JPS61266596A - 燃料容器用鋼板 - Google Patents

燃料容器用鋼板

Info

Publication number
JPS61266596A
JPS61266596A JP10729585A JP10729585A JPS61266596A JP S61266596 A JPS61266596 A JP S61266596A JP 10729585 A JP10729585 A JP 10729585A JP 10729585 A JP10729585 A JP 10729585A JP S61266596 A JPS61266596 A JP S61266596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
fuel container
fuel
thickness
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10729585A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukinobu Higuchi
樋口 征順
Kenichi Asakawa
麻川 健一
Toshinori Mizuguchi
俊則 水口
Minoru Fujinaga
藤永 実
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP10729585A priority Critical patent/JPS61266596A/ja
Publication of JPS61266596A publication Critical patent/JPS61266596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルコール燃料、アルコールを含有するガソ
リン、ガソリンの如き燃料収容容器材料として使用され
る燃料容器用表面処理鋼板に関するものである。
(従来の技術) 最近の石油事情の悪化(石油コストの上昇および生産量
の減少)に伴って、自動車用燃料としてガソリンに代っ
て、メチルアルコールやエチルアルコールの如きアルコ
ール燃料或いはガソリンに対シて、メチルアルコール、
エチルアルコール、メチルターシャリ−ブチルアルコー
ル(MTBA)等の如きアルコールを混入した燃料(所
謂ガソホール)が代替燃料として使用されつつある。
これらのアルコール燃料或いはアルコール添加ガソリン
(ガソホール)の自動車燃料容器材料には、特開昭50
−2334.5号公報、特開昭51−115240号公
報など多く発表されているようなPb−Sn合金被覆鋼
板が一般に使用されているが、その鋼板の耐食性を著し
く劣化せしめられる問題があった。
その原因は、Pb −Sn合金鋼板は、pbを主体とす
るpbとSnの共晶合金で、その被覆層が構成されてい
るために、例えば fal’Pb金属はメチルアルコールに著しく腐食され
るため、被覆層のpb金属層の部分が腐食され易い。
(bl  アルコール燃料又はアルコール添加ガソリン
が酸化されて生成されるアセトアルデヒド、さく酸(エ
チルアルコールの酸化生成物)或いはホルムアルデヒド
、ギ酸(メチルアルコールの酸化生成物)にpb金金属
著しく腐食され、被覆層中のpb金属層の部分が腐食さ
れる。
(C1アルコールに含有される水分或いはアルコールの
酸化生成物によって、被覆層で形成されたピンホール部
から腐食を増大する。等の原因にょつて、Pb−Sn合
金メッキ鋼板は、その耐食性が著しく劣化せしめられる
このため、このような燃料を収容する容器鋼板として、
被覆層のピンホールが少なく、またアルs −/L、 
ヤアルコールの酸化生成物(ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ギ酸、さく酸)に対し、耐食性のすぐれた
高耐食性の素材が要求されることになる。
これらの要求に対処する材料として、表面にNiメッキ
、Ni−Co合金メッキ、Ni−8n系合金メッキ、S
nメッキのように、Ni+ Co+ Snやこれらの合
