JP2731603B2 - 金属磁性粉末の安定化方法 - Google Patents
金属磁性粉末の安定化方法Info
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- JP2731603B2 JP2731603B2 JP1264690A JP26469089A JP2731603B2 JP 2731603 B2 JP2731603 B2 JP 2731603B2 JP 1264690 A JP1264690 A JP 1264690A JP 26469089 A JP26469089 A JP 26469089A JP 2731603 B2 JP2731603 B2 JP 2731603B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高密度磁気記録媒体様の磁性粉として用いら
れる金属磁性粉末の安定化方法に関するものである。
れる金属磁性粉末の安定化方法に関するものである。
高密度磁気記録媒体に適した磁性粉として、鉄を主体
とする金属磁性粉末の開発が進められ、8m/mビデオ用テ
ープ、オーディオ用メタルテープ、DAT用メタルテー
プ、ビデオフロッピー等に使用されている。これら媒体
に使用される金属磁性粉末の製造法としてはいくつかの
方法が提案されているが、一般的には、鉄を主体とする
針状のオキシ水酸化鉄あるいは酸化鉄を還元して製造さ
れている。
とする金属磁性粉末の開発が進められ、8m/mビデオ用テ
ープ、オーディオ用メタルテープ、DAT用メタルテー
プ、ビデオフロッピー等に使用されている。これら媒体
に使用される金属磁性粉末の製造法としてはいくつかの
方法が提案されているが、一般的には、鉄を主体とする
針状のオキシ水酸化鉄あるいは酸化鉄を還元して製造さ
れている。
金属磁性粉末は微細で高活性であるため、還元したま
まの状態では、大気中の酸素と激しく反応して燃焼し、
大気中で安全に取り扱うことはできない。そこで、この
問題を解決するために、金属磁性粉末を液相中あるいは
気相中において、酸素含有ガスと接触させて金属磁性粉
末粒子表面に徐々に酸化皮膜を形成することにより安定
化する方法が提案されている。例えば、液相中での安定
化方法としては特開昭52−85054号公報、気相中安定化
方法としては、特開昭48−79513号公報、特開昭49−117
60号公報、特開昭51−106669号公報、特開昭52−85054
号公報に提案されている。
まの状態では、大気中の酸素と激しく反応して燃焼し、
大気中で安全に取り扱うことはできない。そこで、この
問題を解決するために、金属磁性粉末を液相中あるいは
気相中において、酸素含有ガスと接触させて金属磁性粉
末粒子表面に徐々に酸化皮膜を形成することにより安定
化する方法が提案されている。例えば、液相中での安定
化方法としては特開昭52−85054号公報、気相中安定化
方法としては、特開昭48−79513号公報、特開昭49−117
60号公報、特開昭51−106669号公報、特開昭52−85054
号公報に提案されている。
しかし、これまで提案された方法は次のような欠点を
有している。すなわち、液相中での安定化方法において
は、酸化皮膜の形成は徐々に行われ、磁気特性的には好
ましい方法であるが、可燃物と発火源になりうる高活性
の金属磁性粉末の共存による火災の危険性の存在、さら
には、金属磁性粉末の触媒効果により、使用した有機溶
媒の一部が酸化分解して各種の変質物を生成し、金属磁
性粉末表面に付着して水溶性成分を増加させること、ま
た、酸化皮膜の緻密性に欠けるのか、金属磁性粉末の高
温高湿下(60℃、RH=90%)での酸化安定性が悪いこと
である。
有している。すなわち、液相中での安定化方法において
は、酸化皮膜の形成は徐々に行われ、磁気特性的には好
ましい方法であるが、可燃物と発火源になりうる高活性
の金属磁性粉末の共存による火災の危険性の存在、さら
には、金属磁性粉末の触媒効果により、使用した有機溶
媒の一部が酸化分解して各種の変質物を生成し、金属磁
性粉末表面に付着して水溶性成分を増加させること、ま
