JP4602561B2 - 育成プロセス中のシリコン結晶に係る径を制御するための方法及び装置 - Google Patents

育成プロセス中のシリコン結晶に係る径を制御するための方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4602561B2
JP4602561B2 JP2000606813A JP2000606813A JP4602561B2 JP 4602561 B2 JP4602561 B2 JP 4602561B2 JP 2000606813 A JP2000606813 A JP 2000606813A JP 2000606813 A JP2000606813 A JP 2000606813A JP 4602561 B2 JP4602561 B2 JP 4602561B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
melt
ingot
power
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000606813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003528017A (ja
Inventor
ロバート・エイチ・フュアーホフ
スティーブン・エル・キンベル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SunEdison Inc
Original Assignee
MEMC Electronic Materials Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MEMC Electronic Materials Inc filed Critical MEMC Electronic Materials Inc
Publication of JP2003528017A publication Critical patent/JP2003528017A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4602561B2 publication Critical patent/JP4602561B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/20Controlling or regulating
    • C30B15/22Stabilisation or shape controlling of the molten zone near the pulled crystal; Controlling the section of the crystal
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/20Controlling or regulating

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、一般には電子部品の製造において利用される単結晶半導体に係る育成プロセスの制御の改良に関し、特には、予め決められた速度プロファイルに従って、半導体資源の融液から引き上げられる単結晶シリコンインゴットの径を正確に制御するための方法及び装置に関する。
【0002】
(背景技術)
単結晶の(monocrystalline)の、あるいは単一性の結晶(single crystal)のシリコンは、半導体電子部品を製造するほとんどのプロセスにおける出発物質である。チョクラルスキ(Czocharalski)の結晶育成プロセスを実施する結晶引き上げ装置が、単結晶シリコンの大部分を製造する。簡潔に記載すると、チョクラルスキのプロセスは特別に設計された炉中に置かれた石英の坩堝中に充填した高純度の多結晶シリコンを融解することを包含する。加熱された坩堝がシリコン充填物を融解すると、結晶揚程機構が、種結晶を下げて融解されたシリコンに接触させる。前記機構は、その前記シリコン融液から育成してくる結晶を引き上げるため、前記種を取り出す。典型的な結晶揚程機構は、ケーブルの一末端から前記種結晶を揚程し、他方の末端がドラムに巻きつけられている。ドラムが回転すると、ドラムが回転する方向次第で、前記種結晶は上方にあるいは下方に移動する。
【0003】
結晶のネック部の形成後、育成プロセスは、所望の径に到達されるまで引き上げ速度及び/あるいは融液温度を減少させることにより、育成している結晶の径を拡大させる。減少していく融液レベルを埋め合わせる一方で、引き上げ速度、及び融液温度を制御することにより、結晶の主となる胴体部が、ほぼ一定の径(すなわち、一般的には円筒型である)を有するように育成される。前記育成プロセスの終わり近くであるが、坩堝が融解されたシリコンを空にしてしまわないうちに、前記プロセスは、円錐状末端部を形成するよう前記結晶径を徐々に減少させる。典型的には、前記円錐状末端部は、結晶引き上げ速度、及び坩堝に供給される熱を増やしていくことにより形成される。前記径が十分に小さくなったら、結晶は前記融液から分離される。前記育成プロセスの間、坩堝は融液を一方向に回転させ、前記結晶揚程機構は、引き上げケーブル、あるいはシャフトを前記種及び結晶に沿って反対の方向に回転させる。
【0004】
現在利用されるチョクラルスキの育成プロセスは、広範にわたる種々の適用において有益に単結晶シリコンを育成するには十分であるけれども、更なる改良が今なお所望されている。例えば、結晶インゴットが固化後冷却するにつれて、単結晶シリコン中にいくつかの欠陥が、結晶育成チャンバ内で形成される。そのような欠陥は、1つには空孔及び自己格子として既知である内因性点欠陥の過剰な(即ち、溶解限度以上の濃度)存在によって起こる。シリコンに係るこれら点欠陥の種類と初期濃度が、最終生成物における種類と凝集した欠陥の存在に影響を与え得ることが示唆されている。もし、これら欠陥の濃度が、本システムにおいて臨界過飽和のレベルに達し、点欠陥の移動度が十分に高ければ、反応あるいは凝集といったことが、おこるかもしれない。シリコンにおいて凝集した内因性点欠陥は、複雑な集積回路の製造における物質の生産力に重大な影響を与え得る。
【0005】
結晶「製法」に特定される、予め決められた速度プロファイル、あるいは目標に従って融液から単結晶シリコンインゴットを正確に引き上げることにより、欠陥の形成を制御するプロセス要求を満たす助けとなる。例えば、このタイプの制御(本明細書中では「固定型種揚程」プロセスと呼ぶ)はインゴット中における内因性点欠陥の数及び濃度を減少させる。加えて、固定型種揚程プロセスは、前記インゴットが固化温度から冷却されるにつれて前記インゴット中の内在性点欠陥の凝集を回避するよう空孔及び自己格子の濃度を制御するのに役立つ。従来法のチョクラルスキのシリコン育成プロセスは、しかしながら育成している結晶の径を制御するために引き上げ速度、あるいは種揚程を変化させる。当業者は、引き上げ速度を増加させると結晶径が減少し、一方引き上げ速度を減少させると径が増加することを認識している。シリコン資源融液の温度を上昇させると、結晶径が減少し、一方前記融液温度の低下させると径が増加することもまた周知である。このような理由から、目標プロファイルに従って引き上げ速度を制御すると、引き上げの間、融液温度が正確に調節されなければ径誤差が生じ得ることになる。
【0006】
あいにく、融液温度変化の効力の遅延が通常許容されないために、従来法の育成プロセスにおいて結晶径を制御するために前記引き上げ速度を用いることは、一般的には好ましい。言い換えれば、径を制御するために、温度ではなく引き上げ速度を選択することは、応答時間における相違に基づいており、温度変化に対する応答時間は引き上げ速度変化に対する応答時間よりもずっと遅い。例えば、引き上げ速度における段階的な変化は、秒単位での径応答を達成する一方で、加熱電力、あるいは融液温度における段階的な変化は、同等の効果を達成するのに数十分を費やす、ずっと緩慢な応答をするという結果になる。
【0007】
(課題を解決するための手段)
このような理由から、融液から単結晶のシリコンインゴットを引き上げるのに正確で信頼性のある装置及び方法は、加熱電力のみを用い、径を制御するために典型的に必要とされる引き上げ速度の変動をなくして、シリコン結晶の径を制御することが所望される。
【0008】
(本発明の概要)
本発明は、固定型種揚程プロセスにおいて結晶径の十分な制御を維持するために電力を調節する方法及び装置を提供することにより、上述の必要性を満たし、従来法の欠点を克服する。本発明に係るいくつかの目的の中には、正確な径制御を提供する方法及び装置の提供;融液温度を変化させることにより結晶径を調節するような方法及び装置の提供;比較的迅速な融液温度変化を提供するような方法及び装置の提供;前記融液の温度応答をモデルとするような方法及び装置の提供;加熱電力の作用として結晶径を変化させるような方法及び装置の提供;現存の結晶引き上げデバイス中に組み込まれてもよいような方法及び装置の提供;及び経済上実施可能で商業上実際的であるような方法及び装置の提供が言及され得る。
【0009】
簡潔に記載すると、本発明に係る態様を実施する方法は、チョクラルスキのプロセスに従って単結晶インゴットを育成するための装置と組み合わせて使用される。前記装置は、融液から引き上げられる種結晶上にインゴットが育成される半導体融液を含有する、加熱された坩堝を有する。前記方法は、予め決められた速度プロファイルにほぼ従う目標速度で、前記融液から前記インゴットを引き上げることを含む。前記方法はまた、前記融液を加熱するためのヒータに供給される電力における変化に応答した融液の温度における変化を示す温度モデルを定義するステップを含む。目標の融液温度を示す温度設定値の作成において、前記方法は次に、インゴットの目標径と実測径との間の誤差を示す信号を作成し、前記誤差信号に基づいて比例積分微分(PID)制御を行い、そしてその関数として温度設定値を作成するステップを包含する。前記方法は更には、PID制御により作成された温度設定値に係る関数として前記温度モデルからヒータに供給される電力に対して電力設定値を決定し、そして前記電力設定値に従って前記ヒータに供給される電力を調節すること含む。このようにして、融液の温度は、インゴットの径を制御するために変化させる。
