JPH0765214B2 - めっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,Co,及びNi−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法 - Google Patents

めっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,Co,及びNi−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法

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JPH0765214B2
JPH0765214B2 JP63292161A JP29216188A JPH0765214B2 JP H0765214 B2 JPH0765214 B2 JP H0765214B2 JP 63292161 A JP63292161 A JP 63292161A JP 29216188 A JP29216188 A JP 29216188A JP H0765214 B2 JPH0765214 B2 JP H0765214B2
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
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    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/34Pretreatment of metallic surfaces to be electroplated
    • C25D5/36Pretreatment of metallic surfaces to be electroplated of iron or steel

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、めっき層の密着性及び耐食性にすぐれたNi,C
o,Ni−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法に関するもので
ある。
(従来の技術) Crを含有する鋼板めっき原板にNi系の下地被覆層その上
にSnめっき層を施した鋼板が耐食性能をはじめ各種性能
にすぐれためっき鋼板として、例えば特開昭61−6293号
公報、特開昭62−30896号公報等で知られている。しか
しながら、これらのめっき鋼板を安定して製造する方法
について充分に検討されていない。したがって、工業的
生産においてその性能が充分に安定して得られる保証は
なかった。特に、これらの製品を曲げ加工した場合、Cr
含有鋼板表面とNiめっき層の界面でしばしば剥離する現
象があった。
また、Cr含有めっき原板に金属被覆層を施す方法に、例
えばステンレス鋼便覧(昭和51年日刊工業新聞社刊)、
特開昭60−131996号公報がある。
ステンレス鋼便覧は、Cr含有ステンレス鋼とめっき金属
の密着性を向上する方法としてCr含有鋼を濃厚混酸で溶
解処理或いは塩酸、硫酸等の溶液中で陰極電解処理し
て、表面被覆を除去した後、Niストライクめっきする方
法である。Niストライクめっき方法は、例えば、NiCl2;
240g/とHCl;80〜120g/のめっき浴中で電流密度2〜
20A/dm2、電解時間2〜4分の陰極電解処理を行なうも
ので、厚さ4000Å以上、(通常は1μ程度)のNiめっき
が施される。また、特開昭60−131996号公報は、Cr含有
ステンレス鋼表面と金属めっき層(Pd,Ag,Cu,Sn等)と
の中間層として、50g/以上の遊離塩酸を含むNiめっき
浴中で脱脂後のCr含有鋼板を陰極にして0.5A/dm2以上の
電流密度で陰極電解処理を行ない、厚さ300〜1200Å
(0.03〜0.12μ)のNiめっき層を施す方法である。
これらの方法は、いずれも遊離塩酸が多量に含有したNi
めっき浴を使用するため、電解条件によっては塩素ガス
を発生して作業環境を劣化し、また使用されるめっき原
