JP2734112B2 - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

Info

Publication number
JP2734112B2
JP2734112B2 JP1226257A JP22625789A JP2734112B2 JP 2734112 B2 JP2734112 B2 JP 2734112B2 JP 1226257 A JP1226257 A JP 1226257A JP 22625789 A JP22625789 A JP 22625789A JP 2734112 B2 JP2734112 B2 JP 2734112B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
ring
compound
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1226257A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0386783A (ja
Inventor
信一 山本
孝 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP1226257A priority Critical patent/JP2734112B2/ja
Publication of JPH0386783A publication Critical patent/JPH0386783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2734112B2 publication Critical patent/JP2734112B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フォトクロミック材料に関するものであ
り、特に、印刷、光学機器、記録材料、衣料、装飾等の
材料として有用である。
[従来技術] フォトクロミック化合物の代表的なものにスピロピラ
ン化合物があり、多くの化合物が知られている(ジー・
エイチ・ブラウン著、“フォトクロミズム、ウィリーイ
ンターサイエンス社、ニューヨーク(1971))。
しかしながら、スピロピラン化合物は、光発消色の繰
り返し使用における耐疲労性に問題があった。
そこで、耐疲労性の向上したフォトクロミック化合物
としてスピロオキサジン化合物が知られており、例えば
特開昭63−316783号公報に下記の化合物が公開されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら従来のスピロオキサジン化合物は、発色
種の色調が、赤〜青緑であり、色相の豊富さが不足して
いた。
本発明は、かかる従来技術の欠点を解決しようとする
ものであり、発消色の繰り返しの耐疲労性に優れ、かつ
色相の豊富はフォトクロミック化合物を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有
する。
「一般式(A)または(A′)で表されるスピロ化合物
からなるフォトクロミック材料。
(式中、α環は、窒素原子1個を含む五員環または六員
環、および、ベンゼン環またはナフタレン環と連結した
窒素原子1個を含む五員環または六員環から選ばれる1
種であり、かつα環中の窒素原子は、有機基R0と結合し
て存在し、 N−R0で表される。ここでR0は炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
換基を表す。
R2は、ヒドロキシ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素
数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6〜20
のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭
素数2〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20
のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン
基、シアノ基、炭素数1〜20のカルボン酸基、炭素数1
〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のアシル基、スル
ホン酸基、炭素数0〜20のスルファモイル基から選ばれ
る置換基を表す。
R3は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数
6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
換基を表す。
β環は、ベンゼン環、ナフタレン環およびピリジン環
から選ばれる一種である。
XはSまたはSeであり、YはO、S、SeおよびN−R1
から選ばれる一種であり、R1は水素、炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20
のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基および炭素
数2〜20のアシル基から選ばれる一種を表す。kは0〜
2の整数を表す。)」 一般式(A)または(A′)で表されるスピロ化合物
において、α環とは、窒素原子1個を含む五員環または
六員環、および、ベンゼン環またはナフタレン環と連結
した窒素原子1個を含む五員環または六員環から選ばれ
る1種である。その具体例としては、ピロリジン環、ピ
ロール環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、ジ
ヒドロピリジン環、インドリン環、ベンズインドリン
環、テトラヒドロキノリン環、アクリジン環、ベンゾチ
アゾリン環、ベンゾオキサゾリン環などが挙げられる。
このα環に含まれる窒素原子は、有機基R0と結合して
