JP4141303B2 - 耐震パネルの設置構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の耐震パネルの設置構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から建物の鉄骨架構体に作用する地震エネルギーを減衰するために建物の上下梁間に設置される左右柱に、所定の外力が作用すると降伏して塑性変形するエネルギー吸収部を有する耐震パネルを据え付けたものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
このような技術では、地震等による比較的大きな外力によって降伏する場所を予め設定し、その降伏耐力をコントロールすることによりエネルギー吸収量を明確化し、架構体全体の崩壊をくいとめることが出来る。
【0004】
耐震パネルの設置箇所の両端には、予め上下梁に柱を取り付ける孔やアンカーボルト等が設けられており、これ等を利用して柱を梁に緊結した上で耐震パネルを取り付けるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3256025号公報
【特許文献2】
特開平9−273329号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既設建物を増改築するに伴って耐震パネルを新たに設置する場合、耐震パネルの両側に柱を追加し、柱梁接合部近傍に耐震パネル接合部を設けることが一般である。その場合、追加する柱は建物と緊結されている必要があり、耐震パネルを最も追加する可能性の高い建物の1階では、後施工によりコンクリート基礎に柱取り付け用のアンカーボルトを取り付ける必要があった。
【0007】
後施工によりコンクリート基礎に取り付けられたアンカーボルトは、その強度や耐久性等に不安がある。また、後施工によりアンカーボルトをコンクリート基礎に取り付ける場合には、内外壁を広い範囲で取り外す必要があり、工事が大変であった。
【0008】
また、コンクリート基礎の幅が狭い場合、アンカーボルトを通すための下穴を開ける際にコンクリートにクラックが発生する虞もある。また、何らかの部材が干渉してコンクリート基礎にアンカーボルトを取り付けられない場合には、耐震パネルの取付位置が制限される場合もあり、場合によっては増築不可能となる場合もある。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、後施工によりコンクリート基礎にアンカーボルトを追加することなく耐震パネルを取り付けることが出来る耐震パネルの設置構造を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る耐震パネルの設置構造は、建物の鉄骨架構体を構成する上下の梁に接合された1本の柱に対して接合される耐震パネルの設置構造であって、前記耐震パネルは、一端が前記上下の梁のいずれか一方と直接的に接合される第1の竪枠材と、前記柱と前記第1の竪枠材を接続する接続部材とを有し、前記第1の竪枠材と前記接続部材とは前記耐震パネルの水平耐力を決定するエネルギー吸収部を介在して接合され、前記第1の竪枠材の他端が前記上下の梁のうちの他方の梁とは接合されない自由端であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、耐震パネルの接合部は既存の柱と上下の梁の何れかのみとすることが出来、竪枠材の他端が自由端であることから上下梁の一方がコンクリート基礎の場合に該コンクリート基礎にアンカーボルトを取り付けることなく耐震パネルを設置することが出来る。
【0012】
また、前記耐震パネルは、前記接続部材が、前記柱に添えつけて立て付けられ上下梁間に接合される第2の竪枠材と、前記第1、第2の竪枠材間に水平に設置される1或いは複数の連結枠材と、前記連結枠材と前記第2の竪枠材との間に斜めに設置される1或いは複数の斜め枠材とで構成され、前記連結枠材と前記斜め枠材とが連結される連結部と、前記第1の竪枠材との間に、前記エネルギー吸収部を介在して接合される設置構造とすることが出来る。
【0013】
また、前記エネルギー吸収部の材質は、前記耐震パネルの他の構成部材とは別体の極低降伏点鋼材とすることが出来る。
【0014】