板のCr含有量が少ない場合はめっき浴により原板が孔食
され、耐食性を劣化する問題があった。
特に、ストライクニッケルめっき法は、Niめっき層が硬
質で加工等によって割れ易いため、耐食性を劣化する問
題がある。また酸洗前処理で活性化処理した後めっきま
での過程で再酸化され生成された不働態化被膜(酸化
膜)が、Niめっき浴中で除去されないままめっきされる
ため、めっき密着性不良を起す問題があった。
この中でも特開昭60−13996号公報の方法は、遊離塩酸
を含有するNiめっき浴中で、ステンレス鋼表面の不働態
化被膜を除去し、活性化し同時にNiの析出を行なうた
め、Niめっき層に費いやす電解効率が極めて低く、めっ
き層の厚い被膜を得るのに不利である。また、めっき原
板の表面は活性化され易い部分から、Niめっき金属が順
次に重畳して析出するため、Niめっき層の均一被覆性が
劣り、ピンホールの発生量も多く、一様に良好な耐食性
が得られない問題があった。
(発明を解決しようとする課題) 本発明は、Crを必須成分として含有する鋼板のNiめっ
き、Coめっき、あるいはNi−Co合金めっき鋼板の製造に
おいて、鋼板表面からもNi等のめっき層が剥離し難く、
Ni等の電解析出効率が高く、めっき層の均一被覆性と耐
食性のすぐれたNi,Co,Ni−Co合金めっき鋼板の製造方法
を提供する事を目的としたものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、2.5〜25%のCrを含有する鋼板を、金
属イオンのNi2+,Co2+の1種又は2種が、全SO4 2-イオン
濃度に対する重量比率で、 遊離硫酸75〜350g/を含有する水溶液中で、7.5A/dm2
以上の電流密度で1〜15秒間の陰極電解処理を施し、次
いでNi2+,Co2+の1種又は2種の金属イオンが、SO4 2-
オンとCl-イオンの総和に対する重量比率で50%以上を
含有し、かつpH3.0以下のめっき浴で陰極電解処理する
めっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,Co及びNi−Co合
金めっきCr合金鋼板の製造法である。
本発明の要旨において、Cr合金鋼板の不働態化被膜を効
率的に除去し活性化する工程において、処理に曝されて
いる間にめっき原板の穿孔腐食を防止するために、遊離
塩酸、遊離Cl-イオンを含有しない酸洗浴を使用する。
すなわち、遊離硫酸を主成分として、これに硫酸塩の形
態でNi2+,Co2+イオンの1種又は2種を含有せしめた処
理浴で陰極電解処理する。処理浴に含有する金属イオン
量と電解処理条件を選定する事により、効率的な鋼板表
面の酸化膜の除去と活性化を計り、同時に微量の金属イ
オンを析出する。
本方法で、鋼板表面に生成される不働態化被膜の厚さ、
クラックの生成度合等は、鋼板の表面性状によって相違
する。酸化膜は除去され易い部分から剥離され活性化
し、金属イオンが析出し、次いで、活性化されにくい部
分に電流が集中して酸化膜を除去し活性化し、金属イオ
ンが析出する。
このような作用が順次繰り返されて、鋼板表面にめっき
が施される。また、早期に金属イオンが析出された部分
は、さらに重畳して金属イオンが析出し堆積される。
また、浴中のSO4 2-イオン濃度に比して金属イオン量を
少なく含有せしめ短い処理時間と電解電流密度の適正化
を計れば、鋼表面の活性化と微量の金属を析出する事が
できる。この金属析出物は、Ni,Co,Ni−Co合金等の耐酸
化性にすぐれた金属が選定されているため、次の金属め
っき処理までの間の不働態化被膜の再生成を極力防止す
ることができる。
しかし、このままではNi等のめっき層の析出状態が前記
の如く異なり、めっき厚さも薄いので、均一被覆性に劣
り、ピンホールも多く良好な耐食性も得られない。従っ
て、本発明では、均一被覆性にすぐれ、ピンホールの発
生が少なく、耐食性と密着性にすぐれたNi等のめっき層
は次の様な金属めっき浴で得られる。
すなわち、金属イオは、めっき浴中に含まれるSO4 2-
オン及びCl-イオンの50%以上を含有せしめ、pHが3.0以
下のめっき浴で陰極電解処理される。このめっき浴は金
