両端部のY方向中央部分には開口部1aの一部を形成する溝部1bが設けられている。複数のユニット1をX方向に互いに隣接させて設置することで、3スパン間以上に渡って連続する支保工2、底型枠14、および仮設足場12を構築することができる。隣り合う2つのユニット1の溝部1bどうしが合わさると開口部1aが形成される。
図5に例示するように、ユニット1は、X方向に延びて杭20の位置を境界にした分離線SLの一方側の分割体1Aと他方側の分割体1Bとに分離できる構造になっている。図中では、分離線SLを一点鎖線で示している。2つの分割体1A、1Bはそれぞれ、支保工2、底型枠14、および仮設足場12を有していて、それぞれの分割体1A、1Bを構成する支保工2の対向する端部どうしを着脱可能に連結できる構成になっている。
図6および図7に例示するように、支保工2は、主桁3、横桁4、根太材5、吊用桁6、および支持材7を有している。主桁3は、複数のスパン間に渡ってX方向に延在していて、ブラケット21の上に載置される。主桁3は例えば、山留鋼材やH形鋼などで構成される。杭20のY方向における一方側と他方側にそれぞれY方向に互いに間隔をあけて複数の主桁3が配置されている。ブラケット21の上にユニット1を設置する際には、ブラケット21を構成するY方向に延在する横材の上に主桁3を載置し、横材と主桁3とをブルマンからなる固定金具11で固定することで、ユニット1をブラケット21に固定する。この固定金具11の取付け作業は例えば、潜水士などが行う。
横桁4は主桁3の上に固定され、Y方向に延在している。横桁4は例えば、金属製のフレーム材や角形鋼管などで構成される。杭20と杭20との間と、杭20のY方向における一方側と他方側にそれぞれX方向に互いに間隔をあけて複数の横桁4が配置されている。杭20と杭20との間に配置されているそれぞれの横桁4は、分離線SLの位置でボルトおよびナットからなる固定金具4aによって着脱可能に連結された2本の横桁4で構成されている。このユニット1では、固定金具4aによる連結を解除すると、ユニット1が一方側の分割体1Aと他方側の分割体1Bとに分離する。それぞれの横桁4と主桁3はボルトおよびナットからなる固定金具8で接合されている。
根太材5は、横桁4の上に固定され、X方向に延在している。根太材5は例えば、木製の角材や金属製のフレーム材などで構成される。ユニット1のY方向における中央部分の開口部1aおよび溝部1bを避けた位置に複数の根太材5がY方向に互いに間隔をあけて配置されている。それぞれの根太材5と横桁4はなまし鉄線などで接合されている。
吊用桁6は、主桁3の下に固定され、Y方向に延在している。吊用桁6は例えば、山留鋼材やH形鋼などで構成される。それぞれのスパン間の分離線SLを介したY方向における一方側と他方側にそれぞれ吊用桁6が設けられている。それぞれの吊用桁6の外側端部には、ワイヤロープを連結可能な吊金具6aが設けられている。それぞれの吊用桁6と主桁3は、ブルマンからなる固定金具9で接合されている。
支持材7は、後述する後嵌めパネル14aを支持する部材である。支持材7は、例えば、H形鋼や金属製のフレーム材、木製の角材などで構成される。この実施形態の支持材7は、H形鋼とそのH形鋼の上に固定された角材で構成されている。支持材7は、主桁3の上に固定され、Y方向に延在している。杭20の近傍の、分離線SLを介したY方向における一方側と他方側にそれぞれ、複数の支持材7がX方向に互いに間隔をあけて配置されている。それぞれの支持材7と主桁3は、ブルマンからなる固定金具10で固定されている。
この実施形態の底型枠14は、鉄鋼製の板状部材で構成されている。底型枠14は例えば、木製の板状部材などで構成することもできる。図5に例示するように、底型枠14は根太材5の上に固定されていて、底型枠14には開口部1aおよび溝部1bに対応する位置に杭20の外寸よりも大きい開口と溝が形成されている。底型枠14の開口と溝の下にそれぞれ横桁4の一部と支持材7の一部が位置している。底型枠14は、分離線SLの位置でY方向における一方側と他方側とに分割できる構成になっている。
底型枠14のY方向における一方側外側と他方側外側にそれぞれ足場板12aが敷設されている。足場板12aは、例えば、金属製の網状部材や板状部材などで構成される。足場板12aは横桁4の上に固定され、X方向に延在している。足場板12aと横桁4は溶接で接合されている。足場板12aのY方向外側には足場板12aに沿ってX方向に延在する手摺12bが設けられている。手摺12bの支柱の下部は、横桁4の外側端部に固定されている。ユニット1の構造やサイズ、ユニット1を構成する部材の数、部材どうしの接合方法などは施工条件に応じて適宜決定できる。