【0010】
本発明に係る別の実施の形態は、チョクラルスキのプロセスに従って単結晶インゴットを育成するための装置と組み合わせて使用される装置に関する。前記装置は、融液から引き上げられる種結晶上にインゴットが育成される半導体融液を含有する、加熱された坩堝を有する。前記装置は、予め決められた速度プロファイルを包含し、その速度プロファイルにほぼ従う目標速度で、前記融液から前記インゴットが引き上げられる。前記装置はまた、インゴットの目標径と実測径との間の誤差に係る関数として温度設定値を作成するPID制御を包含する。前記温度設定値は、融液の目標温度を示す。前記温度モデルは、前記融液を加熱するためのヒータに供給される電力における変化に応答した融液の温度における変化を示す。前記温度モデルは、PID制御により作成される温度設定値に係る関数としてヒータに供給される電力に対して電力設定値を決定する。前記装置は更には、融液を加熱するためのヒータ、及びそのヒータに供給される電力を調節するための電力設定値に応答した電力供給を包含する。このようにして前記装置は、インゴットの径を制御するために融液の温度を変化させる。
【0011】
代替として、本発明は、種々の他の方法及び装置を含んでいてもよい。他の目的及び特徴はある部分は明らかであり、ある部分は以降の本明細書中に指摘されるであろう。
同一の符号は、図面全体を通して同一の部品を示す。
【0012】
(本発明の実施の形態の詳細な説明)
図1において、装置は、11で一般的に示されるが、13で一般的に示されるチョクラルスキの結晶育成装置を用いた利用を示している。結晶育成装置13に係る構成の詳細は、熟練した当業者には周知である。一般的には、結晶育成装置13は、坩堝19を内包する真空チャンバ15を含んでいる。耐熱ヒーター21のような加熱手段が、坩堝19を取り囲んでいる。1つの実施の形態において、断熱材23が真空チャンバ15の内壁に裏打ちされ、水が詰められたチャンバ冷却ジャケット(図示されず)がそれを取り囲む。真空ポンプ(図示されず)は、典型的にはアルゴンガスの不活性雰囲気をチャンバ中に送り込んで、真空チャンバ15内からガスを除去する。
【0013】
チョクラルスキの単結晶育成プロセスに従って、一定量の多結晶性のシリコン又はポリシリコンが坩堝19に充填される。加熱電力供給部27が、前記充填を融解するために抵抗ヒータ21を通じて電流を提供し、そうして、単結晶31が引き上げられるシリコン融液29を形成する。好ましくは、フォトセルやパイロメーターのような温度センサ33が、前記融液の表面温度を測定できるように使用される。単結晶31は、引き上げシャフト、あるいはケーブル37に取り付けられた種結晶35から始まる。図1に示されるように、単結晶31及び坩堝19は、一般的には対称性の共通軸39を有する。ケーブル37の一方の末端部は、滑車41(図2参照)を介してドラム43(図2参照)に連結され、他方の末端部は、種結晶35及び種結晶から育成された結晶31を保持するチャック(図示されず)に連結される。
【0014】
加熱及び結晶引き上げの双方の間、坩堝駆動ユニット45は坩堝を回転させる(例えば時計周りの方向に)。坩堝駆動ユニット45はまた、前記育成プロセスの間、所望されるように坩堝19を上げたり下げたりする。例えば、坩堝駆動ユニット45は、基準線47により示されているレベル、所望の高さで維持するために融液29が枯渇されるに従って坩堝19を上げる。結晶駆動ユニット49は、同様に坩堝駆動ユニット45が坩堝19を回転させる方向とは反対の方向にケーブル37を回転させる。加えて結晶駆動ユニット49は、前記育成プロセスの間、所望されるように融液レベル47と相対的に結晶31を上げたり下げたりする。
【0015】
1つの実施の形態において、種結晶を下げて坩堝19により包含される融液29の融液したシリコンとほとんど接触させるにより、結晶育成装置13は種結晶35を予熱する。予熱後、結晶駆動ユニット49は、種結晶35を下げてケーブル37を介して融液レベル47で融液29と接触させ続ける。種結晶35が融解すると、結晶駆動ユニット49は、融液29からその種結晶をゆっくりと引き出し、あるいは引き上げる。種結晶35は、種結晶引き出されるにつれて、融液29からシリコンを引き出し、シリコン単結晶31が育成される。結晶駆動ユニット49は、融液29から結晶31を引き上げながら基準速度で結晶31を回転させる。坩堝駆動ユニット45は、同様に別の基準速度であるが、通常は結晶31と相対的に反対方向に坩堝19を回転させる。
【0016】
制御ユニット51は、初期に引き出し、あるいは引き上げ速度、及び結晶31の下方をネック部を与えるよう電力供給部27がヒータ21に提供する電力を制御する。好ましくは、結晶育成装置13は、種結晶35が融液29から引き出されながら、ほぼ一定の径で前記結晶ネック部を育成させる。例えば、制御ユニット51は、所望の胴体部の径の約5%であるほぼ一定なネック部の径を維持される。従来の制御機構のもとで、制御ユニット51は、前記ネック部が所望の長さに到達した後、結晶31が径を所望の結晶胴体の径に到達されるまで円錐状に増加させるよう回転、引き上げ、及び/又は加熱のパラメータを調節する。例えば、制御ユニット51は、典型的に前記結晶のテーパと呼ばれる外側に向かって張り出していく領域を作るよう引き上げ速度を減少させてる。
【0017】
いったん所望の結晶径に到達されると、制御ユニット51は、そのプロセスが終わりに近づくまで装置11で測定しながらほぼ一定の径を維持するように育成パラメータを制御する。終わりに近づいた時点で、単結晶31の末端部にテーパ部分を形成するよう径を減少させるために、引き上げ速度及び加熱は通常促進される。その開示全体が参考として本明細書中に組みこまれる、共有に係る米国特許番号5,178,720号が、結晶径の関数としての結晶及び坩堝の回転速度を制御する1つの好ましい方法を開示する。その開示全体が参考として本明細書中に組みこまれる、共有に係る米国特許番号5,882,402号、米国特許番号5,846,4318号、米国特許番号5,665,159号、及び米国特許番号5,653,779号が結晶径を含めたいくつかの結晶育成パラメータの正確で信頼性のある測定法を提供する。これらの特許において、画像プロセッサが、径を決定するために結晶−融液界面の画像を処理する。
【0018】
当業者は、結晶を引き上げる間、坩堝19は揚程されるべきであることを認識している。典型的な引き上げの間、坩堝19の移動が相対的に小距離であるとすると、坩堝を揚程することは、欠陥を減少させるために結晶を引き上げることよりもはるかに重大でないことが容易に分かる。結晶31を引き上げる間、坩堝19を揚程するための適切な式は、結晶引き上げ速度×坩堝の断面積(融液レベルで測定された)に対するインゴットの断面積の割合×融液中のシリコン密度に対するインゴット中のシリコン密度であることを包含する。他の坩堝揚程式もまた、本発明の範囲において用いられ得る。
【0019】
図2は、とりわけ結晶駆動ユニット49を制御するための制御ユニット51を実施させる電気回路を示している。結晶駆動ユニット49の構成の詳細は、熟練の当業者には周知である。一般には、駆動ユニット49は、ドラム43に連結されたモータ53を包含する。破線55は、モータ53に係るシャフト59とドラム43との間の機械的な連結を示している。この機械的な連結が、シャフト59とドラム43との間の直接的な連結から成るものであってもよいけれども、よりよい制御とよりスムーズな操作のための好ましい配置は、シャフト59とドラム43との間に一連の減速ギア(図示されず)が位置している。モータ53はこのように、融液29中に種結晶35を下げるために、そして融液29からインゴット31を引き上げるために、ドラム43を介してケーブル37を緩めたり巻いたり操作可能である。
【0020】
図2中の破線部61は、ドラム43中の開口部65を通じてのシャフト63上にドラム43を取り付けることを示している。その開示全体が参考として本明細書中に組みこまれる、共有に係る米国特許番号5,935,328号が、本発明を用いた利用に適切なドラム及びケーブルの配置を示している。
【0021】
更に図2を参照して、制御ユニット51は、中央演算処理装置(CPU)71及びメモリ73を有するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)69を包含する。PLC69は、ライン79及び81を介して回転当り500パルス(ppr)のエンコーダ77から入力信号を受け取る。エンコーダ77は、位置信号を生み出すためにシャフト63に連結される。この場合において、前記位置シグナルは、ドラム43の回転運動の関数として変化するライン79及び81上のパルスから成る。PLC69は、それゆえ、所定の関与する期間にどれだけドラム43が回転したか正確に決定するのにライン79及び81上のパルスをカウントする。エンコーダ77は、そのエンコーダが、ドラム43の360度回転ごとに1000の不連続パルスを発する2Xモードで操作されるのが好ましい。従って、もしPLC69が、ライン79及び81上で5,500パルスをカウントすれば、ドラム43は、前記パルスが生み出された間に正確に5.5回転したことが分かる。代替として、ギア機構(図示されず)がドラム43を駆動し、エンコーダ77が前記ギア機構において回転しているギアの1つに連結され得る。ギヤ比が容易に分かれば、ドラム43の回転数は、上記で開示された方法と同じ方法で計算され得る。
【0022】
図示された実施の形態において、PLC69はまた、ライン87及び89を介して60pprのエンコーダ85に連結される。エンコーダ85は、モータ53に係るシャフト59に連結され、前記シャフトの回転運動に係る関数としてライン87及び89上にパルスを提供する。PLC69は、それゆえ所定の関与する期間にどれだけシャフト59が回転したかを正確に決定するためにライン87及び89上のパルスをカウントする。エンコーダ85は、前記シャフトの360度回転ごとに240パルスを発する4Xモードで操作されるのが好ましい。従って、もしPLC69が、ライン87及び89上で480パルスをカウントすれば、このパルスが生み出される間に、モータ53に係るシャフト59は、正確に完全な2回転をしたことが分かる。
