JP2740876B2 - 張弦梁屋根構造の施工法 - Google Patents

張弦梁屋根構造の施工法

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JP2740876B2 JP23122589A JP23122589A JP2740876B2 JP 2740876 B2 JP2740876 B2 JP 2740876B2 JP 23122589 A JP23122589 A JP 23122589A JP 23122589 A JP23122589 A JP 23122589A JP 2740876 B2 JP2740876 B2 JP 2740876B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、弦材を緊張することで所定応力が導入さ
れる張弦梁屋根構造の施工法に関する。
「従来の技術」 長大スパン構造の屋根の架構形式の1つとして、張弦
梁構造があり、その施工法の一例として本発明者らは先
に、特公平6−56034号明細書あるいは特公平7−49684
号明細書などにおいて提案を行っている。
前記明細書に記載した張弦梁屋根の一構造例は、第17
図と第18図に示すものである。
第17図と第18図に示す構造の屋根Aは、複数の大梁1
を環状のリングガーダ2の外周部にリングガーダ2を中
心として放射状に接合し、隣接する各大梁1の間に複数
の小梁とブレースを接合してトラス屋根を構成するとと
もに、各大梁1の先端部1aとリングガーダ2の底部のテ
ンションリング2aとの間に弦材3を張設して所定応力を
導入してなる構成であって、各大梁1の先端部1aを別途
に構築した側壁部5によって支持してなる構造となって
いる。なお、第17図において符号7は側壁部5の内側に
形成された客席部を示す。
そして、このような構造の屋根Aを備えた建築物を構
築するには、例えば、第19図ないし第21図に示す手順で
行う。
まず、第19図に示すようにクレーンによって建築物の
側壁部5の鉄骨建方を行うとともに、建築物の略中央に
リングガーダ用の構台6を組み立て、次いで第20図に示
すように構台6に支持させてリングガーダ2を組み立て
る。このリングガーダ2は例えば平面長円形状のもの
で、その底部にはテンションリング2aが形成されてい
る。
次に、側壁部5の鉄骨に鉄筋コンクリートの躯体工事
を施すとともに、側壁部5の上端部とリングガーダ2と
の間に大梁1…を順次クレーンによって架設して側面円
弧状かつ平面長円形状に組み立て、小梁やブレースなど
も取り付けてトラス屋根を形成する。次いで、大梁1…
の各先端部1aとリングガーダ2の底部のテンションリン
グ2aとの間に弦材3を第21図に示すように取り付ける。
続いて弦材3を緊張することで、組み立てたトラス屋根
に張力を導入し、トラス屋根を自立させることで第17図
に示すように張弦梁屋根Aを完成させ、構台6は撤去す
る。
また、張力の導入後には、屋根仕上工事などを行い、
工事完了とする。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、前記構造の張弦梁屋根Aは、大梁1…に小
梁とブレースなどの2次部材を接合したトラス構造とな
るが、この張弦梁屋根を構築する場合、大梁1…と2次
部材を全て組み立てて相互に本固定した後に弦材3に張
力を導入した場合、以下に示す問題を生じるおそれがあ
った。
大梁1…に作用するはずの応力の一部が2次部材側に
流れて付加される結果、大梁1…に所定の応力が発生し
なくなり、大梁1…の所定の耐力が低下するおそれがあ
る。
前述のように大梁1…と2次部材に設計外の応力が作
用するので、張力の導入を行っても張弦梁屋根が設計ど
うりの変形を起こさなくなり、所望の形状が得られなく
なるおそれがある。
張力の一部が2次部材側に流れる結果、張力の導入に
よって2次部材が座屈するおそれがある。
張力導入によって2次部材に設計外の応力が作用する
と、2次部材の耐力が低下するおそれがある。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
張弦梁屋根を構築する場合において、弦材に張力を導入
することにより大梁に設計どうりの応力を発生させて所
定の耐力を確保することができ、張力導入後に所定の形
状を得ることができるとともに、2次部材の座屈を防止
でき、設計どうりの張弦梁屋根を構築できる施工法の提
供を目的とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は前記課題を解決するために、環状のリングガ
ーダの外周部にリングガーダを中心として外方に向けて
