JPH0765221B2 - 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法 - Google Patents

均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法

Info

Publication number
JPH0765221B2
JPH0765221B2 JP63307552A JP30755288A JPH0765221B2 JP H0765221 B2 JPH0765221 B2 JP H0765221B2 JP 63307552 A JP63307552 A JP 63307552A JP 30755288 A JP30755288 A JP 30755288A JP H0765221 B2 JPH0765221 B2 JP H0765221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
treatment
alloy
bath
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63307552A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02153095A (ja
Inventor
征順 樋口
俊則 水口
健一 麻川
敬士 市川
邦夫 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP63307552A priority Critical patent/JPH0765221B2/ja
Priority to DE3841236A priority patent/DE3841236C2/de
Publication of JPH02153095A publication Critical patent/JPH02153095A/ja
Priority to US07/921,386 priority patent/US5258652A/en
Publication of JPH0765221B2 publication Critical patent/JPH0765221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/34Pretreatment of metallic surfaces to be electroplated
    • C25D5/36Pretreatment of metallic surfaces to be electroplated of iron or steel

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はめっき層の均一被覆性及び密着性にすぐれた高
耐食性Pb−Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法に関するも
のである。
(従来の技術) 均一被覆性、被覆層の密着性、耐食性にすぐれたPb−Sn
合金めっき鋼板は、例えば特公昭55−51426号公報で紹
介されているように、鉄鋼材料表面に電気めっき法でN
i、Co、Ni−Co合金等の電気めっき層を施した後溶融Pb
−Sn合金めっきする製造方法が知られている。この方法
によれば、鋼板表面に予め設けたNi、Co、Ni−Co合金等
の下地層とPb−Sn合金めっき浴中のSnとの反応性に増加
により、ピンホールの発生を著しく減少したPb−Sn合金
めっき鋼板が得られる。
しかしながら、上記のような効果は通常の表面性状を有
するアルミキルド鋼板のよう普通鋼板に適用した場合に
得られるものであって、鋼表面に安定で強固な酸化膜
(不働態化被膜)が生成されたCr含有鋼板等に対して
は、必ずしも良好なめっき性能(均一被覆性、めっき密
着性、耐食性等)が得られない問題がしばしば見られ
た。
また、Cr含有鋼板をめっき原板とする鋼板の表面にNi、
Co等の下地被覆層、さらにPb−Sn合金めっき層を施した
鋼板として、例えば特開昭61−119678号公報がある。こ
のPb−Sn合金めっき鋼板は耐食性能が極めてすぐれてい
る。
しかしながら、その製造法については工業生産において
必ずしも充分に確立されておらず、製造面或いは性能面
で次のような問題点があった。例えば、Cr含有鋼表面の
活性化が均一かつ充分に行なわれ難いためNi、Co等の下
地めっき層の均一被覆性が充分でなく、ピンホールの発
生が多く、下地めっき層の剥離が時々生じる。このため
Pb−Sn合金めっき層も均一に被覆されずに不めっき部
分、ピンホールを多く発生し、高度な加工が行なわれる
場合には下地めっき層から剥離する問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、Crを必須成分として含有する鋼板を用いてPb
−Sn合金めっき鋼板を製造する方法において、鋼表面に
鋼中Crが濃化し安定で強固な不働態化被膜を生成して生
じる問題点を解決して、Crを含有する鋼板のめっき層の
均一被覆性、密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっ
きCr含有鋼板の製造法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、25%以下のCrを含有する鋼板を、金属イオン
のNi2+、Co2+の1種又は2種が全SO4 2-イオン濃度に対
する重量比率で1/50≦(金属イオン濃度)/(SO4 2-
オン濃度)≦1/5でかつ遊離硫酸75〜350g/lを含有する
水溶液中で7.5A/dm2以上の電流密度で1〜15秒間陰極電
解処理し、次いでNi2+、Co2+の1種又は2種の金属イオ
ンをSO4 2-イオンとCl-イオンの総和に対する重量比率で
50%以上含有しかつpH3.0以下の電解めっき浴中で0.01
