JP2783921B2 - 低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器 - Google Patents
低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器Info
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- JP2783921B2 JP2783921B2 JP18182891A JP18182891A JP2783921B2 JP 2783921 B2 JP2783921 B2 JP 2783921B2 JP 18182891 A JP18182891 A JP 18182891A JP 18182891 A JP18182891 A JP 18182891A JP 2783921 B2 JP2783921 B2 JP 2783921B2
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- Japan
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- heat exchanger
- aluminum alloy
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- alloy
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、 500℃以下の温度でろ
う付けしたアルミニウム合金製熱交換器に関するもの
で、特に自動車用熱交換器として使用されるものであ
る。
う付けしたアルミニウム合金製熱交換器に関するもの
で、特に自動車用熱交換器として使用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
に使用されている熱交換器としては、ラジエター,オイ
ルクーラー,コンデンサー,エバポレーター等があり、
その多くはAlおよびAl合金を使用してろう付け法に
より製造されている。通常ろう付けはAl−Si系のろ
う材が用いられ、そのためろう付けは 600℃程度の高温
で行われる。ラジエター等の熱交換器は例えば図1に示
すように複数本のチューブ(1) の間にコルゲート状に加
工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、該チューブの
(1) の両端はヘッダー(3) とタンク(5) とで構成される
空間にそれぞれ開口しており、一方のタンク側の空間か
らチューブ(1) 内を通して高温冷媒を他方のタンク側の
空間に送り、チューブ(1) およびフィン(2) の部分で熱
交換して低温になった冷媒を再び循環させるものであ
る。尚図において(4)はサイドプレートを示す。
に使用されている熱交換器としては、ラジエター,オイ
ルクーラー,コンデンサー,エバポレーター等があり、
その多くはAlおよびAl合金を使用してろう付け法に
より製造されている。通常ろう付けはAl−Si系のろ
う材が用いられ、そのためろう付けは 600℃程度の高温
で行われる。ラジエター等の熱交換器は例えば図1に示
すように複数本のチューブ(1) の間にコルゲート状に加
工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、該チューブの
(1) の両端はヘッダー(3) とタンク(5) とで構成される
空間にそれぞれ開口しており、一方のタンク側の空間か
らチューブ(1) 内を通して高温冷媒を他方のタンク側の
空間に送り、チューブ(1) およびフィン(2) の部分で熱
交換して低温になった冷媒を再び循環させるものであ
る。尚図において(4)はサイドプレートを示す。
【0003】ところで、近年、熱交換器は軽量・小型化
の方向にあり、そのために材料の薄肉化が望まれてい
る。しかし、従来の材料で薄肉化を行った場合、材料の
肉厚が減少する分フィン材の強度が不足してしまい、熱
交換器としての耐圧強度が低下してしまう。そのため高
強度合金がいくつか提案されているが、十分な強度が得
られていない。これは、製品の最終工程として 600℃付
近まで加熱されるブレージングがあるため、加工硬化等
の強度向上のメカニズムが利用できないためである。
の方向にあり、そのために材料の薄肉化が望まれてい
る。しかし、従来の材料で薄肉化を行った場合、材料の
肉厚が減少する分フィン材の強度が不足してしまい、熱
交換器としての耐圧強度が低下してしまう。そのため高
強度合金がいくつか提案されているが、十分な強度が得
られていない。これは、製品の最終工程として 600℃付
近まで加熱されるブレージングがあるため、加工硬化等
の強度向上のメカニズムが利用できないためである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題に鑑
み、ろう付け後の強度を向上させた熱交換器を得るため
にはろう付け後の強度が高いフィン材を開発することが
重要であり、そのためには、従来のブレージング方法で
はなく、ろう付け温度を低温にしたろう付け方法を用い
ることにより問題が解決できると考え、本発明に至っ
た。ろう付け温度を低温にしたろう付けとは、近年、ろ
う付けコストの低減から、ろう付け温度をより低温にし
たいという要求が高まってきたことから開発されたろう
付け方法である。ろう付け温度を低温にすることによ
り、ろう付け時間の短縮、ろう付けに要する熱量の低
減、ろう付け炉のコスト低減、ろう付け炉の耐久性向上
等種々の利点が生まれる。現在開発されている低温ろう
付け用ろう材としては、融点 500℃以下なら、例えば純
Zn,Zn−Al系のZn−28wt%以下Al合金,Zn
−Cd系,Sn−Zn系,Sn−Pb系等がある。但
し、ろう付け後の熱交換器の耐食性を考慮すると、Zn
−Al系のろう材が最も望ましい。
み、ろう付け後の強度を向上させた熱交換器を得るため
にはろう付け後の強度が高いフィン材を開発することが
重要であり、そのためには、従来のブレージング方法で
はなく、ろう付け温度を低温にしたろう付け方法を用い
ることにより問題が解決できると考え、本発明に至っ
た。ろう付け温度を低温にしたろう付けとは、近年、ろ
う付けコストの低減から、ろう付け温度をより低温にし
たいという要求が高まってきたことから開発されたろう
付け方法である。ろう付け温度を低温にすることによ
り、ろう付け時間の短縮、ろう付けに要する熱量の低
減、ろう付け炉のコスト低減、ろう付け炉の耐久性向上
等種々の利点が生まれる。現在開発されている低温ろう
付け用ろう材としては、融点 500℃以下なら、例えば純
Zn,Zn−Al系のZn−28wt%以下Al合金,Zn
−Cd系,Sn−Zn系,Sn−Pb系等がある。但
し、ろう付け後の熱交換器の耐食性を考慮すると、Zn
−Al系のろう材が最も望ましい。
【0005】すなわち、本発明の一つは、Feを 3.0〜
12.0wt%含有し、残部が実質的にアルミニウムよりなる
アルミニウム合金フィン材と、通路構成部材を 500℃以
下の温度でろう付けすることにより構成したことを特徴
とするものである。
12.0wt%含有し、残部が実質的にアルミニウムよりなる
アルミニウム合金フィン材と、通路構成部材を 500℃以
下の温度でろう付けすることにより構成したことを特徴
とするものである。
【0006】また本発明の他の一つは、Feを 3.0〜1
2.0wt%含有し、V: 0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1〜5.0
wt%,Mn: 0.1〜5.0 wt%,Ni 0.1〜5.0 wt%T
i 0.1〜5.0 wt%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1
〜5.0 wt%,Co: 0.1〜5.0wt%,W 0.1〜5.0 wt%
の内から1種または2種以上の元素を合計16wt%以下と
なるように含有し、残部が実質的にアルミニウムよりな
るアルミニウム合金フィン材と、通路構成部材とを 500
℃以下の温度でろう付けすることにより構成したことを
特徴とするものである。
2.0wt%含有し、V: 0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1〜5.0
wt%,Mn: 0.1〜5.0 wt%,Ni 0.1〜5.0 wt%T
i 0.1〜5.0 wt%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1
〜5.0 wt%,Co: 0.1〜5.0wt%,W 0.1〜5.0 wt%
の内から1種または2種以上の元素を合計16wt%以下と
なるように含有し、残部が実質的にアルミニウムよりな
るアルミニウム合金フィン材と、通路構成部材とを 500
℃以下の温度でろう付けすることにより構成したことを
特徴とするものである。
【0007】また本発明の他の一つは、Feを 3.0〜1
2.0wt%含有し、Si: 0.1〜2.5 wt%,Mg: 0.1〜
0.5wt %,Cu: 0.1〜1.5 wt%の内から1種または2
種以上の元素を含有し、残部が実質的にアルミニウムよ
りなるアルミニウム合金フィン材と、通路構成部材とを
500℃以下の温度でろう付けすることにより構成したこ
とを特徴とするものである。
2.0wt%含有し、Si: 0.1〜2.5 wt%,Mg: 0.1〜
0.5wt %,Cu: 0.1〜1.5 wt%の内から1種または2
種以上の元素を含有し、残部が実質的にアルミニウムよ
りなるアルミニウム合金フィン材と、通路構成部材とを
500℃以下の温度でろう付けすることにより構成したこ
とを特徴とするものである。
【0008】更に本発明の他の一つは、Feを 3.0〜1
2.0wt%含有し、V: 0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1〜5.0
wt%,Mn: 0.1〜5.0 wt%,Ni 0.1〜5.0 wt%T
i 0.1〜5.0 wt%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1
〜5.0 wt%,Co: 0.1〜5.0wt%,W: 0.1〜5.0 wt
%の内から1種または2種以上の元素を合計16wt%以下
となるように含有し、さらにSi: 0.1〜2.5 wt%,M
g: 0.1〜0.5 wt%,Cu: 0.1〜1.5 wt%の内から1
種または2種以上の元素を含有し、残部が実質的にアル
ミニウムよりなるアルミニウム合金フィン材と、通路構
成部材とを 500℃以下の温度でろう付けすることにより
構成したことを特徴とするものである。
2.0wt%含有し、V: 0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1〜5.0
wt%,Mn: 0.1〜5.0 wt%,Ni 0.1〜5.0 wt%T
i 0.1〜5.0 wt%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1
〜5.0 wt%,Co: 0.1〜5.0wt%,W: 0.1〜5.0 wt
%の内から1種または2種以上の元素を合計16wt%以下
となるように含有し、さらにSi: 0.1〜2.5 wt%,M
g: 0.1〜0.5 wt%,Cu: 0.1〜1.5 wt%の内から1
種または2種以上の元素を含有し、残部が実質的にアル
ミニウムよりなるアルミニウム合金フィン材と、通路構
成部材とを 500℃以下の温度でろう付けすることにより
構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】まず、本発明に係るフィン材の合金組成につい
て説明する。第1番目の発明はFeを 3.0〜12.0wt%含
有し、残部が実質的にアルミニウムよりなるアルミニウ
ム合金フィン材を使用するものである。Feは合金中に
分散粒子および固溶Feとして存在し、 500℃以下のろ
う付け加熱中にフィン材に再結晶が生じることでフィン
が軟化することを防止する。すなわち、分散粒子は亜結
晶粒を微細かつ安定化させ、固溶Feは転位をピン止め
する。しかしてFeが 3.0wt%未満では上記作用が不十
分であり、 12.0wt %を越えて添加すると材料の成形性
が低下しフィン材としてのコルゲート加工等が出来なく
なる。従って、Feの含有量は 3.0〜12.0wt%と定め
る。
て説明する。第1番目の発明はFeを 3.0〜12.0wt%含
有し、残部が実質的にアルミニウムよりなるアルミニウ
ム合金フィン材を使用するものである。Feは合金中に
分散粒子および固溶Feとして存在し、 500℃以下のろ
う付け加熱中にフィン材に再結晶が生じることでフィン
が軟化することを防止する。すなわち、分散粒子は亜結
晶粒を微細かつ安定化させ、固溶Feは転位をピン止め
する。しかしてFeが 3.0wt%未満では上記作用が不十
分であり、 12.0wt %を越えて添加すると材料の成形性
が低下しフィン材としてのコルゲート加工等が出来なく
なる。従って、Feの含有量は 3.0〜12.0wt%と定め
る。
【0010】第2番目の発明は第1番目の発明をさらに
改良したもので、Feを 3.0〜12.0wt%含有し、V:
0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1〜5.0 wt%,Mn: 0.1〜
5.0 wt%,Ni 0.1〜5.0 wt%,Ti: 0.1〜5.0 wt
%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1〜5.0 wt%,C
o: 0.1〜5.0 wt%,W: 0.1〜5.0 wt%の内から1種
または2種以上の元素を合計16wt%以下となるように含
有し、残部が実質的にアルミニウムよりなるフィン材を
用いる。ここで、V,Cr,Mn,Ni,Ti,Zr,
Mo,Co,Wはいずれも微細な金属間化合物として存
在し、Feの働きを助け、強度向上に寄与する。しかし
ていずれもその量が 0.1wt%未満では作用が十分でな
く、 5.0wt%を越えて添加しても粗大な粒子が生じるば
かりで強度向上に効果がない。よって、V,Cr,M
n,Ni,Ti,Zr,Mo,Co,Wのそれぞれの添
加量は 0.1〜5.0 wt%とする。これらの元素は1種のみ
添加しても2種以上添加しても効果があるが、添加量の
合計が16wt%以下となるように定める。これは合計添加
量が16wt%を越えた場合には成形性が低下するためであ
る。
改良したもので、Feを 3.0〜12.0wt%含有し、V:
0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1〜5.0 wt%,Mn: 0.1〜
5.0 wt%,Ni 0.1〜5.0 wt%,Ti: 0.1〜5.0 wt
%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1〜5.0 wt%,C
o: 0.1〜5.0 wt%,W: 0.1〜5.0 wt%の内から1種
または2種以上の元素を合計16wt%以下となるように含
有し、残部が実質的にアルミニウムよりなるフィン材を
用いる。ここで、V,Cr,Mn,Ni,Ti,Zr,
Mo,Co,Wはいずれも微細な金属間化合物として存
在し、Feの働きを助け、強度向上に寄与する。しかし
ていずれもその量が 0.1wt%未満では作用が十分でな
く、 5.0wt%を越えて添加しても粗大な粒子が生じるば
かりで強度向上に効果がない。よって、V,Cr,M
n,Ni,Ti,Zr,Mo,Co,Wのそれぞれの添
加量は 0.1〜5.0 wt%とする。これらの元素は1種のみ
添加しても2種以上添加しても効果があるが、添加量の
合計が16wt%以下となるように定める。これは合計添加
量が16wt%を越えた場合には成形性が低下するためであ
る。
【0011】第3番目の発明は第2番目と異なったメカ
ニズムで第1番目の発明をさらに改良したもので、Fe
を 3.0〜12.0wt%含有し、Si: 0.1〜2.5wt %,M
g:0.1〜0.5wt %,Cu: 0.1〜1.5wt %の内から1
種または2種以上の元素を含有し、残部が実質的にアル
ミニウムよりなるフィン材を用いる。ここで、Si,M
g,Cuは合金中に固溶状態で強度を向上させ、さらに
ろう付け時の冷却速度が早い場合は時効効果により強度
を向上させる。しかしいずれもその量が 0.1wt%未満で
は作用が十分でない。そしてSiはその量が 2.5wt%を
越えた場合、Feと結合した粗大な金属間化合物を生成
し、強度向上を阻害する。Mgは 0.5wt%を越えた場
合、ろう付けに用いるフラックスと反応し、ろう付けが
できなくなる。Cuは 1.5wt%を越えるとフィンの電位
が貴になり熱交換器として使用する場合にチューブから
腐食が進行してしまう。従って、それぞれの添加量は、
Si: 0.1〜2.5 wt%,Mg: 0.1〜0.5 wt%,Cu:
0.1〜1.5 wt%と定める。なお、これらの元素は1種の
みあるいは2種以上添加しても効果がある。
ニズムで第1番目の発明をさらに改良したもので、Fe
を 3.0〜12.0wt%含有し、Si: 0.1〜2.5wt %,M
g:0.1〜0.5wt %,Cu: 0.1〜1.5wt %の内から1
種または2種以上の元素を含有し、残部が実質的にアル
ミニウムよりなるフィン材を用いる。ここで、Si,M
g,Cuは合金中に固溶状態で強度を向上させ、さらに
ろう付け時の冷却速度が早い場合は時効効果により強度
を向上させる。しかしいずれもその量が 0.1wt%未満で
は作用が十分でない。そしてSiはその量が 2.5wt%を
越えた場合、Feと結合した粗大な金属間化合物を生成
し、強度向上を阻害する。Mgは 0.5wt%を越えた場
合、ろう付けに用いるフラックスと反応し、ろう付けが
できなくなる。Cuは 1.5wt%を越えるとフィンの電位
が貴になり熱交換器として使用する場合にチューブから
腐食が進行してしまう。従って、それぞれの添加量は、
Si: 0.1〜2.5 wt%,Mg: 0.1〜0.5 wt%,Cu:
0.1〜1.5 wt%と定める。なお、これらの元素は1種の
みあるいは2種以上添加しても効果がある。
【0012】第4番目の発明は、第1番目の発明に第2
番目と第3番目の両発明を組合わせたもので、Feを
3.0〜12.0wt%含有し、V:0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1
〜5.0 wt%,Mn: 0.1〜5.0 wt%,Ni: 0.1〜5.0
wt%,Ti: 0.1〜5.0 wt%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,
Mo: 0.1〜5.0 wt%,Co: 0.1〜5.0 wt%,W:
0.1〜5.0 wt%の内から1種または2種以上の元素を合
計16wt%以下となるように含有し、さらにSi: 0.1〜
2.5 wt%,Mg: 0.1 〜0.5 wt%,Cu: 0.1〜1.5 wt
%の内から1種または2種以上の元素を含有し、残部が
実質的にアルミニウムよりなるフィン材を用いる。この
フィン材の添加元素の役割は上記と同様である。
番目と第3番目の両発明を組合わせたもので、Feを
3.0〜12.0wt%含有し、V:0.1〜5.0 wt%,Cr: 0.1
〜5.0 wt%,Mn: 0.1〜5.0 wt%,Ni: 0.1〜5.0
wt%,Ti: 0.1〜5.0 wt%,Zr: 0.1〜5.0 wt%,
Mo: 0.1〜5.0 wt%,Co: 0.1〜5.0 wt%,W:
0.1〜5.0 wt%の内から1種または2種以上の元素を合
計16wt%以下となるように含有し、さらにSi: 0.1〜
2.5 wt%,Mg: 0.1 〜0.5 wt%,Cu: 0.1〜1.5 wt
%の内から1種または2種以上の元素を含有し、残部が
実質的にアルミニウムよりなるフィン材を用いる。この
フィン材の添加元素の役割は上記と同様である。
【0013】以上が本発明に係るフィン材の合金成分で
あるが、このフィン材では上記以外の元素がそれぞれ
0.1wt%未満で且つ合計で 1.0wt%未満であれば不可避
的不純物として含有されていても、また、鋳塊組織の微
細化を目的として添加しても本発明を損なうものでな
い。
あるが、このフィン材では上記以外の元素がそれぞれ
0.1wt%未満で且つ合計で 1.0wt%未満であれば不可避
的不純物として含有されていても、また、鋳塊組織の微
細化を目的として添加しても本発明を損なうものでな
い。
【0014】また、上記アルミニウム合金フィン材を用
いて熱交換器として組立てる場合、低融点のろう材を被
覆した通路構成部材と組み合わせて用いるのがもっとも
容易である。この場合、ろうの被覆は通常、溶射法,溶
融めっき法,電気めっき法,蒸着法,圧着法等の方法に
よって行われる。さらに内部に耐食性を要求される場合
には、通路構成部材の内側に犠牲層を設けて3層材と
し、防食効果を高めたものが特に推奨される。なお、本
発明に係るフィン材の板厚は 120μm以下である。
いて熱交換器として組立てる場合、低融点のろう材を被
覆した通路構成部材と組み合わせて用いるのがもっとも
容易である。この場合、ろうの被覆は通常、溶射法,溶
融めっき法,電気めっき法,蒸着法,圧着法等の方法に
よって行われる。さらに内部に耐食性を要求される場合
には、通路構成部材の内側に犠牲層を設けて3層材と
し、防食効果を高めたものが特に推奨される。なお、本
発明に係るフィン材の板厚は 120μm以下である。
【0015】
【実施例】本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明す
る。表1に示す合金組成のフィン材を以下のチューブ材
およびヘッダー材と組み合わせ図1に示すラジエターを
組み立てた。JIS A 3003合金(Al−0.15wt%Cu−1.
1 wt%Mn)を芯材とし、外側にZn−15wt%Al合金
を全板厚の10%、内側にJIS A 7072合金(Al−1wt%
Zn)を同じく全板厚の10%でクラッドし肉厚 0.3mmの
電縫チューブ(1) と上記各成分で肉厚 0.1mmのコルゲー
トフィン(2) と、3003合金の片側にZn−15wt%Al合
金を全板厚の8%、裏面に7072合金を同じく全板厚の10
%でクラッドした厚さ 1.6mmのヘッダープレート(3)
と、3003合金の片側にZn−15wt%Al合金を全板厚の
10%でクラッドした厚さ 1.2mmのサイドプレート(4) を
図2に示すように組み立て、ラジエターコアとし、これ
を治具で固定した。
る。表1に示す合金組成のフィン材を以下のチューブ材
およびヘッダー材と組み合わせ図1に示すラジエターを
組み立てた。JIS A 3003合金(Al−0.15wt%Cu−1.
1 wt%Mn)を芯材とし、外側にZn−15wt%Al合金
を全板厚の10%、内側にJIS A 7072合金(Al−1wt%
Zn)を同じく全板厚の10%でクラッドし肉厚 0.3mmの
電縫チューブ(1) と上記各成分で肉厚 0.1mmのコルゲー
トフィン(2) と、3003合金の片側にZn−15wt%Al合
金を全板厚の8%、裏面に7072合金を同じく全板厚の10
%でクラッドした厚さ 1.6mmのヘッダープレート(3)
と、3003合金の片側にZn−15wt%Al合金を全板厚の
10%でクラッドした厚さ 1.2mmのサイドプレート(4) を
図2に示すように組み立て、ラジエターコアとし、これ
を治具で固定した。
【0016】
【表1】
【0017】この組立物を有機溶剤で脱脂してステンレ
ス製のトレー上に載置した。そして、AlF3 とCsF
を基本組成とし弗化物系フラックスの10%濃度液を接合
部に塗布し、温度 420℃に保持した露点−40℃の窒素ガ
ス雰囲気の電気炉内にこのトレーを挿入し、5分間加熱
してろう付けを実施した。また、同時にフィン材を加熱
し、ろう付け加熱後のフィン材の引張強度を測定した。
上記ろう付け加熱後にラジエターを炉外へ取り出し、ろ
う付け状況を調べ表2に示した。また、ラジエターの電
縫チューブ内部に2kgf/cm2 の水圧を負荷したり除荷し
たりし、チューブが破裂しラジエターが変形するまでの
繰り返し回数を調べラジエターの耐圧強度の指標として
表2に示した。ただし、繰り返しは10万回を目安とし、
そこで実験は中止した。尚従来例としては、芯材をJIS
A 3003合金としJIS A 7072合金とJIS A 4343合金(Al
− 7.5wt%Si)とを熱間圧着した同一構成のブレージ
ングシートを用い、同様のラジエターを組み立て、Al
F3 とKFを基本組成とした弗化物系フラックスの10%
濃度液を塗布し、温度液 600℃において上記の同様の炉
中でろう付けした。
ス製のトレー上に載置した。そして、AlF3 とCsF
を基本組成とし弗化物系フラックスの10%濃度液を接合
部に塗布し、温度 420℃に保持した露点−40℃の窒素ガ
ス雰囲気の電気炉内にこのトレーを挿入し、5分間加熱
してろう付けを実施した。また、同時にフィン材を加熱
し、ろう付け加熱後のフィン材の引張強度を測定した。
上記ろう付け加熱後にラジエターを炉外へ取り出し、ろ
う付け状況を調べ表2に示した。また、ラジエターの電
縫チューブ内部に2kgf/cm2 の水圧を負荷したり除荷し
たりし、チューブが破裂しラジエターが変形するまでの
繰り返し回数を調べラジエターの耐圧強度の指標として
表2に示した。ただし、繰り返しは10万回を目安とし、
そこで実験は中止した。尚従来例としては、芯材をJIS
A 3003合金としJIS A 7072合金とJIS A 4343合金(Al
− 7.5wt%Si)とを熱間圧着した同一構成のブレージ
ングシートを用い、同様のラジエターを組み立て、Al
F3 とKFを基本組成とした弗化物系フラックスの10%
濃度液を塗布し、温度液 600℃において上記の同様の炉
中でろう付けした。
【0018】
【表2】
【0019】表2より明らかなように、本発明によるラ
ジエターはろう付け状況が良好であり、さらに、ろう付
け加熱後のフィン材の引張強度を表2に示すが、本発明
は従来材に比較して強度が向上している。また、耐圧強
度も従来材に比べて優れている。
ジエターはろう付け状況が良好であり、さらに、ろう付
け加熱後のフィン材の引張強度を表2に示すが、本発明
は従来材に比較して強度が向上している。また、耐圧強
度も従来材に比べて優れている。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、従来より軽量・小型化
し、かつ強度を従来より向上させた熱交換器となり、工
業上顕著な効果を奏するものである。
し、かつ強度を従来より向上させた熱交換器となり、工
業上顕著な効果を奏するものである。
【図1】自動車用ラジエターの一例を示す斜視図であ
る。
る。
1 チューブ 2 コルゲートフィン 3 ヘッダープレート 4 サイドプレート 5 プラスチック製タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 1/19 B23K 1/00 310 B23K 1/00 330 C22C 21/00 F28F 21/08
Claims (4)
- 【請求項1】 Feを 3.0〜12.0wt%含有し、残部が実
質的にアルミニウムよりなるアルミニウム合金フィン材
と、通路構成部材とを 500℃以下の温度でろう付けする
ことにより構成したことを特徴とする低温ろう付けアル
ミニウム合金製熱交換器。 - 【請求項2】 Feを 3.0〜12.0wt%含有し、V: 0.1
〜5.0 wt%,Cr:0.1〜5.0 wt%,Mn: 0.1〜5.0 w
t%,Ni: 0.1〜5.0 wt%,Ti: 0.1〜5.0 wt%,
Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1〜5.0 wt%,Co:
0.1〜5.0 wt%,W: 0.1〜5.0 wt%の内から1種また
は2種以上の元素を合計16wt%以下となるように含有
し、残部が実質的にアルミニウムよりなるアルミニウム
合金フィン材と、通路構成部材とを 500℃以下の温度で
ろう付けすることにより構成したことを特徴とする低温
ろう付けアルミニウム合金製熱交換器。 - 【請求項3】 Feを 3.0〜12.0wt%含有し、Si:
0.1〜2.5 wt%,Mg: 0.1〜0.5 wt%,Cu: 0.1〜
1.5 wt%の内から1種または2種以上の元素を含有し、
残部が実質的にアルミニウムよりなるアルミニウム合金
フィン材と、通路構成部材とを 500℃以下の温度でろう
付けすることにより構成したことを特徴とする低温ろう
付けアルミニウム合金製熱交換器。 - 【請求項4】 Feを 3.0〜12.0wt%含有し、V: 0.1
〜5.0 wt%,Cr:0.1〜5.0 wt%,Mn: 0.1〜5.0 w
t%,Ni: 0.1〜5.0 wt%,Ti: 0.1〜5.0 wt%,
Zr: 0.1〜5.0 wt%,Mo: 0.1〜5.0 wt%,Co:
0.1〜5.0 wt%,W: 0.1〜5.0 wt%の内から1種また
は2種以上の元素を合計16wt%以下となるように含有
し、さらにSi: 0.1〜2.5 wt%,Mg: 0.1〜0.5 wt
%,Cu: 0.1〜1.5 wt%の内から1種または2種以上
の元素を含有し、残部が実質的にアルミニウムよりなる
アルミニウム合金フィン材と、通路構成部材とを 500℃
以下の温度でろう付けすることにより構成したことを特
徴とする低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18182891A JP2783921B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18182891A JP2783921B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05368A JPH05368A (ja) | 1993-01-08 |
JP2783921B2 true JP2783921B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=16107531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18182891A Expired - Lifetime JP2783921B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 低温ろう付けアルミニウム合金製熱交換器 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2783921B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
JP5130643B2 (ja) * | 2006-04-07 | 2013-01-30 | オムロン株式会社 | 加熱方法および加熱装置 |
JP2011099630A (ja) * | 2009-11-06 | 2011-05-19 | Mitsubishi Electric Corp | 熱交換器及びこの熱交換器を用いた冷蔵庫、空気調和機 |
JP5789401B2 (ja) * | 2011-04-15 | 2015-10-07 | 株式会社神戸製鋼所 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
-
1991
- 1991-06-26 JP JP18182891A patent/JP2783921B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05368A (ja) | 1993-01-08 |
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