た、酸化皮膜の緻密性に欠けるのか、金属磁性粉末の高
温高湿下(60℃、RH=90%)での酸化安定性が悪いこと
である。
一方、気相安定化法は、酸素を不活性ガス(例えば、
窒素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガス)で希釈し、ガス
中の酸素濃度と反応温度をコントロールして行われる
が、金属と酸素の反応は発熱を伴う激しい反応であり、
酸化反応が不均一になり易い。このため、酸化安定化処
理した金属磁性粉末を大気中で発熱や発火の危険なく安
全に取り扱えるようにするためには、全体として酸化の
程度を液相中安定化の場合よりも強くする必要がある。
これにより、局部的な酸化反応の進み過ぎが生じ、金属
磁性粉末の磁気特性が劣化する。
窒素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガス)で希釈し、ガス
中の酸素濃度と反応温度をコントロールして行われる
が、金属と酸素の反応は発熱を伴う激しい反応であり、
酸化反応が不均一になり易い。このため、酸化安定化処
理した金属磁性粉末を大気中で発熱や発火の危険なく安
全に取り扱えるようにするためには、全体として酸化の
程度を液相中安定化の場合よりも強くする必要がある。
これにより、局部的な酸化反応の進み過ぎが生じ、金属
磁性粉末の磁気特性が劣化する。
本発明は、金属磁性粉末の気相安定化法において、局
部的な酸化の行き過ぎを防止し、磁気特性の劣化がな
く、酸化安定性に優れる均一で緻密な酸化皮膜を形成さ
せる方法を提供するものである。
部的な酸化の行き過ぎを防止し、磁気特性の劣化がな
く、酸化安定性に優れる均一で緻密な酸化皮膜を形成さ
せる方法を提供するものである。
本発明は鉄を主体とした針状オキシ水酸化鉄、あるい
は酸化鉄を還元し、次いで気相中にて該還元物の表面を
酸化性ガスで酸化安定化して金属磁性粉末を得る方法に
おいて、酸化性ガスとして亜酸化窒素を使用することを
特徴とする金属磁性粉末の安定化方法である。
は酸化鉄を還元し、次いで気相中にて該還元物の表面を
酸化性ガスで酸化安定化して金属磁性粉末を得る方法に
おいて、酸化性ガスとして亜酸化窒素を使用することを
特徴とする金属磁性粉末の安定化方法である。
本発明の方法により製造される金属磁性粉末は、均一
で緻密な酸化皮膜を有する、磁気特性に優れたものであ
る。
で緻密な酸化皮膜を有する、磁気特性に優れたものであ
る。
本発明に用いる鉄を主体とした針状オキシ水酸化鉄あ
るいは酸化鉄とは、常法によって得られる針状のα−Fe
OOH、γ−FeOOH、β−FeOOH、あるいはα−Fe2O3、γ−
Fe2O3、β−Fe2O3、Fe3O4等でこれらにNi、Co、Zn、M
n、Cr、Ca、Mg、Ba、P、Si、Al、B、Zr等の金属から
選ばれる1種ないしは2種以上の金属化合物がドープ及
び/又は被着されたものが使用される。
るいは酸化鉄とは、常法によって得られる針状のα−Fe
OOH、γ−FeOOH、β−FeOOH、あるいはα−Fe2O3、γ−
Fe2O3、β−Fe2O3、Fe3O4等でこれらにNi、Co、Zn、M
n、Cr、Ca、Mg、Ba、P、Si、Al、B、Zr等の金属から
選ばれる1種ないしは2種以上の金属化合物がドープ及
び/又は被着されたものが使用される。
このような原料を常法により還元し、冷却した後、還
元反応器中又は不活性ガス雰囲気中で別容器に移した金
属磁性粉末と不活性ガスで希釈した亜酸化窒素を接触さ
せて、金属磁性粉末粒子の表面を徐々に酸化して、均一
で緻密な酸化皮膜を形成させるのであるが、亜酸化窒素
を希釈する不活性ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、炭酸ガス等が使用出来るが、亜酸化窒素と金属の反
応で窒素が生成すること、及び経済的な面から窒素の使
用が好ましい。
元反応器中又は不活性ガス雰囲気中で別容器に移した金
属磁性粉末と不活性ガスで希釈した亜酸化窒素を接触さ
せて、金属磁性粉末粒子の表面を徐々に酸化して、均一
で緻密な酸化皮膜を形成させるのであるが、亜酸化窒素
