JP2732723B2 - 液面温度制御方法 - Google Patents

液面温度制御方法

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JP2732723B2
JP2732723B2 JP3125444A JP12544491A JP2732723B2 JP 2732723 B2 JP2732723 B2 JP 2732723B2 JP 3125444 A JP3125444 A JP 3125444A JP 12544491 A JP12544491 A JP 12544491A JP 2732723 B2 JP2732723 B2 JP 2732723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー方式
(以下CZ方式と略記する)による単結晶の製造方法に
係り、特に溶融液面の温度を正確に制御することによ
り、種結晶を溶融液に浸け細く引き上げるシード工程に
おいて無転位結晶を自動で製造できるようにした方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン等の単結晶を製造する方法とし
ては、加熱炉内に収納された単結晶原料を溶融させ、こ
の溶融液から単結晶を引き上げ成長させる、いわゆるC
Z方式が一般的に採用されている。
【0003】このCZ方式においては、原料溶解後の液
面の温度がわすかでも異なれば、種結晶を溶融液に浸け
細く引き上げるシード工程により無転位結晶とすること
が出来ない。このため、このCZ方式において原料を完
全に溶解し1500℃位までオーバーシュートさせた
後、鎮静化を行いルツボ内の溶融液流を定常化させ引き
上げ開始面の溶融液中の酸素濃度を一定にする必要があ
り、所定の温度に設定することは非常に重要であった。
しかしながら、加熱炉内は非常に高温であり温度計等は
設置できないため、従来は、作業者の勘に頼って炉内の
液面温度を検知し、実際に種結晶を浸けて細く引き上げ
ることが行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
作業者の勘に頼って炉内の液面温度を検知する方法で
は、液面温度の正確な検知は難しく、前記シード工程に
入るまでに大幅な時間が掛かり、また初期の酸素濃度を
目標値に入れて自動化するのが難しいという課題があっ
た。
【0005】また、溶融液の温度を測定する方法として
は、加熱炉の外周容器に透視窓を設け、この透視窓を介
してカーボン製ヒータの温度を測定することにより、液
面温度を間接的に推定する方法も用いられている(特開
昭63−107888号公報)。しかしながら液面の温
度がヒータの温度と等しくなるには多少の時間を要する
ため(すなわちタイムラグがあるため)、この方法では
設定した時間と温度のプロファイル通りに実際の液面温
度を制御し所定に温度に設定することは困難であった。
さらに別の方法として、単一スペクトル放射温度計を用
い加熱炉の容器上面に設けられた透視窓を介して溶融液
面の温度を直接測定する方法がある。しかしながらこの
方法では、溶融面の温度のゆらぎや溶融時に液面から発
生する原料ガスにより生じる窓のくもりのために放射ス
ペクトルの強度が変動し易く、誤差が生じ易いという課
題があった。
【0006】また、液面温度を設定温度に制御する方法
としてPID制御(比例積分微分制御)方法があるが、
このPID制御ではまず仮に設定されたパラメータに基
づいて検出温度がヒータ電力にフィードバックされ、そ
のパラメータでの制御結果からさらにパラメータが調整
される。このため、PID制御を開始する最初の状態が
不安定であれば、制御がうまくいかない場合があった
り、最適なパラメータを求めるのに時間がかかってしま
い、その間設定温度から液面温度が大きくはずれたり、
オーバシュートが生じ易くなってしまうという不満があ
った。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、溶融時における液面の温度を正確に測定し、溶融液
流が定常状態にあることを検知し、さらにこの温度に基
づいて溶融液面の温度を設定温度に正確に制御すること