金の被覆層を施した鋼板が開発され、比較的良好な耐食
性が得られている。
さらに燃料容器の加工形状或いは高速成形加工によって
、被覆層のピンホールの拡大、表面のプレス1カジリ“
現象による被覆層の疵付きにょる地鉄に達する欠陥又取
扱い時の地鉄に達する疵等により、これら欠陥部から発
生する赤錆現象がみられた。特に、ガソリン或いは外部
から混入するC1−イオン、水分カ多い場合や、アルコ
ールトカソリンの混合燃料から分離した水分によって腐
食が進行し、穿孔腐食もみられた。
一方、タンク外面の融雪板腐食問題も近年さらにシピア
ーになり、被覆層の欠陥部或いは道路散布塩の衝突(い
わゆるチッピング現象)による地鉄に達する疵の発生に
よって、Cl−イオンによる腐食、特に孔あきにつなが
る穿孔腐食も懸念された。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明はこれらの状況に対してなされたもので、鋼板の
アルコール燃料、アルコール含有燃料、ガソリン等に対
する耐食性問題や、タンク外面の融雪板腐食問題を解決
すると共に、成形加工性、溶接性等にすぐれた燃料容器
用鋼板を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明の要旨はC: 0.1%以下、Cr:
3〜20%、酸可溶Al: 0.005〜0.10%を
含有し、あるいは必要によってはTi・Nb・Zr+V
の1種または2種以上で0.03〜Q、50%を含有し
て、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼板の燃料
容器内面相当側に、厚さ0.5〜10μのSn+ Ni
+ Coの1種または2種以上からなる被覆層を施し、
他方の燃料容器外面相当側に、厚さ1〜10μのPb−
Sn合金被覆層あるいはまた厚さ0.01〜1μのSn
+ Ni+ Co+ Cuの1種または2種以上からな
る下地被覆層を施した後、前記の厚さ1〜10μのPb
 −Sn合金被覆層を施した燃料容器用鋼板である。
以下に本発明について詳細に説明する。
アルコール、アルコールを含有する燃料、ガソリン、ア
ルコールの酸化物(アルデヒド類、ギ酸、さく酸等の有
機酸)、これらに含まれる水分等に対して、Cr3%以
上含有する鋼板、特にCrが5%以上含有される鋼板は
、すぐれた耐食性を示す。
しかしながら、Cr含有量が20%をこえると、加工性
と溶接性が劣化し、燃料容器製造時の成形加工、或いは
溶接性を困難にする。従って、燃料容器内面を対象とし
た腐食雰囲気に対する耐食性と加工性、溶接性の観点か
ら、Cr含有量を3〜20%で、好ましくは5〜11%
の範囲とする。
加工性の点から、Cr 11%以下のγ相とα相の変態
領域組成においては、鋼板製造時において、これらの変
態により結晶粒の粗大化が生じに<<。
苛酷な成形加工を受けた場合に、リジングと呼ばれるハ
ダ荒れ現象が生じに<<、加工性の点から、Cr含有量
の上限は、11%以下が特に好ましい。
鋼板の耐食性からは、上記の如(Crの効果が最も大き
いが、本発明では自動車その他貯蔵用の燃料タンク素材
を対象とする観点から、C2酸可溶Alその他の鋼成分
についても、その含有量を限定する必要がある。
Cは含有量の増加でクロムカーバイドを析出して、鋼の
機械的性質と耐食性を劣化する。従って、C含有量は0
.10%以下、好ましくは0.02%以下である。
AAは、鋼中に残存する酸可溶Al(sol Al )
量が0.005%未満の歩合有量では、酸化性ガスによ
る気泡の発生を防止する事が困難であり、鋼の表面欠陥
発生率を著しく高め、鋼素材の耐食性劣化の起点となる
。また、0.10%を超える過剰な酸可溶A7は、Al
系酸化物を鋼表面に点在せしめて、耐食性劣化の起点或
いはメッキ面においては不メッキ、ピンホール等を発生
して、メッキ層の健全性を損じる。
又、本発明においては、必要に応じて上記の鋼成分の他
に、 0.03〜0.50 % (7) Ti、 Nb
、 Zr、 Vを1種又は2種以上含有させて、鋼中の
Cと結合せしめて、含有されるCrの有効化を計り、更
にすぐれた成形加工性と、耐食性を向上せしめるもので