【0023】
PLC69もまた、ドラム43の大きさ、及びモータ53のシャフト59とドラム43を回転させるシャフト63とを連結するギア比を考慮して、従来の手段によってプログラムされる。シャフト59の回転数がライン87及び89上のパルスの数から既知であること、シャフト59をドラム43に連結するギアレシオが既知であること、そしてドラム43の直径が既知であることを前提にして、PLC69は、エンコーダ85から受け取ったパルスの数をリアルタイムでケーブル37の直線運動を示す計算式に変換するよう従来手段を介して容易にプログラムされる。言い換えると、ライン87及び89上のパルスをカウントすることによって、PLC69は容易にケーブル37の引き上げ速度を演算する。好ましくは、ディスプレイ・モニタ91が、リアルタイムでこのケーブル速度を表示する。
【0024】
サーボ増幅器93は、従来の閉鎖型ループ・フィードバック配列によってライン95及び97を介してモータ53に、ライン103及び105を介してタコメータ101に連結される。タコメータ101は、ライン103及び105上に、モータ53に係るシャフト59の回転スピードの関数として電位が変化するアナログ信号を提供する。サーボ増幅器93は、ライン103及び105上のアナログ電位信号を受け取る。サーボ増幅器93はまた、ライン111及び113を介して回路109を調節する設定値からの設定値信号を受け取る。例えば設定値調節回路109は、DC変換器に対するDCを含む。PLC69は、以下で更に十分に説明されているように設定値調節回路109、及びそれゆえライン117及び119を介して設定値信号を制御する。このようにして、PLC69は、モータ53のスピードを制御する。
【0025】
特には、サーボ増幅器93は、ライン95及び97を介してモータ53に供給される電流信号を提供することによってライン111及び113上の設定値信号に応答する。前記電流信号は、前記モータにエネルギーを与え、そのスピードを決定する。サーボ増幅器93は、その後、その設定値信号に対応するスピードでモータ53が作動しているかどうかを特定するためにタコメータ101から受け取られるアナログ電位信号を利用する。作動していなければ、サーボ増幅器93は、タコメータ101からのアナログ電位信号が、モータ53が設定値信号によって設定されたスピードで作動していることを示すまで、場合に応じて電流信号を上下に調節する。ここでも、PLC69がライン117及び119を介して設定値信号を制御しているため、PLC69は、モータ53のスピードを制御する。
【0026】
PLC69は、また信号調整回路123に連結される。信号調整回路123は、タコメータ101により提供されるアナログ電位信号を受け取り調整するためにサーボ増幅器93に接続される。PLC69は、回路123から調整されたアナログ電位信号を受け取り、その信号をケーブル36の引き上げ速度に対応する数値に変換する。PLC69は、ディスプレイ125を介してこの数値を表示する。
【0027】
ケーブル37に係る実際の引き上げ速度がディスプレイ91及び125上で重複して表示されることが分かるけれども、当業者により認識されるように、ディスプレイ91は報告された速度をディスプレイ125よりもはるかに正確に表示することが可能である。これは、ディスプレイ91上に報告される速度の基礎を成しているデータの起源が、4Xモードで作動している非常に精密で正確なエンコーダ85だからである。対照的に、ディスプレイ125上に報告される速度の基礎を成しているデータは、タコメータ101によって提供されるアナログ信号である。そのような信号は、本質的に正確さに乏しく、特に温度変化によって著しく影響を受けやすい。要するに、本発明はディスプレイ125がなくても容易に実施可能である。
【0028】
冷却時間が十分であると仮定すると、育成率、すなわち育成速度vと、平均軸温度勾配Gとその比率が、臨界値(v/G)crの一定の許容範囲、T内にあることを条件として完全なシリコンが提供され得る。この許容値は以下によって定義され得る:
Figure 0004602561
式中Δ(v/G)は、完全なシリコンが提供され得るv/G値の範囲である。
【0029】
前記許容値は所定のホットゾーンにより提供される冷却条件に強く依存する。特には、核生成前の冷却時間が増加するにつれてTは増加する。ホットゾーンの変動に対して選択されたデータは、好ましい許容値としてT=0.055の値を示唆している。
再表示式:
【数2】
Figure 0004602561
しかしながら、Gは一般には制御するのは難しい。もしGが変化しなければ、完全なシリコン育成を確実にするためのvにおける最大誤差は、|T|となり得るであろう。しっかりしたプロセスに対してはvの変動がもっと小さい方が(例えば|T|の10%)好ましい。
【0030】
図3は、一般には127で示されるが、図2に係る装置11を校正するためのフローチャートを示している。ステップ131で始まり、フローチャート127は、即座にステップ133に進み、そこではオペレータが、名目上0.1mm/minのケーブル速度となるようPLC69上で外部制御(図示されず)を調節する。ステップ135で、オペレータは、ディスプレイ91上に報告されるケーブル速度を観察する。もし、報告された速度が0.1mm/minから0.002mm/min以内(即ち0.1±0.002mm/min)に入っていなければ、オペレータは、ステップ139に進む。オペレータは、ステップ139で回路109を調節する設定値に対するオフセットパラメータを「微調整」し、その後ステップ135に戻る。もし、表示されるケーブル速度がそれでもなお0.1±0.002mm/minでなければ、オペレータは、ディスプレイ91上に報告されるケーブル速度が0.1±0.002mm/minに等しくなるまで回路109に対するオフセットパラメータを微調整し続ける。この時点で、オペレータは、ステップ135が十分に達成されたことを示すために変数Xに対して「1」の値を割り当てるためにステップ141に進む。
【0031】
フローチャート127は、ステップ143に続き、ここではオペレータが装置11を名目上3.0mm/minのケーブル速度になるようPLC69上の外部制御を調節する。ステップ147で、オペレータは再度ディスプレイ91上に報告されるケーブル速度を観察する。もし報告される速度が3.0±0.002mm/minに等しくないならば、オペレータは、回路109を調節している設定値のゲイン・パラメータを微調整するためにステップ149に進む。この場合において、オペレータがステップ147に戻る前に変数Xは、ステップ151でゼロに設定される。ステップ147で、今度は3.0±0.002mm/minのケーブル速度を報告するかどうかを確かめるためにオペレータは、再度ディスプレイ91を読み取る。もしそうでなければオペレータは、ディスプレイ91上に報告されるケーブル速度が3.0±0.002mm/minに等しくなるまでステップ149で回路109に対するゲイン・パラメータを微調整し続ける。この時点で、オペレータは、ステップ155に進む。フロー図127は、変数Xが1ではなくてゼロになっているためステップ133に戻る。このようにしてオペレータは、前記回路を正確に校正し続ける。実際のケーブル速度が結果、名目上の設定±0.002mm/minに(そして、回路109の更なる微調整なしに)等しくなる名目上の設定の0.1と3.0mm/minとの間で、PLC69が切り換え可能となるまで、この校正は継続する。この時点で変数Xは1の値のままであり、それゆえオペレータは、校正が十分に終了するステップ157に進むことができる。
【0032】
図4は、159で一般に示されるが、単結晶シリコンインゴット31を引き上げるための例示的な速度プロファイルを示している。結晶「製法」において特定される、予め決められた速度プロファイル又は目標に従って、融液29から正確に結晶31を引き上げることにより、欠陥の形成を制御するプロセス要求を満足させる助けとなる。このタイプの「固定型種揚程」制御はインゴット中の内因性点欠陥の数と濃度を減少させる。加えて、固定型種揚程プロセスにより、インゴットが固化温度から冷却するときに結晶31中の内因性点欠陥の凝集を回避するよう空孔及び自己格子の濃度を制御できる。当業者は、本発明が如何なる適切な速度プロファイルでも実施され得ることを認識するだろう。
【0033】
速度プロファイル159は、引き上げの間、結晶長さの関数として目標引き上げ速度を定義する。本発明に係る好ましい実施の形態により、速度プロファイル159に従って結晶31を引き上げると、ほぼ完全な結晶性の構造で、ほとんど内因性点欠陥を有しないシリコンとなる。そのようなシリコンにおける固化時の内因性点欠陥の濃度は、重大な過飽和のレベルより十分低い、凝集をほとんどおこさせないレベルであろう。インゴットを固化温度から冷却する際のインゴット中の内因性点欠陥の凝集を回避するための空孔及び自己格子の集中のそのような制御は、とても望ましい。その開示全体が参考として本明細書中に組みこまれる、共有に係る米国特許番号5,919,302号は、図4の速度プロファイル、及びほぼ完全な結晶性構造を有するシリコンの製造に関する更なる情報を提供する。
【0034】
使用時において、図4に係る速度プロファイル159が、PLC69に係るメモリ73中に保存される。プロファイル159はまた、本発明の範囲内においてレジスタ中に保存されても、あるいはCPUに係るメモリ回路71に関連させることも可能である。当業者は、図4に係る速度プロファイル159がここでは例示的な目的で示されており、本発明は如何なる適切な速度ファイルでも実施されうることを認識するであろう。
【0035】