〜1μ厚さのNi、Co、或いはNi−Co合金被覆層を施した
後、該被覆層にSn含有率3〜30%のPb−Sn合金めっき層
を施すことを特徴とする均一被覆性及び被覆層の密着性
にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法であ
る。
(作用) 安定で強固な不働態被膜を形成する鋼板は、酸洗等の活
性化処理が容易でなく、めっき層の均一被覆性或いは密
着性等が悪い。特に溶融Pb−Sn合金めっきの場合、めっ
き原板表面が充分に活性化されていてもめっき浴の濡れ
性が劣り、均一なめっき外観が得られず、またピンホー
ルを発生する傾向にある。また、Pb−Sn合金めっき浴の
濡れ性を増加させるため、Pb−Sn合金めっき浴と濡れ性
にすぐれたNi、Co等の下地被覆層を電気めっき方法で設
ける場合、或いはPb−Sn合金を直接めっき法で施す場合
でも、Cr含有鋼表面が活性化され難いためめっき層の密
着性も劣り、ピンホールも多い。従って、Ni等の下地被
覆層を施して溶融Pb−Sn合金めっきを行なっても、下地
めっき層の多くのピンホールによって合金めっき浴との
濡れ性が不充分で、均一被覆性、密着性、耐食性等が充
分に良好な性能のPb−Sn合金めっき鋼板が得られないこ
とが分かった。本発明はこの点に着目して為されたもの
である。
本発明では、Cr含有鋼板表面に生成された安定で強固な
不働態化被膜を効率的に除去して活性化し、次いで該表
面に均一被覆性にすぐれ、かつPb−Sn合金めっきとの濡
れ性にすぐれたNi、Co、或いはNi−Co下地めっき層を施
す。この下地めっき層表面にPb−Sn合金めっき層を施す
ことによって、均一被覆性にすぐれ、ピンホールの生成
量も少なく、耐食性にすぐれ、かつ密着性にすぐれたPb
−Sn合金めっき鋼板が製造される。
さらに、このCr含有鋼板表面の不働態化被膜を効率的に
除去し、活性化するため、遊離H2SO4を主成分にしてNi
2+、Co2+の1種又は2種の金属イオンを硫酸塩の形態で
含有する処理浴を用いて陰極電解処理をする。この処理
浴に含有する金属イオン量を適正量に規制すると共に、
適正な電解処理条件で効率的な鋼板表面の酸化膜除去と
活性化、微量の金属イオンの析出を同時に行なう。
鋼表面に生成されている不働態化被膜の厚さ、クラック
の生成度合は鋼板の表面性状によって相違する。酸化膜
は除去され易い部分から剥離して活性化し、金属イオン
が析出し、次いで他の活性化されにくい部分に電流が集
中して酸化膜を除去し、活性化し、金属イオンが析出す
る。このような作用が順次繰り返されて、鋼板表面にめ
っきが施される。このようにして、通常の酸洗方法で
は、Cr含有鋼表面の安定で強固な酸化不働態化被膜を効
率的に除去し、活性化する。
この電解液中に遊離HCl或いは遊離Cl-イオンが存在する
場合、鋼表面の活性化が容易に行なえる部分では、鋼成
分によって穿孔腐食の危険性がある。従って、本発明に
おいては遊離H2SO4とSO4 2-イオンを主成分とする処理浴
で構成され、遊離HCl、Cl-イオンは不可避的不純物とし
て含有される。
さらに、本発明は浴中のSO4 2-イオン濃度に比して金属
イオン量を少なく含有し、短時間処理化と電解電流密度
の適正化を計り、鋼表面の酸化膜を除去し、微量の金属
を析出する。また、この微量の金属析出物は、本発明で
はNi、Co、Ni−Co合金等の耐酸化性にすぐれた金属で、
次の金属めっき処理までの間の酸化膜再生成を極力防止
する。
次いで、本発明では、この活性化された表面に、Ni、Co
等の金属イオンの含有量が多く、低pHに規制されためっ
き浴でNi等の下地めっき層を施す。すなわち、前工程の
活性化前処理からこのめっき工程までの間に生成された
不働態化被膜をめっき浴中で除去し、活性化することに
よってピンホールが少ない密着性にすぐれたNi等の下地
めっき層が得られる。その結果として、次いで行なわれ
るPb−Sn合金めっきの濡め性を改善し、耐食性にすぐれ
たPb−Sn合金めっき鋼板が製造される。
以下、本発明について詳細に説明する。
転炉、電気炉等の溶解炉で溶製された溶鋼を連続鋳造法
又は造塊、分塊法を経てスラブとし、熱間圧延、酸洗及
び冷間圧延、焼鈍あるいはさらに調質圧延工程等を経て
製造された鋼中にCrを必須成分として25%以下含有する
鋼板を使用する。本発明において、めっき原板のCr含有
量を規制する理由は、Cr含有量が25%を越えて含有され
る場合、その鋼表面の不働態被膜を、SO4 2-イオンと金
属イオン(Ni2+、Co2+の1種又は2種)からなる処理浴
を用い1〜15秒間の陰極電解処理で除去し、活性化する
ことは困難であり、従って、密着性と均一被覆性、耐食
性にすぐれた金属めっき層を設けることは困難だからで
ある。また、めっき原板中のCr含有量の下限は特に規制
されない。しかしながら、活性化処理に続いて行なわれ
るNi等の下地めっき及びPb−Sn合金めっき作業に細心の
注意を払っても、微量のピンホールが生成される。或い
は、成形加工時に発生した地鉄に達する疵部のめっき原
板から赤錆や穿孔腐食を発生する。従って、本発明のPb
−Sn合金めっき鋼板を、不純物を多量に含有する粗悪ガ
ソリンが使用される場合の燃料タンクあるいは長寿命建
材等のように長期間の耐食寿命を要求する用途を対象に
した場合、耐食性から2.5%以上のCrを含有する鋼板を
使用するのが好ましい。従って、本発明においては、め
っき原板の必須成分としてCrを25%以下、好ましくは2.
5〜25%含有する鋼板を使用する。
本発明ではめっき原板としては、例えば以下の様な鋼板
を使用するのがよい。
(1)重量%で、C;0.20%以下、酸可溶Al;0.005〜0.10
%、Cr;2.5〜25%、残部Fe及び不可避的不純物(Si、
P、S、Mn等)からなる鋼板 (2)上記(1)の組成の鋼板に添加元素としてNi;0.0
5〜10%、Cu;0.05〜1%、Mo;0.05〜1%、Si;0.2〜1
