JP2749660B2 - アルミニウム製熱交換器 - Google Patents

アルミニウム製熱交換器

Info

Publication number
JP2749660B2
JP2749660B2 JP24687089A JP24687089A JP2749660B2 JP 2749660 B2 JP2749660 B2 JP 2749660B2 JP 24687089 A JP24687089 A JP 24687089A JP 24687089 A JP24687089 A JP 24687089A JP 2749660 B2 JP2749660 B2 JP 2749660B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing
concentration
core material
alloy
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24687089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03114656A (ja
Inventor
和徳 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP24687089A priority Critical patent/JP2749660B2/ja
Publication of JPH03114656A publication Critical patent/JPH03114656A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2749660B2 publication Critical patent/JP2749660B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、冷媒通路にブレージングシートを使用する
アルミニウム製熱交換器に関するもので、特に熱交換器
の軽量化のため、薄肉高強度ブレージングシートからな
る冷媒通路の耐孔食性を改善し、熱交換器の寿命を向上
したものである。
〔従来の技術〕
アルミニウムブレージングシートを冷媒通路に使用す
るアルミニウム製熱交換器としては、自動車用のラジエ
ーター,ヒーターコア,ドロンカップ型エバポレーター
等が知られている。
ラジエーターは、第1図及び第2図に示すように、チ
ューブ(1)間にコルゲートフィン(2)を取付け、チ
ューブ(1)両端にヘッダープレート(3)を設けてコ
ア(4)を形成し、ヘッダープレート(3)にパッキン
(6)を介して樹脂タンク(5),(5′)を取付けた
もので、チューブ(肉厚0.4mm)及びヘッダープレート
(肉厚1.5mm)には、大気側よりろう材,芯材,内張材
の3層構造としたブレージングシートが使用されてい
る。そしてろう材にはJIS4343(Al−Si系合金)やJIS40
04(Al−Si−Mg合金)が用いられ、芯材にはJIS3003や3
005(Al−Mn系合金)が用いられている。
またドロンカップ型エバポレーターは、第3図及び第
4図に示すようにチューブプレート(7),(7′)を
組合せて冷媒通路(9),(9′)を形成し、これをフ
ィン(2)を介して積層し、その両端にエンドプレート
(8)を取付けたもので、チューブプレート(肉厚0.6m
m)及びエンドプレート(肉厚1.0mm)には、ろう材,芯
材,ろう材の3層構造としたブレージングシートが使用
されている。そしてろう材にはJIS4004,芯材にはJIS300
3,3005が用いられている。
近年上記熱交換器の軽量化が切望され、材料の薄肉,
高強度化,耐孔食性等が検討されている。中でも特に注
目されているのは、冷媒通路を構成するブレージングシ
ートの芯材に、従来のJIS3003,3005(Al−Mn系合金)に
代り、これにCuを添加したAl−Mn−Cu系合金を用いるこ
とである。芯材に添加されるCuは0.5wt%(以下wt%を
%と略記)前後であり、JIS3003のろう付後の強度を12k
g f/mm2から14kg f/mm2に改善し、更に孔食電位を上昇
させることにより、耐孔食性を向上する。また芯材中の
Cuをろう材又は内張材側に拡散させ、Cuの濃度勾配を利
用した犠牲腐食については、特開平1−100237号公報に
開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
Cuの濃度勾配を利用した防食方法では、ろう材又は内
張材の電位を貴とし、これ等犠牲層を効果的に犠牲腐食
させることができない。即ちラジエーターチューブの内
側においては、使用中にスケールや高温水中で生成する
アルミニウムの水和物皮膜が付着し、犠牲層の防食電流
を抑制するため、芯材に深い孔食が発生する場合があ
る。
またエバポレーターの外部のように親水性付与のため
のクロメート処理に加えて水ガラス等の樹脂塗料を塗る
場合、やはりこれ等皮膜がろう材層や犠牲フィン材の防
食電流を抑制し、チューブプレートに深い孔食発生を引
き起す場合がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、Cu含有合金を芯
材とするブレージングシートの耐孔食性を改善し、Cu拡
散によるCu濃度差の利用に加えて、ろう材や内張材にZn
を添加し、犠牲層の作用を向上させたアルミニウム製熱
交換器を開発したもので、0.3%以上のCuを含むAl合金
を芯材とし、その片面にAl合金ろう材を、他面にAl合金
ろう材又はAl合金内張材を皮材としてクラッドしたブレ
ージングシートで冷媒通路を構成するアルミニウム製熱
交換器において、冷媒通路を構成するブレージングシー
トの芯材と皮材表面のCu濃度差を0.2%以上とし、皮材
表面のCu濃度を0.2%以下とし、更に皮材表面に0.3%以
上のZn濃度を有するZn拡散層を形成したことを特徴とす
るものである。
〔作 用〕
本発明は、上記の如く、熱交換器の冷媒通路を形成す
るブレージングシートについて、ろう付前の段階でブレ
ージングシートの芯材に、Cuを0.3%以上含むAl−Cu,Al
−Mn−Cu,Al−Mn−Mg−Cu,Al−Si−Mg−Cu等の合金を用
い、ろう材にZnを0.5〜2%含むAl−Si−Zn,Al−Si−Mg
−Zn等のAl合金ろう材を用い、内張材にZnを1〜5%含
むAl−Zn合金(JIS7072)又はこれにMn,Mgを添加した合
金を用い、このようにしてろう付後にろう材と内張材の
表面のCu濃度を0.2%以下とし、芯材とろう材及び内張
材表面のCu濃度差を0.2%以上とし、更にろう材と内張
材のZn濃度を0.3%以上とすることにより、ブレージン
シートの耐孔食性を向上せしめたものである。