図4に係る速度プロファイル159のような速度プロファイルの作業をしている過程において、結晶31の引き上げ速度が、引き上げの間すべての結晶長さで非常に正確に速度ファイルに従うことが重要であることが発見された。好ましくは、装置11が、その速度が結晶長さの大部分に対しては約0.008mm/minあるいはそれ以下の範囲内で速度プロファイル159に従うように結晶31の引き上げ速度を制御する。言い換えると、引き上げ速度は、ほぼ目標速度に等しい。本発明は、結晶31の引き上げ速度が±0.008mm/min、±0.006mm/min、あるいは±0.004mm/min、あるいは更に±0.002mm/minの範囲内の精度で速度プロファイルに従うところで実施され得るけれども、最良の結果は、±0.002mm/min、あるいはもっと良い精度で達成され、そして±0.002mm/minよりも更に良い精度も本発明の範囲内にあることが理解される。
【0036】
本発明に係る好ましい実施の形態においてPLC69は、設定値調節回路(すなわち図2中の回路109)に対する制御信号を提供するために、12ビットのデジタル/アナログカードを使用する。当業者は、本発明の実施の形態の精度を改善するために本発明の範囲内で変更がなされ得ることを認識するであろう。例えば12ビットの代わりに14ビットのカードの使用は、精度を改善する事になるはずである。
【0037】
図5は、PLC69が、いったんプロファイル159がロードされると、その引き上げ全体に渡って、結晶引き上げの速度をプロファイル159の±0.002mm/min内の精度でどのように制御するかを示しているブロック図である。好ましくは、PLC69は、破線165の範囲内で機能を果たす。より具体的には、PLC69は、エンコーダ77の出力から実際の引き上げ速度を演算し、期待されている速度、すなわちメモリ73中に保存された速度プロファイル159により定義される目標速度と比較する。PLC69は、その後期待された結果と実際の結果との間の差異を用いて補正因子169を演算する。PLC69は、引き上げがおこっている速度プロファイル159に沿ってその値を決定することにより、設定値173を演算する。補正因子169×設定値173を計算することにより、PLC69は、修正設定値175を演算する。PLC69は、結晶引き上げの速度を制御するために回路109を調節している設定値に対して修正設定値175を出力する。上述で説明されるようにこの方法で設定値を調節することにより、結晶引き上げ速度を引き上げ全体に渡ってプロファイル159の±0.002mm/min内に維持する。
【0038】
図6A及び6Bは、一般に177で示されるが、PLC69に係る操作上でのより詳細を提供するフローチャートを示している。特には、PLC69が図5に係る補正因子169をどのように演算するかをフローチャート177は図示している。フローチャート177は、ステップ181で始まり、即座にステップ183に進む。ステップ183で、PLC69は、「移動される期待距離合計」(E.S.D.T.)変数が更新された最後の時間から、予め決められた時間間隔(例えば15秒)が経過されたかどうかをテストする。もし、その15秒間隔が終了していなかったなら、PLC69は、終了するまでステップ183を繰り返す。15秒終了の後、PLC69はステップ185に進む。
【0039】
ステップ185で、結晶31が、現在のE.S.D.T.値への最後に更新以来引き上げられるように期待された増分の距離を足すことにより、PLC69はE.S.D.T.を更新する。「設定値プロファイル」は、結晶長さの関数として速度プロファイル159から決定される瞬時の期待結晶引き上げ速度であることが注意される。ステップ185において同定される「因子」が、その設定に依存して引き上げに関して融液レベル47を移動したり、あるいは融液レベル47に関してほぼ一定に結晶31の引き上げを維持したりするように僅かに調整され得る因子であるもまた、注意される。その開示全体が参考として本明細書中に組みこまれる、1998年10月14日に出願された、共有に係る出願シリアル番号09/172号が、これらの考慮すべき事柄をより詳しく開示している。ステップ185に係る因子は、また融液29が坩堝19から枯渇されるような結晶引き上げの終了近くでまた調節されてもよい。融液レベル47がほぼ一定となるときは前記結晶引き上げのほぼ全体にわたって、ステップ185に係る因子が数値「1」を有するが好ましい。最終的には、関連期間が15秒、すなわち0.25分であることから、ステップ185で0.25の乗数が使用される。
【0040】
E.S.D.T.値が更新されると、PLC69はステップ187でタイマーAをリセットし、補正因子A(F.C.A)が更新された最後の時間から別に予め決められた時間間隔(例えば1分間)が経過したかどうかを特定するためにステップ189に進む。もし1分の間隔が経過していなければ、そのプロセスは最初に戻り、再度E.S.D.T.を更新するために15秒間待つ。1分が最終的に経過すると、PLC69は、ステップ191でタイマーBをゼロにリセットし、その後ステップ193に進む。ステップ193で、PLC69は、エンコーダ77がその最後の更新からどのぐらいパルスを作成したかを特定する。ドラム43の径が分かると、PLC69はこの増分のパルスカウントを上述で説明されるように結晶31が引き上げられる増分の距離に変換する。この増分の値はステップ193を終了するための「実際のデルタ(n)」値に等しい。
【0041】
ステップ197に進んで、PLC69は「実際に移動する合計距離」変数(S.D.T.A.)により示されるような結晶31が現在までに引き上げられた距離を演算する。PLC69は、直前のステップ193において演算された「実際のデルタ(n)」値に古い値を単に加えることによりS.D.T.A.値を更新する。
【0042】
図6Bを参照して、フロー図177は、ステップ199に続く。ステップ199で、PLC69は、現在のE.S.D.T.を現在のS.D.T.A.で除することにより、第1の補正因子、補正因子A(C.F.A.)を演算する。PLC69は、第2の補正因子、補正因子B(C.F.B.)が更新された最後の時間から、予め決められた時間間隔(例えば10分間)が経過したかどうかを特定するためにステップ201に進む。もし10分間の間隔が終了していなかったら、前記プロセスは、ステップ183に戻り、再度E.S.D.T.値を更新するために15秒間待つ。10分間が最終的に経過したら、PLC69は、現在のC.F.A.から1を差し引き、その後その結果を10で除し、それに先のC.F.B.を加えることにより、ステップ203でC.F.B.を更新する。PLC69は、その後ステップ205に進み、そこではタイマーC、E.S.D.T.及びS.D.T.A.をゼロにリセットする。
【0043】
C.F.B.は、相対的に1に近いのが好ましい。このため、PLC69は、現在のC.F.B.が0.75より大きいあるいは等しいかどうか、もしくは1.25より小さいあるいは等しいかどうかをステップ209でテストする。もしC.F.B.がこの範囲内にあれば、PLCは、フローチャート177の最初に戻る前に図5における補正因子169として、ステップ211で現在のC.F.B.を出力する。しかしながら、もしC.F.B.がこの範囲外であれば、PLC69は現在の値が高すぎるかどうか、あるいは低すぎるかどうかによってステップ213でC.F.B.を設定する。もし現在のC.F.B.が低すぎれば、PLC69は、補正因子169として0.75を出力するが、もし現在のC.F.B.が高すぎれば、PLC69は、補正因子169として1.25を出力する。PLC69はその後、フローチャート177の最初に戻る。
【0044】
上述のように、結晶「製法」において特定される、予め決められた速度プロファイル又は目標に従って融液29から正確に結晶31を引き上げることにより、欠陥の形成の制御するプロセス要求を満足させる助けとなる。従来のチョクラルスキのシリコン育成プロセスはしかしながら、育成している結晶31の径を制御するために、引き上げ速度、又は種揚程を変化させ、それにより「固定型種揚程」プロセスにおいて問題が起こる。当業者は、引き上げ速度を増加させることにより結晶径が減少し、一方引き上げ速度を減少させることにより結晶径が増加することを認識している。シリコン起源融液29の温度を上げることにより結晶径が減少し、一方融液温度を下げることにより結晶径が増加することもまた、周知である。このため、目標プロファイルに従って引き上げ速度を制御すると、前記融液温度が引き上げの間正確に調節されなければ、大きな径誤差又は径の欠陥をきたし得ることになる。
【0045】
図7は、一般に217で示されるが、従来技術に基づく径制御ループを図示している。図7に示されるように、比例微分積分(PID)制御ループ219がライン221で誤差信号を受け取る。前記誤差信号は、所望の又は目標の結晶径(すなわち、設定値)と、実際の結晶径(すなわちプロセス変量)との間の差異を示す。PIDループ219は、特定の結晶育成製法から得られる期待引き上げ速度を調節するためにライン225で引き上げ速度補正を出力する。制御ループ217は、結晶径を変化させるよう引き上げ速度を調整するために、ライン227で種揚程設定値を出力する。図7において、制御ループ217はまた、種揚程設定値が大き過ぎる変化をしないようにするため、リミッタ229を包含する。図示されるように図7に係る制御ループ217は、インゴット31の径における変化に影響を与えるよう、種揚程を変化させることが必要とされる。
【0046】
図8は、一般に233で示されるが、結晶育成装置13に対する従来のカスケード式の温度制御を示している。径を制御するためにコントローラが引き上げ速度を変化させる運動型種揚程アプリケーションにおいて、設定値は通常目標の種揚程であり、プロセス変量は通常実際の種揚程である。図8で示されるように初期のPID制御ループ235は、ライン237で前記結晶径設定値と結晶径プロセス変量との間の差異を示す誤差信号を受け取る。PIDループ235は、ライン241で温度設定値を出力する。次に、第2のPID制御ループ243がライン245で誤差信号を受け取る。ライン245での誤差信号は、温度設定値と実際の温度(すなわちプロセス変量)との間の差異を示している。この場合においてはしかしながら、第2のPID制御ループ243が、結晶育成装置13の断熱梱包付近のパイロメータ又は熱電対(図示されず)からのヒータ温度フィードバックを受ける。言い換えると、従来の結晶引き上げは、シリコン融液29の実際温度を検討しないことがほとんどであるため、制御233に誤差がもたらされる。PIDループ243は、結晶径を変化させるためにライン249でヒータ電力供給設定値を出力する。制御ループ233に係るカスケード式機構の利点は、PID243を含む第2のループにより、電力が典型的に最終の安定状態値にオーバーシュートするようにヒータ温度設定値を変化させるよう比較的迅速に応答可能となることである。このヒータ電力と温度における比較的迅速な変化は、本システムの応答全体を改善する。しかしながら、主な遅滞が融液の量にあるため、径が電力変化に応答することが必ずしも改善することにはならない。その上、実際においてパイロメータのウィンドゥはしばしば埃っぽくなったり、遮られたり、あるいは熱電対が断熱包囲の様々な部分を測定したりする。この結果、運転ごとに、あるいは引き上げごとに有意なゲインやオフセット変動ということになり得る。結果として、予め決められた温度プロファイルは結晶の質と処理量の両方に変動を引き起こす。更には、径制御は、遅い応答スピードと加熱温度に対する融液表面における変動との関係のために、一般的には従来の制御ループ233では、受け入れ難い。
