JP2702217B2 - 耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
- Publication number
- JP2702217B2 JP2702217B2 JP1062223A JP6222389A JP2702217B2 JP 2702217 B2 JP2702217 B2 JP 2702217B2 JP 1062223 A JP1062223 A JP 1062223A JP 6222389 A JP6222389 A JP 6222389A JP 2702217 B2 JP2702217 B2 JP 2702217B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はプレス加工時の耐パウダリング性劣化を防止
した、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するも
のである。
した、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するも
のである。
<従来の技術> 合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、その優れた耐食性か
ら、自動車外板をはじめとしてその用途が広く拡大しつ
つある。しかし、このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板
上に電着塗装を施すと、クレータ等の欠陥が発生するた
め、合金化溶融亜鉛めっき層の上に更に、例えば特公昭
58−15554号公報,特開昭61−253397号公報に開示され
ているようにFe系めっきを施して使用されている。
ら、自動車外板をはじめとしてその用途が広く拡大しつ
つある。しかし、このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板
上に電着塗装を施すと、クレータ等の欠陥が発生するた
め、合金化溶融亜鉛めっき層の上に更に、例えば特公昭
58−15554号公報,特開昭61−253397号公報に開示され
ているようにFe系めっきを施して使用されている。
ところで、このFe系電気めっきによって、電着塗装時
のクレータの発生が防止でき、さらにスポット溶接性も
改善できるが、この鋼板をプレス加工したときにパウダ
リングが発生しやすくなり、剥離したZn粉がプレス成形
品について押し傷になったり、星目(ピンプル)を発生
するなどの問題があった。
のクレータの発生が防止でき、さらにスポット溶接性も
改善できるが、この鋼板をプレス加工したときにパウダ
リングが発生しやすくなり、剥離したZn粉がプレス成形
品について押し傷になったり、星目(ピンプル)を発生
するなどの問題があった。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、元来電着塗装時のクレータ発生が防
止され、かつスポット溶接性が改善された、上層にFe系
めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐パウダ
リング性をさらに改善する製造方法を提供することであ
る。
止され、かつスポット溶接性が改善された、上層にFe系
めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐パウダ
リング性をさらに改善する製造方法を提供することであ
る。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の上層
に連続Fe系電気めっきを施すに際し、通電めっき時のFe
系めっき浴によるZnのエッチング層を5g/m2以下に抑制
することを特徴とする耐パウダリング性を有する合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
に連続Fe系電気めっきを施すに際し、通電めっき時のFe
系めっき浴によるZnのエッチング層を5g/m2以下に抑制
することを特徴とする耐パウダリング性を有する合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
<作用> 従来、一般的に使用されているFe系電気めっき液とし
ては硫酸第一鉄を主体とした硫酸浴や塩化第一鉄を主体
とした塩化浴などがある。いずれもpHは3.0以下で温度
は60℃近くで電気めっきされる。
ては硫酸第一鉄を主体とした硫酸浴や塩化第一鉄を主体
とした塩化浴などがある。いずれもpHは3.0以下で温度
は60℃近くで電気めっきされる。
本発明者らは種々検討したところ、このような状態で
合金化溶融亜鉛めっき鋼板がめっき液に接触すると表面