により、種結晶を溶融液に浸け細く引き上げるシード工
程において無転位結晶を自動で製造できるようにするこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液面温度
制御方法では、溶融時に溶融液面から放射される赤外線
の2つの波長の放射エネルギーの比率から液面温度を測
定し、設定値からのずれに応じて加熱ヒータの電力を調
整して液面温度を制御する電力調整工程を備え、該電力
調整工程を、所定時間毎に液面温度が設定値と等しくな
るまで複数回行うとともに、n回目の電力調整工程で
は、実際に測定された液面温度に補償値を加算した修正
液面温度と設定温度との偏差に応じて前記電力を算出す
るように設定されてなり、前記補償値は、n−1回目の
電力調整工程における電力調整で得られると推算される
液面温度の温度変化分であることを課題解決の手段とし
た。
【0009】ここで、前記の溶融液面から放射される赤
外線の2つの波長の放射エネルギーの比率から液面温度
を測定するためには、この原理を利用して温度を計測す
る二色温度計を用いることが望ましい。
【0010】
【0011】
【作用】本発明の液面温度制御方法では、溶融時に溶融
液面から放射される赤外線の2つの波長の放射エネルギ
ーの比率から液面温度を測定しているため、溶融液面か
ら発生する原料ガスにより窓にくもりを生じて放射強度
が変動しても、2つの波長は同じ影響を受け、2つの波
長の放射エネルギーの比率は変動しない。このため溶融
液面の温度が窓のくもり等による外的要因によらず正確
に測定される。また、溶融時に溶融液面から放射される
赤外線の2つの波長の放射エネルギーの比率から液面温
度を測定し、設定値からのずれに応じて加熱ヒータの電
力を調整して液面温度を制御する電力調整工程を備え、
該電力調整工程を、所定時間毎に液面温度が設定値と等
しくなるまで複数回行うとともに、n回目の電力調整工
程では、実際に測定された液面温度に補償値を加算した
修正液面温度と設定温度との偏差に応じて前記電力を算
出するように設定され、前記補償値を、n−1回目の電
力調整工程における電力調整で得られると推算される液
面温度の温度変化分としているので、オーバーシュート
による過加熱を防ぐことができる。
【0012】なお、予め液面温度の制御に関係する制御
パラメータの適正値を決定しておき、この制御パラメー
タの値を用いて溶解工程で溶解終了前に投入電力を低下
させ液面温度を制御すると、液面温度制御中に最適なパ
ラメータを求めるためのロス時間を最小限にすることが
出来るため、タイムラグがなく液面温度が正確に設定温
度に制御される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の液面温度制御
方法について詳しく説明する。
【0014】(実施例1)図1は、本発明の液面温度制
御方法を実施するための単結晶引上げ装置の一例を示す
ものである。この図において符号1は炉本体であり、こ
の炉本体1のほぼ中央部には石英ルツボ2が設けられて
いる。この石英ルツボ2の内部には単結晶原料が配さ
れ、溶解中は融液6となっている。そしてこの石英ルツ
ボ2は、黒鉛サセプタ3を介して昇降自在かつ回転自在
な下軸4に取り付けられている。また上記石英ルツボ2
の周囲には、この石英ルツボ2内の融液6の温度を制御
するカーボン製ヒータ7が設置されている。さらにこの
ヒータ7と炉本体1との間には保温筒8が配置されてい
る。この保温筒8の内部には、複数の係止部によって、
筒状の輻射熱遮蔽体11が支持されており、この輻射熱
遮蔽体11は下方に向かうに従って縮径して形成されて
いる。この輻射熱遮蔽体11は引き上がった結晶の熱履
歴の変動を防止すると共に、ヒータ7等から発生したC
Oガス等が不純物として単結晶に導入されないような機
能を有している。
【0015】また、炉本体1の首部14には水冷された
単結晶冷却筒10が嵌め込まれている。この単結晶冷却
筒10は炉本体1内に突出しており、引上げ中のシリコ
ン単結晶5の熱履歴を制御するためのものである。前記
単結晶冷却筒10と炉本体1の首部14との間には、筒
状のガス流路が形成されている。また、この単結晶冷却
筒10および炉本体1の首部14の内部には、シリコン