ある。
Tiなどの鋼成分の含有量が総和で0.03%未満では
、クロムカーバイドの析出を防止して、成形加工性及び
耐食性を向上せしめる効果が少なく、またその含有量が
0.50%を超えると、その効果が飽和に達し経済的で
なくなると共に、これら成分の析出によって素材の硬質
化を起し、成形加工性を劣化する傾向にある。特に、好
ましいのは、これら元素の含有量が0.075〜0.2
0%の範囲である。
本発明は、上記のような成分組成の鋼板を、そのままア
ルコール燃料、アルコール含有燃料などの燃料容器材料
として使用したのでは、必ずしも良好な結果が得られな
い。
この原因は、大気中のCA−イオン或いは水分が、燃料
や容器内面に蓄積されたり、或いは容器製造時に使用さ
れたフラツクス、例えば塩化亜鉛、水分等が容器内部に
混入され、アルコール燃料とC6″′イオンを含有する
水分が二相に分離され、その時のC!−イオンを含有す
る水分相によって、赤錆の発生、穿孔腐食の発生が生じ
るのである。
一方、燃料容器外面は、冬期における道路凍結防止用の
散布塩によるC1−イオン、或いはCA−イオンの存在
する海風雰囲気等において、赤錆の発生、赤錆発生部か
らの穿孔腐食を起し、耐食寿命を著しく劣化する問題が
ある。従って、本発明は上記の様な鋼板を、そのまま燃
料容器に使用したのでは、耐食性力【不充分である。
本発明においては、前記のCr含有鋼板の燃料容器内面
側は、厚さ0.5〜10μのSn+ Ni+ C。
被覆層及びこれら2種以上の合金被覆層を施す。
一方、燃料容器外面側は、(1)厚さ1〜10μのPb
−Sn合金被覆層(2)厚さ0.01〜1μのS n 
+ Nl rCoの1種或いは2種以上からなる被覆層
と、厚さ1−10μのPb−Sn合金被覆層を各々施す
すなわち、燃料容器内面に相当する側のCr含有鋼板の
片面に対しては、アルコール、アルコール含有燃料、ア
ルコールの酸化生成物、水分、ガソリン、C7−イオン
等に対して、耐食性の良好なSn・Ni・Coの金属又
は合金の被覆層を施す事によって、耐食性を確保すると
ともに、これら被覆層の欠陥部(ピンホール)、成形加
工時の地鉄に対する庇部等の鋼素地の耐食性を確保する
事にある。
さらに加うるに、 Cr含有鋼成分と、被覆層を用いる
事によって、鋼素地と被覆層のカップル腐食電流を減少
する効果によって、例えばピンホールや成形加工時に生
じる疵等の被覆層欠陥が存在しても、被覆層が鋼素地に
比して、電位的に卑な場合には、被覆層の犠牲防食によ
る腐食量が小さく、また被覆層が鋼素地に比して電位的
に責な場合でも、鋼素地の腐食量が小すく、穿孔腐食の
危険性が極めて少ない。
その結果1本発明の被覆層の被膜量(メッキ量)を少な
くする事ができるので、被覆メッキ層の密着性、燃料容
器に特に要求される成形加工性の点で、極めてすぐれた
効果が得られる。
而して、本発明において、 Sn+ l’Jt+ Co
の被覆処理方法、被覆処理条件等は特に規定されるもの
でないが、脱脂、酸洗等のCr含有鋼板に対する表面清
浄化、活性化処理を行なった後に、以下のような条件で
被覆処理が行なわれる。
(1)Niメンキ メッキ浴組成:硫酸ニッケル 250 g/l塩化ニッ
ケル  70.!9/13 ホウ酸    30 g//) 電流密度       5〜150 A/ dm”(2
)Snメッキ メツキ浴組成:フェノールスルフォン酸 209/!l
硫酸第1錫     609/11 ENSA(添加剤)   109/1 電流密度          5〜50A/dm2(3
) Ni −Sn合金メッキ 塩化ニッケル   250 、ii’ /73塩化第1
錫     509/1 酸性弗化アンモニウム  501/1 電流密度          5〜50 A/di2(
4) Ni −Co合金メッキ 硫酸ニッケル   125 &/1 硫酸コバルト   125 j;l/1塩化ニツケル 
   309/1 塩化コバルト    301/ll ホウ酸      25 g/l 電流密度          5〜150 A/dnt
2それぞれの被覆メッキ層の厚さは、0.5〜loμで
施され、特に好ましくは1〜7μである。これは、0.