存在し、すなわち、N−R0で表される形で存在する。
R0は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケ
ニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20の
アリール基から選ばれる置換基を表す。R0の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、オクタデシル基などの鎖状
アルキル基、イソプロピル基、2−メチルペンチル基な
どの分枝状アルキル基、シクロヘキシル基、ノルボルニ
ル基、アダマンチル基などのシクロアルキル基、ビニル
基、アリル基、イソプロペニル基、1,3−ブタジエニル
基などのアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、
(2−ナフチル)メチル基、などのアラルキル基、フェ
ニル基、1−ナフチル基などのアリール基が挙げられ
る。R0が置換されている場合、置換基の具体例として
は、ヒドロキシ基;アミノ基、ジベンジルアミノ基、
(2−メタクリロキシエチル)アミノ基などのアミノ
基;メトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ
基;ベンジロキシ基、フェネチロキシ基などのアラルコ
キシ基;フェノキシ基、2−ナフチロキシ基などのアリ
ーロキシ基;アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、メタク
リロキシ基などのアシルオキシ基;N−フェニルカルバモ
イルオキシ基、N−(2−メタクリロキシエチル)カル
バモイルオキシ基などのカルバモイルオキシ基;メチル
基、トリフルオロメチル基、グリシジル基などのアルキ
ル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;
フェニル基、1−ナフチル基などのアリール基;クロロ
基、ブロモ基などのハロゲン基;シアノ基;カルボン酸
基、カルボン酸ソーダ基、エトキシカルボニル基などの
カルボン酸基;ニトロ基;アクリル基、メタクリル基な
どのアシル基;N−メチルカルバモイル基などのカルバモ
イル基;スルホン酸ソーダ基、スルホン酸基などのスル
ホン酸基;スルファモイル基が挙げられる。
α環が置換されている場合、その置換基としては、R1
における置換基と同様の置換基が好ましい例として挙げ
られる。
R2は、ヒドロキシ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素
数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6〜20
のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭
素数2〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20
のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン
基、シアノ基、炭素数1〜20のカルボン酸基、炭素数1
〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のアシル基、スル
ホン酸基、炭素数0〜20のスルファモイル基から選ばれ
る置換基を表し、その具体例とては、前述したR0におけ
る置換基の具体例と同様の置換基が挙げられる。
R3は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数
6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
換基を表し、その具体例としては、水素;アミノ基、ピ
ペリジル基、5,6,7,8−テトラハイドロイソキノリル
基、ジエチルアミノ基、(2−メタクリロキシエチル)
アミノ基などのアミノ基;メトキシ基、tert−ブトキシ
基などのアルコキシ基;ベンジロキシ基、フェネチロキ
シ基などのアラルコキシ基;フェノキシ基、2−ナフチ
ロキシ基などのアリーロキシ基;アセトキシ基、ベンゾ
イロキシ基、メタクリロキシ基などのアシルオキシ基;
メチル基、トリフルオロメチル基、グリシジル基などの
アルキル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキ
ル基;フェニル基、1−ナフチル基などのアリール基な
どが挙げられる。
一方、β環はベンゼン環、ナフタレン環およびピリジ
ン環から選ばれる一種であり、置換されていてもよい。
置換されている場合、その置換基は前述のR0における置
換基と同様の置換基を具体例として挙げることができ
る。
XはSまたはSeであり、Seを用いた場合、Sに比べ発
色種の吸収をより長波長に移行することができる。
YはO、S、SeおよびN−R1から選ばれる1種であ
り、ここでR1は水素、炭素数が1〜20のアルキル基、炭
素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル
基、炭素数6〜19のアリール基、および炭素数2〜20の
アシル基から選ばれる1種である。R1は置換されていて
もよい。R1であるところのアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基の具体例としては、R1中に含
まれ得る置換基を含めて、前述のR0と同様のものが挙げ
られ、また、アシル基としては、アセチル基、メタクリ
ル基等が挙げられる。
とくに繰り返し耐久性の点で、また、発色種の吸収波
長を複数有する化合物を得る目的で、YがOまたはSで
あることが望ましい。
なお、kは0〜2の整数であり、kが2の場合、2つ
のR2は同種であっても異種であってもよい。
すなわち、本発明のフォトクロミック材料は、α環
と、チアジン環またはセレナジン環、ベンゼン環、ヘテ
ロ5員環およびβ環から構成されるスピロ化合物からな
ることを特徴とする。とくに、R3が水素であって、かつ