単結晶5を保持して引き上げるワイヤ9が昇降自在にか
つ回転自在に吊設されている。さらに、前記首部14の
上端には、アルゴンガスを単結晶冷却筒10内に供給す
る導入管19が連結されている。この連結管19は、途
中でバルブ20を備えた分岐管21と連結しており、こ
の分岐管21は前記炉本体1の単結晶冷却筒10の上方
に連結されている。さらに炉本体1の肩部には窓12、
12が設けられ、側部には窓13が設けられている。
【0016】また上記炉本体1の外部には、窓12を介
して引き上げられたシリコン単結晶9の直径を測定する
ためのADCセンサ15とラインカメラ16とが設けら
れ、窓13を介してヒータ7の温度を測定するATCセ
ンサ18が配されている。さらに炉本体1の首部14の
上部には、融液6の温度を測定する二色温度計17が設
けられている。そしてこの二色温度計17には、さらに
測定温度と設定温度とのずれを算出しこの結果に応じて
PID制御によりヒータ7に供給する電力を決定するコ
ンピュータシステム22、およびヒータ7に加える電力
を調整するSCRコントローラ24が接続されている。
【0017】上記のように構成された単結晶引上げ装置
を用いて単結晶を製造する場合には、まず、バルブ20
を操作して所定の開度に調整した状態で、前記導入管1
9及び分岐管21を介してアルゴンガスを炉本体1内に
導入して炉本体1内の雰囲気をアルゴンガスに置換する
と共に、予め石英ルツボ2内に収納した単結晶原料をヒ
ータ7により溶解する(溶解工程)。ここで、単結晶原
料溶解時の石英ルツボ2内の温度コントロールは以下の
ように行った。
【0018】まず、炉本体1の外部に設置された二色温
度計17により、溶融時に溶融液面から放射される赤外
線の2つの波長の放射エネルギーの比率から液面温度が
測定される。さらにコンピュータシステム22内で、P
ID制御により、SCRコントローラ24から液面温度
と設定温度とのずれに応じたヒータ電力がヒータ7に加
えられて、液面温度は設定温度に調整される。
【0019】そして溶解した融液6の温度を単結晶引上
げに適した設定温度に維持した後、ワイヤ9を下降させ
て、ワイヤ11の下端に保持された種結晶を融液6に浸
漬させる。さらに石英ルツボ2と種結晶とを互いに逆方
向に回転させると共に、種結晶を引上げることにより、
この種結晶の下端にシリコン単結晶5を成長させる(シ
ード工程)。
【0020】このようにして、シリコン単結晶5を引き
上げていくと、シリコン単結晶5の上部の肩部が輻射熱
遮蔽体11の縮径された開口部および単結晶冷却筒10
の下端に接近することにより、単結晶冷却筒10の内部
を流下するアルゴンガスの流路抵抗が増大するが、その
分、分岐管21に流れるアルゴンガスの流量が増え融液
と輻射熱遮蔽体11の間にある加熱されたSiOを含む
ガスが吸い出される量が増えるため、結果として、結晶
成長面に供給されるアルゴンガスの流れが急激に変動す
ることが抑制される。従って、石英ルツボ2内の結晶成
長界面付近の急激な温度変化が生じることなく、かつ融
液6からのSiOの排気が円滑に行われ、結晶欠陥がな
く、酸素濃度の変化も小さいシリコン単結晶5を引き上
げ成長させることができる。
【0021】以上のようにして特性の優れたシリコン単
結晶5を成長させることができるが、種結晶を融液6に
浸漬する前の液面温度を設定温度に制御する手順につい
て、図2および図3のフローチャートに沿ってさらに詳
しく説明する。
【0022】まず、単結晶原料を溶解する溶解工程につ
いて、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0023】まず溶解工程のSWをONにし(ステップ
30)、ヒータ電源をONにしてヒータ7の電力を所定
の値にまで上昇させる。また、ヒータ電源をONにした
時間を0時間に設定する(ステップ32)。
【0024】次に二色温度計17を用いて液面温度のス
ムージングを開始する(図2のステップ34)。さらに
ルツボ回転開始時間が経過したかどうか判定され(ステ
ップ36)、YESの場合は、ルツボ回転を開始する
(ステップ44)。NOの場合は、液面温度がルツボを
回転できる設定温度に達したかどうかが判定され(ステ