5μ厚さ未満では被覆層の均一被覆性が極めて不充分で
あり、ピンホールの生成量が多く、耐食性向上効果が得
られない場合がある。さらに、被覆層の厚さが10μを
超えると、耐食性向上効果が飽和するとともに、被覆層
の密着性、成形加工性が劣化する傾向にあり、好ましい
ものでない。
また、被覆層の合金組成については、Ni+Sn+Co
を組み合わせた場合の合金組成は、各金属ともほぼ同様
のすぐれた耐食性能を示し、全組成範囲の合金組成が使
用される。
次に、燃料容器外面に対しては、アルコール、アルコー
ル含有燃料に対しては耐食性は劣るが、C1−イオン、
水分等に対する耐食性が極めてすぐれ、また燃料容器に
要求されるその他の重要特性である半田性、成形加工性
等をCr含有鋼板に対して付与しうるPb−Sn合金被
覆を施す。
従って道路凍結防止用の散布塩や海風雰囲気の如き、C
Z−イオンや水分の多い腐食雰囲気に曝された場合の燃
料容器外面の耐食性を向上せしめるのに優れた効果を付
与しうる。特に、本発明に使用されるCr含有鋼板との
複合効果により、鋼板とPb−Sn合金被覆層間のカッ
プル腐食電流が、Crを含有しない鋼板を被メツキ原板
として使用した場合に比して、極めて小さくなるか或い
はCr含有量によっては、Pb−Sn合金被覆層がアノ
−ディックになるため、これら合金被覆層のピンホール
部或いは成形加工時の疵付き部分等からの被メツキ原板
の腐食が、著しく軽減されるため、極めてすぐれた耐食
寿命延長の効果が得られる。
さらにまた、上記の如き燃料容器外面に相当する片面に
、Pb−Sn合金被覆層を施す効果として、該被覆層は
軟質で、潤滑性に富む金属で構成されるため、燃料容器
用鋼板の如き苛酷な成形加工を要求される場合、被覆層
の潤滑効果が付与されるため、極めて有利である。
また、Pb −Sn合金被覆層は、半田合金であるため
、燃料容器の如く、燃料送入管の如き配管類の接合が、
半田接合される部分が多いので、本発明の鋼板は半田性
が極めて優れるため、燃料容器用鋼板としては特に有利
である。
而して、このPb −Sn合金被覆層の組成とじては、
特に規定されるものではないが、半田性の点からSn含
有量が3%以上、好ましくは5%以上のPb−Sn合金
組成のものが用いられ、Sn含有量の上限は規定されな
いが、経済的な面から50%未満、好ましくは30%以
下の組成の合金が使用される。この被覆層の厚さは、本
発明の目的を達成するために重要であり、その厚さは1
〜10μの範囲に規定される。
即ち、その厚さが1μ未満では、Cr含有鋼板表面に対
する均一被覆性が充分でなく、ピンホールの生成量が多
く、その耐食性が充分でなく、また被覆層が薄すぎるた
め、本発明の目的とする被覆層による潤滑効果、半田性
向上効果が得られない。また、その厚さがlOμをこえ
る場合、効果が飽和し、経済的でなくなるとともに、被
覆層による平滑性が増大するため、成形加工時の接触抵
抗が増加し、成形加工性が劣化する事及び燃料容器作成
の溶接時に、被覆層金属による電極の汚染が増加するな
ど、溶接性が劣化するので好ましくない。従って、Pb
 −Sn合金被覆層の厚さは、1〜10μ、好ましくは
3〜7μ厚さの被覆層が施される。
而して、Cr含有鋼板の片面のみに、このPb−Sn合
金被覆層を設ける方法としては、電気メツキ方法、溶融
メッキ方法、気相蒸着メッキ方法のいずれの方法でもよ
い。
Cr含有鋼板の表面を、脱脂、酸洗等の表面清浄化、活
性化処理後に、Pb −Sn合金被覆処理が施される。
例えば、電気メツキ法の場合には、所定の合金組成に対
応するpbイオンと、Snイオンを含有するホラフッ化
物浴を用いて、鋼板の片面のみに、所定厚さを得るため
の電気量を通電電解処理する事によって得られる。
また、溶融メッキの場合には、Cr含有鋼板の非メッキ
面に、溶融Pb−Sn合金メッキ浴との反応を阻止する
マスキング剤、例えばCr2O3系化合物やケイ酸化合
物を塗布して、メッキ浴中に浸漬処理する事によって、
片側メッキ面のみに、所定含有量のSnを含む溶融Pb
 −Sn合金メッキ被覆層を得ることができる。
気相蒸着メッキ法についても、片側メッキ面のみに、真
空中で溶融Pb −Sn合金メッキ浴を加熱蒸発し、鋼
板の片面のみに、Pb −Sn合金蒸着層を設ける事に
よって達成する事ができる。本発明においては、いずれ
の方法においてPb −Sn合金被覆層を、Cr含有鋼