また、前記耐震パネルの前記竪枠材の自由端或いはその自由端を含む辺を拘束して該耐震パネルの面外変形を拘束する面外変形拘束部材を自由端側の梁または床部材に設けた場合には、耐震パネルの面外変形を拘束して耐震パネルを効果的に作用させることが出来る。このとき、面外方向に発生する水平力は十分小さいため面外変形拘束部材の自由端側の梁または床部材に対する固定はビス等の簡易なもので良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る耐震パネルの設置構造の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る耐震パネルの設置構造の第1実施形態の構成を示す側面説明図、図2は第1実施形態に使用される面外変形拘束部材の構成を示す側面図及び断面図、図3は面外変形拘束部材の他の構成を示す断面図、図4は梁の弱軸補剛部材の構成を示す図である。
【0016】
先ず、図1〜図4を用いて本発明に係る耐震パネルの設置構造の第1実施形態の構成について説明する。図1において、1,2は建物の鉄骨架構体を構成する上下梁であり、3,4は上下梁1,2に接合される柱である。一方の柱3には耐震パネル6が添え付けて立て付けられ、該耐震パネル6は上下梁1,2間に設置されている。
【0017】
耐震パネル6は2本の竪枠材7,8を有し、該竪枠材7,8間には2本の連結枠材9が略水平に設置されている。連結枠材9と竪枠材7との間には複数の斜め枠材10が斜めに設置されている。
【0018】
竪枠材7は柱3に添え付けられ、上下梁1,2間に接合されている。竪枠材7と各連結枠材9及び斜め枠材10は何れも角型鋼管で形成されており、直接、或いは連結部材11を介して溶接等により一体的に組み立てられ、トラスを形成している。また、前記連結枠材9が連結部材11から突出した部分がエネルギー吸収部5となっている。
【0019】
竪枠材8は上端8aが上梁1に接合され、下端8bは下梁2上に敷設されるALC(軽量気泡コンクリート)床パネル12の上面よりも高い位置に配置される。そして、エネルギー吸収部5と竪枠材8を高力ボルトにて接合することによって耐震パネル6が形成されている。
【0020】
建物が地震等によって水平力を受けると、耐震パネル6は従来のブレース等の耐震要素同様に水平力を負担する。その際、前記トラスがエネルギー吸収部5に比して高強度となるようにし、水平力が所定値を超えた場合に、エネルギー吸収部5が水平力のエネルギーを吸収し、最初に降伏するように設計することが出来る。
【0021】
そのために、竪枠材7,8、連結枠材9、斜め枠材10及び連結部材11は所定の断面と降伏点の高い鋼材を使用して所定の強度を有して構成されており、エネルギー吸収部5は、耐震パネル6全体よりも断面が小さい鋼材や降伏点が低い鋼材等の耐震パネル6の他の構成部材とは別体の極低降伏点鋼材が使用される。
【0022】
耐震パネル6の水平耐力はエネルギー吸収部5の強度によって決定されるため、該エネルギー吸収部5の強度を調整することによって耐震パネル6の水平耐力の設定を変更することが出来る。
【0023】
本実施形態では、エネルギー吸収部5の強度の設定により前述した特許文献1、2に記載された耐震パネルと同一の幅で、同等の水平耐力を得ることが出来るので耐震パネル6の配置による影響を受け難い、自由度の高い増改築を行うことが出来る。
【0024】
尚、本実施例では連結枠材9の端部をエネルギー吸収部5として設計しているが、竪枠材8のうち、上部の連結枠材9との接合部から下の部分をエネルギー吸収部5として設計し、水平力が所定値を超えた場合に最初に降伏するようにすることも出来る。
【0025】
また、前記実施形態では、2本の連結枠材9を有した耐震パネル6の一例について説明したが、該連結枠材9は耐震パネル6の必要とされる耐力に応じて1本としたり、或いは3本以上とすることが出来る。
【0026】
また、前記実施形態では、耐震パネル6の躯体を竪枠材7,8間に水平に設置される連結枠材9と、該連結枠材9と竪枠材7との間に斜めに設置される複数の斜め枠材10とにより構成したが、連結枠材9や斜め枠材10の代わりに、上下梁1,2間及び竪枠材7,8間に三角形や台形等で構成される補剛パネルを溶接やボルト止め等により一体的に連結し、その補剛パネルと竪枠材8との間にエネルギー吸収部5を介在して設置することでも良い。
【0027】
床部材となるALC床パネル12上で竪枠材8の下端8bが対応する位置には、図2に示すように、竪枠材8の断面寸法に応じた断面U字形状の面外変形拘束部材13の水平片13bがビス14により固定されている。
【0028】