属イオンを多量に含有するため、金属イオンの電解析出
効率が高く、均一被覆性にすぐれている。さらに、めっ
き浴のpHを3.0以下の低pHに維持する事によって、前処
理からめっき工程までの間で不働態被膜が再生成されて
も、めっき浴中で除去され、活性化される。
また、本発明のめっき浴には、遊離Cl-イオンが含有さ
れておらず、全Cl-イオン濃度も低濃度に規制されてい
るため、電解処理工程あるいは電解処理後水洗までの間
にめっき浴に曝される事によって、遊離のCl-イオンに
よるNi等のめっき層の溶解、特にめっき層のピンホール
等が発生し易い部分でのめっき層の溶解あるいはめっき
原板の穿孔腐食等が防止される。
さらに、本発明では、Ni等のめっき層被覆処理は、原板
表面の活性化処理と金属析出を同時に行なってめっき層
を設ける前記の公知技術に比較して、被覆処置を別工程
で行なうため所定厚さのめっき層が均一に得られる利点
がある。
以上の様に、本発明の方法による処理浴組成、処理条
件、処理工程でCr含有鋼板にNi,Co,Ni−Co合金のめっき
処理を行なう事によって、めっき原板の効率的な活性化
処理と同時に微量めっき金属の析出によってめっき工程
までの不働態被膜の生成を防止し、均一厚さのめっき層
が得られる。この結果、めっき密着性及び耐食性のすぐ
れためっき層が得られる。
[作用] さらに本発明について詳細に説明する。
本発明においては、転炉、電炉等の溶解炉で溶製された
溶鋼を連続鋳造法または造塊、分塊法を経てスラブと
し、熱間圧延、酸洗及び冷間圧延、焼鈍工程を経て製造
された鋼中にCrを必須成分として、2.5〜25%含有する
鋼板を使用する。
本発明において、めっき原板のCr含有量を規制する理由
は、Cr含有量が25%を越えて含有する場合、その鋼表面
の不働態被膜を、SO4 2-イオンと金属イオ(Ni2+,Co2+
1種又は2種)からなる処理浴を用いて、1〜15秒間の
陰極電解処理で除去し、活性化することは困難である。
従って、密着性と均一被覆性、耐食性にすぐれた金属め
っき層を得ることは困難である。また、めっき原板のCr
含有量が2.5%未満の場合、本発明のような処理によら
なくても、表面の活性化処理が容易に行なわれ、またNi
等の金属めっき層を、均一被覆性、あるいは密着性にす
ぐれためっき層として設ける事ができる。しかしなが
ら、電気めっき法により如何に細心の注意を払っても、
極く微量といえども不可避的にピンホールを生成する。
従って、めっき原板のCr含有量が2.5%未満では、腐食
雰囲気におけるNi等のめっき層と原板との電位差が極め
て大きいため、ピンホールあるいは加工時等における地
鉄に達する疵の発生部から赤錆や、穿孔腐食を発生しめ
っき鋼板の耐食性を劣化する。
従って、本発明においてCr含有量は、めっき原板の必須
成分として2.5〜25%、好ましくは5〜20%である。
而して、本発明では、めっき原板として、以下の様な鋼
板を使用するのがよい。
例えば、 重量%で、C;0.20%以下、酸可溶Al;0.005〜0.10
%、Cr;2.5〜25%、残部Fe及び不可避的不純物(Si,P,
S,Mn等)からなる鋼板。
上記の組成の鋼に添加元素として、Ni(0.05〜10
%)、Cu(0.05〜1%)、Mo(0.05〜1%)、Si(0.2
〜1%)、P(0.02〜0.05%)、Al(0.1〜5%)、B
(0.0001〜0.005%)の1種又は2種以上を含有する鋼
板。
重量%で、C;0.02%以下、酸可溶Al;0.005〜0.10
%、Ci;2.5〜25%を含有し、さらにTi(0.01〜0.8
%)、Nb(0.01〜0.8%)、V(0.01〜0.8%)、Zr(0.
01〜0.8%)の1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び
不可避的不純物からなる鋼板。
上記の組成の鋼に添加元素として、Ni(0.05〜10
%)、Cu(0.05〜1%)、Mo(0.05〜1%)、Si(0.2
〜1%)、P(0.02〜0.05%)、Al(0.1〜5%)、B
(0.001〜0.005%)の1種又は2種以上を含有する鋼
板。
このようなめっき原板は通常の冷延製造工程を経て製造