ップ38)、YESの場合は、さらにルツボ回転を行え
るまでの待ち時間が経過したかどうかが判定される(ス
テップ40)。ステップ40でYESの場合は、ステッ
プ44に進行して、ルツボ回転を開始する。一方、ステ
ップ38でNOの場合はステップ34に戻され、ステッ
プ40でNOの場合は、ルツボ回転を行えるまでの待ち
時間を経過させた後(ステップ42)、ステップ44に
進行する。
【0025】ステップ44では、以下の手順で石英ルツ
ボ2の回転数を設定回転数にまで上げる。 まず、設定時間からさらにルツボ回転開始時間が経過
したことを確認したら、回転開始問い合わせのメッセー
ジを出力し、ルツボ回転スイッチON検出によりルツボ
回転開始の確認を行う。 ルツボ回転スイッチON後、ルツボ回転モータを制御
することにより、ルツボの回転数を設定回転数まで徐々
に回転数を上げる。
【0026】ルツボ回転数が設定回転数に達したら、ル
ツボを上昇させるための待ち時間が経過したかどうかが
判定される(ステップ46)。YESの場合は、ステッ
プ56に進み、ルツボの上昇を開始する。NOの場合
は、ルツボを上昇できる設定温度確認のための待ち時間
が経過したかどうかが判定され(ステップ48)、YE
Sの場合はさらにルツボを上昇できる温度に達したかど
うかが判定される(ステップ52)。ステップ52でY
ESの場合は、ステップ56の進み、ルツボ上昇を開始
する。一方、ステップ48でNOの場合は、ルツボを上
昇できる設定温度確認のための待ち時間を経過させ(ス
テップ50)た後、ステップ52に進む。また、ステッ
プ52でNOの場合は、ルツボを上昇できる設定温度に
到達するまで待った(ステップ54)後、ステップ56
に進行する。
【0027】ステップ56で、ルツボの上昇が開始さ
れ、予め設定されたルツボ上昇距離まで上昇される。次
いで、ヒータ7を所定のパワーにまで下げ(ステップ5
8)、液面温度を二色温度計17により検出して溶解終
了温度を越えているかどうかが確認される(ステップ6
0)。
【0028】ステップ60でYESの場合は、設定工程
のスイッチがONかどうかが確認され(ステップ6
4)、YESの場合は後述する設定工程を実行する。N
Oの場合は終了のメッセージを出力する(ステップ6
6)。
【0029】ステップ60でNOの場合は、溶解終了温
度に到達するまで待った(ステップ62)後、ステップ
64に進行する。
【0030】次に設定工程を図3のフローチャートに沿
って詳しく説明する。
【0031】まず、ステップ80で、ATCセンサ18
が正常かどうかがチェックされる。このチェックは、A
TCセンサ18によりヒータ7の温度を検出することに
より行われ、検出された温度がATCセンサ18の下限
値より低い場合は(ステップ80でNO)、故障通知の
メッセージを出力する(ステップ82)。ATCセンサ
18により検出された温度がATCセンサ18の下限値
より高い場合は(ステップ80でYES)、ステップ8
4に進んで、二色温度計17が正常かどうかがチェック
される。このチェックは、二色温度計17により液面温
度を検出することにより行われ、検出された温度が設定
液面温度と異なる場合は(ステップ84でNO)、故障
通知のメッセージを出力する(ステップ86)。検出さ
れた温度が設定液面温度と等しい場合は(ステップ84
のYES)、ステップ88に進み、石英ルツボ2の位置
の設定が行われる。
【0032】ステップ88終了後、液面温度の設定が行
われる(ステップ90)。この設定は以下のようにして
行われる。 まず、二色温度計17により液面温度を検出し、設定
液面温度との偏差を、SCRコントローラ24を制御す
ることにより、ヒータ7の電力にフィードバックする。
ただし、液面温度は0.5秒に1回入力し、以下のよう
な計算によりPID制御を行う。 液面温度n(修正液面温度)=((Σ液面温度/スムー
ジング回数)×(700/4095)+900)+むだ
時間補償値 ヒータ電力=−(P定数×(偏差n+I定数×Σ((偏
差n-1+偏差n)/2)×△t+D定数×((偏差n
−偏差n−1)/△t)×EXP(−t/時定数)))
+バイアス ここで、 偏差n=液面温度n−設定液面温度 P定数=(設定工程パラメータのP定数)/100 I定数=10000/(設定工程パラメータのI定数) D定数=(設定工程パラメータのD定数)/10 時定数=(設定工程パラメータの時定数)/100 △t =(設定工程パラメータのサンプリング時間)/
100 t =0〜△t むだ時間補償値(補償値)の計算方法を以下に示す。 F1,n=F1,n-1+(TS/T)×(Cn−F1,n-1) F2,n=F2,n-1+2×(TS/L)×(F1,n−F2,n-
1) F3,n=F3,n-1+2×(TS/L)×(F2,n−F3,n-
1) Cn:ヒータ電力n−バイアス Ts:(設定工程パラメータのサンプリング時間)/1
00 T:(設定工程パラメータのプロセス時定数)/100
×60 L:(設定工程パラメータのプロセスむだ時間)/10
0×60 むだ時間補償値=A×(F1,n−F3,n) A:設定工程パラメータのプロセスゲイン/100 次に再結晶を検出するために、液面温度が1400℃
より小さい場合、異常通知のメッセージを出力する。 液面温度が、終了判定時間および設定液面温度±1℃
になることを確認して設定終了とする。
【0033】ステップ90終了後、シード工程のスイッ
チがONかどうかが判定され(ステップ92)、YES
の場合はシード工程を実行する。NOの場合は終了メッ
セージを出力する(ステップ94)。
【0034】以上のようにしてシード工程(種結晶を融
液6に浸漬する工程)の前の液面温度が設定温度に制御
される。
【0035】この液面温度制御方法では、溶融時に溶融
液面から放射される赤外線の2つの波長の放射エネルギ
ーの比率から液面温度を測定する二色温度計17を用い
ているため、窓のくもり等による外的要因の影響を受け
ず原料溶解後の溶融液面の温度を正確に測定することが
できる。従ってこの測定温度と設定温度とのずれに応じ
て加熱ヒータの電力を調整することにより、オーバーシ
ュートによる過加熱が生じることがなく、融液が過度に
蒸発することがない。
【0036】またこの液面温度制御方法によれば、前述
した理由により液面の温度を正確に制御できるため、形
状および品質が一定な単結晶を製造することができる。
【0037】さらにこの液面温度制御方法によれば、原
料溶解後の液面の温度−時間管理を厳密に制御できるた
め、種結晶を溶融液に浸けるタイミングを自動設定で
き、シード工程の自動化が可能となる。
【0038】またこの液面温度制御方法では、溶解工程
終了前に電力を予め下げているため、PID制御を開始
する最初の状態が安定し、以下の制御を安定して行うこ
とができる。以下の実施例2ないし実施例4に液面制御
パラメータをシミュレーションにより決定する方法につ
いてさらに説明する。
【0039】(実施例2)図4に、むだ時間+一次遅れ
プロセスステップ応答(PROC)によるシミュレーシ
ョンの方法について示す。
【0040】図4に示したようにプロセスの伝達関数
を、 (Ae-LS)/(1+TS) (ここで、A:プロセスゲイン,L:プロセスむだ時
間,T:プロセス時定数,S:ラプラス演算子であ
る。)として、操作量(C)を入力した時のプロセス変
数(PV)を計算し、単位時間毎に繰り返し回数分出力
する。
【0041】なお、計算はラプラス記述の伝達関数を以
下のように差分形に置換して行った。 ・プロセス F1,n=F1,n-1+(TS/T)×(C−F1,n-1) F2,n=F2,n-1+2×(TS/L)×(F1,n−F2,n-
1) F3,n=F3,n-1+2×(TS/L)×(F2,n−F3,n-
1) PV=AF3,n ここで、Tsはサンプリング時間である。
【0042】図7に、Ts=30sec,L=600sec,
T=1500sec,A=0.3とした場合のシミュレー
ション結果について示す。
【0043】この結果、得られた時間−プロセス変数の
グラフは、オーバーシュートがなく、目標値までの設定
時間は約100分となった。
【0044】(実施例3)図5に、むだ時間+一次遅れ
プロセスフィードバックシミュレーション(FEED)
による方法について示す。
【0045】図5に示したようにプロセスの伝達関数
を、 (Ae-LS)/(1+TS) PIDコントローラの伝達関数を、 K(1+(1/TIS)+TDS) (ここで、K:比例ゲイン,TI:積分時間,TD:微分