芯材のCu含有量を0.3%以上としてのは、芯材の電位
を貴にすると共に、強度を向上させ、芯材とろう材又は
内張材表面のCu濃度差を0.2%以上とするためであり、M
n含有量は0.5〜1.5%,Mg含有量は0.2〜1.0%,Si含有量
は0.3〜1.0%の範囲内であれば、芯材の電位を損なうこ
となく強度を向上することができる。ろう材及び内張材
表面のCu濃度を0.2%以下としたのは、これ以上のCu濃
度となるとろう材や内張材に添加されたZn濃度を高くし
ても電位が卑とならず、犠牲作用が低下するばかりか、
ろう材や内張材の自己腐食が層状とならず、芯材の孔食
発生を促進するためである。芯材とろう材又は内張材表
面のCu濃度差を0.2%以上としたのは、0.2%未満ではろ
う材や内張材へのZn添加によっても、芯材とろう材又は
内張材との間に十分な電位差を得ることができず、犠牲
作用が低下するためである。尚芯材の電位は、芯材とろ
う材又は内張材の界面にCuの濃度勾配が形成されてお
り、電位の最も貴な所を芯材の電位とした。
ろう材や内張材には、ろう付後に表面Zn濃度が0.3%
以上、表面から拡散深さ100μm程度のZn拡散層が形成
されていることが望ましい。このためにZn濃度を0.3%
以上とすることで、芯材から拡散するCuによるろう材や
内張材の電位上昇(貴化)を抑制し、犠牲作用の低下を
防止する。あわせてろう材,内張材の腐食を全面腐食型
の層状とすることができ、犠牲作用を増大する。尚ろう
付前の段階でAl−Si,Al−Si−Mg系合金ろう材に0.5〜2
%のZnを添加しておけば、ろう付後に上記Znの拡散パタ
ーンを得ることができる。また内張材にはAl−1%Zn合
金(JIS7072)やこれにMn,Mg,Si等を添加した合金を使
用する。ただしクラッド厚さが40μm以下となるとZn拡
散による表面Zn濃度の低下が顕著となるため、Zn量はク
ラッド厚さに合せて5%まで増加させる必要がある。
〔実施例〕
以下本発明を実施例について説明する。
実施例1 第1表に示す芯材とその両面のろう材からなる板厚0.
4mmのブレージングシート(クラッド材)を常法により
作製した。即ち芯材は溶解鋳造後560℃で3時間均質化
処理を施した後、面削し、ろう材は同様に溶解鋳造後、
500℃の熱間圧延により厚さ3.5mmの板とし、これを重ね
合せ、500℃で熱間圧延を行ない、続いて冷間圧延と最
終焼鈍を行なって、片面5%のろう材を芯材の両面にク
ラッドした厚さ0.4mmのブレージングシートとした。
これをN2ガス中で600℃に3分間ろう付加熱し、その
断面からCuとZnの拡散状況をEPMA線分析により測定し、
ろう材表面のCuとZnの濃度と、芯材とろう材表面のCu濃
度差を求めた。またろう材側をのこして裏面及び端面を
シールし、200時間のCASS試験(JISH8681)を行ない、
ろう材側の耐食性を評価した。更に光学顕微鏡を使用
し、焦点深度法により最大孔食深さを求めた。その結果
を第2表に示す。
第1表及び第2表から明らかなように、本発明例にな
る熱交換器の冷媒通路を構成するブレージングシート
は、従来例及び比較例と比べはるかに優れた耐孔食性を
示していることが判る。
実施例2 第3表に示すろう材と芯材と内張材からなる板厚0.4m
mのクラッド材を実施例1と同様の方法で製造した。ろ
う材と内張材のクラッド率をそれぞれ5%(厚さ20μ
m)とした。
これをN2ガス中で600℃に3分間ろう付加熱し、実施
例1と同様にして表面のCu濃度,Zn濃度を測定すると共
に、芯材と内張材表面のCu濃度差を求めた。また内張材
をのこして裏面と端面をシールし、10ppmのCu2+イオン
を含む水道水を用い80℃に8時間、室温に16時間保持す
るサイクル腐食試験を3ヶ月間行ない、内張材の耐食性
を評価した。その結果を第4表に示す。
第3表及び第4表から明らかなように、本発明例にな
る熱交換器の冷媒通路を構成するクラッド材は、比較例
と比べ内張材側の耐孔食性がはるかに優れていることが
判る。
[発明の効果] このように本発明によれば、Cu拡散によるCu濃度勾配
を利用することにより、冷媒通路を形成するブレージン
グシート(クラッド材)の耐孔食性を一段と改善し、特
にZnの蒸発の心配がない雰囲気ろう付(非腐食性フラッ
クス使用あるいはフラックスレス)において顕著に耐孔
食性を向上することができ、このような耐孔食性の向上
により、材料の強度向上とあいまって、冷媒通路構成材
料の薄肉化が可能となり、熱交換器の軽量化が図れる
等、工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は自動車用ラジエーターの一例を示す正面図、第
2図は第1図のA−A線における拡大断面図、第3図は
ドロンカップ型エバポレーターの一例を示す正面図、第
4図は第3図に示すエバポレーターの一部を切欠いて示
す拡大斜視図である。 1……チューブ 2……フィン 3……ヘッダープレート 4……コア 5,5′……樹脂タンク 6……パッキン 7,7′……チューブプレート 8……エンドプレート 9,9′……冷媒通路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.3wt%以上のCuを含むAl合金を芯材と
    し、その片面にAl合金ろう材を、他面にAl合金ろう材又
    はAl合金内張材を皮材としてクラッドしたブレージング
    シートで冷媒通路を構成するアルミニウム製熱交換器に
    おいて、冷媒通路を構成するブレージングシートの芯材
    と皮材表面のCu濃度差を0.2wt%以上とし、皮材表面のC
    u濃度を0.2wt%以下とし、更に皮材表面に0.3wt%以上
    のZn濃度を有するZn拡散層を形成したことを特徴とする
    アルミニウム製熱交換器。
JP24687089A 1989-09-22 1989-09-22 アルミニウム製熱交換器 Expired - Lifetime JP2749660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24687089A JP2749660B2 (ja) 1989-09-22 1989-09-22 アルミニウム製熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24687089A JP2749660B2 (ja) 1989-09-22 1989-09-22 アルミニウム製熱交換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03114656A JPH03114656A (ja) 1991-05-15
JP2749660B2 true JP2749660B2 (ja) 1998-05-13

