JP2732405B2 - 磁気記録再生ヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、回転ヘッドドラムによって映像信号等を記
録再生する装置に装着する磁気記録再生ヘッドに関する
ものである。

（従来の技術） 回転ヘッドドラムによって映像信号等を記録再生する
際、高帯域の信号、あるいは複合された信号を記録する
ために、信号を分割して複数のヘッドで同時に記録する
方式が公知となっている。

また、記録中に記録された信号を直ちに再生する、い
わゆる同時再生によって記録状態を確認し、必要な場
合、記録特性の微調整することによって良好な記録状態
を維持する機能を有している。

（発明が解決しようとする課題） 上記、従来の装置においては、一対のヘッドに記録電
流を流し、他の一対のヘッドでテープ上に記録された微
少な信号を再生するため、記録ヘッドに流れる記録電流
が再生ヘッドに飛び込むなど、同時再生におけるSN比を
劣化させる欠点があった。

本発明の目的は、従来の欠点を解消し、ドラム上に配
置される各ヘッドにおいて、記録ヘッドはノイズの発信
を最小にし、再生ヘッドはノイズの受信を最小にし、同
時再生におけるSN比を向上させるヘッド構成を提供する
ことである。

（課題を解決するための手段） 本発明の磁気記録再生ヘッドは、回転ドラム上に記録
ヘッドにおよび再生ヘッドを配置し、前記記録ヘッドで
記録しながら同時に前記再生ヘッドで再生する磁気記録
再生ヘッドであって、前記記録ヘッドおよび前記再生ヘ
ッドは共に、閉磁路を形成する第１のコアおよび第２の
コアと、前記第１のコアに巻かれた第１の巻線および前
記第２のコアに巻かれた第２の巻線とを有し、前記記録
ヘッドまたは前記再生ヘッドの少なくとも一方におい
て、前記第１の巻線部分における前記第１のコアの断面
積と前記第１の巻線の巻線数との積が、前記第２の巻線
部分における前記第２のコアの断面積と前記第２の巻線
の巻線数との積に略同一となるように構成したものであ
る。

（作 用） 本発明によれば、各コアの断面積と巻線数との積が略
同一となるようヘッドを構成することによって同時再生
時のSN比を向上させることができる。

（実施例） 本発明の一実施例を第１図および第２図に基づいて説
明する。第１図は本発明の磁気記録再生ヘッドを装着し
たドラムの平面図である。同図において、ドラム10には
一対の記録ヘッド12,14が取り付けられ、60゜離れた位
置に一対の再生ヘッド16,18が設けられている。なお20
は消去ヘッドである。

第２図は一対の記録ヘッドの拡大図である。同図にお
いて、記録ヘッド12は、第１のコア（以下、Ａコアと呼
ぶ）22および第２のコア（以下、Ｂコアと呼ぶ）24を組
み合わせて閉磁路を形成し、Ａコア22には第１の巻線26
を、Ｂコア24には第２の巻線28を施すことにより構成さ
れている。Ｂコア24には凹部が形成されており、Ａコア
22とＢコア24を組み合わせたときにこの凹部によってヘ
ッド巻線孔30が形成される。同様に記録ヘッド14はＡコ
ア32、Ｂコア34、巻線36,38、ヘッド巻線孔40を有して
いる。

記録ヘッド12と記録ヘッド14は上下方向に39μｍの差
を設けて取り付けられ（図示せず）、横方向には4.5mm
離れて取り付けられている。記録ヘッド12のA,Bコアの
有効厚さは44μｍで記録ヘッド14のA,Bコアの有効厚さ
は36μｍである。A,Bコアの横幅は記録ヘッド12,14共に
1.5mmであり、ヘッド巻線孔30およびヘッド巻線孔40の
横幅はそれぞれ0.25mmである。