YがO、SまたはSeである場合には発色種の吸収極大が
複数存在し、例えば可視部と赤外部に各々吸収極大が存
在する場合などもある。α環、Xおよびβ環の選択によ
り種々の吸収波長を選ぶことが可能であり、例えば、X
がSであり、かつ、α環、β環の芳香環数が少なくなる
程、発色種の吸収は短波長シフトし、逆にXがSeでα
環、β環の芳香環数が多くなる程、吸収は長波長シフト
する傾向がある。
本発明における一般式(A)と(A′)とは異性体の
関係にあり、要求されるフォトクロミック特性によっ
て、使いわけることができる。
本発明の式(A)または(A′)で表される化合物
は、例えば次の製造方法によって製造される。
第1の方法においては、一般式(I) で表されるメチレン化合物と一般式(II)または(I
I′) で表されるニトロソ化合物を反応させて式(A)または
(A′)で表される化合物を製造する。
第2の方法においては、一般式(III) で表される化合物と、四級化剤R0−Y(Yはアニオン性
脱離基)、塩基性物質および前記一般式(II)または
(II′)の化合物を任意の順序で加え反応させて(A)
または(A′)で表される化合物を製造する。
第3の方法においては、前記式(I)の化合物と亜硝
酸との反応による生成物と、一般式(IV)または(I
V′) で表されるアミノ化合物を反応させて式(A)または
(A′)で表される化合物を製造する。
第4の方法においては、前記式(III)の化合物と亜
硝酸との反応による生成物と四級化剤R0−Y、塩基性物
質および前記一般式(IV)または(IV′)の化合物を任
意の順序で加え反応させて式(A)または(A′)の化
合物を製造する。
さらに第5の方法においては、一般式(V) で表される化合物と亜硝酸との反応による生成物と、塩
基性物質および前記一般式(IV)または(IV′)で表わ
される化合物を任意の順序で加え反応させて式(A)ま
たは(A′)で表される化合物を製造する。
また、製造段階における精製方法としては、各種溶剤
による再結晶、シリカカラムなどによるカラムクロマト
分離、溶媒抽出、あるいは、活性炭処理などが好適な例
として挙げることができる。
本発明のフォトクロミック材料は、好ましくは、光学
的に透明な樹脂類と組合せて用いられる。そのような樹
脂類としては、例えば、ジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネートポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー
およびその共重合体、セルロース類、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびそ
の共重合体、エポキシ樹脂、(ハロゲン化)ビスフェノ
ールAのジ(メタ)アクリレートポリマーおよびその共
重合体、(ハロゲン化)ビスフェノールAのウレタン変
性ジ(メタ)アクリレートポリマーおよびその共重合
体、ナイロン樹脂、ポリウレタンなどが挙げられる。
また、本発明のスピロ化合物中に、アルケニル基を有
する場合、すなわち、メタクリロキシ基、ビニル基など
の重合性官能基を有する場合は、他の重合性化合物、例
えば、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、酢酸
ビニル系モノマーなどと共重合することにより、他の重
合性化合物の重合体樹脂成分と一体化することもでき、
このように一体化した場合は、特にスピロ化合物の耐久
性に優れ、好ましいフォトクロミック材料とすることが
できる。
重合性官能基の置換位置はどこでもよいが、R0に重合
性官能基を有する場合には炭素数が3以上のアルキレン
鎖を介して重合性官能基が導入されたものがとくに好ま
しい。さらに、重合性官能基としては、ラジカル重合が
容易なこと、また重合体における分解が防止できるとい
う観点からメタクリロキシ基がとくに好ましい。
なお、本発明の化合物中に重合性官能基を有する場
合、本発明の化合物、前述のように共重合体とすること
ができるのみばかりでなく、単独重合体の形態で用いる
ことも可能である。
本発明のスピロ化合物単独、あるいは他の樹脂類と組
合せた本発明のフォトクロミック材料は、ポリマー溶液
として、コーティング組成物として用いたり、また、エ
マルジョン化を行ってスクリーン印刷、グラビア印刷な
どの各種印刷手法によって種々の基板に適用可能であ
る。また、コーティング法としては種々の手法、例えば
ディップコーティング、スピンコーティング、ロールコ
ーティングなどが採用できる。
他の樹脂と組合わせる場合、本発明のフォトクロミッ
ク材料の含有量は、目的および使用方法などによって決
められるべきものであるが、視覚に対する感度という観
点からは、他の樹脂重量に基づき0.01〜20重量%が好ま
しい。
本発明のフォトクロミック材料の繰り返し耐久性を向
上せしめる見地から、使用時に酸素や水を遮断すること
がとくに有効である。さらに、耐久性を向上させる目的
から公知の添加剤、例えば、ニッケル塩に代表される一
重項酸素クエンチャー、ヒンダードアミン系化合物また
はそのポリマーで代表される酸化防止剤、発色性に影響
を与えない紫外線吸収剤などが使用可能である。
本発明フォトクロミック材料の用途としては、特に、
光による変色性を有する光学素子として好ましく使用さ
れることが可能である。光学素子としてはサングラスレ
ンズ、スキー用ゴーグル、保護メガネレンズ、さらに
は、カーテン、衣服、フロントガラス、サンルーフなど
の自動車用ウィンドー、玩具、化粧品、筆記具等が好適
な例として挙げられる。また、本発明のフォトクロミッ
ク材料は、多くの場合、発色種が2つ以上の吸収極大を
有することから書換え型光ディスク材料としても有用な
ものである。
[実施例] 次に、実施例を挙げて説明するが、本発明は、これら
に限定されるものではない。
実施例1 下記式(B)の化合物を合成した。
1,3,3−トリメチル−2−メチレンインドリン10gと1
−ニトロソ−2−メルカプトジベンゾフラン10gを、100
mlの無水エタノールに溶解し、1時間還流温度で反応を