%、P;0.02〜0.05%、Al;0.1〜5%、B;0.0001〜0.005
%の1種又は2種以上を含有する鋼板 (3)重量%で、C;0.20%以下、酸可溶Al;0.005〜0.10
%、Cr;2.5〜25%を含有し、さらにTi;0.01〜0.8%、N
b;0.01〜0.8%、V;0.01〜0.8、Za;0.01〜0.8%の1種又
は2種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からな
る鋼板 (4)上記(3)の組成の鋼板に添加元素としてNi;0.0
5〜10%、Cu;0.05〜1%、Mo;0.05〜1%、Si;0.2〜1
%、P;0.02〜0.05%、Al;0.1〜5%、B;0.0001〜0.005
%の1種又は2種以上を含有する鋼板 このようなめっき原板は通常の冷延鋼板製造工程を経て
製造されるが、さらに脱脂処理(オルケイ酸ソーダーあ
るいはリン酸ソーダー等に界面活性剤を添加した溶液中
での電解処理等)された後、本発明に使用される。
まず、これらの鋼板に対して、金属イオンとしてNi2+
Co2+1種又は2種をSO4 2-イオンとの重量比率が1/50≦
(金属イオン濃度)/(SO4 2-イオン濃度)≦1/5、遊離
硫酸75〜350g/lからなる水溶液中で、7.5A/dm2以上の電
流密度で1〜15秒間の陰極電解処理を施す。すなわち、
この処理により、Cr含有鋼板表面に生成されている不働
態被膜を除去する表面活性化と、Ni、Co、Ni−Co合金の
析出処理とを同時に行なう。
この処理浴には、上記の条件を満足する(硫酸−硫酸ニ
ッケル)、(硫酸−硫酸コバルト)、(硫酸−硫酸ニッ
ケル−硫酸コバルト)浴、或いはこれらに電導性を増す
ために硫酸ナトリウム等を加えた処理浴が使用される。
処理浴の遊離硫酸濃度が75g/l未満では原板表面の酸化
膜を均一に除去し、表面を活性化するのが困難であり、
またNi等の同時析出を充分に行なうこともできない。一
方、遊離硫酸濃度が350g/lを越える場合はその効果が飽
和すると共に、処理浴の持ち出しによる経済的な損失が
大きくなり、また処理浴のミスト発生が多く、作業環境
の劣化、処理装置の損耗が著しい等工業的に不利にな
る。従って、本発明においては遊離硫酸濃度は75〜350g
/l、好ましくは100〜300g/lである。
この遊離硫酸に対して、本発明の処理浴では、硫酸ニッ
ケル等の硫酸塩の形態で、金属イオンすなわちNi2+、Co
2+あるいは(Ni2++Co2+)を1/50≦(金属イオン濃度)
/(SO4 2-イオン濃度)≦1/5の範囲で添加する。この金
属イオンが含有された処理浴を用いることにより、原板
表面の酸化膜が効率的に除去され、密着性の良好なNi、
Co等の金属が微量同時析出する。すなわち、Cr含有鋼表
面の不働態化被膜は均一でなく、本処理浴中での陰極電
解処理によって酸化膜の除去され易い部分から除去さ
れ、活性化され、この部分に浴中の金属イオンがまず析
出する、次いで、他の酸化膜の剥離していない部分に電
流集中され酸化膜が除去され、金属イオンが析出する。
このような反応が順次繰り返され、強固な酸化膜が生成
されたCr含有鋼表面が活性され、密着性のすぐれたNi等
の金属が同時析出する。
また、この析出金属の効果によって処理後電気めっきま
での間に酸化膜が再生成されるのが防止され、次工程の
めっき密着性を向上する。
Ni2+、Co2+、(Ni2++Co2+)の金属イオン濃度が処理浴
中のSO4 2-イオン濃度に対して1/50未満では、金属イオ
ン含有量が少なすぎて酸化膜の除去と金属イオンの同時
析出が行なわれにくくまた、金属イオン濃度が全SO4 2-
イオン濃度に対して1/5を越える場合には、処理浴中に
金属イオン含有量が多すぎるため、めっき原板の活性化
されない表面に密着性の劣るめっき層或いは含有金属の
水酸化物、酸化物等を析出して密着性が劣化し、いずれ
にしても本発明の目的が達成されない。従って、本発明
では金属イオン濃度と全SO4 2-イオン濃度の比率を1/50
〜1/5、好ましくは1/25〜1/10とする。
陰極電解処理は電流密度7.5A/dm2以上、処理時間1〜15
秒で行なう。電流密度が鋼板1dm2当り7.5A/dm2未満の場
合には、短時間の処理で酸化膜除去と金属の同時析出を
行なうことが困難であり、本発明では7.5A/dm2以上、好
ましくは10A/dm2以上の陰極電流密度で処理する。ま
た、電流密度の上限は特に規制されるものではないが、
電流密度が高くなりすぎると、Cr含有鋼板は比抵抗が高
く、通板時の鋼板抵抗も高く、コンダクターロールと処
理浴との間で板厚によっては鋼板が発熱し、鋼の酸化が
助長される。従って、本発明では35A/dm2以下の電流密
度が好ましい。その場合の処理時間については、1秒未
満では酸化膜除去による表面活性化と金属イオンの同時
析出を行なうのに充分でなく、また1秒を越える長時間
の陰極処理を行なう場合は、効果が飽和すると共に、Ni
等の金属イオンの析出部に更に重畳して金属イオンが析
出し、部分的に厚さの異なる金属めっき層が生成され、
次いで行なわれる金属めっきの厚さも不均一になる。従
って、本発明の処理時間は1〜15秒間、好ましくは1.5
〜7.5秒間とする。
尚、処理浴温度について特に規制されず、常温〜90℃の
範囲で処理する。
この処理に使用する電極としては、Pb−Sn電極、ステレ
ンス電極、チタンに白金めっきした電極等の不溶性電
極、或いはニッケル、コバルト等の可溶性電極のいずれ
も使用しうる。しかし、工業的に安定して処理作業を実
施するためには、可溶性電極は電極からの電解金属イオ
ンが蓄積され、浴中の金属イオンの前記比率を維持する
のが困難であるため、不溶性電極を使用し、金属イオン
の減少割合に対応して炭酸ニッケル等の炭酸塩の形態で
金属イオンを補給し、その含有比率を維持するのが有利
である。
遊離塩酸或いはCl-イオンは処理装置の構成材料或いは
めっき原板の穿孔腐食を発生する原因となるので好まし