Family

ID=17154956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24687089A Expired - Lifetime JP2749660B2 (ja) 1989-09-22 1989-09-22 アルミニウム製熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2749660B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4733593B2 (ja) * 2006-08-17 2011-07-27 本田技研工業株式会社 ベルトガイド装置
JP5084490B2 (ja) * 2007-12-26 2012-11-28 古河スカイ株式会社 アルミニウム合金クラッド材
JP6570325B2 (ja) * 2015-06-04 2019-09-04 株式会社Uacj アルミニウム合金クラッド材およびろう付け方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03114656A (ja) 1991-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2685927B2 (ja) A▲l▼製熱交換器の冷媒通路用ブレージングシート
JP3772017B2 (ja) 熱交換器用高強度高耐食アルミニウム合金クラッド材
JP3360026B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートのろう付け方法
JP2749660B2 (ja) アルミニウム製熱交換器
JPH04263033A (ja) 熱交換器用アルミニウムクラッド材
JP3765327B2 (ja) ろう付用アルミニウム合金複合部材及びろう付方法
JP3788737B2 (ja) 高耐食性ブレージングシート
JP2842668B2 (ja) A1熱交換器用高強度高耐食性a1合金クラッド材
JPH1180870A (ja) 強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材
JP2842669B2 (ja) A1熱交換器用高強度高耐食性a1合金クラッド材
JP4263160B2 (ja) アルミニウム合金クラッド材並びにそれを用いた熱交換器用チューブ及び熱交換器
JP2004225061A (ja) 耐食性に優れたアルミニウム合金クラッドチューブ材および該クラッドチューブ材を組付けた熱交換器
JPH11293371A (ja) 強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材
JP2697909B2 (ja) アルミニウム製熱交換器用ブレージングシート
JP3217108B2 (ja) 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金クラッド材
JP2842667B2 (ja) A1熱交換器用高強度高耐食性a1合金クラッド材
JP3234619B2 (ja) 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金クラッド材
JPS6296637A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金クラツド材
JP2764909B2 (ja) ブレージングシート及び熱交換器
JP3850082B2 (ja) アルミニウム合金製熱交換器
JP2933382B2 (ja) 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金クラッド材
JP2004225062A (ja) 耐食性に優れたアルミニウム合金クラッドチューブ材および該クラッドチューブ材を組付けた熱交換器
JP2783921B2 (ja) 低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器
JPH0436435A (ja) A1熱交換器用高強度高耐食性クラッド材
JP2813489B2 (ja) アルミニウムブレージングシート

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 12