されるが、さらに脱脂処理(オルケイ酸ソーダあるい
は、リン酸ソーダ等に界面活性剤を添加した溶液中での
電解処理等)された後、本発明に適用される。
先ず、これらの鋼板に対して、金属イオンとしてNi2+,C
o2+の1種又は2種をSO4 2-イオンとの重量比率が 遊離硫酸75〜350g/からなる水溶液中で、7.5A/dm2
上の電流密度で、1〜15秒間の陰極電解処理が施され
る。
すなわち、この処理は、Cr含有鋼板表面に生成されてい
る強固な酸化膜(不働態被膜)を除去する表面活性化と
Ni,Co,Ni−Co合金の析出処理を同時に行なう。
この処理浴には、上記の条件を満足する(硫酸−硫酸ニ
ッケル)、(硫酸−硫酸コバルト)、(硫酸−硫酸ニッ
ケル−硫酸コバルト)浴或いはこれらに電動性を増すた
めに硫酸ナトリウム等を加えた処理浴が使用される。
本発明の処理浴の遊離硫酸濃度が75g/未満では、原板
表面の酸化膜を均一に除去、表面を活性化するのが困難
であり、またNi等の同時析出を充分に行なうこともでき
ない。一方、遊離硫酸濃度が350g/を越える場合は、
その効果が飽和すると共に、処理浴の持ち出しによる経
済的な損失が多くなり、また処理浴のミスト発生が多
く、作業環境の劣化、処理装置の損耗が著しい等工業的
に不利になる。従って、本発明においては、遊離硫酸濃
度は75〜350g/、好ましくは100〜300g/である。
この遊離硫酸に対して、本発明の処理浴では、硫酸ニッ
ケル等の硫酸塩の形態で、金属イオンすなわちNi2+,Co
2+あるいは(Ni2++Co2+)が の範囲で添加される。この金属イオンが含有された処理
浴を用いる事により、原板表面の効率的な酸化膜の除去
と密着性の良好なNi,Co等の金属が微量同時析出する。
すなわち、Cr含有鋼表面の不働態化被膜は均一でなく、
本処理浴中での陰極電解処理によって、酸化膜の除去さ
れ易い部分から除去され活性化され、この部分に浴中の
金属イオンが先ず析出する。次いで、他の酸化膜の剥離
されていない部分に電流が集中されて酸化膜が除去され
金属イオンが析出する。この様な反応が順次繰り返され
て、強固な酸化膜が生成されたCr含有鋼表面の活性化と
密着性のすぐれたNi等の金属が同時に析出する。
また、この析出金属の効果によって、該処理後電気めっ
きまでの間に酸化膜の再生成が防止され、次工程のめっ
き密着性を向上する。
而して、Ni2+,Co2+,(Ni2++Co2+)の金属イオン濃度
が、処理浴中の全SO4 2-イオン濃度に対して、1/50未満
では金属イオン含有量が少な過ぎて酸化膜の除去と金属
イオンの同時析出が行なわれにくく、本発明の目的が得
られない。
また、金属イオン濃度が全SO4 2-イオン濃度に対して、1
/5を越える場合は、処理浴中の金属イオン含有量が多過
ぎるため、めっき原板の活性化されない表面に密着性の
劣るめっき層の析出或いは含有金属の水酸化物、酸化物
等を析出して密着性を劣化し本発明の目的が得られな
い。
従って、本発明では、金属イオン濃度と全SO4 2-イオン
濃度の比率が1/50〜1/5、好ましく1/25〜1/10の範囲で
使用する。
該処理浴による陰極電解処理は、電流密度が7.5A/dm2
上、処理時間が1〜15秒で行なう。
電流密度が鋼板1dm2当り7.5A/dm2未満の場合は、短時間
の処理で酸化膜除去と金属の同時析出を行なうことが困
難であり、本発明では7.5A/dm2以上、好ましくは10A/dm
2以上の陰極電流密度で処理される。
また、電流密度の上限は、特に規制されるものではない
が、電流密度が高過ぎると、Cr含有鋼板は比抵抗が高
く、通板時の鋼板抵抗も高くなり、コンダクターロール
と処理浴との間で板厚によっては鋼板が発熱し、鋼の酸
化が助長される。したがって本発明では35A/dm2以下の
電流密度がよい。
その場合の処理時間については、1秒未満では、本発明
の酸化膜除去による表面活性化と金属イオンの同時析出
を行なうのに充分でなく、また15秒を越える長時間の陰
極処理を行なう場合は、効果が飽和すると共に、部分的
に厚さの異なる金属めっき層が生成され、次いで行なわ
れる金属めっきの厚さも不均一となる。
従って、本発明の処理時間は1〜15秒間、好ましくは1.