面外変形拘束部材13はその一対の起立片13aが竪枠材8の両側面に沿って配置されており、建物の水平方向の揺れに応じて発生する耐震パネル6の面外変形を拘束する。面外変形拘束部材13の起立片13aの軸方向(図2(a)の左右方向)の寸法は建物の揺れによる耐震パネル6の水平方向の移動寸法に応じて適宜設定される。
【0029】
このとき、耐震パネル6の面外方向に発生する水平力は十分小さいため、面外変形拘束部材13の自由端側の梁または床部材に対する固定はビス等の簡易なもので良い。
【0030】
尚、本実施形態では、面外変形拘束部材13をALC床パネル12に固定した場合の一例について説明したが、下梁2にコンクリートビス等の簡易な係止部材を用いて面外変形拘束部材13を固定しても良い。
【0031】
上梁1のウエブ面には、図4(a),(b)に示すように、断面ハット形状の弱軸補剛部材16がボルト止めや溶接等により緊結されており、これにより、耐震パネル6の竪枠材8から軸力(圧縮力)を受けた場合、上梁1に横座屈(鉛直方向の力による上梁1の水平方向の座屈)が生じ難くなり、その結果、耐震パネル6を効果的に作用させることが出来る。
【0032】
図3(a),(b)は面外変形拘束部材13の他の構成を示す図である。図3(a)に示す面外変形拘束部材13は断面T字形状で構成されており、水平片13bがビス14によりALC床パネル12に固定されている。一方、自由端となる竪枠材8の下端8bにはスリット8cが形成されており、該スリット8cが面外変形拘束部材13の起立片13aに嵌装されて配置され、これにより耐震パネル6の面外変形を拘束する。
【0033】
また、図3(b)に示す面外変形拘束部材13は断面L字形状の一対の部材の起立片13aを背中合わせにして水平片13bがビス14によりALC床パネル12に固定されており、自由端となる竪枠材8の下端8bが一対の起立片13aの間に嵌挿されて配置され、これにより耐震パネル6の面外変形を拘束する。
【0034】
図5及び図6は梁の弱軸補剛部材16の他の構成を示す図である。図5(a),(b)に示す梁の弱軸補剛部材16は一対の断面Z字形状の弱軸補強鋼材16が上梁1のウエブ面に向かい合わせでボルト止めや溶接等により緊結されており、図6(a),(b)に示す梁の弱軸補剛部材16は一対の断面L字形状の弱軸補強鋼材16が上梁1の上下フランジ面に向かい合わせでボルト止めや溶接等により緊結されている。
【0035】
このような梁の弱軸補剛部材16でも前述と同様に、耐震パネル6の竪枠材8から軸力(圧縮力)を受けた場合、上梁1に横座屈(鉛直方向の力による上梁1の水平方向の座屈)が生じ難くなり、その結果、耐震パネル6を効果的に作用させることが出来る。尚、梁の弱軸補剛部材16は前記各実施形態の断面形状や配置構成に限定されるものではなく、耐震パネル6の竪枠材8の上端8aが取り付けられる部位を含む上梁1と一体となり該上梁1の弱軸方向の剛性を向上し得るものであれば良い。
【0036】
尚、前記実施形態では、竪枠材8の下端8bを自由端としたが、他の実施形態として、竪枠材8の上端8aを自由端として面外変形拘束部材13を上梁1に取り付けて耐震パネル6の面外変形を拘束するように構成することも出来る。
【0037】
次に図7を用いて本発明に係る耐震パネルの設置構造の第2実施形態の構成について説明する。図7は本発明に係る耐震パネルの設置構造の第2実施形態の構成を説明する側面図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図7において、本実施形態では、上端が上梁に接合された竪枠材8の下端8bが下梁2に接合されない自由端で構成され、更に前記第1実施形態よりも高い位置に設定されてエネルギー吸収部5を介在して連結部材11に接合されている。また、本実施形態では第1実施形態のような面外変形拘束部材13を省略している。
【0039】
また、本実施形態でも前記第1実施形態と同様に図4〜図6に示すような弱軸補剛部材16を上梁1に適宜緊結することが出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0040】
次に図8を用いて本発明に係る耐震パネルの設置構造の第3実施形態の構成について説明する。図8は本発明に係る耐震パネルの設置構造の第3実施形態の構成を説明する側面図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
