JP2726144B2 - 被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法 - Google Patents

被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb−Sn合
金めっきCr含有鋼板の製造法に関するものである。
(従来の技術) 従来からPb−Sn合金めっき鋼板は、湿潤環境で優れた
高耐食性を示し、加工性、溶接性、ハンダ付け性にも優
れていることから、ガソリンタンク、家庭用電気製品な
ど広く使用されている。そのPb−Sn合金めっき鋼板は、
その製造過程や各種の製品形状に成形加工する際に発生
したピンホールや擦り疵によって起こる耐食性の劣化を
防止するため、例えば特公昭55−51426号公報のごとき
「Snと反応し易いNiやCoの下地めっき層を施したPb−Sn
合金めっき鋼板」、特開昭63−183191号公報のように
「上下にPb−Sn合金の二層めっきを施した鋼板」など各
種の鋼板が開発されている。さらに優れた耐食性の要求
に対応して、特開昭61−119678号公報のような「Cr含有
鋼板にNiやCoの下地めっき層を施した後、高温度で拡散
処理し、続いてPb−Sn合金めっきを施したPb−Sn合金め
っきCr含有鋼板」も製造されている。
しかしながら、その中でも、鋼表面に安定で強固な酸
化膜(不動態化皮膜)が生成されたCr含有鋼板のPb−Sn
合金めっき鋼板は、必ずしも良好なめっき性能(均一被
覆性、めっき密着性、耐食性)が得られない問題がしば
しば見られた。
(発明が解決すべき課題) 上記のように、Pb−Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法
は、工業的生産として確立されておらず、製造面あるい
は性能面における不めっき、ピンホールの発生、下地め
っき層の剥離など未解決な問題が残されていた。
本発明者らは、Cr含有鋼板を対象にこれらの問題を解
決した被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb−Sn合金めっ
き鋼板の製造法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成するために多くの探索
実験を試みた中から、次のようなことを知見した。
すなわち、Cr含有鋼板を、例えば仕上表面の美麗な鋼
板が短時間で得られる電解処理法として開発された特公
昭63−45480号公報記載の酸洗法で処理しても、不めっ
きやピンホールの発生は避けられなかった。この原因
は、一般に冷間圧延されたCr含有鋼板は、焼鈍されて酸
洗されめっきに供されるが、その際焼鈍過程で生成され
たCr酸化膜の内側直下に難還元性で難溶解性のSi酸化膜
を生成して、不めっきなどの諸問題を引き起こす。図
は、酸化膜の深さ方向のグロー放電分光分析装置による
成分分析結果を示す。すなわち、「ステンレス鋼便覧,
昭和50年12月20日発行,日刊工業新聞,第1249頁,表3.
8」で示されるように、一般にCr含有鋼板には、Crの他
に1%以下のSiが含有されている点に問題があった。
これまでSi酸化膜は、耐食性向上の点から残存させた
方が好ましいとされているが、めっき原板として用いる
場合密着性やピンホールが発生し、さらに最悪の場合は
全面にわたって不めっきを発生する問題があった。
本発明は、このような知見を基に構成したものであっ
て、その要旨とするところは、焼鈍したCrを25%未満含
有し、かつ、不可避的不純物であるSiを0.1%未満に抑
制したCr含有鋼板を、20〜400g/の硫酸水溶液にフル
オロケイ酸塩もしくはフルオロホウ酸塩を添加し、さら
に硝酸塩、硫酸塩の1種または2種を混合した酸洗水溶
液中で電解酸洗し、脱脂し、遊離硫酸が75〜350g/の
水溶液中、あるいはNi2+またはCo2+あるいはその両者を
(金属イオン濃度)/(全硫酸イオン濃度)≦1/5の硫
酸水溶液中で、電流密度が7.5〜35A/dm2、処理時間が1
〜15秒の陰極電解処理を行い、続いてpH;<3以下のめ
っき浴中で厚さ0.01〜1μmのNi,CoあるいはNi−Co合
金の被覆層を電気めっきで施した後、Snを3〜30%含有
するPb−Sn合金の被覆層を施す被覆性と密着性に優れた
高耐食性Pb−Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法である。
以下、本発明について詳細に説明をする。
本発明の対象とする鋼板は、転炉、電気炉等の溶解炉
で溶製された溶鋼を連続鋳造法あるいは造塊・分塊法を
経て製造されたスラブを熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼
鈍する通常の薄鋼板製造工程を経て製造したSi<0.1
%、Cr;<25%のCr含有鋼の焼鈍板である。
含有成分のうち、不可避的不純物であるSiは、電解酸
洗に溶解し難い強固なSi酸化膜を形成して、前記したよ
うに、めっき鋼板の被覆性と密着性を劣化せしめる有害
成分であるため、その含有量を0.1%未満に抑制する必
要がある。鋼中の含有量を0.1%未満にすることによっ
て、厚いSi酸化膜の形成を防止しまたは該酸化膜を除去
するまでの電解酸洗時間を短縮し、延いては酸洗溶液の
使用寿命を延長する効果を奏する。
Crは、鋼表面にCrの不動態化皮膜を形成し、鋼の耐食
性を向上する有効な成分として25%以下を添加する。こ
のようなCrの作用効果は含有量と共に増加するため、そ
の含有量の下限を限定するものではない。しかしなが
ら、どんなに細心の注意を払ってもPb−Sn合金めっき作
業時に生成する微量のピンホールや各種の形状の成形加
工時に発生する疵の問題は避けられず、またPb−Sn合金
めっき鋼板が不純物を多量に含有する粗悪ガソリン燃料
タンクや建材などのように特に長期耐食性が要求される
用途に対しては2.5%以上、好ましくは5%以上添加を
するとよい。
このようにして製造されたCr含有鋼板の焼鈍板は、続
いて、20〜400g/以上の硫酸水溶液中にフルオロケイ
酸塩、硝酸塩などを添加した酸洗溶液中で陰極酸洗また
は陽極酸洗あるいは陰極酸洗後陽極酸洗するなどを選択
して電解処理する。本発明において使用する硫酸水溶液
は、酸化膜の溶解作用や通電性向上から主剤に使用する
ものであって、20g/未満の薄い濃度では酸化膜の溶解
作用を減じて酸洗効率を低下する。また400g/を越え
る濃い濃度では、酸化膜の溶解作用も飽和域に達して素
地が溶解され、過酸洗が促進され、酸洗水溶液の性能劣
化を早める。さらに、硫酸水溶液中に選択的に添加され
るフルオロケイ酸ソーダ、フルオロケイ酸カリウムの如
きフルオロケイ酸塩もしくはフルオロホウ酸ソーダ、フ
ルオロホウ酸カリウムの如きフルオロホウ酸塩は、酸化
膜の溶解速度を大幅に助長させる有効な添加剤で、焼鈍
板の鋼成分や酸化膜厚みなどによってその程度は異なる
が、0.5g/の添加が好ましい。さらにまた選択的に添
加される硝酸塩、硫酸塩の1種または2種は、Cr酸化膜
を溶解させて素地の過酸洗を抑制する効果がある。中で
も硝酸塩では硝酸ソーダが最も一般的であるが、硝酸カ
リウムや硝酸アンモニウムなどあらゆる塩が使用され
る。また硫酸塩では、硫酸ナトリウムが最もよい。
このようにして電解酸洗された焼鈍板は、オルソケイ
酸ソーダあるいはリン酸ソーダなどに界面活性を添加し
た水溶液中で浸漬処理あるいは電解処理された後、遊離
硫酸が75〜350g/の水溶液中、またはNi2+,Co2+のそれ
ぞれあるいはその両者を(金属イオン濃度)/(全硫酸
イオン濃度)≦1/5の硫酸水溶液中で、電流密度が7.5〜
35A/dm2、処理時間が1〜15秒の陰極電解処理をする。
この処理は、前記の電解酸洗処理後大気中の運搬過程ま
たは放置過程において生成したCrの不動態酸化膜をめっ
き直前に溶解除去することを目的としたものである。従
って、遊離硫酸の濃度はその酸化膜の溶解性から規定し
たものであって、75g/未満の、薄い濃度では鋼板の表
面に生成されたCrの不動態酸化膜を均一に溶解除去して
表面を活性化することが困難となる。また350g/を越
える過剰な濃度は、Cr不動態酸化膜の溶解除去が過飽和
域に達すると共に、浴中にミストを発生し、処理装置の
損耗を著しく早めるなど多くの問題がある。
また硫酸水溶液中にNi2+またはCo2+あるいはその両者
を(金属イオン濃度)/(全硫酸イオン濃度)≦1/5の
添加量で含有させることにより、焼鈍板の酸化膜を効率
的に除去しながら、めっき密着性を向上させるNi,Coの
微量を同時析出する。しかし硫酸水溶液中の金属イオン
濃度が1/5を越える場合、酸化膜の溶解除去能が低下し
て活性化されない焼鈍板の表面にめっき層の生成あるい
はこれら金属の水酸化物や酸化物を析出し、均一な被覆
性やめっき外観を損なう問題がある。
この陰極電解処理は、酸化膜の溶解除去と金属の同時
析出から得られる範囲から規定したものであって、電流
密度は7.5A/dm2以上、また処理時間は1〜15秒で行う。
この場合電流密度が7.5A/dm2未満ではその効果が得られ
ない。その反対に電流密度が35A/dm2を越えると、焼鈍
板のもつ高い比抵抗からコンダクターロールと処理浴と
の間で発生する高温度によって、焼鈍板が酸化される問
題がある。また処理時間が1秒未満の短時間ではその効
果が得られず、15秒を越える長時間ではその効果が飽和
すると共に、Ni等の金属イオンの析出部に更に重畳して
金属イオンが析出し、部分的に厚さの異なる金属めっき
層が生成され、次いで行なわれる金属めっきの厚さも不
均一になる。従って、本発明の処理時間は1〜15秒間、
好ましくは1.5〜7.5秒間である。
次いで、水洗した後、Niめっき、Coめっき、あるいは
Ni−Coめっき処理を施す。このめっき層は、Pb−Sn合金
めっきの下地処理層としてピンホールが少なく、密着性
に優れていることが必要である。そのためには、金属イ
オンのNi2+,Co2+,Ni2++Co2+を含有するめっき浴を用い
て下地めっき層を電気めっきで施す。この下地被覆層の
厚さが0.01μm未満ではPb−Sn合金めっき浴中のSnと下
地被覆層との均一緻密な合金層が生成され難く、均一被
覆性とめっき層の密着性が得られず、耐食性に優れた合
金めっき鋼板が得られない。また、下地被覆層の厚さが
1μmを越える場合は、Snとの反応で生成されるNi−S
n,Co−SnあるいはNi−Co−Sn合金層が硬くて脆いため、
成形加工時にこの合金層にクラックを発生し、めっき層
を剥離し、耐食性が著しく劣化する。従って、本発明で
はこの下地被覆層の厚さは0.01〜1μmとする。その好
ましくは0.03〜0.5μmである。
また、本発明においては、この下地めっき浴にpHが3.
0以下の浴を使用する。すなわち、めっき浴のpHが3.0以
下では、下地被覆層処理後めっき工程までの間のNi等の
析出物表面の酸化あるいはこれら析出物のピンホール部
での原板の再酸化による酸化膜を除去する効果が大き
い。その結果、より一層の均一被覆性に優れ、ピンホー
ルが少なく、密着性に優れたNi等の下地被覆が得られ
る。特にpH2.5以下が好ましい。
次に、この下地めっき層を施した後、水洗し、あるい
は希塩酸等の水溶液でその表面を活性化した後、ZnCl2
を主成分とするフラックス処理をし、Pb−Sn合金めっき
を行なう。このPb−Sn合金めっき浴にはSnを3〜30%含
有するめっき浴を使用する。Sn含有量が3%未満では、
良好な下地被覆層が十分に形成されてもSnとの反応によ
り形成される下地被覆層との合金層の生成が不十分で、
均一緻密な合金層が生成され難いためPb−Sn合金めっき
層の均一な被覆性、耐食性が得られない。また、Sn含有
量が30%を越えると下地被覆層とSnとの合金層生成量が
多くなり、成形加工時に合金層がクラック発生源となっ
て、加工後の耐食性と成形加工性を劣化する等の欠点を
生じる。従って、Pb−Sn合金めっき浴のSn含有量は3〜
30%、好ましくは5〜25%である。尚、前記のNi,Co等
の下地被覆処理あるいはPb−Sn合金めっきにおいて、各
々不可避的に含有される数%の不純物、例えば下地被覆
処理にS,FeあるいはPb−Sn合金めっきにSb,Cu等が含有
されても本発明の目的に支障とならない。
本発明は、前記したように溶融Pb−Sn合金めっきに適
用される場合、めっき浴中のSnと反応して合金層の形成
を緻密化し、Pb−Sn合金めっきの性能向上に有効であ
り、また電気Pb−Sn合金めっきに適用しても構わない。
この場合においても、めっき原板の表面性状が劣り、活
性化処理が不十分な場合は溶融めっきの場合と同様に電
気Pb−Sn合金めっき層の均一被覆性が劣り、ピンホール
が多くなり、めっき層の密着性が劣る。この欠点を、本
発明によってNi系の良好な下地被覆層を施して電気Pb−
Sn合金めっき層を設けることによって防止することがで
きる。
さらに、このPb−Sn合金中のSnとの濡れ性の良好なNi
系の下地被覆層が存在することにより、製品が溶接ある
いは半田接合される場合、その熱影響部に均一緻密な合
金層が生成される効果が得られる。すなわち、Ni系の下
地被覆層を形成させずに直接Pb−Sn合金めっき層を設け
た場合、上記のような熱影響部で溶融Pb−Snが凝固する
時にピンホールを発生し易く、耐食性劣化の原因とな
る。Ni系下地被覆層が存在する場合はNi−Sn,Co−Sn,Ni
−Co−Sn系合金層の形成によりピンホールの生成を抑制
する効果が得られ、耐食性の劣化を防止する。
以上のように本発明によれば焼鈍中に生成する強固な
酸化膜を比較的短時間で除去し、酸洗処理後に大気中で
生成する安定な不働態膜もめっき直前に除去でき、均一
被覆性、耐食性あるいはめっき層の密着性に優れたPb−
Sn合金めっき鋼板を製造することができる。
尚、本発明のPb−Sn合金めっき鋼板の表面に、更に一
層の耐食性向上あるいは塗装性能の向上を目的として、
リン酸あるいはクロム酸等を主成分とする水溶液を用い
て化成処理を施してもよい。
(実 施 例) 0.8mmまで冷間圧延された後、焼鈍された第1表に示
す鋼成分の素材をめっき原板として、第2表及び以下に
示す処理法を適用してPb−Sn合金めっき鋼板を製造し
た。
《酸洗処理》 焼鈍処理により鋼板上に生成した酸化膜を、100g/H
2SO4−100g/−NaNO3−100g/Na2SO4−10g/Na2SiF6
−10g/NaBF4系酸洗浴中で陽極電解処理により剥離し
た。処理浴の温度、電解電流密度、電解酸洗時間を第2
表に示した。
《脱脂処理》 60℃に保った4%オルソケイ酸ソーダ水溶液中におい
て、電流密度10A/dm2、電解時間4秒の陰極電解処理を
行った。
《陰極酸洗処理》 50℃に保った150g/H2SO4−40g/NiSO4・7H2H−20g
/CoSO4・7H2O水溶液中において、電流密度20A/dm2
電解時間4秒の陰極電解処理を行った。
《下地被覆層処理》 以下に示す組成を有するめっき浴で電気めっきするこ
とにより下地被覆層を形成させた。NiとCoの合金の組成
はNiSO4・7H2O−CoSO4・7H2O−NiCl2・2H2O−CoCl2・2H
2Oの含有量を調整することにより変えた。めっき浴の温
度は50℃、電解電流密度は10A/dm2であった。形成させ
た下地被覆処理層の合金組成、被覆量及びめっき浴のpH
は第2表に掲げた。
NiSO4・7H2O+CoSO4・7H2O 240g/ NiCl2・7H2O+CoCl2・2H2O 45g/ ホウ酸 30g/ pH 1〜4 (硫酸で調整) 《Pb−Sn合金めっき処理》 Pb−Sn合金めっき処理は溶融めっき法あるいは電気め
っき法により行った。その処理条件を以下に示す。
・溶融めっき処理の場合 下地被覆層処理して水洗後、2%HCl溶液中に70℃で
4秒間浸漬して、ZnCl2系フラックスを用いた湿式フラ
ックス法により片面当り50g/m2のPb−8%Sn溶融合金め
っきを行った。
・電気めっきの場合 下地被覆層処理して水洗後、片面当り50g/m2のPb−10
%Sn電気合金めっきを行った。その処理条件は以下に示
した。
Pb(BF4 340g/ Sn(BF4 50g/ HBF4 100g/ ヒドロキノン 5g/ 浴温度 50℃ 電流密度 30A/dm2 (評価試験方法及び評価規準) 1.めっき被覆層の均一被覆性 溶融めっき材の場合は以下の評価規準で評価して、そ
の均一被覆性を検討した。
◎…めっき浴の濡れ性極めて良好で、めっき外観極め
て良好 ○…めっき浴の濡れ性比較的良好で、10dm2の評価面
に対して流れ模様(めっき厚さの部分的に厚い部分)が
2点以下発生 △…めっき浴の濡れ性若干劣るため、10dm2の評価面
にざらつき状の点状欠陥部(微小不めっきが10数点群
発)が発生 ×…めっき浴の濡れ性著しく劣るため、10dm2の評価
面にざらつき状の点状欠陥部が多量に発生 2.めっき層の密着性 曲率半径0.8mmで衝撃曲げ加工を行い、セロテープ
(登録商標)を貼付、剥離して、めっき層の剥離状況を
調査した。なお、評価規準は以下の通りである。
◎…めっき層の剥離なく、セロテープ(登録商標)へ
の剥離物の付着なし ○…めっき層の表面部が若干剥離、セロテープ(登録
商標)に極軽微な剥離物が付着 △…めっき層の鋼板界面からの部分的剥離が発生、セ
ロテープ(登録商標)への剥離物の付着が明瞭に認めら
れる ×…めっき層全面剥離 3.耐食性能 (1) 評価法A 120×120mmサイズの鋼板について、塩水噴霧試験240
時間実施後、端部のシール部を除いた100×100mmの評価
面を1×1mmサイズのます目100個に区分して、赤錆の発
生したます目を数を測定して、その耐食性を評価した。
◎…赤錆発生個数5個以下 ○…赤錆発生個数6〜10個 △…赤錆発生個数11〜30個 ×…赤錆発生個数31個以上 (2) 評価法B ブランクサイズ径150mmの鋼板を用いて、しわ押え圧
力2000kgで円筒成形加工を行なって、径75mm×高さ40mm
の円筒型容器を作成して評価材とした。この評価材にガ
ソリン7部と、1%濃度のNaClを含有する水溶液3部と
からなる腐食試験液を充填して耐ガソリン性を対象とし
た評価試験を実施した。6箇月間室温に放置した後、そ
の赤錆発生状況を調査し、以下の評価基準で評価した。
◎…赤錆発生個数3個以下 ○…赤錆発生個数4〜10個以下 △…赤錆発生個数11〜20個以下 ×…赤錆発生個数21個以上 (発明の効果) 以上説明したように本発明法により、成分を調整した
鋼板を使用し、焼鈍時に生成した強固な酸化皮膜を短時
間で除去し、またその後生成した不働態膜もめっき前に
除去して活性表面とすることができ、均一な被覆性、密
着性を有し、しかも耐食性の優れたPb−Sn合金めっき鋼
板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は11%Cr及び0.4%Siが含有され、850℃で2分間
焼鈍された鋼板をグロー放電分光分析装置を用いて酸化
膜深さ方向分析したものを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 秀昭 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 平2−153095(JP,A) 特開 昭61−266596(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼鈍したCrを25%未満含有し、かつ、不可
    避的不純物であるSiを0.1%未満に抑制したCr含有鋼板
    を、20〜400g/の硫酸水溶液にフルオロケイ酸塩もし
    くはフルオロホウ酸塩を添加し、さらに硝酸塩、硫酸塩
    の1種または2種を混合した酸洗水溶液中で電解酸洗
    し、脱脂し、遊離硫酸が75〜350g/の水溶液中で電流
    密度が7.5〜35A/dm2、処理時間が1〜15秒の陰極電解処
    理を行い、続いてPH;<3以下のめっき浴中で厚さ0.01
    〜1μmのNi,CoあるいはNi−Co合金の被覆層を電気め
    っきで施した後、Snを3〜30%含育するPb−Sn合金めっ
    きを施すことを特徴とする被覆性と密着性に優れた高耐
    食性Pb−Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】焼鈍したCrを25%未満含有し、かつ、不可
    避的不純物であるSiを0.1%未満に抑制したCr含有鋼板
    を、20〜400g/の硫酸水溶液にフルオロケイ酸塩もし
    くはフルオロホウ酸塩を添加し、さらに硝酸塩、硫酸塩
    の1種または2種を混合した酸洗水溶液中で電解酸洗
    し、脱脂し、Ni2+またはCo2+あるいはその両者を(金属
    イオン濃度)/(全硫酸イオン濃度)≦1/5の硫酸水溶
    液中で電流密度が7.5〜35A/dm2、処理時間が1〜15秒の
    陰極電解処理を行い、続いてpH;<3以下のめっき浴中
    で厚さ0.01〜1μmのNi,CoあるいはNi−Co合金の被覆
    層を電気めっきで施した後、Snを3〜30%含有するPb−
    Sn合金めっきを施すことを特徴とする被覆性と密着性に
    優れた高耐食性Pb−Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法。
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