5〜7.5秒間の範囲で処理される。
尚、処理浴温度については、特に規制されず、常温〜90
℃の範囲で処理される。
又、この処理に対する電極は、Pb−Sn電極、ステンレス
電極、チタンに白金めっきした電極等の不溶性電極或い
はニッケル、コバルト等の可溶性電極のいずれも使用し
うる。しかし、工業的に安定して処理作業を実施するた
めには、可溶性電極は電極からの電解金属イオンが蓄積
されるため、浴中の金属イオンの前記比率を維持するの
が困難である。従って、不溶性電極を使用して、処理に
よる金属イオンの減少割合に対応して、炭酸ニッケル等
の炭酸塩の形態で金属イオンを補給し、その含有比率を
維持するのが有利である。
遊離塩酸或いはCl-イオンは、処理装置の構成材料或い
は原板組成によってはめっき原板の穿孔腐食を発生する
原因となるので好ましくないが、本発明の処理浴中に不
可避的不純物として含有される程度の量では特に影響が
ない。
また、不純物元素として、処理浴中にFe2+イオンが含有
される場合、他のNi2+,Co2+イオンの析出を妨げるの
で、その含有量は5g/以下、好ましくは2.5g/以下で
ある。
次いで、前記の処理で余剰の処理浴を払拭した後或いは
水洗した後、Niめっき、Coめっき或いはNi−Co合金めっ
き処理を施す。
このめっき層が、密着性と均一被覆性にすぐれ、ピンホ
ールが少なく、耐食性にすぐれためっき被膜を得るた
め、本発明では次のような金属めっき浴を使用する。
すなわち、金属イオンNi2+,Co2+,(Ni2++Co2+)を、め
っき浴を構成し、かつ電解効率に関与する(SO4 2-+C
l-)イオンに対して、重量比率で50%以上を含有し、pH
3.0以下のめっき浴を用いる。Ni2+,Co2+,(Ni+Co2+
の金属イオン濃度がめっき浴を構成する全SO4 2-イオン
と全Cl-イオンの総量に対して、50%未満ではめっき金
属の電解析出効率と均一被覆性を劣化しピンホールが多
発生して、耐食性を劣化する。
従って、本発明では、金属イオンの含有比率は、50%以
上、好ましくは60%以上である。
また、この金属イオンの含有比率の上限は、特に規制す
るものではないが、その含有比率が80%を越える場合
は、処理浴の持ち出しで経済的に好ましくない。
次に、めっき浴のpHは3.0以下に規制されるが、めっき
浴のpHが3.0を越える場合、本発明の前処理後めっき工
程までの間のNi等の析出物表面の酸化或いはこれら析出
物のピンホール部でのめっき原板の再酸化による酸化膜
の除去が困難となり、めっき層の密着性を劣化し、また
めっき層の均一被覆性を劣化してピンホール発生の原因
となる。従って、本発明では、PH3.0以下、好ましくはp
H2.5以下のめっき浴を用いる。また、めっき浴処理でボ
ールアノニド電極或いは金属板等の可溶性電極を使用し
た場合、Ni,Co,Ni−Co合金・電極を通電溶解するため、
塩化ニッケル等の金属塩化物の形態でCl-イオンが含有
される。
本発明においては、Cl-イオンは15g/以下の濃度での
使用が好ましく、また遊離Cl-イオンは不可避的不純物
として含有される微量の場合を除いて、含有されないこ
とが望ましい。この全Cl-イオン濃度が15g/を越える
場合或いは遊離塩酸の様な遊離Cl-イオンが含有される
場合、電解処理工程或いは電解処理後水洗までの間にめ
っき浴に曝される事によって、Niめっき層の部分的な溶
解、めっき層にピンホール等の欠陥部が存在する場合に
この欠陥部のCl-イオン基因による拡大、或いは原板の
穿孔腐食の発生等、めっき層の均一被覆性、耐食性劣化
の原因となるので好ましくない。従って、本発明におい
ては、めっき浴中の全Cl-イオン濃度は15g/以下、好
ましくは12.5g/以下である。又、めっき浴には、電解
時の鋼板表面のpHを調整するためのホウ酸等の緩しょう
剤を添加してもよい。
以上の如く、本発明の方法によるCr含有鋼板の表面酸化
膜除去による活性化と金属析出同時処理、低pH浴を用い
た金属めっき処理により、Cr含有鋼板に対して、めっき
密着性、均一被覆性及び耐食性にすぐれたNiめっき、Co
めっき、Ni−Co合金めっき鋼板の製造が可能である。
尚、本発明のNi等のめっき鋼板のめっき層厚さは、特に
規制されず、その適用用途、要求される耐食寿命等によ
って設定される。例えば、容器用素材等を対象とした場
合は、0.05〜0.15μ、自動車用排気系素材等を対象とし
た場合は0.5〜4μ、また他の金属めっきの中間処理層
として使用される場合は0.01〜0.2μ厚さ等のめっき層
が設けられる。さらに、本発明の製品の更に一層の耐食
性向上或いは塗装性能向上のためのクロメート処理等が
施されてもよい。
