JP4659563B2 - 解体用仮設足場装置及びこの装置を用いた超高構造物の解体方法 - Google Patents
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特許文献1に記載された足場は、煙突の直径の変化に対応して複数枚のステップ床部材の重なり量を調整して床面が構成される作業床部を、上端で支持すると共に、組付けられる煙突の外形形状に合わせて複数基が煙突外壁面に沿って所定間隔をあけて配置され、昇降ジャッキのロッド伸縮動作を、煙突外壁面コンクリートの表面に高摩擦で押圧固定される上段支圧板と下段支圧板とを盛替えて支持することが可能なユニットフレームを主構造としている。
昇降ジャッキにより上段支圧板と下段支圧板を煙突の外壁面に直接支持されるようにして、即ち、煙突の外壁面に高摩擦で押圧して煙突の外壁面に沿って昇降可能に構成しているので、構成が複雑になり、この結果、操作が複雑になってハンドリング性が悪く、また、重量が重くなると共に、高価なものとなった。
第1の発明に係る解体用仮設足場装置において、前記超高構造物は先細り形状となって、隣合う前記スライドフレームの固定作業デッキを跨いで配置される仮設作業デッキを有してもよい。
第1の発明に係る解体用仮設足場装置において、前記超高構造物は鋼製煙突であって、上部から輪切りして解体して除去してもよい。
第1の発明に係る解体用仮設足場装置において、前記超高構造物は鉄筋コンクリート製煙突であって、上部から解体範囲をクラッシャーにより圧砕して除去してもよい。
第1の発明に係る解体用仮設足場装置において、前記リングフレームに対して所定位置にある前記スライドフレームを固定するストッパーが設けられてもよい。
第1の発明に係る解体用仮設足場装置において、前記スライドフレームの水平部の固定作業デッキは周方向に突出し、最小径位置にある前記スライドフレームの内側端部を連結してもよい。
第1の発明に係る解体用仮設足場装置において、前記スライドフレームの側壁当接部に複数のガイドローラを設けてもよい。
請求項3記載の解体用仮設足場装置においては、超高構造物は先細り形状となって、隣合うスライドフレームの固定作業デッキを跨いで配置される仮設作業デッキを有しているので、スライドフレームのスライド下降作業が容易にでき、また、自重により装置を定位置に保持でき、この結果、安全な解体作業を行うことができる。
請求項4記載の解体用仮設足場装置においては、超高構造物は鋼製煙突であって、上部から輪切りして解体して除去するので、鋼製煙突の解体の作業性が向上する。
請求項5記載の解体用仮設足場装置においては、超高構造物は鉄筋コンクリート製煙突であって、上部から解体範囲をクラッシャーにより圧砕して除去するので、鉄筋コンクリート製煙突の解体の作業性が向上する。
請求項7記載の解体用仮設足場装置においては、リングフレームに対して所定位置にあるスライドフレームを固定するストッパーが設けられているので、スライドフレームをリングフレームに確実に固定することができる。
請求項8記載の解体用仮設足場装置においては、スライドフレームの水平部の固定作業デッキは周方向に突出し、最小径位置にあるスライドフレームの内側端部を連結しているので、最小径位置にあるスライドフレームには仮設作業デッキを省略でき、また、その他の作業高さ位置では、周方向の長さの短い仮設作業デッキを使用することができる。
請求項9記載の解体用仮設足場装置においては、スライドフレームの側壁当接部に複数のガイドローラを設けているので、装置を超高構造物に沿って容易にスライド下降させることができる。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る解体用仮設足場装置を鋼製煙突に固定した状態を示す説明図、図2は同解体用仮設足場装置の図1の高さ位置Xにおける平面図、図3は同解体用仮設足場装置の図1の高さ位置Zにおける平面図、図4は図2の矢視A−A断面図、図5は図4の矢視B−B断面図、図6は図5の矢視C−C断面図、図7は図4の矢視D−D断面図、図8は図4の矢視E−E断面図、図9は解体用仮設足場装置の地組みを示す説明図、図10は解体用仮設足場装置の上架準備を示す説明図、図11は解体用仮設足場装置の上架を示す説明図、図12は解体用仮設足場装置の固定を示す説明図、図13は鋼製煙突の解体を示す説明図、図14は解体用仮設足場装置の固定解除を示す説明図、図15は解体用仮設足場装置の下降を示す説明図、図16は鉄筋コンクリート製煙突の解体を示す説明図である。
図2に示すように、リングフレーム12は周方向に分割位置Vで8等分に分割されている。分割部分は、継ぎ目板材を用いてボルト及びナットにより連結されている。
固定作業デッキ14の周方向中央には、下部作業デッキ51と同様、下部作業デッキ51から、連結部材31〜36を有する昇降タラップを経由して固定作業デッキ14に乗込むためのハッチ(図示せず)が形成されている。
まず、事前作業として、鋼製煙突11の周辺の立入禁止区域の設置及びクレーン用の敷鉄板の養生を行い、敷鉄板上でクレーン(図示せず)の組立を行う。
図11に示すように、クレーンにより解体用仮設足場装置10を巻上げて鋼製煙突11の所定の高さ位置Xに上架する(図1参照)。
図13に示すように、固定作業デッキ14に乗った作業者62がガス切断機により鋼製煙突11の作業高さ位置Sで鋼製煙突11の切断位置Qを輪切りに切断し、クレーンにより輪切りにされた部分を地上に下す(構造物解体工程)。なお、輪切りした下端部の周方向4ヶ所に切断により約150mm角の玉掛部を形成し、8点吊り用治具61を介してクレーンにより搬送する。