複数の大梁が接合され、隣接する各大梁の間に複数の小
梁とブレースなどの2次部材が接合されてトラス屋根が
構成されるとともに、各大梁の先端部とリングガーダの
底部との間に弦材を張設してトラス屋根に所定応力が導
入されてなる張弦梁屋根を構築する施工法において、前
記トラス屋根をその周方向に複数に分割してなる大きさ
であって、複数本の大梁と2次部材とを接合してなる分
割屋根材を複数組み立て、これらの分割屋根材を間隔を
あけてリングガーダの外周部に固定し、その後、リング
ガーダの周方向に隣接する分割屋根材の大梁の間の間隔
に2次部材を大梁に対して相対摺動自在に仮止めして応
力解除ゾーンを形成するとともにトラス屋根と略同一形
状の屋根構成体を形成し、次いで、リングガーダの底部
と大梁の先端部との間に設けられた弦材を緊張して屋根
構成体に所定の応力を導入し、2次部材に流れようとす
る力を前記応力解除ゾーンで解除するとともに、張力導
入後に前記仮止めしておいた2次部材を大梁に本固定す
るものである。
「作用」 隣接する分割屋根材の間に設けた2次部材を各大梁に
対して相対摺動自在に仮止めするので、弦材に張力が導
入された場合、2次部材は摺動して張力から逃れ、張力
は大梁に導入される。この結果、大梁に所定の応力が導
入されるとともに、小梁やブレースなどの2次部材に対
する不要な力の付加が防止される。
また、分割屋根材を間欠的にリングガーダに接合する
ので、1スパンおきに応力解除ゾーンが形成される結
果、1つの応力解除ゾーンあたりの変形量を小さくする
ことができ、相対摺動させる2次部材の設計及び施工が
容易になる。
「実施例」 第1図ないし第5図は、本発明方法を実施して張弦梁
屋根を構築する順序を説明するためのもので、第6図な
いし第13図は本発明方法を適用して構築された長円形状
の張弦梁屋根の一例を示すものである。
ここで張弦梁屋根を構築する場合、第19図ないし第21
図を基に説明した方法と同様に、建築現場でクレーンに
よって建築物の側壁部5の鉄骨建方を行うとともに、建
築物の略中央にリングガーダ用の構台6を組み立て、次
いで第20図に示すように構台6に支持させてリングガー
ダ2を組み立て、このリングガーダ2を基本として施工
を開始する。
なお、前記リングガーダ2は、第6図ないし第9図に
示すように、底部のテンションリング2aと上部のコンプ
レッションリング2b,2bとを鋼材で接合してなり、テン
ションリング2aは、一対の直線状の鋼材からなる並列部
2Aと、並列部2A,2Aに接合された半円状の放射部2Bとか
らなる平面長円形状に形成され、並列部2Aは複数本の切
梁2Dで補強されている。また、コンプレッションリング
2bもテンションリング2aと同様に並列部2A′,2A′と放
射部2B′とから構成され、切梁2D′で補強されている。
また、この発明の施工法によって構築される張弦梁構
造の屋根Bは、第6図ないし第13図に示す構造となって
いる。
この実施例の屋根Bは、中央部に長円形状のリングガ
ーダ2が配置され、このリングガーダ2の上部周囲に放
射状に大梁1…が接合されている。リングガーダ2の各
並列部2A′には、6本の大梁が等間隔で接合されるとと
もに、各放射部2B′には11本の大梁1が等間隔で接合さ
れていて、各並列部2A′に接合された各大梁1の間の間
隔が等しくなるように、かつ、各放射部2B′に接合され
た各大梁1の間隔が等しくなるように接合され、屋根荷
重を大梁1…でほぼ均等に支持できるように構成されて
いる。
各大梁1は、第9図と第10図に示すように、上弦材1A
と下弦材1Bとラチス材1Cとからなるラチス梁構造をな
し、先端部1aの下弦材1Bに固着されたブラケット13にワ
イヤロープなどからなる弦材3を接合できるようになっ
ている。
また、隣接する大梁1,1の間には、第13図に示すよう
に、大梁1,1の上弦材1Aを接合した小梁15と、隣接する
大梁1,1の下弦材1Bを接合したアーチ型の小梁16とが設
けられ、大梁1,1の間には上弦材1A,1Aに接合されたブレ
ース17が複数設けられている。なお、大梁1と小梁15と
ブレース17の詳細な配置は第6図に示すように、大梁1
と小梁16の詳細な配置は第7図に示すようになってい
る。
一方、各小梁15,16および各ブレース17と各大梁1と
が接合される部分の構造は、第14図ないし第16図を基に
以下に説明するルーズホール構造になっている。
即ち、各接合部分は、ボルト18…による接合構造にな
っているが、ボルト18を挿通するための透孔19が各々ボ
ルト18の外径よりも数割程度大きな内径に形成されてい
る。即ち、ボルト18の半径よりも第14図に示すようにΔ
/2だけ大きな半径の透孔19が、ボルト18で接合される板