【0047】
図9は、一般に251で示されているが、更なる従来の電力制御ループを図示している。この場合において、ループ251に係る制御機構は、制御ループ233に係るカスケード式の機構よりも幾分遅いが、ヒータ温度に対してPID235のような第2のPIDループを必要としない。PID制御ループ253は、ライン257で誤差信号を受け取る。前記誤差信号は、結晶径設定値とプロセス変量との間の差異を示している。PIDループ251は、径を制御するよう融液温度を調節するためにライン259でヒータ電力供給設定値を出力する。制御ループ251においてヒータ電力は、運転ごとに、より低い程度ではあるが引き上げごとに非常な再現性がある。図7及び8に係る制御機構と比較すると、制御ループ251は、改善された結晶の質及び処理能力を実現し、パイロメータ及び熱電対の測定の失敗による運転の失敗を削減する。電力制御ループ251は、しかしながらこの機構が径制御を受け入れられないぐらい遅い応答時間がかかる。当業者は、PIDゲイン、プラス本プロセスの動力が制御ループ(すなわち、引き上げ速度補正、温度設定値、あるいは電力供給設定値)に係る出力を決定すると認識している。
【0048】
図10を参照して、一般に261で示されるが、電力制御ループが、固定型種揚程プロセスにおける結晶径を制御するために本発明に係る態様を実施する。PID制御ループ265は、ライン267で結晶径設定値と結晶径プロセス変量との間の差異を示す誤差信号を受け取る。これに対してPIDループ265は、ライン269で温度設定値を出力する。本発明によれば、制御ループ261は、温度設定値を受け取り、結晶径における所望の変化を有効にするためライン275でヒータ電力設定値を出力する温度モデル273を包含する。本発明に係る好ましい実施の形態において、温度モデル273は、ヒータ電力とシリコン融液29の表面に係る温度との間の関係を評価する。温度モデル273は、径勾配、すなわち径変化の速度に係るモデルを提供するのに用いられ得ることが考慮されている。一般に、融液表面温度に係るパイロメータの測定は、温度モデルを作り出すためのデータを提供する。前記融液温度を制御することにより結晶径を制御することは一般的には引き上げ速度を制御することほどしっかりしたものではないけれども、制御ループ261は、有利なことに、より迅速で正確な径制御を有する固定型種揚程プロセスに係る利益を実現する。
【0049】
ヒータ電力の融液表面温度に対する関係に係る単純化されたモデルは、不動作時間、ゲイン、及び一時遅れを含む。図11は、図8又は9で示される例ような従来の制御プロセスに対する例示的な温度応答を図示している。図11において、時間t=1で始まる単一ステップ出力277は、指数関数:
f(t)=1−exp(-(t-t)/τ)
により概算されて出力279となる。図11に係る例において、出力279はt=5分の不動作時間に続き、τ=30分の時間定数を有する1次遅れから成る。前記不動作時間、又は遅延期間の間、入力277に対して応答はない。出力279の遅延は最終値(例えば最終温度)に対して指数的な変化をもたらし、応答のスピードはその時間定数τにより決定される。
【0050】
図12は、図10で示される制御ループ261に対する例示的な温度応答を図示している。「電力ギャップ」は融液温度で比較的大きな変化を達成するのに有益である。予め決められた振幅及び持続時間を有する電力のパルスの形態での入力281、及びその後に続く定常状態電力変化が、そのような電力ギャップを実現する。時間t=1で始まる入力281は、指数関数:
f(t)=k*(1−exp(-(t-t)/τ))
により概算されて出力283となる。上述のように、出力283は、その間応答のない不動作時間(t=5分)の後に従う。出力283は、またτ=30分の時間定数を有する1次遅れを有する。乗数kは、定常状態電力変化の関数としてパルスの振幅を定義する。前記定常状態応答(例えば単一)に等しい応答を達成するために、前記パルスが次式で定義される持続時間にわたって適用される:
t=-τ* ln(1-1/k)
出力283は入力281に対して不動作時間が完了するまで応答いので、不動作時間は含まれないことに注意しなければならない。それは単に遅延されただけである。例として、τ=30分及びk=10であれば、パルス持続時間は3.16分となる。それゆえ、前記不動作時間に続く3.16分で、温度は所望のレベルに達し定常状態電力値によりそのレベルで維持されることが期待される。図12に係る温度モデルにより、有利なことに結晶径を上手く制御できるようになり、その制御においては、電力変化がそのプロセス不動作時間と概略等しい間隔でなされ得る。
【0051】
図11及び12は、ステップ応答とパルス応答との比較を提供する。図12においては、しかしながら出力283が入力281の電力パルスにより比較的迅速に(前記の指数関数に従って)起り、所望の大きさに達するよう図11の出力179にかかる僅かな時間で所望の大きさに達する。育成しているインゴット31の径及びその変化の速度は、電力パルスの大きさと定常状態電力変化を決定する。
【0052】
好ましくは、PLC69は、ソフトウェアに(図12に係る温度応答により展開されるような)温度モデル273の実施を実行させる。径制御ループ261は、パルスに自動的に作成させるようにする温度設定値を作成するためにPID265を介して制御アクションを提供する。この設定値は、ヒータ電力に対してスケールされた次元のない温度単位(例えば10#'s/kW)として表現される。例えば、もしPID制御器265がモデル273に5#'sの変更を送れば、3.16分の間の5kWのパルス(すなわち10*5#'s*1kW/10#'s)が生じ、その後0.5kWの定常状態電力変化につながる。因子k(k=10)は(前記電力をオーバーシュートさせる電力の原因となる図8に係るカスケード式の制御機構233と同様に)が、前記因子k及びパルス持続時間はヒータ温度におけるよりもむしろ温度における所望のステップ変化を達するよう演算される。径の変化の率(すなわち勾配)は、この融液表面変化に迅速に応答する。不連続時間の影響を低減させるために、PIDサンプル速度は、この例示において5分である不連続時間の速度とほぼ等しい値に設定される。これにより制御器のアクションは以下に続くサイクルにより効果的になる。PIDループ265によりおこる繰り返しの補正アクションは、前記モデルにおける不正確さを補う。これによりカスケード式の制御233に比べて径誤差に対する応答時間を大幅に改善させ、加えてパイロメータ及び熱電対のようなヒータ温度測定要素によって起る変化と不信頼性が削減される。
【0053】
例として、結晶育成装置13は、本発明を実施するのに適切な制御システムハードウェア設定を実現するFerrofluidics CZ-150 Crystal Pullerである。制御ユニット51のPLC69により実効されるプログラムは、好ましくは温度制御演算において温度モデル273を包含する。上述のように、温度モデル273は、所望の融液温度変化を達成するよう電力パルスを計算する。前記モデル関数は、融液29を融解し、安定化させるために引き上げモードが電力制御を提供しているときに初期化される。概して、このモードの間では、ヒータ電力の直接的な制御が望ましい。電力制御の間、温度設定値及びプロセス変量は、中点領域(例えば1000ユニット)に設定され、一方、ヒータ電力は操作される。温度モードが選択された後、温度設定値は1000ユニットに初期化され、そして操作され得る。その温度設定値は、その後ヒータ電力を計算するのに用いられ、そのヒータ電力は電力制御モードにおいて選択された最終値に初期化されている。
【0054】
電力制御ループ261が融液温度を制御するのに使用されているとき、PLC69は、規則的な間隔(例えば6秒、あるいは0.1分ごと)でモデル演算を行う。PLC69が演算を行うたびに、シフト・レジスタは、現在の温度設定値を保存する。ソフト・レジスタはプログラム化された持続時間の終わりで電力パルスを終了する。本発明によれば、PLC69は、電力出力を演算するために以下の式を実行する:
Figure 0004602561
式中:
は現在の電力;
は温度制御モードの始まりでの初期電力;
Gは温度単位からkW(例えば10#'s/kW)への変換;
kはパルス振幅;
は時間t=nでの温度設定値;そして、
- はmがサンプル中のパルス持続時間である時間t=n-mでの温度設定値(例えばサンプルにつき0.1分での32サンプル)である。
【0055】
本発明に係る好ましい実施の形態において、運動型及び固定型の種揚程制御手順の組み合わせにより頑強な結晶制御が実現される。上述のように径制御ループ217はライン225でPIDループ219により出力された引き上げ速度補正で、期待引き上げ速度を合計する。結晶インゴット31の初期の育成の間、比例及び積分の運動が、種揚程を変化させることによる効果的な径制御のために調整される。微分の運動は径誤差が径誤差の蓄積により引き起こされる種揚程値により完全に削減されてしまうことを確かめるために利用されない。図7に係る運動型種揚程機構の目的は、種揚程あるいは引き上げ速度を調節することにより結晶31の肩部分にしばしばおこる比較的大きな径の乱れを制御することである。同時に、融液温度は、また初期の径誤差を減少させるために迅速なPID調整を通じて調節されてもよい。例えば結晶インゴット31の最初の50mmが育成した後、融液29の温度及び結晶径は、比較的安定に制御されるよう期待される。この時点で、制御は好ましくは運動型種揚程フェーズから固定型種揚程フェーズに推移する。電力制御ループ261に係るPIDループ265は、種揚程を調節することによっては補正されない径誤差に対する補正を実現する。種揚程ループ217におけるPIDゲインをゼロに再変換し、電力制御ループ261におけるPIDゲインはインゴット育成に係る残留分に適切な値を設定する。