このようなヘッド条件において、記録ヘッド12のＡコ
ア22に巻線26は９ターンに設定され、Ｂコア24側の巻線
28は11ターンとなっている。なぜなら、巻線26の部分に
おけるＡコア22の断面積と巻線数の積は1.5mm×44μｍ
×９ターンであり、巻線28の部分におけるＢコア24の断
面積は（1.5mm−0.25mm）×44μｍであり、コア断面積
と巻線数の積を等しくするには９ターンでなく、11ター
ンにすることが必要である。このように構成することに
よって、各コアのインダクタンスは略同一となるため、
記録ヘッド12によるＡコア22からの漏洩磁束とＢコア24
からの漏洩磁束とが打ち消し合い、その結果、記録ヘッ
ド12からのノイズが減少する。

同時に記録ヘッド14のコア32では巻線36は10ターンで
あり、Ｂコアの巻線38は12ターンに設定されている。

以上が一対の記録ヘッドの構成であり、同様に一対の
再生ヘッド16,18についても基本の構成は同一である。
すなわち再生ヘッド16の形状は記録ヘッド12と同一であ
り、再生ヘッド18の形状は記録ヘッド14と同一である。
したがって、再生ヘッド16の巻線は記録ヘッド12の巻線
と同じく９ターンと11ターン、再生ヘッド18の巻線は記
録ヘッド14の巻線と同じく10ターンに構成されている。
このように構成することによって、各コアのインダクタ
ンスは略同一となるため、記録ヘッド12,14から漏洩磁
束によって再生ヘッド16,18におけるコアＡの巻線に誘
起される電圧とコアＢの巻線に誘起される電圧とが打ち
消し合い、その結果、再生ヘッド16,18が受けるノイズ
が減少する。

本発明のヘッドを装着した装置における同時再生のSN
比は、従来の左右同一巻数のヘッドに比べ、6dB以上改
善されている。なお、このように、A,B各コアの断面積
と巻線数との積を等しくすることは、記録ヘッドもしく
は再生ヘッドの片方に実施することでもある程度の効果
があるが、両方実施することによって、その効果は相乗
的に増加する。

以上の実施例では、記録ヘッドおよび再生ヘッドが共
に、互いに近接して配置された一対のヘッドで構成され
ている場合について述べているが、記録ヘッドおよび再
生ヘッドの一方または両方が単一のヘッドで構成されて
いる場合についても同様の効果がある。

（発明の効果） 本発明によれば、記録ヘッドまたは再生ヘッドの少な
くとも一方の各コアの断面積と巻線数との積を略同一と
することにより、同時再生のSN比は大幅に改善され、そ
の実用上の効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における磁気記録再生ヘッド
を装着したドラムの平面図、第２図は一対の記録ヘッド
の拡大平面図である。 10……ドラム、12,14……記録ヘッド、16,18……再生ヘ
ッド、20……消去ヘッド、22……記録ヘッド12のＡコ
ア、24……記録ヘッド12のＢコア、26,28,36,38……巻
線、30……記録ヘッド12の巻線孔、32……記録ヘッド14
のＡコア、34……記録ヘッド14のＢコア、40……記録ヘ
ッド14の巻線孔。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転ドラム上に記録ヘッドおよび再生ヘッ
   ドを配置し、前記記録ヘッドで記録しながら同時に前記
   再生ヘッドで再生する磁気記録再生ヘッドであって、前
   記記録ヘッドおよび前記再生ヘッドは共に、閉磁路を形
   成する第１のコアおよび第２のコアと、前記第１のコア
   に巻かれた第１の巻線および前記第２のコアに巻かれた
   第２の巻線とを有し、前記記録ヘッドまたは前記再生ヘ
   ッドの少なくとも一方において、前記第１の巻線部分に
   おける前記第１のコアの断面積と前記第１の巻線の巻線
   数との積が、前記第２の巻線部分における前記第２のコ
   アの断面積と前記第２の巻線の巻線数との積に略同一と
   なるように構成したことを特徴とする磁気記録再生ヘッ
   ド。