図4に例示するように、設置用治具40は、X方向に延在する2本の主材とY方向に延在する2本の横材とを格子状に組み合わせた枠体41と、その枠体41およびユニット1を連結する4本のワイヤロープ44とを有している。主材および横材は例えば、山留鋼材やH形鋼などで構成される。枠体41の上部には、X方向とY方向に互いに間隔をあけて4ヶ所に吊金具42が設けられている。枠体41の下部には、平面視において、ユニット1に設けられているそれぞれの吊金具6aと重なる位置に吊金具43が設けられている。
ユニット1の設置作業を行う際には、枠体41の上側の吊金具42にそれぞれクレーンのワイヤロープ60を連結し、枠体41の下側の吊金具43とユニット1の吊金具6aとをそれぞれワイヤロープ44で連結する。ユニット1を吊った上では、それぞれのワイヤロープ44が略鉛直方向に延在した状態になる。
このように、設置用治具40を用いてワイヤロープ44が略鉛直方向に延在した状態でユニット1を吊ると、ユニット1の傾きを抑制できるので、ユニット1を安定した状態で移動させることができる。設置用治具40の使用は任意である。
ユニット1を下方移動させて、その下方に位置するブラケット21の上に設置すると、それぞれの杭20がユニット1を上下に貫通した状態になって、ユニット1はそれぞれの杭20の上端部に固定される。
図5に例示するように、ブラケット21の上にユニット1を設置した後、底型枠14の開口の縁と杭20の外周面との間のすき間に、そのすき間を塞ぐ後嵌めパネル14aを嵌め込み固定する。後嵌めパネル14aは支持材7と横桁3に支持された状態となる。後嵌めパネル14aは、分離線SLの位置でY方向における一方側と他方側とに分割できる構成になっている。
次いで、ユニット1上での作業者の配筋作業により、底型枠14の上に架設コンクリート構造物80を構成する鉄筋を設置する。図中では、鉄筋を省略している。図8および図9に例示するように、配筋作業を完了した後には、底型枠14の上の杭20および鉄筋の外側に側型枠15を設置して、杭20および鉄筋を囲む型枠13を完成させる。以上により、構築工程が完了する。側型枠15の配置や固定方法などは、施工条件に応じて適宜決定できる。
構築工程が完了すると、次いで、型枠13内に現場打ちのコンクリート70を打設するコンクリート打設工程を行う。そして、養生期間を経てコンクリート70が硬化した後に、支保工2、仮設足場12、および型枠13を施工水域WAから撤去する撤去工程を行う。
撤去工程では、仮設足場12にいる作業員が、コンクリート70が硬化して形成された架設コンクリート構造物80から側型枠15を取外す。そして、クレーンなどを用いて側型枠15をユニット1上から撤去する。次いで、クレーンと撤去用治具50を用いてそれぞれの分割体1A、1Bを現在の固定位置で吊った状態にして、クレーンによりそれぞれの分割体1A、1Bの荷重を支持した状態にする。
図10に例示するように、撤去用治具50は、分割体1A(1B)を撤去する際に、クレーンのワイヤロープ60と分割体1A(1B)との間に介在させる吊治具である。撤去用治具50は、X方向に延在する1本の棒状体51と、棒状体51および分割体1A(1B)を接続する2本のワイヤロープ54とを有して構成されている。棒状体51は例えば、山留鋼材やH形鋼などで構成される。棒状体51には、X方向に間隔をあけて2ヶ所にクレーンのワイヤロープ60を連結する吊金具52が設けられている。棒状体51には、さらに、X方向に間隔をあけて2ヶ所にワイヤロープ54の一端部を連結する吊金具53が設けられている。吊金具53どうしのX方向の離間距離は、分割体1A(1B)の吊金具6aどうしのX方向の離間距離と同じ距離に設定されている。
撤去用治具50のワイヤロープ54を分割体1A(1B)の吊金具6aに連結する作業は、仮設足場12で作業する作業員が行う。仮設足場12で作業していた作業員はワイヤロープ54の連結作業を完了すると、撤去対象のユニット1から退避する。