を希釈する不活性ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、炭酸ガス等が使用出来るが、亜酸化窒素と金属の反
応で窒素が生成すること、及び経済的な面から窒素の使
用が好ましい。
亜酸化窒素の金属表面での反応性は酸素よりも格段に
低く、ガス中の亜酸化窒素の濃度と反応温度をコントロ
ールすることにより、酸素を酸化ガスとして用いた場合
よりも極めて均一で緻密な酸化皮膜を形成させることが
出来るのである。
低く、ガス中の亜酸化窒素の濃度と反応温度をコントロ
ールすることにより、酸素を酸化ガスとして用いた場合
よりも極めて均一で緻密な酸化皮膜を形成させることが
出来るのである。
発明者らは、このような酸素と亜酸化窒素の反応性の
違いが、金属磁性粉末の表面酸化にも同様に起こること
を実験で確認して本発明を完成させたものである。
違いが、金属磁性粉末の表面酸化にも同様に起こること
を実験で確認して本発明を完成させたものである。
亜酸化窒素を酸化ガスとする酸化安定化の方法である
が、亜酸化窒素の反応性の低さから、局部的な酸化反応
の暴走は起こり難く、従って、反応方式としては固定床
方式、撹拌方式、流動床方式のいづれの方法も採用可能
である。反応条件としては、金属磁性粉末粒子の表面へ
徐々に酸化皮膜を重ねるような酸化方式が好ましいの
で、亜酸化窒素の濃度は、反応の初期には低く、酸化の
進行につれて増すのが良い。しかしあまり低濃度では反
応に長時間を要するので経済的ではない。0.1〜100容量
%の範囲で、他の反応条件(温度、ガスの流速)との組
み合わせで決められる。反応温度は酸化皮膜の厚さをコ
ントロールする最も大きな因子であり、反応容器内にお
けるこの温度のばらつきが金属磁性粉末の磁気特性を劣
化させる原因となるので、正確に制御する必要がある。
実用的な反応温度は0〜200℃であるが、大気中で安全
に取り扱えるまで酸化を進めるためには100℃以上の温
度が必要である。
が、亜酸化窒素の反応性の低さから、局部的な酸化反応
の暴走は起こり難く、従って、反応方式としては固定床
方式、撹拌方式、流動床方式のいづれの方法も採用可能
である。反応条件としては、金属磁性粉末粒子の表面へ
徐々に酸化皮膜を重ねるような酸化方式が好ましいの
で、亜酸化窒素の濃度は、反応の初期には低く、酸化の
進行につれて増すのが良い。しかしあまり低濃度では反
応に長時間を要するので経済的ではない。0.1〜100容量
%の範囲で、他の反応条件(温度、ガスの流速)との組
み合わせで決められる。反応温度は酸化皮膜の厚さをコ
ントロールする最も大きな因子であり、反応容器内にお
けるこの温度のばらつきが金属磁性粉末の磁気特性を劣
化させる原因となるので、正確に制御する必要がある。
実用的な反応温度は0〜200℃であるが、大気中で安全
に取り扱えるまで酸化を進めるためには100℃以上の温
度が必要である。
なお、酸化皮膜形成反応中の酸化ガスを全て亜酸化窒
素ガスとするのが理想的であるが、反応の初期段階に亜
酸化窒素を使用し、均一な薄い酸化皮膜を形成してお
き、後の酸化ガスを酸素とすることも可能であり、経済
的には有利な方法である。
素ガスとするのが理想的であるが、反応の初期段階に亜
酸化窒素を使用し、均一な薄い酸化皮膜を形成してお
き、後の酸化ガスを酸素とすることも可能であり、経済
的には有利な方法である。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
らに限定されるものではない。
実施例−1 平均長軸長0.25μm、平均軸比14、含有金属が、Zn=
1.5重量%、Ni=4.9重量%、Si=1.2重量%、Al=3.6重
量%(何れも対Fe)であるα−FeOOHを650℃で2時間焼
きしめ処理を行い、次いで水素気流下、450℃で4時間
還元して酸化安定化処理を行う金属磁性粉末を得た。こ
のものを原料Aとする。
1.5重量%、Ni=4.9重量%、Si=1.2重量%、Al=3.6重
量%(何れも対Fe)であるα−FeOOHを650℃で2時間焼
きしめ処理を行い、次いで水素気流下、450℃で4時間
還元して酸化安定化処理を行う金属磁性粉末を得た。こ
のものを原料Aとする。
原料Aを窒素充填の中間容器に移して保管し、酸化安
定化処理装置(図−1)に移して酸化安定化処理を行っ
た。他の実施例、比較例とも原料Aを使用した。
定化処理装置(図−1)に移して酸化安定化処理を行っ
た。他の実施例、比較例とも原料Aを使用した。
図−1の装置全体を窒素ガスで置換しておき、反応容
器1に原料Aを400g投入し、窒素を供給しながら循環ブ
ロワー2を作動させ、バルブ5を調節して50N /分で
窒素ガスを系内に循環させ、窒素の供給を止めた。
器1に原料Aを400g投入し、窒素を供給しながら循環ブ
ロワー2を作動させ、バルブ5を調節して50N /分で
窒素ガスを系内に循環させ、窒素の供給を止めた。
第一段の反応は金属磁性粉末層の温度が60℃に保たれ
るように、反応容器のジャケット及び熱交換器6の温度
を調節しながら、亜酸化窒素を0.15分の速度で供給し
て反応を行った。約3.5時間で発熱現象が観察されなく
なり、反応が終了した。この時の反応容器内の金属磁性
粉末の酸素吸着量は約20gであり、金属磁性粉末の5重
量%に相当していた。
るように、反応容器のジャケット及び熱交換器6の温度
を調節しながら、亜酸化窒素を0.15分の速度で供給し
て反応を行った。約3.5時間で発熱現象が観察されなく
なり、反応が終了した。この時の反応容器内の金属磁性
粉末の酸素吸着量は約20gであり、金属磁性粉末の5重
量%に相当していた。
続いて、反応温度を100℃に上昇し、0.3/分の速度
で亜酸化窒素を供給して2時間第二段の反応を行った。
ここまでの反応容器内の金属磁性粉末に吸着した酸素量
は約40gであり、金属磁性粉末の10重量%に相当してい
た。
で亜酸化窒素を供給して2時間第二段の反応を行った。
ここまでの反応容器内の金属磁性粉末に吸着した酸素量
は約40gであり、金属磁性粉末の10重量%に相当してい
た。
さらに、第三段の反応は、反応温度150℃、亜酸化窒
素供給量0.3/分の条件で2時間行った。この後、亜
酸化窒素の供給を止め、反応容器内の温度を30℃にし、
次いで、水分500ppm以下の空気を徐々に供給して、系内
が大気組成になるようにして30分ガスの循環を続けた。
安定化終了後、金属磁性粉末を大気中に取り出したが、
発熱現象は観察されなかった。この金属磁性粉末の磁気
特性(東英工業製VSMを使用し、測定磁場10KGで測定)
は、Hc=1585 Oe、σs=129.5emu/g、σr/σs=0.513
であった。このものを60℃、RH=90%の雰囲気で1週間
暴露した後のσs=110.8emu/gであり、磁気特性、酸化
安定性共に優れたものであった。
素供給量0.3/分の条件で2時間行った。この後、亜
酸化窒素の供給を止め、反応容器内の温度を30℃にし、
次いで、水分500ppm以下の空気を徐々に供給して、系内
が大気組成になるようにして30分ガスの循環を続けた。
安定化終了後、金属磁性粉末を大気中に取り出したが、
発熱現象は観察されなかった。この金属磁性粉末の磁気
特性(東英工業製VSMを使用し、測定磁場10KGで測定)
は、Hc=1585 Oe、σs=129.5emu/g、σr/σs=0.513
であった。このものを60℃、RH=90%の雰囲気で1週間
暴露した後のσs=110.8emu/gであり、磁気特性、酸化
安定性共に優れたものであった。
実施例−2 第二段目までの反応は実施例−1と同様に行い、第三
段目の反応を酸素を酸化ガスとして行った。実施例−1
の第二段目の反応終了後、反応温度を60℃に設定して、
亜酸化窒素の代わりに水分500ppm以下の空気を供給し
て、循環系の酸素濃度を0.5容量%になるように調節
し、3時間反応を行った。この後、温度を30℃にして、
空気の供給量を徐々に増加させ、循環ガスの組成を大気
組成として30分間ガス循環を続け、安定化処理を終了し
た。この酸化安定化を終了した金属磁性粉末は大気中に
取り出しても発熱現象は観察されなかった。磁気特性は
Hc=1578 Oe、σs=127.8emu/g、σr/σs=0.513であ
り、60℃、RH=90%雰囲気中での1週間後のσsは111.
2emu/gであった。実施例−1と同様、磁気特性、酸化安
定性共に優れたものであった。
段目の反応を酸素を酸化ガスとして行った。実施例−1
の第二段目の反応終了後、反応温度を60℃に設定して、
亜酸化窒素の代わりに水分500ppm以下の空気を供給し
て、循環系の酸素濃度を0.5容量%になるように調節
し、3時間反応を行った。この後、温度を30℃にして、
空気の供給量を徐々に増加させ、循環ガスの組成を大気
組成として30分間ガス循環を続け、安定化処理を終了し
た。この酸化安定化を終了した金属磁性粉末は大気中に
取り出しても発熱現象は観察されなかった。磁気特性は
Hc=1578 Oe、σs=127.8emu/g、σr/σs=0.513であ
り、60℃、RH=90%雰囲気中での1週間後のσsは111.
2emu/gであった。実施例−1と同様、磁気特性、酸化安
定性共に優れたものであった。
比較例−1 第一段から第三段の反応全てを酸化ガスとして酸素を
用いて反応を行った。
用いて反応を行った。
実施例−1と同様に原料Aを反応容器に投入し、窒素
ガスの循環量を50N /分として、反応温度を40℃に設
定した。これに、反応容器入り口の酸素濃度が0.2容量
%になるように、水分500ppm以下の空気を循環ガス中に
供給して5時間反応させた。次いで反応温度を60℃に設
定し、第一段と同じく、反応容器入り口の酸素濃度を0.
2容量%になるように供給空気量を調節して2時間反応
させた。第三段目の反応は、反応温度を80℃に設定し、
一、二段と同じく反応容器入り口の酸素濃度が0.2容量
%になるように、供給空気量を調節して2時間反応を行
った。その後、反応温度を30℃まで下げ、循環ガス中の
酸素濃度を徐々に上げて大気組成とし、30分間循環さ
せ、安定化を終了した。反応終了後の金属磁性粉末は大
気中でも発熱の現象は観察されなかった。このものの磁
気特性はHc=1525 Oe、σs=123.5emu/g、σr/σs=
0.505で、60℃、RH=90%雰囲気中での1週間後のσs
は105.3emu/gであった。
ガスの循環量を50N /分として、反応温度を40℃に設
定した。これに、反応容器入り口の酸素濃度が0.2容量
%になるように、水分500ppm以下の空気を循環ガス中に
供給して5時間反応させた。次いで反応温度を60℃に設
定し、第一段と同じく、反応容器入り口の酸素濃度を0.
2容量%になるように供給空気量を調節して2時間反応
させた。第三段目の反応は、反応温度を80℃に設定し、
一、二段と同じく反応容器入り口の酸素濃度が0.2容量
%になるように、供給空気量を調節して2時間反応を行
った。その後、反応温度を30℃まで下げ、循環ガス中の
酸素濃度を徐々に上げて大気組成とし、30分間循環さ
せ、安定化を終了した。反応終了後の金属磁性粉末は大
気中でも発熱の現象は観察されなかった。このものの磁
気特性はHc=1525 Oe、σs=123.5emu/g、σr/σs=
0.505で、60℃、RH=90%雰囲気中での1週間後のσs
は105.3emu/gであった。
亜酸化窒素を酸化ガスとして用いた、実施例−1、2
と比較すると、安定化終了後の磁気特性、酸化安定性共
に劣るものであった。
と比較すると、安定化終了後の磁気特性、酸化安定性共
に劣るものであった。
比較例−2 比較例−1の第一段の反応温度を30℃とし、反応時間
を10時間とした以外は、比較例−1と同じ条件で反応を
行った。安定化終了後の金属磁性粉末は大気中でも発熱
現象は観察されなかった。このものの磁気特性はHc=15
29 Oe、σs=124.0emu/g、σr/σs=0.504で、60℃、
RH=90%の雰囲気中での一週間後のσsは103.7emu/gで
あった。
を10時間とした以外は、比較例−1と同じ条件で反応を
行った。安定化終了後の金属磁性粉末は大気中でも発熱
現象は観察されなかった。このものの磁気特性はHc=15
29 Oe、σs=124.0emu/g、σr/σs=0.504で、60℃、
RH=90%の雰囲気中での一週間後のσsは103.7emu/gで
あった。
酸化条件を緩やかにしたが、酸化安定化終了後の磁気
特性は改良されなかった。
特性は改良されなかった。
参考例(液相中安定化法) 原料Aをトルエン中に浸漬し、該スラリー液を80℃に
保持し、窒素で希釈した酸素を吹き込んで10時間液相安
定化処理を行った。次いで液相安定化した金属磁性粉末
を相対湿度60%以下、温度25℃の雰囲気で10時間風乾し
た。このものの磁気特性はHc=1590 Oe、σs=131.5em
u/g、σr/σs=0.514で、60℃、RH=90%の雰囲気中で
の一週間後のσsは89.6emu/gであった。
保持し、窒素で希釈した酸素を吹き込んで10時間液相安
定化処理を行った。次いで液相安定化した金属磁性粉末
を相対湿度60%以下、温度25℃の雰囲気で10時間風乾し
た。このものの磁気特性はHc=1590 Oe、σs=131.5em
u/g、σr/σs=0.514で、60℃、RH=90%の雰囲気中で
の一週間後のσsは89.6emu/gであった。
磁気特性は実施例−1と同等以上の数値を示している
が、酸化安定性においては、気相安定化品よりも劣るも
のであった。
が、酸化安定性においては、気相安定化品よりも劣るも
のであった。
実施例、比較例、参考例の磁気特性及び、60℃、RH=
90%の雰囲気中での一週間後のσsの数値を表−1に示
す。
90%の雰囲気中での一週間後のσsの数値を表−1に示
す。
〔発明の効果〕 表−1の実施例、比較例、参考例の比較において明ら
かなように、本発明の方法、すなわち、亜酸化窒素を酸
化剤として気相安定化した金属磁性粉末は、酸素を酸化
剤として使用したものよりも磁気特性において優れ、参
考例で示した液相酸化品よりも酸化安定性において優れ
るものである。
かなように、本発明の方法、すなわち、亜酸化窒素を酸
化剤として気相安定化した金属磁性粉末は、酸素を酸化
剤として使用したものよりも磁気特性において優れ、参
考例で示した液相酸化品よりも酸化安定性において優れ
るものである。
図−1は本発明に用いた気相安定化装置の概略図であ
る。 1……反応容器 2……ガス循環ブロワー 4……流量計 5……流量調節バルブ 6……熱交換器(加熱) 7……熱交換器(冷却) 8……ガス放棄用バルブ 9……酸素濃度計 10……ジャケット
る。 1……反応容器 2……ガス循環ブロワー 4……流量計 5……流量調節バルブ 6……熱交換器(加熱) 7……熱交換器(冷却) 8……ガス放棄用バルブ 9……酸素濃度計 10……ジャケット
Claims (1)
- 【請求項1】鉄を主体とする針状オキシ水酸化鉄あるい
は酸化鉄を還元し、次いで気相中にて該還元物の表面を
酸化性ガスで酸化安定化して金属磁性粉末を得る方法に
おいて、酸化性ガスとして亜酸化窒素を使用することを
特徴とする金属磁性粉末の安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1264690A JP2731603B2 (ja) | 1989-10-11 | 1989-10-11 | 金属磁性粉末の安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1264690A JP2731603B2 (ja) | 1989-10-11 | 1989-10-11 | 金属磁性粉末の安定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03126801A JPH03126801A (ja) | 1991-05-30 |
JP2731603B2 true JP2731603B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=17406843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1264690A Expired - Fee Related JP2731603B2 (ja) | 1989-10-11 | 1989-10-11 | 金属磁性粉末の安定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2731603B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101401282B (zh) | 2006-03-16 | 2011-11-30 | 松下电器产业株式会社 | 径向各向异性磁铁的制造方法和使用径向各向异性磁铁的永磁电动机及有铁芯永磁电动机 |
JP4625983B2 (ja) * | 2007-03-15 | 2011-02-02 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末 |
JP5267800B2 (ja) | 2009-02-27 | 2013-08-21 | ミネベア株式会社 | 自己修復性希土類−鉄系磁石 |
JP5344171B2 (ja) | 2009-09-29 | 2013-11-20 | ミネベア株式会社 | 異方性希土類−鉄系樹脂磁石 |
JP4839459B2 (ja) * | 2010-06-17 | 2011-12-21 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末 |
-
1989
- 1989-10-11 JP JP1264690A patent/JP2731603B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03126801A (ja) | 1991-05-30 |
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