行った。反応後、濃縮し、シリカゲルを支持担体、塩化
メチレンを展開溶媒としてカラムクロマト分離した。塩
化メチレンを留去するとピンク色の固体が得られ、メタ
ノールから再結晶し、式(B)の化合物白色結晶を得
た。
分析結果を示す。
(元素分析値) 実測値(%) 計算値(%) C 74.5 75.0 H 5.0 5.2 N 7.5 7.3 応用例として、式(B)の化合物0.1gを、ポリビニ
ルブチラールの10%ブタノール溶液に溶解した塗液を、
2枚のガラス板に塗布した。乾燥後、2枚のガラス板の
樹脂面を合わせ、加熱した。
このようにして作製したフォトクロミック性を有する
合わせガラスは、紫外線の照射を受けると、可視部およ
び赤外部の両方に吸収極大を有する発色状態となった。
実施例2 下式(C)の化合物を合成した。
1,3,3−トリメチル−2−メチレンインドリンの代わ
りに1−(6−メタクリロキシヘキシル)−3,3−ジメ
チル−2−メチレンインドリンを用いる他は実施例1と
同様にして行い、式(C)の化合物を得た。
分析結果を示す。
(元素分析値) 実測値(%) 計算値(%) C 73.4 73.6 H 6.2 6.3 N 5.3 5.2 応用例として、酢酸エチル30mlを75℃に加熱した溶
液を撹拌し、そこに式(C)の化合物1.3g、ヒドロキシ
エチルメタクリレート1.0g、アクリル酸アミド0.1g、オ
クチルメタクリレート12.0g、アゾビスイソブチロニト
リル0.1gおよび酢酸エチル20mlよりなる溶液を1時間か
けて滴下した。滴下終了後、2時間撹拌を続けた。この
ようにして得たポリマー溶液をガラス板上に塗布し、乾
燥しフォトクロミック性を有するガラス板を作製した。
このガラス板は紫外線の照射により、可視部と赤外部の
両方に吸収極大を有する発色状態となった。
実施例3 式(D)の化合物を合成した。
1,3,3−トリメチル−2−メチレンインドリンの代わ
りに1−ベンジル−3,3−ジメチル−2−メチレンベン
ズインドリンを用いる他は実施例1と同様にして行い、
式(D)の化合物の淡黄色結晶を得た。
分析結果を示す。
(元素分析値) 実測値(%) 計算値(%) C 81.7 81.9 H 5.1 5.1 N 5.5 5.5 応用例として、実施例1と同様にして作製した式
(D)の化合物配合のフォトクロミック性を有する合わ
せガラスは、紫外線の照射を受けると、可視部および赤
外部の両方に吸収極大を有する発色状態となった。
実施例4 式(E)の化合物を合成した。
1,3,3−トリメチル−2−メチレンインドリンの代わ
りに1,3,3−トリメチル−2−メチレンピペリジンを用
いる他は実施例1と同様にして行い、式(E)の化合物
の乳白色結晶を得た。
分析結果を示す。
(元素分析値) 実測値(%) 計算値(%) C 71.6 72.0 H 6.4 6.3 N 7.7 8.0 応用例として、実施例1と同様にして作製した式
(E)の化合物配合のフォトクロミック性を有する合わ
せガラスは、紫外線の照射を受けると、可視部および赤
外部の両方に吸収極大を有する発色状態となった。
実施例5 式(F)の化合物を合成した。
1−ニトロソ−2−メルカプトジベンゾフランの代わ
りに、1−ニトロソ−2−メルカプト−3−ヒドロキシ
メチルジベンゾフランを用いる他は実施例1と同様にし
て行い、式(F)の化合物の淡黄色結晶を得た。
式(G)の化合物を合成した。
式(F)の化合物1.5g、トリエチルアミン1gおよび塩
化メチレン20mlよりなる溶液を撹拌しながら、メタクリ
ル酸クロライド1.1gを滴下した。滴下終了後、20分間撹
拌を続けた。アルミナを支持担体、塩化メチレンを展開
溶媒としてカラムクロマト分離を行った。塩化メチレン
を留去すると、淡黄色の固体が得られた。該固体をメタ
ノール/水混合溶媒から再結晶し、式(G)の化合物の
白色結晶を得た。
分析結果を示す。
(元素分析値) 実測値(%) 計算値(%) C 72.0 72.0 H 5.1 5.4 N 5.7 5.8 応用例として、式(C)の化合物の代わりに、式
(G)の化合物を用いる他は実施例2と同様にして行
い、フォトクロミック性を有するガラス板を作製した。
この板は紫外線の照射により、可視部と赤外部の両方に
吸収極大を有する発色状態となった。
実施例6 式(H)の化合物の合成 1−ニトロソ−2−メルカプトジベンゾフランの代わ
りに、3−メルカプト−4−ニトロソベンゾチオフェン
を用いる他は実施例1と同様にして行い、式(H)の化
合物の淡黄緑色結晶を得た。
分析結果を示す。
(元素分析値) 実測値(%) 計算値(%) C 71.7 72.0 H 4.9 5.0 N 7.2 7.0 応用例として、実施例1と同様にして作製した式
(H)の化合物配合のフォトクロミック性を有する合わ
せガラスは、紫外線の照射を受けると、可視部および赤
外部の両方に吸収極大を有する発色状態となった。
[発明の効果] 本発明のフォトクロミック材料は、α環、Xおよびβ
環の選択により、種々の吸収波長を選ぶことができる。
また、選択的に発色種の吸収において複数の吸収極大
が存在する材料とすることもできる。従って、ブラウ
ン、グレーなど混合によって得られる色が単一化合物か
ら得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(A)または(A′)で表されるス
    ピロ化合物からなるフォトクロミック材料。 (式中、α環は、窒素原子1個を含む五員環または六員
    環、および、ベンゼン環またはナフタレン環と連結した
    窒素原子1個を含む五員環または六員環から選ばれる1
    種であり、かつα環中の窒素原子は、有機基R0と結合し
    て存在し、 N−R0で表される。ここでR0は炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のア
    ラルキル基、炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
    換基を表す。 R2は、ヒドロキシ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数