いものではないが、本発明で使用する処理浴中に不可避
的不純物として含有される程度の量では特に影響はな
い。また、不純物元素として処理浴中にFe2+イオンが含
有される場合、他のNi2+、Co2+イオンの析出を妨げるの
で、その含有量は5g/l以下が好ましく、2.5g/l以下がよ
り好ましい。
次いで、前記の処理で余剰の処理浴を払拭した後或いは
水洗した後、Niめっき、Coめっき、或いはNi−Coめっき
処理を施す。このめっき層は、Pb−Sn合金めっきの下地
処理層としてピンホールが少なく、密着性にすぐれてい
ることが必要である。そのためには、金属イオンのN
i2+、Co2+、Ni2++Co2+をめっき浴中の電解効率に関与
する全SO4 2-+全Cl-イオンに対して50%以上、好ましく
は60%以上含有するめっき浴を用いて下地めっき層を施
す。この下地被覆層の厚さが0.01μ未満ではPb−Sn合金
めっき浴中のSnと下地被覆層との均一緻密な合金層が生
成され難く、均一被覆性とめっき層の密着性が得られ
ず、耐食性にすぐれた合金めっき鋼板が得られない。ま
た、下地被覆層の厚さが1μを越える場合は、Snと反応
で生成されるNi−Sn、Co−Sn或いはNi−Co−Sn合金層が
硬くて脆いため、成形加工時にこの合金層にクラックを
発生し、めっき層を剥離し、耐食性が著しく劣化する。
従って、本発明ではこの下地被覆層の厚さは0.01〜1
μ、好ましくは0.03〜0.5μである。
また、本発明においては、この下地めっき浴にpHが3.0
以下の浴を使用する。すなわち、めっき浴のpHが3.0以
下では、下地被覆層処理後めっき工程までの間のNi等の
析出物表面の酸化或いはこれら析出物のピンホール部で
の原板の再酸化による酸化膜を所越する効果が大きい。
その結果、より一層の均一被覆性にすぐれ、ピンホール
が少なく、密着性にすぐれたNi等の下地被覆が得られ
る。特にpH2.5以下が好ましい。
これら下地被覆層のめっき浴中に含有されるめっき金属
イオンは、浴中の全SO4 2-イオンと全Cl-イオンに対して
50%以上、好ましくは60%含有する電解効率にすぐれた
めっき浴の使用が好ましい。例えば、硫酸ニッケル240g
/l、塩化ニッケル45g/l、ホウ酸30g/l(Ni2+/(SO4 2-
Cl-)=65%)組成で構成され、H2SO4を添加してpHを3.
0以下に調整しためっき浴を使用する。
次に、この下地めっき層を施した後、水洗し、或いは希
塩酸等の水溶液でその表面を活性化した後、ZnCl2を主
成分とするフラックス処理をし、Pb−Sn合金めっきを行
なう。このPb−Sn合金めっき浴にはSnを3〜30%含有す
るめっき浴を使用する。Sn含有量が3%未満では、良好
な下地被覆層が充分に形成されてもSnとの反応により形
成される下地被覆層との合金層の生成が不充分で、均一
緻密な合金層が生成され難いためPb−Sn合金めっき層の
均一な被覆性、耐食性等が得られない。また、Sn含有量
が30%を越えると下地被覆層とSnとの合金層生成量が多
くなり、成形加工時に合金層がクラック発生源となっ
て、加工後の耐食性と成形加工性を劣化する等の欠点を
生じる。従って、Pb−Sn合金めっき浴のSn含有量は3〜
30%、好ましくは5〜25%である。尚、前記のNi、Co等
の下地被覆処理或いはPb−Sn合金めっきにおいて、各々
不可避的に含有される数%の不純物、例えば下地被覆層
処理にS、Fe或いはPb−Sn合金めっきにSb、Cu等が含有
されても本発明の目的に支障とならない。
本発明は、前記したように溶融Pb−Sn合金めっきに適用
される場合、めっき浴中のSnと反応して合金層の形成を
緻密化し、Pb−Sn合金めっきの性能向上に有効であり、
また電気Pb−Sn合金めっきに適用しても構わない。この
場合においても、めっき原板の表面性状が劣り、活性化
処理が不十分な場合は溶融めっきの場合と同様に電気Pb
−Sn合金めっき層の均一被覆性が劣り、ピンホールが多
くなり、めっき層の密着性が劣る。この欠点を、本発明
によってNi系の良好な下地被覆層を施して電気Pb−Sn合
金めっき層を設けることによって防止することができ
る。
さらに、このPb−Sn合金中のSnとの濡れ性の良好なNi系
の下地被覆層が存在することにより、製品が溶接或いは
半田接合される場合、その熱影響部に均一緻密な合金層
が生成される効果が得られる。すなわち、Ni系の下地被
覆層を形成させずに直接Pb−Sn合金めっき層を設けた場
合、上記のような熱影響部で溶融Pb−Snが凝固する時に
ピンホールを発生し易く、耐食性劣化の原因となる。Ni
系下地被覆層が存在する場合はNi−Sn、Co−Sn、Ni−Co
−Sn系合金層の形成によりピンホールの生成を抑制する
効果が得られ、耐食性の劣化を防止する。
以上のように、本発明の方法によれば、安定で強固な酸
化膜が生成され易いCr含有鋼板の様な鋼板の表面性状が
劣る場合にも均一被覆性、耐食性或いはめっき層の密着
性にすぐれたPb−Sn合金めっき鋼板が製造される。尚、
本発明のPb−Sn合金めっき鋼板の表面に、更に一層の耐
食性向上或いは塗装性能の向上を目的として、リン酸或
いはクロム酸等を主成分とする水溶液を用いて化成処理
を施してもよい。
(実施例A) 冷間圧延、焼鈍、調質圧延して製造された第1表に示す
鋼成分の素材をめっき原板として、以下に示す処理法を
適用してPb−Sn合金めっき鋼板を製造した。
実施例A1…鋼A1を使用 <陰極電解処理> 80g/l H2SO4−10g/l CoSO4・7H2O系水溶液(金属イオン
濃度/SO4 2-イオン濃度(M/S)=1.3/50)中で8A/dm2
電流密度で1.2秒間の陰極処理(浴温25℃、ステンレス
製電極使用) <下地被覆層処理> 340g/l CoSO4・7H2O−45g/l CoCl2・6H2O−ホウ酸45g/l
(金属イオンのSO4 2-イオンとCl-イオンの総和に対する
重量比率(M/I)=63.7%)系浴にH2SO4を添加してpH2.