【0056】
図13は、本発明に係る好ましい実施の形態による運動型及び固定型の引き上げ速度を用いた径動向を図示している。この例示的なグラフにおいて、第1の曲線287は、インゴットの長さにわたる結晶径を示し、第2の曲線289は、対応する引き上げ速度を示している。上述のようにこの例示は、最良の結果を達成するよう運動型及び固定型の引き上げ速度の組み合わせを利用している。
【0057】
本発明に係る好ましい実施の形態によれば、結晶体育成に対してインパルスで、電力のみの径制御は、完全なシリコン育成プロセスに利益をもたらす。すなわち、本発明は、径制御を調整することにより安定した径制御の組み合わせで固定型種揚程制御を実現する。そのような制御戦略は、育成の結晶体段階のみならず結晶ネック部、頂部、初期胴体、及び最後の末端円錐部段階において、径制御の改善を実現する。有利なことに、本発明は、モデル化の誤差が「インパルス」中に存在するとき、より厳格なフィードバックを提供する機能を果たすよう、インパルス、すなわち電力パルスの後にPID制御を提供する。
【0058】
本発明に係る固定型種揚程プロセスはまた運転中、ランプ型電力パルスの大きさ及び/あるいはランプ型パルス幅という結果となるランプ型プロセス・パラメータ評価の利用をまた含んでいてもよい。育成の異なる段階の間、電力パルスに係るパラメータを変化させることにより、本発明は制御全体を改善することが必要とされるプロセスに釣り合うより良い制御を実現する。
【0059】
実用的には、装置11(及び結晶育成装置13)を構築するのに使用される構成要素は、かなり狭い公差で作成されることが重要である。以下に示す部品リストは、本発明の使用に適切な例示の構成要素のリストを提供する:
PLC69:Siemens TI575型
設定値調節器109:Ferrofluifics 部品番号207683
サーボ増幅器93:Advanced Motion Controls--AMC10A8型
タコメータ及びサーボモータ53:Max--00 Motomatic II--部品番号284-001-109
エンコーダ85:Accu-Coder--部品番号775A-01-0060-PU
エンコーダ77:Ferrofluidics--部品番号080010
滑車41:Ferrofluidics--図番号206886A
ドラム43:Ferrofluidics--図番号206075D
ケーブル37:タングステンケーブル、10インチ径
【0060】
上述から、本発明に係るいくつかの目的が果たされ、他の有利な結果が達成されることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 結晶育成装置を制御するための、本発明に記載の結晶育成装置及び装置の図である。
【図2】 プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を有する制御ユニットを包含する図1に係る装置のブロック図である。
【図3】 図1に係る装置を校正するための制御ユニットの操作を示しているフロー図である。
【図4】 図1に係る装置を用いて内因性点欠陥の数と濃度を減少させて結晶インゴットを引くための速度プロファイルである。
【図5】 修飾設置値を演算するために操作される図1に係る装置のブロック図である。
【図6A】 補正因子を演算するための図2に係るPLCの操作を示しているフロー図である。
【図6B】 補正因子を演算するための図2に係るPLCの操作を示しているフロー図である。
【図7】 従来技術による結晶育成プロセスの制御を示しているブロック図である。
【図8】 従来技術による結晶育成プロセスの制御を示しているブロック図である。
【図9】 従来技術による結晶育成プロセスの制御を示しているブロック図である。
【図10】 本発明に係る好ましい実施の形態による結晶育成プロセスの制御を示しているブロック図である。
【図11】 図7〜9に係る制御に対する例示的な温度応答モデルである。
【図12】 図10に係る制御に対する例示的な温度応答モデルである。
【図13】 図1に係る装置による運動型及び固定固定型引き上げ速度制御に対する径動向を示している例示的なグラフである。
【符号の説明】
11…装置、13…チョクラルスキの結晶育成装置、15…真空チャンバ、19…坩堝、21…耐熱ヒータ、23…断熱材、27…加熱電力供給部、29…シリコン融液、31…単結晶、33…温度センサ、35…種結晶、37…ケーブル、39…共通軸、41…滑車、43…ドラム、45…坩堝駆動ユニット、47…融液レベル、49…結晶駆動ユニット、51…制御ユニット、53…モータ、55…破線、59…シャフト、61…破線、63…シャフト、65…開口部、69…プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、71…中央演算処理装置(CPU)、73…メモリ、77…エンコーダ、79、81…ライン、85…エンコーダ、87、89…ライン、91…ディスプレイ、93…サーボ増幅器、95、97…ライン、101…タコメータ、103、105、109…回路、111、113、117、119…ライン、123…信号調整回路、125…ディスプレイ、127…フローチャート、159…速度プロファイル、165…破線、169…補正因子、173…設定値、175…修正設定値、177…フローチャート、217…径制御ループ、219…比例微分積分(PID)制御ループ、221、225、227…ライン、229…リミッタ、233…カスケード式温度制御、235…PID制御ループ、237、241…ライン、243…PID制御ループ、245、249…ライン、251…電力制御ループ、253、257、259…ライン、261…電力制御ループ、265…PID制御ループ、267、269…ライン、273…温度モデル、275…ライン、277、281…入力、279、283…出力。

Claims (10)

  1. チョクラルスキのプロセスに従って単結晶シリコンインゴットを育成するために結晶育成装置を組み合わせて使用する方法であって、前記結晶育成装置が、前記インゴットを育成させる半導体融液を含有する加熱された坩堝を有し、前記インゴットが、前記融液から引き上げられる種結晶上に育成され、前記方法が:
    前記融液を加熱するためのヒーターに供給される電力の変動に応答する前記融液の温度の変動を示す温度モデルを定義し;
    予め決められた速度プロファイルにほぼ従う目標速度で前記融液からインゴットを引き上げ;
    前記インゴットの目標径と前記インゴットの実測径との間の誤差を示す信号を作成し;
    前記誤差信号に基づいて比例微分積分(PID)制御を実施し、その関数として温度設定値を作成し、前記温度設定値が前記融液の目標温度を示しており;
    前記PID制御により作成された温度設定値の関数として温度モデルからヒーターに供給される電力に対する電力設定値を決定し;そして、
    前記インゴットの径を制御するために、前記電力設定値に従って前記ヒータに供給される電力を調節し、これによって前記融液の温度を変化させる
    ステップからなる方法。
  2. 前記電力を調節するステップが、ヒータに電力のパルスを加えることを含み、前記電力パルスが、予め決められた持続時間と直接温度設定値に対応する定常状態値よりも大きな振幅を有する、請求項1に係る方法。
  3. 前記電力設定値を決定するステップが、以下に示す式により電力出力を演算し:
    Figure 0004602561
    式中、Pは現在の電力、Pは初期電力、Gは温度単位からkWへの変換、kは前記電力パルスの振幅、Tは、時間t=nでの温度設定値、Tn−mは、時間t=n−mでの温度設定値、及びmは前記電力パルスの持続時間を示している、請求項2に係る方法。
  4. 前記温度モデルから前記電力設定値を決定するステップが、温度モデルに対する入力を定義することを包含し、前記温度モデルに対する入力がパルス部分とそれに続く定常状態部分を包含している、請求項1に係る方法。
  5. 前記温度モデルに対する入力に係るパルス部分が、温度設定値に直接対応する定常状態値よりも大きな振幅を有する、請求項4に係る方法。
  6. 前記温度モデルに対する入力に係るパルス部分が、以下の式で示される持続時間を有し:
    t=−τ*ln(1−1/k)
    式中、τは前記温度モデルを定義する指数関数に係る時間定数であり、kは前記温度モデルに対する入力のパルス部分の振幅を示す、請求項4に係る方法。
  7. 前記温度モデルを定義するステップが、遅延期間、ゲイン、及び1次遅れの関数応答を定義することを包含する、請求項1に係る方法。
  8. 前記温度モデルを定義するステップが、次式のような時間に関する指数関数により1次遅れ関数応答を定義することを包含し:
    【数1】
    f(t)=k*(1−exp(−(t-t)/τ))
    式中、tは、1次遅れ関数応答に先行しておこる遅延期間であり、τは、前記関数の時間定数であり、そしてkは、前記温度モデルに対する電力入力に係る振幅を示す、請求項7に係る方法。
  9. 前記インゴットの径を制御するためにインゴットが融液から引き上げられる速さを変化させるステップを更に含み、前記引き上げ速度を変化させるステップがインゴットの第1の部分の育成の間おこり、そして前記予め決められた速度プロファイルにほぼ従う目標速度でインゴットを引き上げるステップがインゴットの第2部分に係る育成の間おこる、請求項1に係る方法。