(実 施 例) 実施例−A 冷間圧延、焼鈍、調質圧延後の第1表(その1)に示す
鋼成分の素材について、本発明の処理法により、各々所
定のめっき量を有するNi,Co及びNi−Co合金めっき鋼板
を製造した。
該評価材について、各々下記に示す評価法によるめっき
層の密着性試験と容器缶用途を想定した耐食性試験を実
施し、下記の評価基準により各々相対比較を行なった。
その結果を第1表(その2)に示す。
尚、評価試験方法及び評価基準を以下に示す。
評価試験方法及び評価基準 I めっき層の密着性試験 評価法 めっき後の評価材について、曲率半径が板厚と同一の衝
撃曲げ試験を行ない、その後セロファンテープを貼布、
剥離して、めっき層の剥離状況を調査した。尚、評価基
準は以下の方法によって行なった。
◎…めっき層の剥離なく、セロファンテープへの剥離物
の付着なし。
○…めっき層の表面から若干剥離し、セロファンテープ
に極く軽微な剥離物が付着。
△…めっき層の鋼板界面からの部分的剥離が発生、セロ
ファンテープへの剥離物の付着が明瞭に認められる。
×…めっき層全面剥離。
評価法 板厚0.19mmの評価材にクロメート処理(Cr付着量5mg/m2
片面当り)を施し、エポキシ−フェノール系塗料を4.5
μ厚さ塗装後に、以下の工程で絞り缶を成形加工した。
すなわち、ブランク径172.5mmφから、ワックスを潤滑
剤として使用し、各々しわ押え力2000kgで、3段階の絞
り加工を行なって、外径66.0mmφ、高さ100mmの絞り缶
を製作した。
該評価材について、脱脂後セロファンテープを貼布、剥
離して、めっき層の剥離状況を調査した。尚、このめっ
き密着性の調査は、缶壁部外面の一部を切り出し、発煙
硝酸で塗膜を剥離してから巾18mm×長さ50mmのセロファ
ンテープを貼布して評価し、また評価基準は以下の方法
によった。
◎…めっき層の剥離なく、セロファンテープへの剥離物
の付着なし。
○…めっき層の表面から若干剥離し、セロファンテープ
に剥離物が極く軽微に付着。
△…めっき層の鋼板界面から部分的剥離が発生し、セロ
ファンテープへの剥離物の付着が明瞭に認められる。
×…めっき層の全面剥離或いは成形絞りの途中の工程で
剥離が生じ成形不可。
II 耐食性の評価試験 Iの評価試験の方法で成形後の缶壁部から、50×50mm
の評価試験片を切り出し、耐食性能を評価した。
すなわち、めっき鋼板のピンホール、加工によるめっき
層の部分的剥離等に起因する耐食性に対する影響を、塗
膜を通って侵入してくる腐食水溶液に対するFe溶出量の
測定により行なった。
評価法 容器缶内の耐食性を対象とした評価促進試験として、N2
雰囲気下で(1.5%クエン酸+1.5%NaCl)溶液400cc中
に、50℃;4週間の浸漬試験を行ない、そのFe溶出量を測
定し、その耐食性の評価を行なった。尚、評価基準は以
下の方法によった。
◎…Fe溶出量が10ppm未満。
○…Fe溶出量が10ppm以上〜15ppm未満。
△…Fe溶出量が15ppm以上で穿孔腐食の傾向が認められ
る。
×…Fe溶出量が15ppm以上で穿孔腐食の発生が著しく認
められる。
評価法 腐食促進溶液として、0.1%リン酸溶液を用いて、上記
と同様の試験を行ない、そのFe溶出量を測定して、耐食
性能を以下の評価基準で評価した。
◎…Fe溶出量が3ppm未満 ○…Fe溶出量が3ppm以上〜7ppm未満 △…Fe溶出量が7ppm以上〜15ppm未満 ×…Fe溶出量が15ppm以上 実施例−B 冷間圧延、焼鈍、調質圧延後の第2表(その1)に示す
鋼成分の素材について、本発明の処理法により、各々所
定のめっき量を有するNi,Co,Ni−Co合金めっき鋼板を製
造した。
該評価材について、各々下記に示す評価法によるめっき
層の密着性試験と自動車マフラー或いは建材等の用途を
想定した腐食雰囲気を対象とした耐食性試験を実施し、
下記の評価基準により、各々相対比較を行なった。その
結果を第2表(その2)に示す。
尚、評価試験方法及び表記基準を以下に示す。
評価試験方法及び評価基準 I めっき層の密着性試験 ○評価法 0.6mm厚さのめっき後の評価材について、押し出し高さ5
mmのエリクセン加工を行ない、該部分にセロファンテー
プを貼布、剥離して、めっき層の剥離状況を調査した。
尚評価基準は以下の方法によって行なった。
◎…めっき層の剥離なく、セロファンテープへの剥離物
の付着なし。
○…めっき層の表面から若干剥離し、セロファンテープ
に極く軽微な剥離物が付着。
△…めっき層の鋼板界面からの部分的剥離が発生、セロ
ファンテープへの剥離物の付着が明瞭に認められる。
×…めっき層全面剥離。
○評価法 評価材(100×1000mm)を長手方向に第1図に示す断面
形状のピッツバーグタイプにロックフォーマー加工を行