板の片面のみに設けてもよいが、前記の1〜10μ厚さ
の被覆層を、性能面から設ける事が必要である。
而して、このPb −Sn合金被覆層は、水分、C1−
イオン、5O4−2イオン等に対しては、すぐれた耐食
性を示すが、アルコール、アルコールの酸化物等に対し
て、極めて耐食性が劣り、その溶解が著しい。その結果
、アルコール燃料に接する面に、Pb−Sn合金被覆層
が存在すると、アルコール燃料による腐食生成物が、タ
ンク配管の目詰りを起こす問題がある。従って、このP
b −Sn合金被覆層は、燃料容器外面に相当する片面
のみに限定されなければならない。
さらに、また本発明においては、燃料容器外面に相当す
る片面のPb−Sn合金被覆層と、Cr含有銅板の中間
層として、各々厚さ0.O1〜1μのSn+ Ni+ 
Co+ Cuの1種又は2種以上からなる下地被覆層が
施される。Cr含有鋼板とPb −Sn合金被覆層の中
間被覆層に、これらの被覆層を設ける事によって、以下
の様な利点が得られる。
すなわち、Cr含有鋼板表面に、直接Pb −Sn合金
被覆層を設けるのに較べ、Pb −Sn合金被覆層と、
これら下地被覆層との重畳効果によるピンホールの減少
による耐食性向上効果が得られる。
さらに、またこれらの下地被覆層を構成する金属又は合
金は、いずれもPb −Sn合金被覆層中のSn金属と
の反応性が優れている。そのため、均一緻密な合金層の
生成を助長し、Pb−Sn合金被覆層のピンホールを減
少せしめる効果が得られる。さらに、また溶接或いは半
田作業等の熱影響を受ける場合、被覆層とこれら下地金
属とのSnを含有する合金化反応が容易におこり、これ
ら熱影響部の耐食性劣化が防止できるとともに、半田接
合性が強化される等の利点が得られる。
而して、この下地被覆層の厚さは0.01〜1μを必要
とする。被覆層の厚さが0.01μ未満では。
Cr含有鋼板表面に対する下地被覆層の均一被覆性が不
充分であり、ピンホールの生成量が多く、本発明の目的
とする効果が得られない。一方、厚さが1μをこえると
、性能向上効果が飽和し、経済的でなくなり、加工時に
下地被覆層の影響により、Pb −Sn合金被覆層の被
膜剥離或いは下地被覆層が起点となったクラックが、表
面のPb −Sn合金被覆層表面に達し易くなるなどの
欠点を生じる。従って、これらの下地被覆層の厚さは0
.01〜1μ、好ましくは0.05〜0.3μである。
而して、これらの下地被覆層を設ける方法については、
特に規定するものではないが、Cr含有鋼板を脱脂、酸
洗後に、電気メツキ法により通常の方法で施せばよい。
尚、Pb −Sn合金被覆層中に、被覆層形成に使用さ
れる地鉄等から、Zn+ sb等が含有される場合にお
いては、本発明の製品の性能に対して、何ら悪影響を及
ぼさないので、5%以下含有されても、何ら悪影響を及
ぼすものでない。
さらに、また本発明に使用されるCr含有鋼板に、耐食
性向上元素のN ir Ma r Co等が10%以下
程度含有される場合においても、本発明を何ら妨げるも
のではない。
次に、この燃料容器外面を対象としたPb−Sn合金被
覆層表面に対して、その被覆層の欠陥部を、さらに化学
的に処理する事によって、耐食性能を向上する事或いは
塗装して使用する場合を対象とした塗装性能の向上等を
目的として、リン酸イオンを含有する水溶液或いはCr
” + Cr+3イオンを含有する水溶液を用いた化学
処理を施してもよ−1゜ 例えば、0.1〜5%のリン酸水溶液を用いて、常温〜
80℃の温度で、1〜10秒間の浸漬或いはスプレィ処
理を行なって、その耐食性或いは塗料密着性を向上する
化学処理を施してもよい。
以上本発明をアルコールもしくはアルコールを含有する
燃料タンクについて主として説明したが、通常のガソリ
ンを対象とした燃料タンクに適用又は共用しても、その
耐食性は良好であり、何ら差支えない。
以下に本発明の実施例について述べる。
第1表に、Cr含有量を中心に変化させた鋼成分の鋼板
°を用い、脱脂、酸洗等の前処理、活性化処理を施した
後、Cr含有鋼板の各面に対して、本発明の被覆処理を
所定量節した本発明の製品について、各々燃料容器外面
及び内面を対象とした性能評価を行なった結果を示した
また、本発明の製品について、第1表に示し、燃料容器
形成を想定した成形加工性、半田接合性、溶接性につい
ての性能評価を行なった結果を第2表に併せ示した。尚
被覆層に対しては、Pb−Sn合金層表面を主体に0.
5%リン酸水溶液を用い、70℃で7.5秒間の浸漬処
理、リンガロール絞り処理、乾燥による化学処理を施し
た。
評価試験については以下の方法で実施した。
1.燃料容器外面を対象とした耐食性評価囚 塩水噴霧
試験による耐食性 塩水噴霧試験500時間後の燃料容器外面(被覆層面)
を対象とした耐食性を評価し、評価基準は以下の基準に
よった ◎・・・100X300ioaの試験片サイズ中の赤錆
発生個数5個以下 ○・・・10100X300の試験片サイズ中の赤錆発
生個数6〜12岡 Δ・・・1100X30011Iの試験片サイズ中の赤
錆発生個数13〜20個 ×・・・100X3001uiの試験片サイズ中の赤錆
発生個数21個以上 (B)  C,C,T試験による耐食性サイクルコロ−
ジョン試験(C,C,T試験)■塩水噴霧(5%NaC
jl 35 CX 4時間)→■乾燥(70C湿度60
% 2時間)→■湿潤(49C湿度98チ 2時間)→
■冷却(−20CX2時間)→■塩水噴霧 ■〜■が1サイクルのC,C,T試験60サイクルを行
ない、Q、81JIKの板厚の試験片を用いて、赤錆発
生・腐食部の板厚減少量の測定により、耐食性評価を行
なった。
◎・−・板厚減少量0.25謁未満 ○・・・板厚減少量0.25以上〜0.451ff1未
満Δ・・・板厚減少量0.45以上〜0.751111
未満×・・・板厚減少量0゜75鶴以上 (C)  0.8 X 100 X 150 fill
の試験片を用い、直径1〜2IIImのアランダムを圧
力1 kf / cm2で10秒間、試験片の被覆層面
に1 cm2当り1.51を衝突、チッピングさせてか
ら、上記C,C,T試験を45ザイクル実施し、赤錆発
生部の板厚減少量を測定して、上記(B)の評価基準に
より評価を行なつ之。
2、燃料容器内面対象試験 プランタサイズ0.8X15Qmzφの試験片より、ポ
ン↓直径75vrxφ、しわ押え力1tで75ffll
lφX高さ40111鳳の円筒容器を作成、100 C
Cの以下のアルコール燃料を対像とした腐食促進溶液を
充填、密封して評価試験を行なった。
Q))  ガソホール対象試験 (20%エタノール+0.03チさく酸十0.15%の
1チNaC6水十残ガソリン)溶液を用いて、3ケ月間
評価試験実施 (E>  ガソホール対象試験 (70%メタノール+10%イングロビルアルコール+
0.03チギ酸+0.3%の1.2%NaC1水+残ガ
ソリン)溶液を用いて、3ケ月間評価試験 (F)100チアルコール対象試験 (99%メタ/ −/し+0.01 %ギ酸+o、99
チの0.5 % NaCl1水溶液)からなる溶液を用
いて、3ケ月間評価試験 を各々実施し、以下の評価基準によりその評価を行なっ
た。
◎・・・円筒容器内(溶液浸漬部、蒸気接触部共)の赤
錆発生数0〜3個 ○・・・円筒容器内(溶液浸漬部、蒸気接触部共)の赤
錆発生数3〜lO個 △・・・円筒容器内(溶液浸漬部、蒸気接触部共)赤錆
発生数10〜20個 ×・・・円筒容器内(溶液浸漬部、蒸気接触部共)赤錆
発生数21個以上〜多数発生 3、燃料容器対象・シーム溶接部対象試験燃料容器内面
に相当する内面対象被覆層同志志を重ね合わせて、0.