  10. チョクラルスキのプロセスにより単結晶シリコンインゴットを育成するために結晶育成装置を組み合わせて使用する装置であって、前記結晶育成装置が、前記インゴットを育成させる半導体融液を含有する加熱された坩堝を有し、前記インゴットが、前記融液から引き上げられる種結晶上に育成され、前記装置が:
    予め決められた速度プロファイルであって、前記インゴットが前記速度プロファイルにほぼ従う目標速度で前記融液から引き上げられる速度プロファイルと;
    前記インゴットの目標径と前記インゴットの実測径との間の誤差の関数としての温度設定値を作成する比例微分積分(PID)制御であって、前記温度設定値が融液の目標温度を示しているPID制御と;
    前記融液を加熱するためのヒータに供給される電力の変動に応答する前記融液の温度の変動を示す温度モデルであって、前記温度モデルが、前記PID制御により作成される温度設定値の関数として前記ヒーターに供給される電力に対する電力設定値を決定するモデルと;
    前記融液を加熱するためのヒーターと;そして、
    前記インゴットの径を制御するよう前記融液の温度を変化させることにより前記ヒーターに提供される電力を調節するための電力設定値に応答した電力供給と、
    からなる装置。
JP2000606813A 1999-03-22 2000-02-17 育成プロセス中のシリコン結晶に係る径を制御するための方法及び装置 Expired - Fee Related JP4602561B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12545699P 1999-03-22 1999-03-22
US60/125,456 1999-03-22
US09/502,340 2000-02-10
US09/502,340 US6776840B1 (en) 1999-03-22 2000-02-10 Method and apparatus for controlling diameter of a silicon crystal in a locked seed lift growth process
PCT/US2000/004168 WO2000056956A1 (en) 1999-03-22 2000-02-17 Method and apparatus for controlling diameter of a silicon crystal in a growth process

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003528017A JP2003528017A (ja) 2003-09-24
JP4602561B2 true JP4602561B2 (ja) 2010-12-22

Family

ID=26823606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000606813A Expired - Fee Related JP4602561B2 (ja) 1999-03-22 2000-02-17 育成プロセス中のシリコン結晶に係る径を制御するための方法及び装置

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6776840B1 (ja)
EP (1) EP1171652B1 (ja)
JP (1) JP4602561B2 (ja)
KR (1) KR100690218B1 (ja)
CN (1) CN1344335A (ja)
DE (1) DE60001274T2 (ja)
TW (1) TW552324B (ja)
WO (1) WO2000056956A1 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030034357A (ko) * 2001-10-22 2003-05-09 주식회사 실트론 단결정 잉곳 성장장치에서의 잉곳 직경 조절장치 및 잉곳직경 조절 방법
US20030209321A1 (en) * 2002-05-13 2003-11-13 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Scanning type etcher design for precision process control
JP4380537B2 (ja) * 2002-07-05 2009-12-09 株式会社Sumco シリコン単結晶を製造する方法
CN100371507C (zh) * 2005-03-28 2008-02-27 荀建华 晶体等径生长的控制系统及其方法
TW200706711A (en) * 2005-08-12 2007-02-16 Komatsu Denshi Kinzoku Kk Control system and method for time variant system control object having idle time such as single crystal producing device by czochralski method
CN100383295C (zh) * 2006-03-31 2008-04-23 浙江大学 直拉式晶体生长炉自动控制方法
DE102007001348B4 (de) 2007-01-03 2010-05-12 Forschungsverbund Berlin E.V. Verfahren und Anordnung zur Herstellung von kristallinen Formkörpern aus Schmelzen in Czochralski-Anordnungen
US20080274240A1 (en) * 2007-05-03 2008-11-06 Omar Germouni Adaptive controller and expert system food processing
US8012255B2 (en) * 2008-07-31 2011-09-06 Sumco Phoenix Corporation Method and apparatus for controlling diameter of a silicon crystal ingot in a growth process
US8221545B2 (en) * 2008-07-31 2012-07-17 Sumco Phoenix Corporation Procedure for in-situ determination of thermal gradients at the crystal growth front
US20100024717A1 (en) * 2008-07-31 2010-02-04 Benno Orschel Reversed action diameter control in a semiconductor crystal growth system
CN101748477B (zh) * 2008-12-19 2013-10-23 北京太克易航科贸有限公司 用于单晶硅生长过程控制的智能pid控制方法及其系统
DE102009056638B4 (de) * 2009-12-02 2013-08-01 Siltronic Ag Verfahren zum Ziehen eines Einkristalls aus Silizium mit einem Abschnitt mit gleich bleibendem Durchmesser
KR101841032B1 (ko) 2010-09-03 2018-03-22 지티에이티 아이피 홀딩 엘엘씨 갈륨, 인듐 또는 알루미늄으로 도핑된 실리콘 단결정
KR101277396B1 (ko) * 2011-06-14 2013-06-20 주식회사 엘지실트론 잉곳 성장 제어장치
KR101354758B1 (ko) * 2011-12-19 2014-01-23 삼성전기주식회사 모터의 다중 센서 고장 진단 장치 및 그 방법
KR101379799B1 (ko) 2012-05-23 2014-04-01 주식회사 엘지실트론 단결정 실리콘 잉곳 성장 장치 및 방법
CN102758250A (zh) * 2012-07-20 2012-10-31 西安理工晶体科技有限公司 锗单晶直拉生长法的自动等径控制方法
KR101997267B1 (ko) * 2013-01-10 2019-07-05 에스케이실트론 주식회사 잉곳 성장의 제어 방법
CN103710745B (zh) * 2013-12-26 2016-01-20 南京晶升能源设备有限公司 85kg至120kg蓝宝石晶体生长自动化控制方法
KR101571958B1 (ko) 2014-01-28 2015-11-25 주식회사 엘지실트론 잉곳성장장치 및 잉곳성장방법
KR101571957B1 (ko) * 2014-01-28 2015-11-25 주식회사 엘지실트론 잉곳성장장치 및 잉곳성장방법
CN103834991A (zh) * 2014-03-10 2014-06-04 马鞍山明鑫电气科技有限公司 无温度信号处理开环式功率自控晶体生长控制方法
CN104965538B (zh) * 2015-07-06 2018-04-13 四川英杰电气股份有限公司 一种晶体生长过程的加热电源控制方法
JP6281884B1 (ja) * 2016-10-28 2018-02-21 株式会社レゾネスト 機械制御装置、機械制御プログラムおよび機械制御方法
KR101874712B1 (ko) * 2016-12-07 2018-07-04 에스케이실트론 주식회사 잉곳 성장 제어장치 및 그 제어방법
CN110528067B (zh) * 2018-05-25 2021-10-08 隆基绿能科技股份有限公司 一种直拉硅单晶的温度控制方法
CN111254485B (zh) * 2018-12-03 2021-05-04 隆基绿能科技股份有限公司 单晶硅等径生长的控制方法、设备及存储介质
JP6614380B1 (ja) * 2019-03-20 2019-12-04 信越半導体株式会社 単結晶製造装置