    1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキ
    シ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6〜20の
    アリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素
    数2〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のアル
    キル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20の
    アラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン
    基、シアノ基、炭素数1〜20のカルボン酸基、炭素数1
    〜20のカルバモイル基、炭素数2〜20のアシル基、スル
    ホン酸基、炭素数0〜20のスルファモイル基から選ばれ
    る置換基を表す。 R3は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のア
    ルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6
    〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
    基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
    キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
    換基を表す。 β環は、ベンゼン環、ナフタレン環およびピリジン環か
    ら選ばれる一種である。 XはSまたはSeであり、YはO、S、SeおよびN−R1
    ら選ばれる一種であり、R1は水素、炭素数1〜20のアル
    キル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20の
    アラルキル基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数
    2〜20のアシル基から選ばれる一種を表す。kは0〜2
    の整数を表す。)
JP1226257A 1989-08-30 1989-08-30 フォトクロミック材料 Expired - Fee Related JP2734112B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1226257A JP2734112B2 (ja) 1989-08-30 1989-08-30 フォトクロミック材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1226257A JP2734112B2 (ja) 1989-08-30 1989-08-30 フォトクロミック材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0386783A JPH0386783A (ja) 1991-04-11
JP2734112B2 true JP2734112B2 (ja) 1998-03-30

Family

ID=16842364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1226257A Expired - Fee Related JP2734112B2 (ja) 1989-08-30 1989-08-30 フォトクロミック材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2734112B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0386783A (ja) 1991-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4492889B2 (ja) ナフトピラン、それらを含有する組成物および製品
JPS62195383A (ja) 新規スピロナフトピラン化合物
JP2765143B2 (ja) 新規スピロオキサジン化合物
JP3064343B2 (ja) フォトクロミック材料
US5559231A (en) Spiro-oxazine compounds
JP2734112B2 (ja) フォトクロミック材料
JP3064332B2 (ja) フォトクロミック材料
JPS63275587A (ja) スピロナフトオキサジン化合物
JP2541623B2 (ja) 新規スピロオキサジン化合物
JP2692115B2 (ja) フォトクロミック材料
JPS62195075A (ja) フォトクロミック材料
JPH0386784A (ja) フォトクロミック材料
JPH0366790A (ja) フォトクロミック材料
JP3175161B2 (ja) フォトクロミック材料
JP2822615B2 (ja) フォトクロミック組成物および積層体
JP2822402B2 (ja) スピロオキサジン化合物
JP2503145B2 (ja) フォトクロミック材料
JP2730123B2 (ja) クロミック材
JPH07165762A (ja) フォトクロミック物質及び材料
JP2800815B2 (ja) フォトクロミック材料
JPH0280490A (ja) 高耐熱性フォトクロミック材料
JPH075603B2 (ja) 新規スピロフエナンスロオキサジン化合物
JPH05287265A (ja) 重合可能な置換基を有するフォトクロミック材料
JPH0242084A (ja) ホトクロミック性を有するモノマー
JPH051793B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees