JP2734038B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物

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JP2734038B2 JP63330502A JP33050288A JP2734038B2 JP 2734038 B2 JP2734038 B2 JP 2734038B2 JP 63330502 A JP63330502 A JP 63330502A JP 33050288 A JP33050288 A JP 33050288A JP 2734038 B2 JP2734038 B2 JP 2734038B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、特定構造のフェノール化合物のキノンジア
ジドスルホン酸エステルを感放射線性成分として用いた
ポジ型レジスト組成物に関するものである。
〈従来の技術〉 従来より、ノボラック樹脂をバインダーとするポジ型
レジストの感放射線性成分として、フェノール化合物の
キノンジアジドスルホン酸エステルが用いられている。
このフェノール化合物としては、トリヒドロキシベンゾ
フェノンやテトラヒドロキシベンゾフェノンなどが多く
用いられている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、これらのポリヒドロキシベンゾフェノ
ン系化合物から合成した感放射線性成分を含むレジスト
は、解像力やパターン形状(プロファイル)に難があっ
た。
本発明の目的は、解像力やプロファイルに優れたポジ
型レジスト組成物を提供することにある。かかる目的の
ために鋭意検討を行った結果、特定構造を有するフェノ
ール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルを感放
射線性成分として用いれば、ポジ型レジストの解像力や
プロファイルが向上することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち本発明は、式(I) (式中、Xは を表わす) で示される2−(ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−
ジヒドロキシフェニル)プロパンのキノンジアジドスル
ホン酸エステルを含有するポジ型レジスト組成物を提供
するものである。
式(I)の2−(ヒドロキシフェニル)−2−(3,4
−ジヒドロキシフェニル)プロパンは、カテコールと2
−(3−ヒドロキシフェニル)プロペン又は2−(4−
ヒドロキシフェニル)プロペンを反応させることによ
り、合成することができる。この反応は通常、溶媒中、
酸性触媒の存在下で行われる。この反応における溶媒と
しては、触媒との組合せにより、ジオキサン、ニトロベ
ンゼン、モノクロロベンゼン、水等が使用可能である
が、なかでもジオキサンが好ましい。また反応の触媒と
しては、溶媒との組合せにより、塩化アルミニウム、三
フッ化ホウ素の各種錯体、塩化第二スズ、塩化亜鉛、硫
酸等が使用可能であるが、なかでも塩化アルミニウムが
好ましい。
反応温度は、ジオキサンを溶媒とし、塩化アルミニウ
ムを触媒とした場合には、触媒の量に応じて20℃からジ
オキサンの沸点までの範囲で選択することができるが、
2−(3−ヒドロキシフェニル)プロペンを用いる場合
は80〜100℃の範囲にあるのが、また2−(4−ヒドロ
キシフェニル)プロペンを用いる場合は60〜80℃の範囲
にあるのが好ましい。
反応原料の好ましい仕込みモル比について説明する
と、2−(3−ヒドロキシフェニル)プロペン又は2−
(4−ヒドロキシフェニル)プロペンに対して、カテコ
ールは1.2以上、とりわけ2.5〜4のモル比で用いるのが
好ましく、また塩化アルミニウムは0.05〜2、とりわけ
0.2〜0.5のモル比で用いるのが好ましい。
式(I)の化合物は、キノンジアジドスルホン酸ハラ
イドと縮合反応させて、ポジ型レジストの感放射線性成
分として用いられる。かかる感放射線性成分の合成は、
公知の方法に従って行うことができる。すなわち、ジオ
キサン等の溶媒中で、式(I)の構造を有する2−(ヒ
ドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)プロパンとキノンジアジドスルホン酸ハライドと
を、塩基性触媒、例えばトリエチルアミンを滴下するこ
とにより縮合させ、その後イオン交換水にチャージして
結晶を析出させ、濾過および乾燥を経て感放射線性成分
を得ることができる。感放射線性成分の合成に用いるキ
ノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、ナフトキノ
ン−1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸クロリ
ド、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−4−
スルホン酸クロリド、ベンゾキノン−(1,2)−ジアジ
ド−(2)−4−スルホン酸クロリドが挙げられる。
こうして得られる感放射線性成分は、ノボラック樹脂
と組み合わせてポジ型レジスト組成物になる。ノボラッ
ク樹脂は、キノンジアジド系ポジ型レジストのバインダ
ー樹脂として一般に用いられるものであることができ、
フェノール類、例えばクレゾールなどを、ホルムアルデ
ヒドと縮合させることにより得られる。このようなノボ
ラック樹脂と前述の感放射線性成分、また必要に応じて
他の添加物を、適当な溶剤に溶解させることにより、ポ
ジ型レジスト組成物が得られる。
〈発明の効果〉 式(I)の化合物をキノンジアジドスルホン酸ハライ
ドと縮合反応させて得られるエステルは、ポジ型レジス
トの感放射線性成分として用いられ、この感放射線性成
分を含有するポジ型レジスト、具体的には、この感放射
線性成分とともにノボラック樹脂を含有するポジ型レジ
ストは、優れた解像力およびパターン形状(プロファイ
ル)を示す。
〈実施例〉 次に実施例をあげて、本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。例中にある部は重量基準である。
参考例1 ジオキサン50.0gに塩化アルミニウム1.99gを加え、攪
拌下、50〜55℃に昇温し、均一溶液にした。ここにカテ
コール16.41gを加えた後、97℃まで昇温した。そこへ、
2−(3−ヒドロキシフェニル)プロペン5.0gをジオキ
サン15.0gに溶かした溶液を1.4時間かけて滴下し、さら
に2.3時間攪拌した。反応中、温度は97±2℃に保っ
た。
反応終了後、反応溶液に酢酸イソアミル400gと水900g
を加えて抽出し、次に酢酸イソアミル層を1,000gの水で
5回洗浄した。これを濃縮して得られたオイル状物質2
4.04gをクロマト分離して、7.50gのオイル状物質を得
た。これにジクロロメタン50gを加えると、結晶が析出
した。母液から分離し、60℃で乾燥して得られた結晶は
1.61gであり、これが下式(II)の構造を有する2−
(3−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒドロキ
シフェニル)プロパンであることを、1H核磁気共鳴ス
ペクトル、マススペクトル、赤外吸収スペクトルおよび
融点により確認した。1H核磁気共鳴スペクトルを第1
図に、また赤外吸収スペクトルを第2図に示す。
1H核磁気共鳴スペクトル(溶媒:アセトンd6,TMS)化
学シフト値 δ(ppm):7.68(broad,3H),7.07(t,1H),6.74(m,1
H),6.73(d,1H),6.66(t,1H),6.64(d,1H),6.62
(m,1H),6.62(dd,1H),1.56(s,6H). マススペクトル:m/e 244(M+) 赤外吸収スペクトル:ν=3,000〜3,600cm-1(OH) 融点:114〜115℃ 参考例2 ジオキサン98.5gに塩化アルミニウム4.98gを加え、攪
拌下、50〜55℃に昇温し、均一溶液にした。ここにカテ
コール32.83gを加えた後、73℃まで昇温した。そこへ、
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロペン10.0gをジオ
キサン30.0gに溶かした溶液を1.2時間かけて滴下し、さ
らに0.5時間攪拌した。反応中、温度は73±2℃に保っ
た。
反応終了後、反応溶液に酢酸イソアミル400gと水900g
を加えて抽出し、次に酢酸イソアミル層を1,000gの水で
5回洗浄した。これを濃縮して得られたオイル状物質2
3.94gをクロマト分離して、9.1gのオイル状物質を得
た。これにジクロロメタン50gを加えると、結晶が析出
した。母液から分離し、60℃で乾燥して得られた結晶は
5.7gであり、これが下式(III)の構造を有する2−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒドロキ
シフェニル)プロパンであることを、1H核磁気共鳴ス
ペクトル、マススペクトル、赤外吸収スペクトルおよび
融点により確認した。1H核磁気共鳴スペクトルを第3
図に、また赤外吸収スペクトルを第4図に示す。
1H核磁気共鳴スペクトル(溶媒:アセトンd6,TMS)化
学シフト値 δ(ppm):7.60(broad,3H),7.05(d,2H),6.72(d,2
H),6.71(d,1H),6.64(d,1H),6.60(dd,1H),1.56
(s,6H). マススペクトル:m/e 244(M+) 赤外吸収スペクトル:ν=3,000〜3,600cm-1(OH) 融点:115〜116℃ 合成例1 内容積300mlの三つ口フラスコに、参考例1で得られ
た2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)プロパンを7.43g、ナフトキノン−
(1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸クロリド
を16.12g(反応モル比1:2)、およびジオキサンを236g
仕込んだのち、攪拌して完溶させた。次に、攪拌しなが
らフラスコを水浴に浸して、反応温度を20〜25℃にコン
トロールし、滴下ロートを用いてトリエチルアミン6.68
gを30分間で滴下させた。そののち、反応温度を20〜25
℃に保ちながら4時間攪拌を続けた。反応後、イオン交
換水にチャージし、次に濾過、乾燥して、感放射線性成
分を得た。これを感放射線性成分Aとする。
合成例2 2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)プロパンの代わりに、参考例2で得
られた2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−
ジヒドロキシフェニル)プロパンを同量用いた以外は、
合成例1と同様にして、感放射線性成分を得た。これを
感放射線性成分Bとする。
合成例3 2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)プロパンの代わりに、2,3,4−トリ
ヒドロキシベンゾフェノンを同モル量用いた以外は、合
成例1と同様にして、感放射線性成分を得た。これを感
放射線性成分Cとする。
合成例4 2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)プロパンの代わりに、2,3,4,4′−
テトラヒドロキシベンゾフェノンを、ナフトキノン−
(1,2−)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸クロリ
ドとの反応モル比が1:3となるように用いた以外は、合
成例1と同様にして、感放射線性成分を得た。これを感
放射線性成分Dとする。
実施例1〜2および比較例1〜2 合成例で得られた感放射線性成分をノボラック樹脂と
ともに、表1に示す組成でエチルセロソルブアセテート
48部に溶かし、レジスト液を調合した。調合したレジス
ト液は、0.2μmのテフロン製フィルターで濾過した。
このレジスト液を、常法によって洗浄したシリコンウェ
ハーに、回転塗布機を用いて1.3μm厚に塗布した。塗
布後のシリコンウェハーを、100℃のホットプレートで6
0秒間ベークした。次いでこのウェハーに、436nm(g
線)の露光波長を有する縮小投影露光機(GCA社製DSW48
00、NA=0.42)を用いて、露光量を段階的に変化させて
露光した。これを住友化学社製の現像液SOPDで1分間現
像することにより、ポジ型パターンを得た。
得られたパターンにつき、露光量の対数に対する規格
化膜厚(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾き
θを求め、tanθをγ値とした。同時に求めた解像度と
ともに、結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明による実施例のポジ型レジ
スト組成物は、γ値が高く、解像度に優れている。また
実施例で得られたパターンは、プロファイルも良好であ
った。
【図面の簡単な説明】
第1図は、参考例1で得られた2−(3−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパ
ンの1H核磁気共鳴スペクトルである。 第2図は、同じ化合物の赤外吸収スペクトルである。 第3図は、参考例2で得られた2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパ
ンの1H核磁気共鳴スペクトルである。 第4図は、同じ化合物の赤外吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上谷 保則 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 花畑 誠 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 大井 册雄 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、Xは を表わす) で示される2−(ヒドロキシフェニル)−2−(3,4−
    ジヒドロキシフェニル)プロパンのキノンジアジドスル
    ホン酸エステルを含有することを特徴とするポジ型レジ
    スト組成物。
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