CN109972201B (zh) * 2019-04-07 2020-09-11 浙江晶盛机电股份有限公司 用于直拉法硅单晶生长过程的晶体直径控制方法
DE102019211609A1 (de) 2019-08-01 2021-02-04 Siltronic Ag Verfahren zum Ziehen eines Einkristalls aus Silizium gemäß der Czochralski-Methode aus einer Schmelze
CN111519244B (zh) * 2020-05-28 2021-08-24 璨隆科技发展有限公司 一种应用在单晶生产设备中的电阻式加热器的电源控制方法
CN112853478A (zh) * 2021-01-07 2021-05-28 西安奕斯伟硅片技术有限公司 晶体等径生长控制方法及晶体等径生长控制装置
CN112789371A (zh) * 2021-01-11 2021-05-11 眉山博雅新材料有限公司 一种晶体生长控制方法和系统
CN114351246A (zh) * 2021-11-29 2022-04-15 银川隆基光伏科技有限公司 单晶硅棒的直径调整方法、装置、电子设备及存储介质
CN115198351B (zh) * 2022-08-19 2023-11-24 中国电子科技集团公司第二十六研究所 一种自动生长低温敏感人工晶体材料加热功率控制方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3761692A (en) * 1971-10-01 1973-09-25 Texas Instruments Inc Automated crystal pulling system
JPS63307186A (ja) * 1987-06-05 1988-12-14 Shin Etsu Handotai Co Ltd 晶出結晶径制御装置
US4857278A (en) 1987-07-13 1989-08-15 Massachusetts Institute Of Technology Control system for the czochralski process
JPH0774117B2 (ja) * 1989-10-20 1995-08-09 信越半導体株式会社 ヒータの温度パターン作成方法及びこの温度パターンを用いたSi単結晶育成制御装置
JPH06102590B2 (ja) * 1990-02-28 1994-12-14 信越半導体株式会社 Cz法による単結晶ネック部育成自動制御方法
DE9007553U1 (ja) 1990-03-10 1992-08-06 Christian Senning Verpackungsautomaten Gmbh & Co, 2800 Bremen, De
JPH0777996B2 (ja) 1990-10-12 1995-08-23 信越半導体株式会社 コーン部育成制御方法及び装置
JPH0717475B2 (ja) 1991-02-14 1995-03-01 信越半導体株式会社 単結晶ネック部育成自動制御方法
JPH04325487A (ja) 1991-04-25 1992-11-13 Showa Denko Kk 化合物半導体単結晶の製造方法
EP0536405B1 (en) 1991-04-26 2000-03-01 Mitsubishi Materials Corporation Process for pulling up single crystal
US5178720A (en) 1991-08-14 1993-01-12 Memc Electronic Materials, Inc. Method for controlling oxygen content of silicon crystals using a combination of cusp magnetic field and crystal and crucible rotation rates
US5653799A (en) 1995-06-02 1997-08-05 Memc Electronic Materials, Inc. Method for controlling growth of a silicon crystal
JP2979462B2 (ja) * 1995-09-29 1999-11-15 住友金属工業株式会社 単結晶引き上げ方法
DE69601424T2 (de) 1996-06-27 1999-06-02 Wacker Siltronic Halbleitermat Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung des Kristallwachstums
US5795381A (en) * 1996-09-09 1998-08-18 Memc Electrical Materials, Inc. SIO probe for real-time monitoring and control of oxygen during czochralski growth of single crystal silicon
US5846318A (en) 1997-07-17 1998-12-08 Memc Electric Materials, Inc. Method and system for controlling growth of a silicon crystal
US5882402A (en) 1997-09-30 1999-03-16 Memc Electronic Materials, Inc. Method for controlling growth of a silicon crystal
US5935328A (en) 1997-11-25 1999-08-10 Memc Electronic Materials, Inc. Apparatus for use in crystal pulling
US5968263A (en) * 1998-04-01 1999-10-19 Memc Electronic Materials, Inc. Open-loop method and system for controlling growth of semiconductor crystal
US6241818B1 (en) * 1999-04-07 2001-06-05 Memc Electronic Materials, Inc. Method and system of controlling taper growth in a semiconductor crystal growth process

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000056956A1 (en) 2000-09-28
DE60001274T2 (de) 2003-09-25
TW552324B (en) 2003-09-11
KR100690218B1 (ko) 2007-03-12
CN1344335A (zh) 2002-04-10
WO2000056956A9 (en) 2002-02-14
EP1171652B1 (en) 2003-01-22
DE60001274D1 (de) 2003-02-27
JP2003528017A (ja) 2003-09-24
KR20010113750A (ko) 2001-12-28
WO2000056956A8 (en) 2001-03-22
EP1171652A1 (en) 2002-01-16
US6776840B1 (en) 2004-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4602561B2 (ja) 育成プロセス中のシリコン結晶に係る径を制御するための方法及び装置
JP5601801B2 (ja) 単結晶シリコンインゴットの成長方法および成長用装置
US6726764B2 (en) Method for controlling growth of a silicon crystal to minimize growth rate and diameter deviations
EP0444628B1 (en) Method of automatic control of growing neck portion of a single crystal by the CZ method
EP1169497B1 (en) Method and system of controlling taper growth in a semiconductor crystal growth process
JP3528758B2 (ja) 単結晶引き上げ装置
JPH0438719B2 (ja)
EP1125009B1 (en) Method for accurately pulling a crystal
JPH0717475B2 (ja) 単結晶ネック部育成自動制御方法
US6203611B1 (en) Method of controlling growth of a semiconductor crystal to automatically transition from taper growth to target diameter growth
JP2001019588A (ja) 単結晶直径の制御方法及び結晶成長装置
KR101540863B1 (ko) 잉곳 직경 제어장치 및 이를 포함하는 잉곳성장장치 및 그 방법
JPS60246294A (ja) 単結晶の育成方法
JPH078754B2 (ja) 単結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100602

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100930

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4602561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees