JP2737805B2 - 真空ろう付け用アルミニウムブレージングシート - Google Patents

真空ろう付け用アルミニウムブレージングシート

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真空ろう付け用アルミニウムブレージング
シートに関するものであり、さらに詳しくは、真空ろう
付け性に優れ、ろう切れ等が発生しないブレージングシ
ートを提供するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
通常アルミニウムまたはアルミニウム合金のろう付け
は、接合しようとするアルミニウムまたはアルミニウム
合金部材にこれらアルミニウム等よりも融点の低いろう
材を介して固定して組立物とし、このろう材の融点より
も高く、接合しようとするアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金部材の融点よりも低い温度に加熱することによ
って行われている。そしてろう材としては一般にAl−Si
系合金が使用され、その形状としては板状または線粉末
状としたろう材、あるいはアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金からなる芯材にこのろう材を被覆した合わせ材
料(以下ブレージングシートと記す)として用いられて
いる。
ろう付け方法としは、ろう付けする部材の表面の酸化
皮膜を除去するためのフラックスを用いるフラックスろ
う付け法、非腐食性のフラックスを用い非酸化性雰囲気
中でろう付けを行う方法、フラックスが用いず真空中に
接合しようとする組立物を置いてろう付け加熱する真空
ろう付け法が通常使用されている。
真空ろう付け法による積層型エバポレーターは第2図
に示すように、フィン(1)と冷媒通路(3)、
(3′)を形成するブレージングシートからなる通路構
成シート(2),(2′)を交互に積層し、真空ろう付
けにより接合したもので、フィン材には厚さ0.1mm前後
のものが用いられ、通路構成シートには厚さ0.6mm前後
のブレージングシートが用いられている。このようなエ
バポレーターでは、フィン材には、Al−Mn系合金に犠牲
効果を付与するために、Zn,In,Sn等を添加した合金が用
いられている。ブレージングシートにはJIS 3003合金を
芯材として、その表面にAl−Si−Mg系ろう合金をクラッ
ドしたものが一般に使用されている。
サーペンタイン型のエバポレーターは第3図に示すよ
うに、蛇行状に折り曲げた押出多穴管(4)の間にフィ
ン(1)を取り付け、押出多穴管(4)の両側にコネク
ター(5)、(5′)を取り付け、真空ろう付けにより
接合したもので、フィン材には厚さ0.16mm前後のものを
用い、押出多穴管には厚さ5mm、幅22mm、肉厚1.0mm程度
のものが用いられている。このようなエバポレーターで
は、フィン材に前記Al−Mn系合金を芯材とし、Al−Si−
Mg系合金ろう材をクラッドしたブレージングシートが用
いられ、押出多穴管にJIS 3003合金、Al−Cu系合金、Al
−Cu−Mn合金が用いられている。
これらのブレージングシートに共通しているのはろう
材にMgを含有している点であり、Mgはろう付け加熱中に
蒸発しゲッター作用により真空ろう付けを可能としてい
る。
ところで、長期間ろう付け炉を使用した場合、炉の汚
染等により真空度が低下するが、そのような場合にはろ
うの濡れ性が低下し、ろうのフィレットが形成されずに
ろう付けできなくなるろう切れ現象が生じる。また、第
2図のエバポレーターのように密閉構造の内部をろう付
けするような場合、内部と外部とでろう付け性が異なる
場合がしばしば生じる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、真空ろう付け性
に優れ、ろう切れ等が発生しない真空ろう付け用アルミ
ニウム合金ブレージングシートを開発したものである。
即ち本発明ブレージングシートの一つは、Al又はAl合
金からなる芯材の両面又は片面に、Si6〜20wt%(以下w
t%を%と略記)、Mg0.05%以上0.6%未満、Fe0.3%以
下、残部Alと不可避的不純物からなるAl−Si−Mg系合金
ろう材を被着し、ろう材の表面皮膜厚さを120Å以下と
したことを特徴とするものである。
また本発明ブレージングシートの他の一つは、Al又は
Al合金からなる芯材の両面又は片面に、Si6〜20%、Mg
0.05%以上0.6%未満、Fe0.3%以下、Bi0.01〜0.2%、
残部Alと不可避的不純物からなるAl−Si−Mg系合金ろう
材を被着し、ろう材の表面皮膜厚さを120Å以下とした
ことを特徴とするものである。
〔作 用〕
まず、本発明ブレージングシートの構成について説明
する。
ブレージングシートの芯材の合金調質は特に規定しな
い。使用される部材によって、例えばJIS 3003合金やそ
れにMg,Cu,Zn,Sn,In等を添加した合金や熱伝導性を考慮
した純アルミニウム系を適宜用いればよい。
ろう材は6%以上20%以下のSi、0.05%以上0.6%未
満のMg、0.3%以下のFeを含有したAl−Si−Mg系合金、
またはこれに0.01%以上0.2%のBiを含有したAl−Si−M
g系合金を用いる。
ろう材のSiは合金の融点を低下させ、ろう付けを可能
にする添加元素である。しかして含有量が6%未満や20
%を越えた場合、ろうの融点が上昇しろう付け性を低下
する。
ろう材のMgは、ろう付け中に蒸発しゲッター作用によ
り真空度を向上させる効果と蒸発により酸化皮膜を破壊
する作用を有する。しかしてその含有量が0.6%未満で
は上記作用が十分に生じずろう付け性が低下すると従来
は考えられていた。しかし、後述するFeの効果および皮
膜厚さの効果により、本発明の0.05%以上、0.6%未満
のMgでもろう付けできるのである。そして、このように
Mg量を減じさせた場合、炉の汚染を防止する効果を有
し、炉のメンテナンスが容易になるという利点を有す
る。
本発明においてFe量は重要な役割を有する。すなわ
ち、ろう付け加熱中にMgが急激に蒸発を開始する前に表
面に酸化皮膜が成長するのであるが、Feはその皮膜の成
長を促進する元素であり、Feが0.3%を越えると皮膜の
成長量が大きくなるため、Mgが急激に蒸発する時に皮膜
は十分に破壊されず、ろうとろうとの濡れ性が低下し、
ろう切れが生じるのである。
以上が本発明のろう材合金の組成であるが、さらにBi
を0.01%以上0.2%以下添加する場合がある。この場
合、Biはろう流れ性を向上させると共に、Mgの蒸発を促
進し、皮膜を破壊されやすくする働きを有する。しかし
てBiの添加量が0.01%未満の場合上記作用が十分でな
く、0.2%以上ではろう材の圧延性が低下し、ブレージ
ングシートの製造が困難となる。
本発明合金は不可避的不純物として、0.2%以下のC
u、耐食性向上のため0.5%以下のZn鋳造時の結晶粒微細
化材として添加されるTiやB、ろう付け性等の向上を目
的として添加されるMn,In,Sn,Cr,Zr,Ca,V,Pb,Ag,Be等の
元素を0.05%未満含んでも差し支えない。
このような合金ろう材を片面または両面にクラッドす
るが被覆率は特に定めない。部材毎に必要な量を被覆す
ればよい。
以上のブレージングシートであるが、本発明ではその
ろう材表面の皮膜厚さを、120Å以下と限定する。ここ
で言う表面皮膜とは主に酸化皮膜のことであるが、グロ
ー放電分光分析で約4mm径の面積について測定を行い、
測定後の段差測定により換算したものである。表面皮膜
は上記ろう切れ現象と深く関連しており、皮膜厚が120
Å以下の場合、ろう付け加熱途中にMgの蒸発が530℃付
近により生じるがそこでのMgは皮膜全面から皮膜をポー
ラスにするように起こり、ろう溶融時にMgは急激に蒸発
し、皮膜を細かく破壊し、ろう付け性を向上させる。し
かし、皮膜厚が120Åを越えた場合、ろう付け加熱途中
にMgの蒸発が皮膜の弱いところから重点的に起こり、逆
に他の部分の皮膜は厚く強固に成長する。そしてろう溶
融時にMgは急激に蒸発するが、その際の蒸発も加熱途中
と同様の箇所を中心に起こるため、ろう表面の皮膜は十
分に破壊されず、ろうとろうとの濡れ性が低下し、ろう
切れが生じる。
このような表面皮膜厚さは従来のブレージングシート
の製造工程では250Å程度であり、本発明の120Å以下の
皮膜厚さは、製造工程途中でアルカリによる洗浄を十分
に行うことで得ることができる。
〔実施例〕
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。
第1表に示す組成のアルミニウム合金芯材および皮材
を用い、第2表に示す構成のブレージングシート(板厚
0.6mm:クラッド率15%×両面)を作製した。ブレージン
クシートの調質はいずれもO材である。表面の皮膜は最
終焼鈍の前後でNaOH溶液によるアルカリ洗浄を行うこと
により各種調整した。このようなブレージングシートに
対し。第1図に示すように直径30mm,フランジ径42mm,深
さ5mm,排気口径5mmのカップ(6)を作成し、これを6
個重ね合せてろう付けテストを各100個行った。
ろう付け試験の加熱条件は、昇温速度30℃/minで600
℃に到達後10min保持した。到達真空度は約5×10-5Tor
rである。同時にカップに500mlビーカーをかぶせてろう
付けを行い、真空度が低下した場合を想定した。加熱後
のカップでろう切れ発生したものの個数および外観の結
果を合わせて第3表に示す。
本発明ブレージングシートはろう切れの発生がなく、
表面も銀白色で優れた特性を示しているのに対し、従来
例および比較例のブレージングシートでは特に真空度が
低下した場合を想定してビーカー内で加熱した時の特性
の低下が著しい。
〔発明の効果〕 このように本発明ブレージングシートはろう付け性に
優れており、特にろう付け炉の真空度が変動した場合で
もろう切れが発生することがない等工業上顕著な効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はカップろう付け試験のカップを示す一部側面
図、第2図は積層型エバポレーターの一例を一部切り欠
いて示す斜視図、第3図はサーペンタイン型エバポレー
ターの一例を示す側面図である。 1……フィン 2,2′……通路構成シート 3,3′……冷媒通路 4……押出多穴管 5……コネクター 6……カップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−264190(JP,A) 特開 平3−264188(JP,A) 特開 昭49−11748(JP,A) 特開 昭50−51448(JP,A) 特公 昭53−15974(JP,B2) 特公 昭55−12355(JP,B2) 特公 昭56−22440(JP,B2) 特公 昭61−9378(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al又はAl合金からなる芯材の両面又は片面
    に、Si6〜20wt%、Mg0.05wt%以上0.6wt%未満、Fe0.3w
    t%以下、残部Alと不可避的不純物からなるAl−Si−Mg
    系合金ろう材を被着し、ろう材の表面皮膜厚さを120Å
    以下としたことを特徴とする真空ろう付け用アルミニウ
    ムブレージングシート。
  2. 【請求項2】Al又はAl合金からなる芯材の両面又は片面
    に、Si6〜20wt%、Mg0.05wt%以上0.6w未満、Fe0.3wt%
    以下、Bi0.01〜0.2wt%、残部Alと不可避的不純物から
    なるAl−Si−Mg系合金ろう材を被着し、ろう材の表面皮
    膜厚さを120Å以下としたことを特徴とする真空ろう付
    け用アルミニウムブレージングシート。
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