81118の試験材を用い、4IIl巾の台形電極で、
加圧力400 kP・「、溶接速度2.5 m / w
ua、溶接時間2−200秒で、シーム溶接Wを行ない
、第1図の様な試験片を作成し、下記に示す溶液を充填
して、上部にプラスチック製の蓋をして、3ケ月後の外
装々察により評価を行なった。
○ガソホール対象試験液 (80%メタノール+5%イングロビルアルコール+0
.01%ギ酸+0.1%のNaCj?水0.3%十残ガ
ソリン)溶液を用いて、3ケ月間評価試験 O評価基準 ◎・・・下面及び側面の赤錆発生率 5チ未満○・・・
下面及び側面の赤錆発生率 5〜10%未満△・未満下
面及び側面の赤錆発生率 10〜20チ未満 ×・・・下面及び側面の赤錆発生率 20%以上4、半
田性 燃料容器の配管に使用されるSn  Zn合金(Sn中
80〜90%)メッキ鋼板と、本評価材の外面の半田接
合性を評価するため、 ZnCl2−HC6系フラック
ス及び60 % Sn  40 % Pb半田を用いて
、Sn  Zn合金メッキ面と、被覆層面間の半田昇り
性と、半田接合部の強度を測定して、総合的に評価材、
比較材の相対評価を行なった。
◎・・・極めて良好 ○・・−比較的良好 Δ・・・や−や劣る ×・・・非常に劣る 5、溶接性 板厚0.8」の試料を用いて、燃料容器内面を対象とし
た被覆層同志を重ね合わせて、4厘寡巾の台形電極で、
加圧力400kg−r、溶接速度2、5 m / rr
m 、溶接時間2−200秒で、溶接電流範囲、ナゲツ
トの生成状況、溶接部外観を総合的に評価し、各評価材
の溶接性を相対的に評価した。
◎・・・非常に良好 ○・・・比較的良好 △・・・可成り劣る X・・・非常に劣る 5、成形加工性 ブランクサイズ0.8X500X500謁、潤滑油塗布
後、シワ押え圧力30tの条件で150X 150 r
ttrn角のポンチで角筒絞りを行ない、絞り深さの限
界と角筒絞付外面のカジリの発生状況より評価した。
◎・・−被覆層のカジリによる損傷なく、成形加工性極
めて良好 ○・・・被覆層のカジリによる損傷なく、また成形加工
性可成り良好 Δ・・・加工層によっては被覆層のカジリによる損傷若
干発生、或いは外観上ハダ荒れが成形加工面に発生 ×・・・成形加工性極めて劣る (発明の効果) 以上の通り本発明の製品は比較材に較べ、アルコールも
しくはアルコールを含有する燃料容器用鋼板として、極
めてすぐれた特性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はシーム溶接対象試験片の模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.1%以下、Cr:3〜20%、酸可溶Al
    :0.005〜0.10%を含有して、残部が鉄および
    不可避的不純物から鋼板の燃料容器内面相当側に、厚さ
    0.5〜10μのSn、Ni、Coの1種または2種以
    上からなる被覆層を施し、他方の燃料容器外面相当側に
    、厚さ1〜10μのPb−Sn合金被覆層を施したこと
    を特徴とする燃料容器用鋼板。 2、C:0.1%以下、Cr:3〜20%、酸可溶Al
    :0.005〜0.10%の他に、Ti、Nb、Zr、
    Vの1種または2種以上で0.03〜0.50%を含有
    して、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼板の燃
    料容器内面相当側に、厚さ0.5〜10μのSn、Ni
    、Coの1種または2種以上からなる被覆層を施し、他
    方の燃料容器外面相当側に、厚さ1〜10μのPb−S
    n合金被覆層を施したことを特徴とする燃料容器用鋼板
    。 3、C:0.1%以下、Cr:3〜20%、酸可溶Al
    :0.005〜0.10%を含有して、残部が鉄および
    不可避的不純物からなる鋼板の燃料容器内面相当側に、
    厚さ0.5〜10μのSn、Ni、Coの1種または2
    種以上からなる被覆層を施し、他方の燃料容器外面相当
    側に、厚さ0.01〜1μのSn、Ni、Co、Cuの
    1種または2種以上からなる下地被覆層と、その上に厚
    さ1〜10μのPb−Sn合金被覆層を施したことを特
    徴とする燃料容器用鋼板。 4、C:0.1%以下、Cr:3〜20%、酸可溶Al
    :0.005〜0.10%の他にTi、Nb、Zr、V
    の1種または2種以上で0.03〜0.50%を含有し
    て、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼板の燃料
    容器内面相当側に、厚さ0.5〜10μのSn、Ni、
    Coの1種または2種以上からなる被覆層を施し、他方
    の燃料容器外面相当側に、厚さ0.01〜1μのSn、
    Ni、Co、Cuの1種または2種以上からなる下地被
    覆層と、その上に厚さ1〜10μのPb−Sn合金被覆