図8において、本実施形態では、図7に示して前述した第2実施形態の耐震パネル6を建物の1階と2階に連続して、該1階の上梁1について線対称になるように設置したものである。
【0042】
1階の耐震パネル6は図7に示して前述した第2実施形態の耐震パネル6と同様に取り付けられる。2階の柱3も2階の上下梁15,1間に接合され、2階の耐震パネル6の竪枠材7も2階の柱3に添え付けて立て付けられ、2階の上下梁15,1間に接合される。2階の耐震パネル6の竪枠材8の下端8bは2階の下梁(1階の上梁)1に接合され、該竪枠材8の上端8aが2階の上梁15に接合されない自由端として構成されている。
【0043】
通常、1階の上梁1と、2階の上梁15とを比較した場合、1階の上梁1の方に断面が大きく剛性の高い梁を使用するのが一般であるが、本実施形態のように、2階の耐震パネル6の竪枠材8の接合端部側(下端8b)を剛性の高い1階の上梁1側に接合したことで2階の耐震パネル6をより効果的に作用させることが出来る。
【0044】
また、本実施形態でも前記第1実施形態と同様に図4〜図6に示すような弱軸補剛部材16を1階及び2階の上梁1に適宜緊結することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0045】
尚、本実施形態でも、前記第1実施形態と同様に、1階の竪枠材8の下端8b及び2階の竪枠材8の上端8aを自由端として面外変形拘束部材13を1階のALC床パネル12に取り付けると共に、別の面外変形拘束部材13を2階の上梁15に取り付けて1、2階の耐震パネル6の面外変形を拘束するように構成することも出来る。
【0046】
尚、本発明に係る耐震パネルの設置構造は、建物の1階、2階に限定するものではなく、3階4階等の上階層にも適宜設置出来るものである。
【0047】
次に図9を用いて本発明に係る耐震パネルの設置構造の第4実施形態の構成について説明する。図9は本発明に係る耐震パネルの設置構造の第4実施形態の構成を説明する側面図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
本実施形態では、図9に示すように、竪枠材8の上端8aが上梁1に接合され、該竪枠材8の下端8bが自由端となっている。そして、柱3と竪枠材8の接続部材である斜め枠材10はエネルギー吸収部5を介在して竪枠材8に接合されている。各部材は、所定の値を超える水平力を受けた場合に該エネルギー吸収部5が最初に降伏するように設計することが出来る。
【0049】
本実施形態でも、耐震パネル6と接合している梁は上梁1のみであり、コンクリート基礎にアンカーボルトを取り付ける必要はない。また、エネルギー吸収部5の強度を調整することで耐震パネル6の水平耐力の設定を変更することが出来る。
【0050】
更に、前記第1実施形態と同様に、図4〜図6に示すような弱軸補剛材16を上梁1に適宜緊結することが出来、同様の効果を得ることが出来る。
【0051】
また、本実施形態では竪枠材8の下端8bにエネルギー吸収部5を接続した一例について説明したが、竪枠材8の一部(中間部等)にエネルギー吸収部5を接続しても良い。
【0052】
また、本実施形態では、エネルギー吸収部5と柱3とを接続する接続部材を斜め枠材10で構成した場合の一例について説明したが、この接続部材はどのような構造、或いは配置構成であっても良く、竪枠材8のように垂下した部材を含んだり面材等であっても良い。
【0053】
前記第1〜第4実施形態においても、エネルギー吸収部5を他の耐震パネル6の構成部材と別体として、その材質を、一般の鋼材に比してエネルギー吸収量の大きい極低降伏点鋼材とすることが出来る。
【0054】
これにより、耐震パネル6の有する水平耐力の設定可能範囲が更に拡大し、構造設計の自由度を更に増すことが出来る。また、エネルギー吸収部5の接合方法を高力ボルト接合等のボルト接合とすることで、大きな地震力を受けた場合にも容易に新しいものに交換が出来、耐震パネル6の性能を初期の性能に容易に回復することが出来る。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、請求項1に記載の発明によれば、耐震パネルの接合部は既存の柱と上下の梁の何れかのみとすることが出来、竪枠材の他端が自由端であることから上下梁の一方がコンクリート基礎の場合に該コンクリート基礎にアンカーボルトを取り付けることなく耐震パネルを設置することが出来る。
【0056】