ない、曲げ加工部のめっき層の剥離状況を調査した。
尚、評価基準は以下の方法によって行なった。
◎…めっき層に異常なく良好 ○…めっき層に亀裂発生 △…極く一部にめっき剥離発生 ×…めっき層の剥離状況極めて大 II 耐食性の評価試験 ○評価法 自動車・マフラー内部の腐食環境を想定して、腐食促進
溶液として、〈SO4 2-(1000ppm)−NO3 -(150ppm)−Cl
-(300ppm)−CO3 2-(4000ppm)−NH4 +(3000ppm)−HC
OOH(1000ppm)−CH3COOH(1000ppm)〉系水溶液をpH8
に調整したものを用い、以下の条件でサイクルテストを
行なった。すなわち、評価材(0.6×30×500mm)に曲率
半径が板厚の2倍の曲げ加工を施し、〈(350℃で60分
加熱)→腐食試験液・半没テスト(密閉容器を用い、評
価材の1/2部を腐食溶液中に浸漬、80℃−5時間)→乾
燥(100℃、24時間)→腐食試験液・半没テスト(上記
と同方法、80℃−24時間)→乾燥(100℃、24時間)→
腐食試験・半没テスト(上記と同方法、80℃−24時間)
→室内曝露(30℃−56時間)〉を1サイクルとして、5
サイクルテスト後の外観腐食状況を調査し、その性能を
評価した。尚、曲げ加工部が上記の浸漬テストにおい
て、丁度気−液界面部になる様に設置するとともに、評
価基準は以下の方法によって評価した。
◎…腐食溶液浸漬部の気−液界面部における赤錆の発生
が微少点錆5点以下 ○…腐食溶液浸漬部の気−液界面部を中心に微少赤錆6
点以上〜15点以下或いは赤錆発生率で0.1%以下 △…上記の気−液界面部或いは他の部分に可成りの赤錆
発生 ×…赤錆の発生状況は上記△の状況でかつ錆下に穿孔状
の腐食著しく発生 ○評価法 工業地帯で使用される建材を対象に、0.8mm板厚、75×1
50mmサイズの評価材に押し出し高さ8mmのエリクセン加
工を施し、(亜硫酸ガス濃度25ppm、温度40℃、湿度95
%)の雰囲気下で7日間曝露、その赤錆の発生状況を調
査し、その性能を評価した。尚、評価基準は以下の方法
によった。
◎…赤錆の発生率0.1%未満 ○…赤錆の発生率0.1%〜1.0%未満 △…赤錆の発生率1%〜10%未満 ×…赤錆の発生率10%以上 (発明の効果) 本発明方法により、鋼板表面からNi等のめっき層が剥離
し難く、Ni等の電解析出効果が高く、めっき層の均一被
覆性と耐食性の優れたNi,Co,Ni−Co合金メッキCr含有鋼
板が、容易に且つ有効に得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例におけるめっき鋼板のピッツバーグタイ
プロックフォーマー加工の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 敬士 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 西村 邦夫 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭61−204393(JP,A) 特開 昭63−186889(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2.5〜25%のCrを含有する鋼板を、金属イ
    オンのNi2+,Co2+の1種又は2種が、全SO4 2-イオン濃度
    に対する重量比率で、 遊離硫酸75〜350g/を含有する水溶液中で、7.5A/dm2
    以上の電流密度で1〜15秒間の陰極電解処理を施し、次
    いでNi2+,Co2+の1種又は2種の金属イオンが、SO4 2-
    オンとCl-イオンの総和に対する重量比率で50%以上を
    含有し、かつpH3.0以下のめっき浴で陰極電解処理する
    事を特徴とするめっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,C
    O及びNi−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法。
JP63292161A 1988-11-18 1988-11-18 めっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,Co,及びNi−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法 Expired - Lifetime JPH0765214B2 (ja)

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