時間である。)として、プロセス変数(PV)が目標値
(SP)と一致するようにフィードバック制御した時
の、操作量(C)とプロセス変数(PV)を計算し、単
位時間毎に繰り返し回数分出力する。
【0046】なお、計算はラプラス記述の伝達関数を以
下のように差分形に置換して行った。 .PIDコントローラ En=PV−SP Vn=(TS/2)×(En+En-1)+Vn-1 C=K((En+(Vn/TI)+(TD/TS)×(En−
En-1)) ・プロセス F1,n=F1,n-1+(TS/T)×(C−F1,n-1) F2,n=F2,n-1+2×(TS/L)×(F1,n−F2,n-
1) F3,n=F3,n-1+2×(TS/L)×(F2,n−F3,n-
1) PV=AF3,n
【0047】図8に、K=−20,TI=714sec,T
D=360とした場合のシミュレーション結果について
示す。
【0048】この結果、得られた時間−プロセス変数の
グラフは、目標値までの設定時間が約80分と実験例1
に比べてやや短いものの、オーバーシュートが認められ
た。
【0049】(実施例4)図6に、むだ時間補償フィー
ドバックシミュレーション(COMP)による方法につ
いて示す。
【0050】図6に示したようにプロセスの伝達関数
を、 (Ae-LS)/(1+TS) PIDコントローラの伝達関数を、 K(1+(1/TIS)+TDS) むだ時間補償の伝達関数を、 (A′(1−e-L′S))/(1+T′S) (ここで、A′:モデルプロセスゲイン,L′:モデル
プロセスむだ時間,T′:モデルプロセス時定数であ
る。)として、プロセス変数(PV)が目標値(SP)
と一致するようにフィードバック制御した時の、操作量
(C)とプロセス変数(PV)を計算し、単位時間毎に
繰り返し回数分出力する。
【0051】なお、計算はラプラス記述の伝達関数を以
下のように差分形に置換して行った。 .PIDコントローラ En=PV+D−SP Vn=(TS/2)×(En+En-1)+Vn-1 C=K((En+(Vn/TI)+(TD/TS)×(En−
En-1)) ・プロセス F1,n=F1,n-1+(TS/T)×(C−F1,n-1) F2,n=F2,n-1+2×(TS/L)×(F1,n−F2,n-
1) F3,n=F3,n-1+2×(TS/L)×(F2,n−F3,n-
1) PV=AF3,n .むだ時間補償 F′1,n=F′1,n-1+(TS/T′)×(C−F′1,n-
1) F′2,n=F′2,n-1+2×(TS/L′)×(F′1,n−
F′2,n-1) F′3,n=F′3,n-1+2×(TS/L′)×(F′2,n−
F′3,n-1) D=A′(F′1,n−F′3,n)
【0052】図9に、L′=300sec,T′=900se
c,A′=0.1,K=−20,TI=526sec,TD=1
50secとした場合のプロセス変数のシミュレーション
結果について、さらに図10に、L′=600sec,T′
=1500sec,A′=0.3,K=−50,TI=400s
ec,TD=10secとした場合のプロセス変数のシミュレ
ーション結果について示す。
【0053】図9に示す結果では、プロセス変数に変動
が見られたものの、図10に示す結果では、オーバーシ
ュートがなく、約30分で設定値に飽和する結果が得ら
れた。
【0054】(実施例5)実施例1で説明した単結晶引
上げ装置を用い、チャージ量40kg、ルツボ位置+3
5、ルツボ回転数5rpmとし、図10のシミュレーシ
ョン結果が得られたパラメータを用いて温度設定試験を
行った。この結果、ヒータ電力に0〜100kWと制限
があるため、設定値に達するまでの時間は69分と図1
0のシミュレーション結果より長くなったが、オーバシ
ュートのない結果を得ることができた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の液面温度
制御方法では、溶融時に溶融液面から放射される赤外線
の2つの波長の放射エネルギーの比率から液面温度を測
定しているため、溶融液面から発生する原料ガスにより
窓にくもりを生じて放射強度が変動しても、2つの波長
は同じ影響を受け、2つの波長の放射エネルギーの比率
は変動しない。
【0056】従って本発明の液面温度制御方法によれ
ば、窓のくもり等による外的要因の影響を受けず原料溶
解後の溶融液面の温度を正確に測定することができる。
【0057】
【0058】また溶融時に溶融液面から放射される赤外
線の2つの波長の放射エネルギーの比率から液面温度を
測定し、設定値からのずれに応じて加熱ヒータの電力を
調整して液面温度を制御する電力調整工程を備え、該電
力調整工程を、所定時間毎に液面温度が設定値と等しく
なるまで複数回行うとともに、n回目の電力調整工程で
は、実際に測定された液面温度に補償値を加算した修正
液面温度と設定温度との偏差に応じて前記電力を算出す
るように設定されてなり、前記補償値を、n−1回目の
電力調整工程における電力調整で得られると推算される
液面温度の温度変化分としているので、オーバーシュー
トによる過加熱が生じることがなく、融液が過度に蒸発
することがない。
【0059】また本発明の液面温度制御方法によれば、
前述した理由により液面の温度を正確に制御できるた
め、形状および品質が一定な単結晶を製造することがで
きる。
【0060】さらに本発明の液面温度制御方法によれ
ば、原料溶解後の液面の温度−時間管理を厳密に制御で
きるため、種結晶を溶融液に浸けるタイミングを自動設
定でき、シード工程の自動化が可能となる。
【0061】また引き上げ中にも液面温度を測定し制御
することにより、引き上げ速度を安定化することがで
き、より高品質のシリコン単結晶を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液面温度制御方法を実施するための単
結晶引上げ装置の一例を示す概略図である。
【図2】溶解工程の手順を説明するためのフローチャー
トである。
【図3】設定工程の手順を説明するためのフローチャー
トである。
【図4】むだ時間+一次遅れプロセスステップ応答(P
ROC)によるシミュレーションの方法を説明するため
のブロック図である。
【図5】むだ時間+一次遅れプロセスフィードバックシ
ミュレーション(FEED)によるシミュレーションの
方法を説明するためのブロック図である。
【図6】むだ時間補償フィードバックシミュレーション
(COMP)によるシミュレーションの方法を説明する
ためのブロック図である。
【図7】むだ時間+一次遅れプロセスステップ応答(P
ROC)によるシミュレーションの結果を示すグラフで
ある。
【図8】むだ時間+一次遅れプロセスフィードバックシ
ミュレーション(FEED)によるシミュレーションの
結果を示すグラフである。
【図9】むだ時間補償フィードバックシミュレーション
(COMP)によるシミュレーションの結果を示すグラ
フである。
【図10】同むだ時間補償フィードバックシミュレーシ
ョン(COMP)によるシミュレーションの結果を示す
グラフである。
【符号の説明】
2 石英ルツボ 6 融液 7 ヒータ 17 二色温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−122940(JP,A) 特開 昭59−26996(JP,A) 特開 平1−191716(JP,A) 実開 昭58−106732(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶原料の溶融液面の温度を制御する
    際に、溶融液面から放射される赤外線の2つの波長の放
    射エネルギーの比率から液面温度を測定し、設定温度と
    のずれに応じて加熱ヒータの電力を調整して液面温度を
    制御する電力調整工程を備え、 該電力調整工程を、所定時間毎に液面温度が設定値と等
    しくなるまで複数回行うとともに、n回目の電力調整工
    程では、実際に測定された液面温度に補償値を加算した
    修正液面温度と設定温度との偏差に応じて前記電力を算
    出するように設定されてなり、 前記補償値は、n−1回目の電力調整工程における電力
    調整で得られると推算される液面温度の温度変化分であ
    ことを特徴とする液面温度制御方法。
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