次いで、潜水士などによって、固定金具4aによる横桁4どうしの連結を解除することで、ユニット1を分離線SLの一方側の分割体1Aと他方側の分割体1Bとに分離する。次いで、潜水士などによって、杭20に対してブラケット21を固定している固定金具11のうち、丸孔に嵌め込まれているボルトをブラケット21から取外す。次いで、ブラケット21の長孔21aに挿入されているボルトによる締め付けを緩める。そして、長孔21aを利用してブラケット21の固定位置を下方に移動させる。この際、それぞれの分割体1A、1Bの荷重をクレーンおよび撤去用治具50によって支持しながら、ブラケット21とともにユニット1を下方に移動させる。これにより、架設コンクリート構造物80の下面と底型枠14との間にすき間を形成する。なお、前述したユニット1を複数の分割体1A、1Bに分離する作業と、ブラケット21およびユニット1を下方移動させる作業は作業順を入れ替えてもよい。
次いで、それぞれの分割体1A、1Bをクレーンおよび撤去用治具50を用いて水平方向に牽引して移動させ、それぞれの分割体1A、1Bを架設コンクリート構造物80の外側に引き出して撤去する。一方側の分割体1AはY方向における一方側外側に引き出して撤去し、他方側の分割体1Bは他方側外側に引き出して撤去する。以上により、撤去工程が完了する。
このように、撤去用治具50を用いると、分割体1A(1B)を水平方向に安定して引き出すことができる。撤去用治具50の使用は任意である。分割体1A、1Bを水平方向に牽引する作業は、大型船舶上または陸上に設置したウインチなどをクレーンと併用して行ってもよい。
図11に例示するように、撤去工程が完了すると、架設コンクリート構造物80の製造が完了する。杭20に固定されているブラケット21や吊材22は撤去してもよいし、そのまま残しておいてもよい。その他の複数のスパン間においても同様に架設コンクリート構造物80を製造することで、複数の架設コンクリート構造物80を連続させた構造にできる。
本発明では上述したとおり、予め組み立てておいたユニット1を杭20に固定されているブラケット21の上に設置する。これにより、施工水域WAの水面WL付近で行う支保工2および仮設足場12の組み立て、底型枠14の設置という煩雑な作業が不要になる。さらに、複数のスパン間に渡って支保工2、仮設足場12、および底型枠14を一括して構築できる。これに伴い、施工水域WAにおける支保工2、仮設足場12、および底型枠14の構築に要する作業時間の短縮を図ることができる。
さらに、撤去工程では、ユニット1を複数の分割体1A、1Bに分離して架設コンクリート構造物80の外側に引き出して撤去することで、支保工2、仮設足場12、および底型枠14を少ない工数で撤去できる。それ故、潮位の影響による作業時間の制約や波浪の影響が懸念される施工水域WAにおいても、架設コンクリート構造物80を効率よく製造できる。これに伴い、工期の短縮を図ることができる。
ユニット1は、一度の施工に限らず再使用することも可能である。撤去工程で回収した分割体1A、1Bを陸上や船上で再び連結して一体化することで、簡易に短時間でユニット1を復元できる。それ故、架設コンクリート構造物80の製造に要する作業工数や製造コストを低減するには非常に有益である。
底型枠14を鉄鋼製の板状部材で構成すると、底型枠14が航跡波などの揚圧力によって損傷する不具合をより確実に防ぐことができるので、施工の手戻りを回避するには有利になる。また、底型枠14を木製の板状部材で構成する場合に比して、底型枠14の耐久性が高くなるので、ユニット1を複数回使用する場合にも、底型枠14を新たな部材に交換する頻度を少なくできる。一方で、底型枠14を木製の板状部材で構成すると、ユニット1の軽量化を図れるというメリットがある。
撤去工程において、ユニット1を杭20の位置を境界にした分離線SLの一方側と他方側の2つの分割体1A、1Bに分離する構成にすると、撤去工程に要する作業工数を少なくするには有利になる。ユニット1を再使用する際にも、分割体1A、1Bの連結作業に要する作業工数を少なくできる。
ユニット1を分割する分離線SLの位置やユニット1を構成する分割体の数は、上述した実施形態と異なる構成にすることもできる。例えば、ユニット1を3つ以上の分割体で構成することもできる。ユニット1を3つ以上の分割体で構成すると、ひとつひとつの分割体の小型化や軽量化を図れるというメリットがある。