状の母材20と接合材21に形成されている。ここで母材20
は大梁1に接合された接合用のブラケット状の板材を示
し、接合材21は前記小梁15,16の接合部分あるいはブレ
ース17の端部の接合部分を示す。
以上のように構成することで、ボルト18の締め付け力
を弱くして相対摺動自在なように両部材を仮止めしてお
くと、第15図に示すように、ボルト18で仮止めした接合
材21は母材20に対して相対的に摺動して距離Δだけ移動
できるようになっている。
なおこの例では、各透孔19の外径をボルト18の外径よ
り大きなものに形成しているが、透孔19を長孔状とし、
この透孔を接合材21の移動方向に沿うように母材20と接
合材21に形成しても良い。
ここで以下に前記のように構成される張弦梁構造の屋
根Bの施工手順について説明する。
施工開始にあたり、まず、建築現場における地組みな
どの手段によって第1図に示すように分割屋根材25,26
を形成する。この実施例の場合、分割屋根材25はリング
ガーダ2の並列部2A′に取り付けるための梯子状のもの
で、分割屋根材26はリングガーダ2の放射部2B′に取り
付けるための末広がりの梯子状のものである。なお、第
1図ないし第5図において、各図の(a)は分割屋根材
25,26の上弦面を示し、各図の(b)は分割屋根材25,26
の下弦面を示している。
分割屋根材25は、一対の平行な大梁1,1の間に小梁15,
16をボルト止めあるいは溶接により本固定するととも
に、それらの間に設けるブレース17の固定部分に前述の
ルーズホール構造を採用し、ブレース17…を固定するボ
ルト18…を全て緩く締め付けて相対摺動自在に仮止めし
て構成されている。また、分割屋根材26は、先端部にゆ
くにつれて広がるように対向させた一対の大梁1,1の間
に小梁15,16をボルト止めあるいは溶接により本固定す
るとともに、それらの間に設けるブレース17…の固定部
分に前記ルーズホール構造を採用し、ブレース17…を固
定するボルト18…を全て緩く締め付けて相対摺動自在に
仮止めしておく。なお、この仮止めしたブレース17…を
図面では鎖線で示している。
これらの分割屋根材25,26を必要個数地組みしたなら
ば、各々をクレーンなどの揚重機によって吊り上げ、第
2図に示すように、各分割屋根材25をリングガーダ2の
並列部2A′に等間隔で、しかも、隣接する分割屋根材2
5,25の間に分割屋根材25の幅に相当する間隔があくよう
に接合し、更に、各分割屋根材26をリングガーダ2の放
射部2B′に等間隔で、しかも、隣接する分割屋根材26,2
6の間に分割屋根材25の幅に相当する間隔があくように
接合する。
この接合の際に、各分割屋根材25,26は第25図におい
て説明した場合と同様に構台6上のリングガーダ2に一
端をボルト止めあるいは溶接で本固定し、他端側は側壁
部5に支持させる。
第2図に示すようにリングガーダ2の全周に分割屋根
材25,26を間欠的に接合して固定したならば、分割屋根
材25,25の間にあけられている間隔と、分割屋根材26,26
の間にあけられている間隔と、分割屋根材25,26の間に
あけられている間隔に小梁15…,16…とブレース17…の
取り付けを第3図に示すように行う。第3図において鎖
線で示す部分が仮止めした部材を表している。
即ち、この取り付け作業においては、分割屋根材26の
両側の部分の総ての小梁15,16と、総てのブレース17の
接合部分にルーズホール構造を採用し、これらの部材を
取り付けるボルトを緩く締め付けておく。なお、分割屋
根材25,25の間の小梁15,16は溶接あるいはボルト止めな
どの方法で本固定する。このように仮止めした部分のう
ち、分割屋根材26の両側の部分は、応力解除ゾーンZと
なる。
以上の仮止め作業が終了した時点で屋根の骨組みは形
状的にはほぼ完成し、目的の屋根Bとほぼ同一形状の屋
根構成体Cが形成される。
次に前記屋根構成体Cにおいて、各大梁1…に設けた
ブラケット13とテンションリング2aとに連結されている
弦材3…の各々に張力を加える。弦材3…に張力を加え
る場合、総ての弦材3…に同時に張力を加えることが好
ましい。このためには、テンションリング2aの各弦材3
の固定部分のそれぞれに、ジャッキ装置などの牽引装置
を固定し、総てジャッキ装置を同時に作動させることで
総ての弦材3…に同時に張力を導入することができる。
総ての弦材3に同時に張力を導入することで総ての大
梁に関し所定の応力が導入されて屋根構成体Cは構台6
から離れて自立する。
以上のように張力を導入した場合、大梁1…に張力が
付加されると同時に、張力の一部が小梁15…,16…ある
いはブレース17…に流れて付加されるが、これらの部材
の多くは前述のルーズホール構造により大梁1…に対し
て相対摺動自在に仮止めされているので、小梁15,16と
ブレース17は張力の付加に応じて発生する力から逃れる
ように摺動する。従って導入した応力は各応力解除ゾー
ンZと仮止めした部分の小梁15…,16…とブレース17…
などの2次部材に付加されることなく十分に大梁1…に
導入される。
また、リングガーダ2の並列部2Aに個々に平行に取り
付けられている分割屋根材25と、リングガーダ2の放射
部2Bに放射状に取り付けられている分割屋根材26との境
界部分に応力解除ゾーンZが設けられているので、張力
の導入時、平行に設けられている大梁1…と放射状に設
けられている大梁1…とが分断される結果、放射状部分
での特性であるリング効果による拘束力が弱まり、逆に
大梁1り拘束効果が強まることにより、導入した応力が
十分に大梁1…に導入される。
なお、前記のように屋根構成体Cが自立したので、構
台6を分解して撤去することができる。構台6を撤去し
たことで屋根構成体Cの下面側は自由な状態となるの
で、屋根構成体Cの下面側に必要な仕上工事などを屋根
工事と並行して施工できる。
前記張力の導入作業が終了したならば、次に、コンプ
レッションリング2bの並列部2A′に接合された大梁1…
に前記の如く仮止めされていた小梁15…,16…とブレー
ス17…の各ボルト18を締め付けて本固定する。また、コ
ンプレッションリングの放射部2Bに接合された大梁1…
に前記の如く仮止めされていた小梁16…のうち、最外周
の2本の小梁16…を除く他の小梁16…のボルト18…を締
め付けてこれらを第4図の実線に示すように本固定す
る。
次いで第5図に示すように、仮止めしていた残りの小
梁15…,16…とブレース17…などの2次部材を本固定
し、屋根Bを形成する。
なお、張力導入後に仕上工事を行う場合、第5図に示
すように本固定する前に、並列部2A′に接合された大梁
1…のまわりの部分、および、応力解除ゾーンZ以外の
仕上工事を先行して行う。そして、応力解除ゾーンZの
仕上工事は以下に説明するプレロード状態で行う。
即ち、前記応力解除ゾーンZに相当する部分に最終的
に取り付けるべき仕上材の重量相当の物を応力解除ゾー
ンの両脇の境界部分(分割屋根材26の両脇部分)に各々
載置し、応力解除ゾーンZに仕上工事完成時と同等の応
力を付加したプレロード状態とする。このプレロード状
態とした後に応力解除ゾーンZで仮止めされているボル
ト18…を本締めして小梁15…とブレース17…を本固定す
る。
以上のように予め仕上工事で最終的に取り付ける分と
同等の重量物を応力解除ゾーンの周囲に設置したプレロ
ード状態として小梁15…とブレース17…の本固定を行う
ことで、仮固定していたこれらの2次部材を応力解除ゾ
ーンZの仕上状態と同等の応力付加状態にして本固定す
ることができる。
以上のようにすることでこれらのボルトの早期本固定
作業を実施することができ、施工時間を短縮できる効果
がある。
なお、応力解除ゾーンZに荷重をかける方法として
は、一般に、水、砂などをつめた小袋または固形物を仮
置きする方法、あるいは、仕上材としてALC板を用いる
場合は、ALC板を応力解除ゾーンZの両脇に積み重ねて
載置するなどの方法をとることができる。
前記のような本固定作業が終了したならば、残りの仮
止め部分を本固定し、防水工事、銅版貼り付け工事、天
井工事などを行い、架設作業台などを撤去して工事完了
とすることができる。
以上説明した方法により張弦梁構成の屋根Bを構築す
るならば、2次部材に流れようとする張力を2次部材を
摺動させて解除し、大梁1…に設計どうりの応力を導入
できるので、大梁に所望の耐力を発揮させることができ
るとともに、設計どうりに大梁を変形させることがで
き、所望の形状の屋根Bを構築できる。
また、2次部材に無用な力がかからないので、2次部
材が座屈するおそれがないとともに、2次部材の施工後
の耐力低下を防止できる。
ところで前記実施例では、屋根構成体25,26を全て間
欠的に配置し、屋根構成体26の両側に各々応力解除ゾー
ンZを設けたが、応力解除ゾーンZはコンプレッション
リング2bの並列部2A′と放射部2B′の境界部分及びコン
プレッションリング2aの隣接部に設けることが最も重要
である。従ってこの他の部分に設ける応力解除ゾーンZ
は設計に余裕がある場合は少なくしても差し支えない。
なお、小梁16には第13図(b)に示すように弦材16Aを
金具16B、16cにより取り付けて補強しておいても良い。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、弦材による張力の導入
時に、小梁やブレースなどの2次部材側に流れようとす
る力を大梁に対する2次部材の摺動により解除するの
で、大梁に設計どうりの力を導入することができ、設計
どうりの耐力と設計どうりの形状の張弦梁構造の屋根を
構築できる効果がある。また、2次部材に無用な力がか
からないので、2次部材が座屈するおそれがないととも
に、2次部材の施工後の耐力低下も防止できる。
従って本発明方法を行って張弦梁構造の屋根を構築す
ることで、設計どうりの張弦梁構造の屋根を構築できる
特徴がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明の一実施例を説明するため
のもので、第1図(a)は分割屋根材の上弦面を示す平
面図、第1図(b)は分割屋根材の下弦面を示す裏面
図、第2図(a)は分割屋根材をリングガーダに間欠的
に取り付けた状態の上弦面を示す平面図、第2図(b)
は同状態の下弦面を示す裏面図、第3図(a)は分割屋
根材の間に2次部材を仮止めした状態の上弦面を示す平
面図、第3図(b)は同状態の下弦面を示す裏面図、第
4図(a)は張力導入後に仮止め部分の一部を本固定し
た状態の上弦面を示す平面図、第4図(b)は同状態の
下弦面を示す裏面図、第5図(a)は仮止め部分の総て
を本固定した状態の上弦面を示す平面図、第5図(b)
は同状態の下弦面を示す裏面図、第6図ないし第15図は
本発明を適用して構築された屋根の一例の詳細構造を示
すもので、第6図は完成した張弦梁屋根の上弦面を示す
平面図、第7図は完成した張弦梁屋根の下弦面を示す底
面図、第8図は弦材の配置を示す底面図、第9図は張弦
梁屋根の側面図、第10図は大梁の拡大図、第11図は弦材
の取付部の底面図、第12図は大梁の横断面図、第13図は
隣接する大梁の接合構造を示す正面図、第14図は大梁と
2次部材の仮止め状態を示す断面図、第15図は大梁と2
次部材の摺動後の状態を示す断面図、第16図は仮止め位
置を示す平面図、第17図ないし第21図は本発明者らが先
に提案している張弦梁屋根の提案に記載された構造例を
示すもので、第17図は張弦梁屋根を備えた構築物の断面
図、第18図は張弦梁の構成略図、第19は構台の組み立て
状態を示す構成図、第20図はリングガーダと大梁の取付
状態を示す構成図、第21図は建築物の完成状態を示す構
成図である。 B…屋根、C…屋根構成体、Z…応力解除ゾーン、1…
大梁、1A…上弦材、1B…下弦材、1C…ラチス材、2…リ
ングガーダ、2a…テンションリング、2b…コンプレッシ
ョンリング、2A,2A′…並列部、2B,2B′…放射部、3…
弦材、15,16…小梁、17…ブレース、25,26…分割屋根
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 肇 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 西谷 隆之 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 山田 利行 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 加藤 博巳 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状のリングガーダの外周部にリングガー
    ダを中心として外方に向けて複数の大梁が接合され、隣
    接する各大梁の間に複数の小梁とブレースなどの2次部
    材が接合されてトラス屋根が構成されるとともに、各大
    梁の先端部とリングガーダの底部との間に弦材を張設し
    てトラス屋根に所定応力が導入されてなる張弦梁屋根を
    構築する施工法において、 前記トラス屋根をその周方向に複数に分割してなる大き
    さであって、複数本の大梁と2次部材とを接合してなる
    分割屋根材を複数組み立て、 これらの分割屋根材を間隔をあけてリングガーダの外周
    部に固定し、 その後、リングガーダの周方向に隣接する分割屋根材の
    大梁の間の間隔に2次部材を大梁に対して相対摺動自在
    に仮止めして応力解除ゾーンを形成するとともにトラス
    屋根と略同一形状の屋根構成体を形成し、 次いで、リングガーダの底部と大梁の先端部との間に設
    けられた弦材に緊張力を導入し、2次部材に流れるよう
    とする力を前記応力解除ゾーンで解除するとともに、 張力導入後に前記仮止めしておいた2次部材を大梁に本
    固定することを特徴とする張弦梁屋根構造の施工法。
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