1に調整した全Cl-イオン濃度13.4g/lのめっき浴中で、
電流密度10A/dm2で0.8μのCoめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、ZnCl2系フラックスを用い
た湿式フラックス法により溶融Pb−Sn合金めっき 比較例A1…鋼A1を使用 <陰極電解処理> 80g/l H2SO4浴中で8A/dm2の電流密度で1.2秒間の陰極処
理(浴温25℃、ステンレス製電極使用) <下地被覆層処理> 実施例A1と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A1と同一処理 実施例A2…鋼A2を使用 <陰極電解処理> 120g/l H2SO4−60g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=4.55
/50)中で15A/dm2の電流密度で8秒間の陰極処理(浴温
35℃、Ti+Ptめっき電極使用) <下地被覆層処理> 240g/l H2SO4・7H2O−30g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸30g/l
(M/I=70%)系浴にH2SO4を添加してpH1.8に調整した
全Cl-イオン濃度8.91g/lのめっき浴を用いて、電流密度
7.5A/dm2で0.06μのNiめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、ZnCl2−SnCl2系フラックス
を用いた湿式フラックス法により溶融Pb−Sn合金めっき 比較例A2…鋼A2を使用 <陰極電解処理> 100g/l H2SO4−250g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=1.4
25/5)中で30A/dm2の電流密度で8秒間の陰極処理(浴
温35℃、Ti+Ptめっき電極使用) <下地被覆層処理> 実施例A2と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A2と同一処理 実施例A3…鋼A3を使用 <陰極電解処理> 150g/l H2SO4−30g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=2/5
0)中で20A/dm2の電流密度で4秒間の陰極処理(浴温35
℃、Pb−Sn電極使用) <下地被覆層処理> 240g/l Ni2SO4・7H2O−45g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸40g/
l(M/I=64.2%)系浴にH2SO4を添加してpH1.5に調整し
た全Cl-イオン濃度13.4g/lのめっき浴中で、電流密度15
A/dm2で0.12μのNiめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、1%HCl中に80℃で3秒間
浸漬後、ZnCl2系フラックスをロール塗布して溶融Pb−S
n合金めっき 比較例A3(1)…鋼A3を使用 <陰極電解処理> 150g/l H2SO4−5g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=0.35/
50)中で20A/dm2の電流密度で4秒間の陰極処理(浴温4
0℃、Pb−Sn電極使用) <下地被覆層処理> 実施例A1と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A3と同一処理 比較例A3(2)…鋼A3を使用 <陰極電解処理> 実施例A3と同一浴を用いて電流密度4A/dm2で4秒間の陰
極処理(浴温40℃、Pb−Sn電極使用) <下地被覆層処理> 実施例A3と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A3と同一処理 比較例A4…鋼A4を使用 <陰極電解処理> 200g/l H2SO4−210g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=8.2
/50)中で30A/dm2の電流密度で8秒間の陰極処理(浴温
55℃、Pb−Sn−Ag電極使用) <下地被覆層処理> 120g/l Ni2SO4・7H2O−180g/l CoSO4・7H2O−12g/l NiC
l2・6H2O−18g/l CoCl2・6H2O−ホウ酸20g/l(M/I=63
%)系浴に硫酸を添加してpH1.2に調整した全Cl-イオン
濃度8.9g/lのめっき浴中で、電流密度30A/dm2で0.5μの
Ni−60%Co合金めっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、2%HCl溶液中に60℃で2
秒間浸漬して、ZnCl2−SnCl2系フラックスを用いた湿式
フラックス法により溶融Pb−Sn合金めっき 比較例A4…鋼A4を使用 <陰極電解処理> 実施例A4と同一処理 <下地被覆層処理> 120g/l Ni2SO4・7H2O−30g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸30g/
l−250g/H2SO4(M/I=11%)からなるpH<0.5のめっき
浴を用い、30A/dm2電流密度で0.1μのNiめっき実施 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A4と同一処理 実施例A5(1)…鋼A5を使用 <陰極電解処理> 300g/l H2SO4−150g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=4.5
5/50)中で12.5A/dm2の電流密度で2.5秒間の陰極処理
(浴温65℃、Pb−Sn−Ir電極使用) <下地被覆層処理> 280g/l NiSO4・7H2O−35g/l NiCl2・6H2O−35g/lホウ酸
(M/I=63.3%)系浴にH2SO4を添加してpH1.65に調整し
た全Cl-イオン濃度10.4g/lのめっき浴中で、電流密度5A
/dm2で0.08μのNiめっき実施 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A4と同一処理 比較例A5(1)…鋼A5を使用 <陰極電解処理> 実施例A5(1)と同一処理 <下地被覆層処理> 実施例A5(1)と同一浴成分系で、pHのみ3.0めっき浴
を用い、同条件で0.08μのNiめっき実施 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A4と同一処理 実施例A5(2)…鋼A5を使用 <陰極電解処理> 実施例A5(1)と同一処理 <下地被覆層処理> 実施例A5(1)と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> Pb2+、Sn2+イオンをめっき組成に対応して調整したホウ
フッ化Pb−ホウフッ化Sn−ホウフッ酸−ホウ酸−レゾル
シン系浴を用いて電気めっき 比較例A5(2)…鋼A5を使用 <陰極電解処理> 300g/l H2SO4系水溶液中で18A/dm2の電流密度で4秒間
の陰極処理 <下地被覆層処理> 実施例A1と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例A5(2)と同一処理 以上により製造したPb−Sn合金めっき鋼板について、各
々下記に示す評価法によりめっき層の均一被覆性、めっ
き層の密着性、及び燃料容器用途を想定した耐食性につ
いて、その性能評価を行ない、結果を第2表に示す。
尚、評価試験方法及び評価基準は以下の通りである。
[評価試験方法及び評価基準] 1.めっき被覆層の均一被覆性 ラインスピード80m/minで、片面当りのめっき量が60g/m
2のPb−6%Sn系合金めっき鋼板を製造し、その外観を
調査し、以下の評価基準で評価して、その均一被覆性を
検討した。