    層を施したことを特徴とする燃料容器用鋼板。
JP10729585A 1985-05-20 1985-05-20 燃料容器用鋼板 Pending JPS61266596A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10729585A JPS61266596A (ja) 1985-05-20 1985-05-20 燃料容器用鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10729585A JPS61266596A (ja) 1985-05-20 1985-05-20 燃料容器用鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS61266596A true JPS61266596A (ja) 1986-11-26

Family

ID=14455479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10729585A Pending JPS61266596A (ja) 1985-05-20 1985-05-20 燃料容器用鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61266596A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0466694A (ja) * 1990-07-05 1992-03-03 Nippon Steel Corp 被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法
GB2323388A (en) * 1997-03-21 1998-09-23 Tokuyama Corp Container for holding isopropyl alcohol

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0466694A (ja) * 1990-07-05 1992-03-03 Nippon Steel Corp 被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法
GB2323388A (en) * 1997-03-21 1998-09-23 Tokuyama Corp Container for holding isopropyl alcohol
US6200692B1 (en) 1997-03-21 2001-03-13 Tokuyama Corporation Container for holding high purity isopropyl alcohol
GB2323388B (en) * 1997-03-21 2001-07-11 Tokuyama Corp Container for holding high purity isopropyl alcohol

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000104180A (ja) 耐食性、加工性および溶接性に優れた燃料容器用表面処理鋼板
JP3543090B2 (ja) 自動車燃料タンク用樹脂被覆鋼板及びその製造方法
JP3485457B2 (ja) 耐食性、溶接性に優れた燃料タンク用防錆鋼板
JPS6160896A (ja) アルコ−ルもしくはアルコ−ル含有燃料容器用鋼板
JP3133231B2 (ja) 加工性・耐食性・溶接性に優れた燃料タンク用防錆鋼板
JPS61266596A (ja) 燃料容器用鋼板
JPS61246058A (ja) 燃料容器用高耐食性塗装鋼板
JPH0136558B2 (ja)
JP3859941B2 (ja) 耐食性に優れた自動車用燃料タンク
JPS6168238A (ja) 溶接可能な高耐食性燃料容器用被覆鋼板
JP3283826B2 (ja) 耐食性に優れた自動車用燃料容器
JPS6366916B2 (ja)
JPS61270389A (ja) 燃料容器用鋼板
JPH0525950B2 (ja)
JPS61270392A (ja) 燃料容器用鋼板
JPS61270390A (ja) 燃料容器用鋼板
JPS61270388A (ja) 燃料容器用鋼板
JPH0689475B2 (ja) 燃料容器用鋼板
JPH0768634B2 (ja) 耐食性,塗装性能及び加工性に優れた亜鉛系メツキ鋼板
JPS61246346A (ja) 燃料容器用表面処理鋼板
JPS6187881A (ja) アルコ−ルもしくはアルコ−ル含有燃料容器用鋼板
JPS6133079B2 (ja)
JPS642195B2 (ja)
JPS6233795A (ja) 燃料容器用Ni−Fe合金めつき鋼板
JPS61243192A (ja) 燃料容器用表面処理鋼板