JP4372674B2 - 超高筒状構造物の解体方法 - Google Patents
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Description
こうした問題を解消する目的で、足場の組立てを現場で行うことなく、下部に足場を設けた吊り架台をクレーンで吊り、吊り架台を煙突の先端に預けた状態で、足場を利用して切断箇所を切断した後、切断されたブロックを吊り架台と共に、クレーンで吊り、地上に下ろして解体する方法が行われている(例えば、特許文献1参照)。
なお、特許文献1記載の解体方法に用いられる足場は、吊り架台に設けられ煙突の内部及び外部にそれぞれに吊り下ろされる内部足場及び外部足場とで構成され、内部足場及び外部足場には作業用の足場板が垂直方向に複数段設けられている。
撤去する切断片を吊り架台と共に、高揚程のクレーンで吊る必要があるので、クレーンの能力が大きくなり、クレーンの使用料が非常に高くつく。
足場自体も、足場板が垂直方向に複数段設けられているので、大型化し、現場での組み立てに手間を要して、工期が長くなり、かつ、重量が重く、ハンドリング性が悪かった。
また、外径が異なる煙突には適用できないため、汎用性が無かった。
前記超高筒状構造物が、途中位置に手摺り付きの踊り場を複数有し、上下隣合う前記踊り場の中間位置を複数箇所切断する場合には、前記輪切り処理の前に、前記組足場を、下側の前記踊り場又はその手摺りの上に設けた仮架台の上に載せて組み立てた後、所定距離上昇させる工程を有し、前記輪切り処理の後に、前記組足場を所定距離下降させて、前記筒身の次の輪切り処理を行っている。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る超高筒状構造物の解体方法を適用する集合煙突の切断位置を示す説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ、同超高筒状構造物の解体方法に用いる組足場の組立状態を示す正面図、平面図、図3は同超高筒状構造物の解体方法に用いる組足場の乗込み部を説明する斜視図、図4は同超高筒状構造物の解体方法に用いる組足場の固定要領を示す説明図、図5(A)、(B)は、同超高筒状構造物の解体方法における集合煙突の集煙部の解体工程を示す説明図、図6(A)、(B)、(C)は、集合煙突の大梁の解体工程を示す説明図、図7は図6(A)の矢視X−X断面図、図8は大梁の吊上げ要領を示す説明図、図9(A)、(B)、(C)、図10(A)、(B)、(C)は、螺旋階段を有する筒身の解体工程を示す説明図、図11は筒身片の吊用治具の斜視図、図12(A)、(B)はそれぞれ、筒身片の吊部の詳細を説明する正面図、側面図、図13(A)、(B)、(C)は、螺旋階段の無い筒身の解体工程を示す説明図である。
、11〜16、16、16(同一の数字は同一高さ位置にある3本の大梁をそれぞれ示す)が設けられており、3本の大梁11(12〜16も同じ)はそれぞれ、隣り合う筒身A、B、C間に水平配置され、平面視して正三角形の各辺を構成している。
図1に示すように、筒身A、B、Cの輪切り位置(=切断位置)C1 〜C20は、垂直方向に平行間隔をあけて、上側から下側に向かって配置されると共に、筒身A、B、Cと大梁11〜16との接続部の切断位置D11〜D16は、大梁11〜16のそれぞれの両端部に位置している。解体作業に使用するクレーンTが集合煙突10の側に組立てられている。
組足場20は、外径Dの筒身B(Cも同じ)の周囲を取り囲むように、リング状に形成されており、円周方向に4分割された組足場セグメント21〜24の接続部を、例えば、ねじ締結機構(図示せず)により連結されて組立てられている。
(1)集煙部の解体
集煙部の筒身A、B、Cの踊り場17a上で組足場20を組立てた後、組足場20を上下方向に移動して輪切り処理を行い、2個の筒身片(B1 、B2 )×3(筒身A、B、C)=6個の筒身片の解体を行う。
(2)集煙部の下方の解体
(2−1)大梁11〜16の解体(図6〜図8参照)
鞍足場54、55を用いて、6段×3(ブロック/段)=18ブロックの解体を行う。
(2−2−1)螺旋階段18a〜18fの付いた筒身Aの解体(図9及び図10参照)
組足場20を設置する部分の螺旋階段18a〜18fの部分を除去した後、その除去した部分に組足場20を設置して輪切り処理を行い、筒身Aを19個の筒身片(B3 〜B21)に解体する。
(2−2−2)螺旋階段の無い筒身B、Cの解体(図13参照)
筒身B、Cの踊り場17a〜17f上で組足場20を組立てた後、組足場20を上下方向に移動して輪切り処理を行い、筒身B、Cを19個の筒身片(B3 〜B21)×2(筒身B、C)=38個の筒身片に解体する。
(1)手摺り付きの踊り場17cのリング状の手摺り35上に4本のアングル材36〜39(75×75×6mm)を井桁状に配置し、アングル材36〜39を溶接により一体化して仮架台40を形成する。
(3)筒身Bの周囲を取り囲んで、隣接する足場セグメント21〜24同士の連結部をねじ締結機構(ボルト及びナット)により連結する。
なお、その他の手摺り付きの踊り場(17a、17b、17d〜17f)でも、同じ要領で組足場20を組立てることができる。
切断位置Sより距離u(例えば、u=130〜170mm)高い位置(解体される筒身片側)に、円周方向に4ヶ所溶接された吊りピース45に、作業員46が携帯する安全帯47を取付けるための安全帯取付用ロープ(親綱)48を全周に張る。
(1)筒身Bの周囲に設けられた踊り場17aの手摺り35a上に仮架台40を仮溶接して固定する。
(2)4分割された足場セグメント21〜24を仮架台40上に載置する。
(3)作業員46が仮架台40に乗込み、ボルト等の本締めを行って組足場20を形成する。
(5)切断位置S(=C1 )より約300mm下がりの位置に吊りピース41(4点以上)を取付けて、チェーン43により組足場20を吊下げて固定する(図4参照)。以上(4)及び(5)を第1工程と呼ぶ。
(6)組足場20を固定した後、作業員46が組足場20の作業デッキ25に乗込み、切断位置Sを切断する。これを第2工程と呼ぶ。
(8)組足場20に可搬ウィンチ52、53をセットし、組足場20を下方に沿って下げ仮架台40上に載置する(可搬ウィンチ52、53の操作は踊り場17a上にて行う)。
(9)クレーンTにより、組足場20を未切断の筒身Bから抜き取って地上に吊り下す。
(10)次の切断位置C2 の切断は、組足場20を使用することなく、踊り場17aを使用して行う。
(1)鞍足場54、55をセットする部分の踊り場17eの手摺りを撤去後、撤去した手摺りに代わり、撤去部分を短管56、57で連結する(図6(A)、(B))。
(2)鞍足場54、55をそれぞれ、大梁15の長手方向の両端部の所定位置にセットし、大梁15に固定する(図6(A)、(B))。
(3)大梁の切断位置D15の下フランジ58とウエブ59を切断する(図6(B)、(C))。
(5)図8に示すように、大梁15の長手方向の2ヶ所に、解体される大梁片15aをシャックル60、61を介して吊るための取付孔として、上フランジ62のウエブ59を中心にして両側に垂直孔63、64を、また、ウエブ59の上部に水平孔65をあける。
(6)垂直孔63、64及び水平孔65を利用して、U字形本体66と、ボルト67及びナット68とからなるシャックル60、61を大梁15に取付ける。
(7)シャックル60、61を介して、クレーンTに玉掛けする。
(8)大梁15の2ヶ所の切断位置D15の上フランジ62を切断した後、解体された大梁片15aをクレーンTにより地上に下す(図6(C))。
(1)螺旋階段18bの組足場20を取付ける部分(切断位置C4 の直下位置)のみ解体する。なお、解体部分にロープからなる仮の手摺り69aを設置する(図9(A))。
(2)足場セグメント22及び23が一体化された組足場20の半分を所定位置(C4 付近の作業高さ位置)に取付ける(図4参照)。なお、組足場20を固定するための吊りピース45(1トン用)は、先行して筒身Aに溶接しておく(図9(B))。
(4)組足場20の玉掛けを行う(天びんからの玉掛け)(図10(A))。
(5)図11及び図12に示すように、筒身Aの所定の切断位置C4 を下辺の一部とする150mm正方形の切欠き72を形成し、この切欠き72に玉掛けを行う(図10(B))。即ち、図11に示すフック付き吊治具69を図12(A)、(B)に示すように、シャックル70を介して玉掛けワイヤ71に接続する。フック付き吊治具69には、切断位置C4 直上に形成された切欠き72の上部に掛合する水平掛合部73が設けられている。また、切欠き72は筒身Aの円周方向に4ヶ所形成されている(第1工程)。
(7)切断された筒身片74を地上に下す(図10(C))(第3工程)。
(8)組足場20を未切断の筒身Aから抜き取って地上に下し、次に解体する筒身片が対応する部分の既設の螺旋階段を解体する。
(1)手摺り付きの踊り場17d上に仮架台40を設け、仮架台40上に組足場20を地組みした後、クレーンTにて組足場20の玉掛けを行う。(図13(A))。
(2)組足場20をクレーンTにより2m巻上げた後、踊場17dと組足場20との間に下側仮設タラップ75を取付ける(図13(B))。
(4)連結された下側仮設タラップ75及び上側仮設タラップ76を作業員46が昇り、作業高さ位置に配置される組足場20を筒身Bに固定する(第1工程)。
(5)組足場20の玉掛けを外した後、解体される予定の筒身片77の玉掛けを行う。玉掛け要領は前述(図11及び図12)と同様に行う。
(6)筒身Bの切断を行う(第2工程)。
(8)組足場20を未切断の筒身Bから抜き取って地上に下す。
なお、仮に切断位置C9 を切断する場合には、クレーンT以外の方法で組足場20を更に巻上げ、下側仮設タラップ75及び上側仮設タラップ76に更に、仮設タラップを設けて解体を行い、次に、組足場20を巻き下げて切断位置C10を切断する。
また、前記(7)の第3工程の後、下方位置に切断位置がある場合には、組足場20を巻き下げる。
本実施の形態では、超高筒状構造物として集合煙突10を用いたが、これに限定されず、必要に応じて、1本の煙突を用いることもでき、また、煙突以外の超高筒状構造物を用いることもできる。また、3本の筒身A〜Cを備えた集合煙突10を用いたが、これに限定されず、必要に応じて、2本又は4本以上の筒身を用いることもできる。更に、筒身A〜Cの外径Dを一定としたが、これに限定されず、状況に応じて、外径Dを異なるようにすることもできる。筒身A〜Cの断面を円形としたが、これに限定されず、必要に応じて、矩形、多角形及び楕円形でもよい。
組足場20は4分割としたが、これに限定されず、必要に応じて、2、3分割又は5分割以上とすることもできる。
分割された組足場20の分割箇所(図2(B)の分割位置の部分に相当する)には、筒身の外形に応じて、組足場の長さを調整可能な長さ調整足場を設けることもできる。この長さ調整足場は、例えば、分割位置の作業デッキの幅に相当する幅を有し、幅方向に直交する方向にスライド可能な作業デッキ及び手摺りを備えた構造とすることができる。
組足場20は集合煙突10を解体する場合に用いたが、これに限定されず、必要に応じて、集合煙突のメンテナンスに用いることもできる。
輪切り処理の前に、組足場20を、下側の踊り場の手摺りの上に設けた仮架台40に載せて組み立てたが、これに限定されず、必要に応じて、組足場20を、踊り場上に直接仮架台を設けて組み立てることもできる。また、輪切り処理の後に、組足場を未切断の筒身から抜き取って除去したが、これに限定されず、必要に応じて、組足場を分解して除去することもできる。
Claims (2)
- 筒身の周囲を取り囲む組足場を予め製造し、組み立てられた前記組足場を前記筒身上部の輪切り位置の直下の作業高さ位置に配置すると共に、前記筒身の周囲に設けた複数の吊りピースを介して前記組足場を吊り下げる第1工程と、該組足場を利用して前記筒身の所定位置の輪切りを行う第2工程と、前記輪切りした筒身片を除去する第3工程とを有する前記筒身の輪切り処理を上部から順次行う超高筒状構造物の解体方法であって、
前記超高筒状構造物が、途中位置に手摺り付きの踊り場を複数有し、上下隣合う前記踊り場の中間位置を複数箇所切断する場合には、
前記輪切り処理の前に、前記組足場を、下側の前記踊り場又はその手摺りの上に設けた仮架台の上に載せて組み立てた後、所定距離上昇させる工程を有し、
前記輪切り処理の後に、前記組足場を所定距離下降させて、前記筒身の次の輪切り処理を行うことを特徴とする超高筒状構造物の解体方法。 - 請求項1記載の超高筒状構造物の解体方法において、分割された前記組足場の分割箇所には、前記筒身の外形に応じて、前記組足場の長さを調整可能な長さ調整足場が設けられることを特徴とする超高筒状構造物の解体方法。
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