◎…めっき浴の濡れ性極めて良好で、めっき外観極めて
良好 ○…めっき浴の濡れ性比較的良好で、10dm2の評価面に
対して流れ模様(めっき厚さの部分的に厚い部分)が2
点以下発生 △…めっき浴の濡れ性若干劣るため、10dm2の評価面に
ざらつき状の点状欠陥部(微小不めっきが10数点群発)
が発生 ×…めっき浴の濡れ性著しく劣るため、10dm2の評価面
にざらつき状の点状欠陥部が多量に発生 2.めっき層の密着性 1.2mmの板厚にPb−12%Sn系合金めっき層を片面当りの
付着量で45g/m2施してから、板厚と同一曲率半径で衝撃
曲げ加工後、セロテープ(登録商標)を貼付、剥離し
て、めっき層の剥離状況を調査した。尚、評価基準は以
下の通りである。
◎…めっき層の剥離なく、セロテープ(登録商標)への
剥離物の付着なし ○…めっき層の表面部が若干剥離、セロテープ(登録商
標)に極軽微な剥離物が付着 △…めっき層の鋼板界面からの部分的剥離が発生、セロ
テープ(登録商標)への剥離物の付着が明瞭に認められ
る ×…めっき層全面剥離 3.耐食性能 (1)評価法A 120×120mmサイズの鋼板について、塩水噴霧試験240時
間実施後、端部のシール部を除いた100×100mmの評価面
を1×1mmサイズのます目100個に区分して、赤錆の発生
したます目の数を測定して、その耐食性を評価した。
はPb−8%Sn45g/m2、はPb−16%Sn60g/m2である。
◎…赤錆発生個数5個以下 ○…赤錆発生個数6〜10個 △…赤錆発生個数11〜30個 ×…赤錆発生個数31個以上 (2)評価法B 板厚0.8mm、ブランクサイズ径150mmの鋼板を用いて、し
わ押え圧力200kgで円筒成形加工を行なって、径75mm×
高さ40mmの円筒型容器を作成して評価材とした。この評
価材にガソリン7部と、1%濃度のNaClを含有する水溶
液3部とからなる腐食試験液を充填して耐ガソリン性を
対象とした評価試験を実施した。6箇月間室温に放置し
た後、その赤錆発生状況を調査し、以下の評価基準で評
価した。はPb−10%Sn55g/m2、はPb−20%Sn70g/m2
である。
◎…赤錆発生個数3個以下 ○…赤錆発生個数4〜10個以下 △…赤錆発生個数11〜20個以下 ×…赤錆発生個数21個以上 (3)評価法C 上記の円筒容器を評価材として、腐食試験液としてガソ
リン90部+メタノール4.5部+(500ppmSO4 2-+100ppmCl
-+400ppmCH3COOHを含有する水溶液)5部からなる溶液
を充填して、アルコール混合燃料を想定した評価試験を
60℃の温度で6箇月実施した。試験後その赤錆発生状況
を調査し、以下の評価基準で評価した。はPb−22%Sn
50g/m2、はPb−30%Sn65g/m2である。なお、評価材に
は0.5%H3PO4浴中に60℃で7秒間浸漬ロールワイヤピン
グ後80℃で乾燥処理したリン酸系化成処理を実施した。
◎…赤錆発生個数5個以下 ○…赤錆発生個数6〜12個以下 △…赤錆発生個数13〜25個以下 ×…赤錆発生個数26個以上 (実施例B) 冷間圧延、焼鈍、調質圧延して製造された第3表に示す
鋼成分の素材をめっき原板として、以下に示す処理法を
適用してPb−Sn合金めっき鋼板を製造した。
実施例B1…鋼B1を使用 <陰極電解処理> 100g/l H2SO4+25g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=2.5/
50)中で15A/dm2の電流密度で1.5秒間の陰極処理(浴温
30℃、Pb−Sn電極使用) <下地被覆層処理> 200g/l CoSO4・7H2O−20g/l CoCl2・6H2O−ホウ酸45g/l
(M/I=63.2%)系浴にH2SO4を添加してpH2.1に調整し
た全Cl-イオン濃度6g/lのめっき浴中で、電流密度12A/d
m20.6μのCoめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、ZnCl2+SnCl2系フラックス
をロール塗布後乾燥して乾式フラックス法により溶融Pb
−Sn合金めっき 比較例B1…鋼B1を使用 <陰極電解処理> 100g/l H2SO4水溶液中で15A/dm2の電流密度で3秒間で
3秒間の陰極処理 <下地被覆層処理> 実施例B1と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B1と同一処理 実施例B2…鋼B2を使用 <陰極電解処理> 150g/l H2SO4+25g/l CoSO4・7H2O+25g/l NiSO4・7H2O
系水溶液(M/S=3.2/50)中で20A/dm2の電流密度で2.5
秒間の陰極処理(浴温70℃、Ti+Ptめっき電極使用) <下地被覆層処理> 175g/l NiSO4・7H2O−75g/l CoCl2・7H2O−28g/l NiCl2
・6H2O−12g/l CoCl2・6H2O−ホウ酸35g/l(M/I=64
%)系浴にH2SO4を添加してpH2.0に調整した全Cl-イオ
ン濃度11.9g/lのめっき浴中で電流密度15A/dm20.25μの
Ni−30%Co合金めっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、3%HCl中に50℃で5秒間
浸漬して、ZnCl2系フラックスを用いて湿式フラックス
法により溶融Pb−Sn合金めっき 比較例B2…鋼B2を使用 <陰極電解処理> 実施例B2と同一の処理浴を用いて、電流密度4A/dm2で5
秒間の陰極処理(浴温70℃、Ti+Ptめっき電極使用) <下地被覆層処理> 実施例B2と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B2と同一処理 実施例B3…鋼B3を使用 <陰極電解処理> 200g/l H2SO4+100g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=4.5
5/50)中で25A/dm2の電流密度で6秒間の陰極処理(浴
温50℃、Pb−Sn−Ag電極使用) <下地被覆層処理> 320g/l NiSO4・7H2O−35g/l NiCl2・6H2O−25g/lホウ酸
(M/I=63%)系浴にH2SO4を添加してpH1.8に調整した
全Cl-イオン濃度10.4g/lのめっき浴中で、電流密度10A/
dm20.11μのNiめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、0.5%HCl中に85℃で2秒間
浸漬、ZnCl2−SnCl2系フラックスを用いて湿式フラック
ス法により溶融Pb−Sn合金めっき 比較例B3(1)…鋼B3を使用 <陰極電解処理> 実施例B3と同一処理 <下地被覆層処理> 実施例B3と同一条件で1.5μのNiめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B3と同一処理 比較例B3(2)…鋼B3を使用 <陰極電解処理> 200g/l H2SO4+10g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=0.5/
50)中で実施例B3と同一方法で処理 <下地被覆層処理> 実施例B3と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B3と同一処理 実施例B4…鋼B4を使用 <陰極電解処理> 250g/l H2SO4+230g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=7.5
/50)中で30A/dm2の電流密度で4秒間の陰極処理(浴温
60℃、Pb−Sn−Ag電極使用) <下地被覆層処理> 240g/l NiSO4・7H2O−25g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸(M/I
=63%)系浴にH2SO4を添加してpH1.6に調整した全Cl-
イオン濃度7.4g/lのめっき浴中で、電流密度8A/dm2で0.
8μのNiめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 下地被覆層処理して水洗後、1.5%HCl溶液中に75℃で3
秒間浸漬して、ZnCl2−SnCl2系フラックスを用いて湿式
フラックス法により溶融Pb−Sn合金めっき 比較例B4…鋼B4を使用 <陰極電解処理> 実施例B4と同一処理 <下地被覆層処理> 240g/l NiSO4・7H2O−45g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸30g/l
(M/I=64%)系浴成分でpH3.6、全Cl-イオン濃度13.4g
/lのめっき浴を用い、電流密度8A/dm2で0.8μのNiめっ
き <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B4と同一処理 実施例B5…鋼B5を使用 <陰極電解処理> 300g/l H2SO4+120g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=3.7
5/50)中で35A/dm2の電流密度で3秒間の陰極処理(浴
温45℃、Pb−Sn電極使用) <下地被覆層処理> 220g/l NiSO4・7H2O−20g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸30g/l
(M/I=63%)系浴にH2SO4を添加してpH1.sに調整した
全Cl-イオン濃度5.9g/lのめっき浴で、電流密度18A/dm2
で0.05μのNiめっき実施 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B4と同一処理 比較例B5(1)…鋼B5を使用 <陰極電解処理> 250g/l H2SO4+500g/l NiSO4・7H2O系水溶液(M/S=1.2
5/50)中で35A/dm2の電流密度で7秒間の陰極処理(浴
温45℃、Pb−Sn電極使用) <下地被覆層処理> 実施例B5と同一処理 <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B4と同一処理 比較例B5(2)…鋼B5を使用 <陰極電解処理> 実施例B2と同一処理 <下地被覆層処理> 120g/l NiSO4・7H2O−30g/l NiCl2・6H2O−ホウ酸30g/l
−15g/H2SO4系組成(M/I=11%)からなるpH<0.5のめ
っき浴を用い、実施例B5と同一条件でNiめっき <Pb−Sn合金めっき処理> 実施例B4と同一処理 以上により製造したPb−Sn合金めっき鋼板について、各
々下記に示す評価法によりめっき層の均一被覆性、めっ
き層の密着性、及び建材分野の用途を想定した耐食性に
ついて、その性能評価を行ない、結果を第4表に示す。
尚、評価試験方法及び評価基準は以下の通りである。
[評価試験方法及び評価基準] 1.めっき被覆層の均一被覆性 ラインスピード90m/minで、片面当りのめっき量が80g/m
2のPb−8%Sn系合金めっき鋼板を製造し、その外観を
調査し、以下の評価基準で評価して、その均一被覆性を
検討した。
◎…めっき浴の濡れ性極めて良好で、めっき外観極めて
良好 ○…めっき浴の濡れ性比較的良好で、10dm2の評価面に
対して流れ模様(めっき厚さの部分的に厚い部分)が2
点以下発生 △…めっき浴の濡れ性若干劣るため、10dm2の評価面に
ざらつき状の点状欠陥部(微小不めっきが10数点群発)
が発生 ×…めっき浴の濡れ性著しく劣るため、10dm2の評価面
にざらつき状の点状欠陥部が多量に発生 2.めっき層の密着性 0.6mmの板厚にPb−14%Sn系合金めっき層を片面当りの
付着量で80g/m2施してから、100×1000mmの評価材を長
手方向に第1図に示す断面形状のピッツバーグタイプに
ロックフォーマー加工を行い、曲げ加工部のめっき層の
剥離状況を調査した。尚、評価基準は以下の通りであ
る。
◎…めっき層に異常なく良好 ○…めっき層に亀裂発生 △…極く一部にめっき剥離発生 ×…めっき層の剥離状況を極めて大 3.耐食性能 (1)評価法A 120×120mmサイズの鋼板について、塩水噴霧試験1000時
間実施後、端部のシール部を除いた100×100mmの評価面
を1×1mmサイズのます目100個に区分して、赤錆の発生
したます目の数を測定して、その耐食性を評価した。
はPb−7%Sn75g/m2、はPb−15%Sn60g/m2である。
◎…赤錆発生個数5個以下 ○…赤錆発生個数6〜10個以下 △…赤錆発生個数11〜20個以下 ×…赤錆発生個数21個以上 (2)評価法B 工場地帯で使用される建材を対象に、0.8mm板厚、75×1
50mmサイズの鋼板に押し出し高さ8mmのエリクセン加工
を施し、亜硫酸ガス濃度25ppm、温度40℃、湿度95%の
雰囲気下で7日間曝露し、その赤錆発生状況を調査し、
以下の評価基準で評価した。はPb−12%Sn100g/m2
はPb−20%Sn120g/m2である。尚、Pb−Sn合金めっき
にはSb1.2%含有Pb−Sn合金めっき層形成した。
◎…赤錆の発生率0.1%未満 ○…赤錆の発生率0.1〜1.0%未満 △…赤錆の発生率1〜10%未満 ×…赤錆の発生率10%以上 (3)評価法C 板厚0.6mm、サイズ100×200mmの評価材の中央部に長手
方向に板厚と同一の曲率半径の曲げ加工を施してから、
臨海工業地帯で5年間の大気曝露試験を行い、その赤錆
発生状況を調査し、性能を評価し、以下の評価基準で評
価した。はPb−14%Sn150g/m2、はPb−25%Sn125g/
m2である。
◎…赤錆の発生率なし ○…赤錆の発生率0.5%未満 △…赤錆の発生率0.5〜5%未満 ×…赤錆の発生率5%以上
【図面の簡単な説明】
第1図はピッツバーグタイプのロックフォーマー加工を
示す図である。 1……評価材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 敬士 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 西村 邦夫 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭61−204393(JP,A) 特開 昭63−186889(JP,A) 特開 昭61−270392(JP,A) 特開 昭61−270391(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】25%以下のCrを含有する鋼板を、金属イオ
    ンのNi2+、Co2+の1種又は2種が全SO4 2-イオン濃度に
    対する重量比率で1/50≦(金属イオン濃度)/(SO4 2-