撤去工程において、ブラケット21の固定位置を移動させずに分割体1A、1Bを水平移動させる構成にしてもよいが、この実施形態のように、分割体1A、1Bを水平移動させる前に、ブラケット21の固定位置を下方に移動させることが好ましい。ブラケット21の固定位置を下げることで、架設コンクリート構造物80の下面と底型枠14との間にすき間を形成することができ、分割体1A、1Bを架設コンクリート構造物80の外側により引き出しやすくなる。
なお、上述した実施形態では、2スパン間に渡って延在するユニット1を例示したが、3スパン以上に渡って延在するユニット1にすることもできる。また、本発明の製造方法は、分離線SLの位置や分割体の数、ユニット1の開口部1aや溝部1bの数や配置などを杭の配置に応じて設定することで、複数の杭20が一直線上に配置されている場合に限らず、複数の杭20が他の配置である場合にも採用することが可能である。
1 ユニット
1a 開口部
1b 溝部
1A、1B 分割体
2 支保工
3 主桁
4 横桁
4a 固定金具
5 根太材
6 吊用桁
6a 吊金具
7 支持材
8〜11 固定金具
12 仮設足場
12a 足場板
12b 手摺
13 型枠
14 底型枠
14a 後嵌めパネル
15 側型枠
20 杭
21 ブラケット
21a 長孔
22 吊材
23 固定金具
30 吊足場
31 主桁
32 横桁
33 支柱
34 支持桁
35 吊用桁
35a 吊金具
36 足場板
36a 着脱パネル
37 手摺
38 梯子
40 設置用治具
41 枠体
42、43 吊金具
44 ワイヤロープ
50 撤去用吊治具
51 棒状体
52、53 吊金具
54 ワイヤロープ
60 (クレーンの)ワイヤロープ
70 コンクリート
80 架設コンクリート構造物
SL 分離線
WA 水域
WL 水面

Claims (5)

  1. 水域に立設されている杭どうしのスパン間に前記杭に固定されているブラケットを介して支保工および型枠を構築する構築工程と、前記杭を囲んで構築された前記型枠内にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、そのコンクリートが硬化した後に、前記支保工および前記型枠を撤去する撤去工程とを行うことにより、前記スパン間に架設される架設コンクリート構造物を製造する水域での架設コンクリート構造物の製造方法において、
    複数の前記スパン間に渡って延在する前記支保工および前記型枠の底面を構成する底型枠と、仮設足場とを一体化したユニットを予め組み立てておき、このユニットを分離できる複数の分割体で構成し、前記ユニットに前記杭が挿通可能な開口部を設けておき、前記構築工程では、複数の前記スパン間の上方位置に吊り上げた前記ユニットを下方移動させてその下方に位置する前記ブラケットの上に設置して、前記杭が前記ユニットを上下に貫通した状態とし、前記撤去工程では、前記ユニットをそれぞれ前記分割体に分離して水平方向に移動させて、前記コンクリートが硬化して形成された架設コンクリート構造物の外側に引き出して撤去することを特徴とする水域での架設コンクリート構造物の製造方法。
  2. 前記底型枠が、鉄鋼製の板状部材である請求項1に記載の水域での架設コンクリート構造物の製造方法。
  3. 前記撤去工程では、前記ユニットを、延在方向に延びて前記杭の位置を境界にした分離線の一方側と他方側の2つの前記分割体に分離し、前記一方側の前記分割体を前記一方側外側に引き出して撤去し、前記他方側の前記分割体を前記他方側外側に引き出して撤去する請求項1または2に記載の水域での架設コンクリート構造物の製造方法。
  4. 前記ブラケットを前記杭に対して上下方向位置を変更可能に固定しておき、前記撤去工程では、前記ブラケットの固定位置を下方に移動させることで、前記ユニットを下方に移動させて、前記架設コンクリート構造物の下面と前記底型枠との間にすき間を形成した後、それぞれの前記分割体を水平方向に移動させる請求項1〜3のいずれかに記載の水域での架設コンクリート構造物の製造方法。
  5. 前記構築工程の前に行うブラケット設置工程では、複数の前記スパン間に渡って延在する吊足場を予め組み立てておき、複数の前記スパン間の上方位置に吊り上げた前記吊足場を下方移動させてその下方に位置する複数の前記杭の上面に載置して架設し、その後、前記吊足場での作業者の取付け作業により前記杭の外周面に前記ブラケットを固定した後、前記吊足場を吊り上げて撤去する請求項1〜4のいずれかに記載の水域での架設コンクリート構造物の製造方法。
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