この際、スライドフレーム13を外側にスライドさせて、例えば、鋼製煙突11に設けられている支持リング及びマンホール等の既設物を容易に回避しながらスライドフレーム13を降下することができるので、既設物の取り外し及び取付けの手間が無くなる。
図1及び図3に示す高さ位置Zの鋼製煙突11の外径DZ は、本実施の形態では、DZ =9500mmである。
なお、本実施の形態では、鋼製煙突11の全重量(ライニングを含む)は約500トン、輪切りブロック数は合計14個であり、ブロックの1個当たりの重さは、最下段のブロックが約25トン、その他のブロックは15〜25トンである。また、最下段のブロックは建設機械で解体される。
この解体方法は、鋼製煙突11の場合と比較して解体位置で輪切りにして切断した部分をクレーンで下ろす代わりに、輪切り部分に相当する解体範囲をクラッシャー68により圧砕して、圧砕された解体ガラは筒内に落とすようにしている。なお、落下した解体ガラは地上の開口部より搬出される。
本実施の形態では、固定作業デッキの下方位置に、鋼製煙突にスライドフレームを固定及び固定解除する作業を行うことができる下部作業デッキを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、下部作業デッキを省略することもできる。
煙突の解体工事に適用したが、これに限定されず、必要に応じて、煙突の建設及び改造工事にも適用できる。
リングフレームは正16角形としたが、これに限定されず、必要に応じて、円状又はその他の正多角形とすることもできる。
スライドフレームを8個使用したが、これに限定されず、必要に応じて、3〜7個又は9個以上使用することもできる。
スライドフレーム13の水平部13aの固定作業デッキ14は、下部作業デッキ51の端部53、54のように周方向に突出し、最小径位置にあるスライドフレームの内側端部を連結するようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、周方向に突出しなくてもよい。
Claims (10)
- 外断面が円形の超高構造物の上部から下部に所定距離毎に取付け取り外しを行いながら、その作業高さ位置にある該超高構造物を解体及び除去する解体用仮設足場装置であって、
前記超高構造物に軸心を合わせ、かつ該超高構造物の周囲に隙間を有して配置する円又は多角形状のリングフレームと、
前記リングフレームに対して放射状にスライド可能な水平部、及び該水平部の内側端部に固定され、前記超高構造物の外壁に沿って取り外し可能に取付けられる側壁当接部を有し、前記水平部の内側部には固定作業デッキが設けられ、前記超高構造物の周囲に実質均等配置される複数のスライドフレームとを備えることを特徴とする解体用仮設足場装置。 - 請求項1記載の解体用仮設足場装置において、前記側壁当接部の主要部分は、前記水平部より下位置にあって、該側壁当接部には下部作業デッキが設けられていることを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、前記超高構造物は先細り形状となって、隣合う前記スライドフレームの固定作業デッキを跨いで配置される仮設作業デッキを有することを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、前記超高構造物は鋼製煙突であって、上部から輪切りして解体して除去することを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、前記超高構造物は鉄筋コンクリート製煙突であって、上部から解体範囲をクラッシャーにより圧砕して除去することを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、複数本のワイヤロープにより複数の前記スライドフレームの側壁当接部を前記超高構造物の外周に胴巻きして固定することを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、前記リングフレームに対して所定位置にある前記スライドフレームを固定するストッパーが設けられていることを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、前記スライドフレームの水平部の固定作業デッキは周方向に突出し、最小径位置にある前記スライドフレームの内側端部を連結することを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置において、前記スライドフレームの側壁当接部に複数のガイドローラを設けたことを特徴とする解体用仮設足場装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の解体用仮設足場装置を用いて、外断面が円形の超高構造物を解体する方法であって、
前記解体用仮設足場装置を前記超高構造物の作業高さ位置に配置して、該解体用仮設足場装置を前記超高構造物に固定する足場固定工程と、
前記解体用仮設足場装置の前記固定作業デッキ上で前記超高構造物の解体及び除去作業を行う構造物解体工程と、
前記解体用仮設足場装置を前記超高構造物から固定解除する足場固定解除工程と、
前記解体用仮設足場装置を前記超高構造物に沿ってスライド下降させる足場下降工程とを有し、
前記足場固定工程、前記構造物解体工程、前記足場固定解除工程及び足場下降工程を所定回数繰り返して、前記超高構造物を順次上側から下側に解体することを特徴とする超高構造物の解体方法。
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