    イオン濃度)≦1/5でかつ遊離硫酸75〜350g/lを含有す
    る水溶液中で7.5A/dm2以上の電流密度で1〜15秒間陰極
    電解処理し、次いでNi2+、Co2+の1種又は2種の金属イ
    オンをSO4 2-イオンとCl-イオンの総和に対する重量比率
    で50%以上含有しかつpH3.0以下の電解めっき浴中で0.0
    1〜1μ厚さのNi、Co、或いはNi−Co合金被覆層を施し
    た後、該被覆層にSn含有率3〜30%のPb−Sn合金めっき
    層を施すことを特徴とする均一被覆性及び被覆層の密着
    性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法。
JP63307552A 1988-01-08 1988-12-05 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法 Expired - Lifetime JPH0765221B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63307552A JPH0765221B2 (ja) 1988-12-05 1988-12-05 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法
DE3841236A DE3841236C2 (de) 1988-01-08 1988-12-07 Dezentralisiertes Anlagensteuersystem für Kraftwerke
US07/921,386 US5258652A (en) 1988-01-08 1992-07-30 Distributed plant control system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63307552A JPH0765221B2 (ja) 1988-12-05 1988-12-05 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02153095A JPH02153095A (ja) 1990-06-12
JPH0765221B2 true JPH0765221B2 (ja) 1995-07-12

Family

ID=17970465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63307552A Expired - Lifetime JPH0765221B2 (ja) 1988-01-08 1988-12-05 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0765221B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2726144B2 (ja) * 1990-07-05 1998-03-11 新日本製鐵株式会社 被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61204393A (ja) * 1985-03-07 1986-09-10 Nisshin Steel Co Ltd ニツケル被覆ステンレス鋼帯の製造方法
JPS61270392A (ja) * 1985-05-27 1986-11-29 Nippon Steel Corp 燃料容器用鋼板
JPH0689475B2 (ja) * 1985-05-27 1994-11-09 新日本製鐵株式会社 燃料容器用鋼板
JPS63186889A (ja) * 1987-01-28 1988-08-02 Nisshin Steel Co Ltd 高速連続光沢ニツケルめつき方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02153095A (ja) 1990-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI792744B (zh) 表面處理鋼板及其製造方法
JPS59200789A (ja) 電気メツキ鋼板及びその製造方法
JPH0765221B2 (ja) 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Pb−Sn合金めっき鋼板の製造法
JPH0121234B2 (ja)
JPH0765222B2 (ja) 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Snめっき鋼板の製造法
JP2726144B2 (ja) 被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法
TWI840140B (zh) 表面處理鋼板及其製造方法
JPH055914B2 (ja)
JP2712924B2 (ja) 耐食性、めっき密着性、化成処理性および塗膜密着性に優れた亜鉛−ニッケル−クロム系合金電気めっき鋼板
JPH0447037B2 (ja)
JPH0765214B2 (ja) めっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,Co,及びNi−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法
JPH02101200A (ja) リン酸塩処理性および耐食性に優れた冷延鋼板
JPH01108396A (ja) カチオン電着塗装用ガルバニール鋼板の製法
JPS6396294A (ja) 溶接性、耐食性に優れた缶用鋼板の製造方法
JP2636589B2 (ja) 耐食性、めっき密着性および化成処理性に優れた亜鉛−ニッケル−クロム合金電気めっき鋼板
JPH0123555B2 (ja)
JP3822704B2 (ja) 溶接性、耐食性、外観性及び密着性に優れた溶接缶用鋼板の製造方法
JP3224457B2 (ja) 高速シーム溶接性、耐食性、耐熱性および塗料密着性に優れた溶接缶用素材
JP3434927B2 (ja) 塗装外観に優れた溶接缶用鋼板の製造方法
JPS61119694A (ja) 電気メツキ鋼板の製造方法
JPS6144157B2 (ja)
JPS63199896A (ja) 溶接性、塗料密着性及び塗装後耐食性に優れた溶接缶用表面処理鋼板の製造法
JPS642195B2 (ja)
JPS58141397A (ja) 高耐食性表面処理鋼板およびその製造方法
JPH02153059A (ja) 均一被覆性及び被覆層の密着性にすぐれた高耐食性Al及びAl合金めっきCr含有鋼板の製造法