また、請求項2に記載の発明によれば、耐震パネルの2本の竪枠材の一方を既存の柱に添え付けて立て付け、その上下梁間に接合することが出来る。他方の竪枠材はその一端を上下何れかの梁に接合することが出来、その竪枠材の他端は自由端とすることが出来る。
【0057】
これにより、既設建物の増改築時の構造上の不安要素である基礎コンクリートへのアンカーボルトの後施工を無くし、鉄骨部材との接合のみで耐震パネルを設置出来るので構造性能が安定する。
【0058】
また、耐震パネルを設置するために内装を撤去する等の工事範囲が狭く出来るので施工性に優れ、工期を短縮することが出来る。
【0059】
また、エネルギー吸収部の強度の設定により前述した特許文献1、2に記載の耐震パネルと同一の幅で同等の水平耐力を得ることが出来るので、耐震パネルの配置の影響を受け難く、自由度の高い増改築を行うことが出来る。
【0060】
また、耐震パネルの竪枠材の自由端、或いはその自由端を含む辺を拘束して該耐震パネルの面外変形を拘束する面外変形拘束部材を自由端側の梁または床部材に設けた場合には、耐震パネルの面外変形を拘束して耐震パネルを効果的に作用させることが出来る。
【0061】
更に、エネルギー吸収部の材質を他の耐震パネルの構成部材とは別体の極低降伏点鋼として接合方法をボルト接合とすることで、耐震パネルの有する水平耐力の設定可能範囲が更に拡大し、構造設計の自由度を更に増すことが出来ると共に、大きな地震力を受けた場合にも容易に新しいものに交換が出来、耐震パネルの性能を初期の性能に容易に回復することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐震パネルの設置構造の第1実施形態の構成を示す側面説明図である。
【図2】 第1実施形態に使用される面外変形拘束部材の構成を示す側面図及び断面図である。
【図3】 面外変形拘束部材の他の構成を示す断面図である。
【図4】 (a),(b)は梁の弱軸補剛部材の構成を示す正面図及び断面図である。
【図5】 (a),(b)は梁の弱軸補剛部材の他の構成を示す正面図及び断面図である。
【図6】 (a),(b)は梁の弱軸補剛部材の他の構成を示す正面図及び断面図である。
【図7】 本発明に係る耐震パネルの設置構造の第2実施形態の構成を説明する側面図である。
【図8】 本発明に係る耐震パネルの設置構造の第3実施形態の構成を説明する側面図である。
【図9】 本発明に係る耐震パネルの設置構造の第4実施形態の構成を説明する側面図である。
【符号の説明】
1,2…上下梁
3,4…柱
5…エネルギー吸収部
6…耐震パネル
7,8…竪枠材
8a,8b…上下端
8c…スリット
9…連結枠材
10…斜め枠材
11…連結部材
12…ALC床パネル
13…面外変形拘束部材
13a…起立片
13b…水平片
14…ビス
15…2階の上梁
16…弱軸補強鋼材
Claims (4)
- 建物の鉄骨架構体を構成する上下の梁に接合された1本の柱に対して接合される耐震パネルの設置構造であって、
前記耐震パネルは、一端が前記上下の梁のいずれか一方と直接的に接合される第1の竪枠材と、前記柱と前記第1の竪枠材を接続する接続部材とを有し、前記第1の竪枠材と前記接続部材とは前記耐震パネルの水平耐力を決定するエネルギー吸収部を介在して接合され、前記第1の竪枠材の他端が前記上下の梁のうちの他方の梁とは接合されない自由端であることを特徴とする耐震パネルの設置構造。 - 前記耐震パネルの接続部材が、前記柱に添えつけて立て付けられ上下梁間に接合される第2の竪枠材と、前記第1、第2の竪枠材間に水平に設置される少なくとも1本の連結枠材と、前記連結枠材と前記第2の竪枠材との間に斜めに設置される斜め枠材とで構成され、前記連結枠材と前記斜め枠材とが連結される連結部と、前記第1の竪枠材との間に、前記エネルギー吸収部を介在して接合されることを特徴とする請求項1に記載の耐震パネルの設置構造。
- 前記エネルギー吸収部が、前記耐震パネルの他の構成部材とは別体の極低降伏点鋼材からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐震パネルの設置構造。
- 前記耐震パネルの前記竪枠材の自由端或いはその自由端を含む辺を拘束して該耐震パネルの面外変形を拘束する面外変形拘束部材を自由端側の梁または床部材に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐震パネルの設置構造。
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