のZnが溶解し、第3図a,bおよび第4図a,bに示すような
クラックが発生し、プレス加工や曲げ加工したときに合
金めっき層が粉化(パウダリング)しやすくなることを
発見した。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板がめっき液に接触すると表面
のZnが溶解し、第3図a,bおよび第4図a,bに示すような
クラックが発生し、プレス加工や曲げ加工したときに合
金めっき層が粉化(パウダリング)しやすくなることを
発見した。
本発明者らは、更にエッチングによるZn溶解量と曲げ
加工によるZnの剥離量との関係を調べたところ、第1図
に示す関係を得た。なおここでZnの剥離量はOTベンド
(180°曲げ)試験前後の重量差である。この図より明
らかなようにエッチング減量(エッチングによるZnの溶
解量)が多くなると曲げ加工におけるZnの剥離量も多く
なる。
加工によるZnの剥離量との関係を調べたところ、第1図
に示す関係を得た。なおここでZnの剥離量はOTベンド
(180°曲げ)試験前後の重量差である。この図より明
らかなようにエッチング減量(エッチングによるZnの溶
解量)が多くなると曲げ加工におけるZnの剥離量も多く
なる。
ここで一般的な曲げ加工やプレス加工において問題と
ならないパウダリングや星目の発生範囲は曲げ加工での
Znの剥離量が10g/m2以下である。例えばこのZn剥離量が
10g/m2を超えると、実際の自動車のフェンダーやドアな
どにプレス加工した場合、星目や押し傷などの欠陥とな
る場合が多くなる。
ならないパウダリングや星目の発生範囲は曲げ加工での
Znの剥離量が10g/m2以下である。例えばこのZn剥離量が
10g/m2を超えると、実際の自動車のフェンダーやドアな
どにプレス加工した場合、星目や押し傷などの欠陥とな
る場合が多くなる。
従って曲げ加工におけるZnの剥離量を10g/m2以下に抑
えるために、本発明では、エッチングによるZnの溶解量
を5g/m2以下に限定した。
えるために、本発明では、エッチングによるZnの溶解量
を5g/m2以下に限定した。
合金化溶融亜鉛めっき上にFe系めっきを施す際のFe系
めっき液によるエッチング減量を低下させる好適な方法
としては、無通電接液時間を極力短くすることが重要で
ある。これは通電部では当然のことながら、電気的にFe
の析出反応を起こすためZnの溶解反応は起こらないが、
無通電接液部ではめっき液のpHが低いためにZnの化学的
溶解反応が起きてエッチングされるためである。
めっき液によるエッチング減量を低下させる好適な方法
としては、無通電接液時間を極力短くすることが重要で
ある。これは通電部では当然のことながら、電気的にFe
の析出反応を起こすためZnの溶解反応は起こらないが、
無通電接液部ではめっき液のpHが低いためにZnの化学的
溶解反応が起きてエッチングされるためである。
一般的にFeのめっき付着量を5g/m2としてFeの析出効
率を約80%とすると電気量は20000クーロン/m2(200ク
ーロン/dm2)必要となる。この場合、めっきの電流密
度を50A/dm2とすると4秒のめっき時間が必要である。
めっきセルの構造によって異なるが2個以上のめっきセ
ルを連続使用したりすると通電部以上にめっき液との無
通電接触部が多くなることが多いので、例えば第2図に
示すように補助電極等を設置して微弱電流を流してZnの
溶解反応を防止することが有効である。またpHを高くし
たり、浴温を下げたり、ラインスピードを速くしたり、
あるいはめっき液中にエッチング抑制剤(インヒビタ
ー)を添加して極力エッチング減量を少なくすることが
有利である。
率を約80%とすると電気量は20000クーロン/m2(200ク
ーロン/dm2)必要となる。この場合、めっきの電流密
度を50A/dm2とすると4秒のめっき時間が必要である。
めっきセルの構造によって異なるが2個以上のめっきセ
ルを連続使用したりすると通電部以上にめっき液との無
通電接触部が多くなることが多いので、例えば第2図に
示すように補助電極等を設置して微弱電流を流してZnの
溶解反応を防止することが有効である。またpHを高くし
たり、浴温を下げたり、ラインスピードを速くしたり、
あるいはめっき液中にエッチング抑制剤(インヒビタ
ー)を添加して極力エッチング減量を少なくすることが
有利である。
<実施例> Fe系電気めっき液として次に示す硫酸浴(1),
(3)および塩化物浴(2)を用いて、無通電接液時
間,浴温,pHを変えてエッチング減量を変化させて、プ
レス加工後の表面状態を観察した結果を表1,表2に示
す。
(3)および塩化物浴(2)を用いて、無通電接液時
間,浴温,pHを変えてエッチング減量を変化させて、プ
レス加工後の表面状態を観察した結果を表1,表2に示
す。
(1)硫酸浴Fe−Pめっき FeSO4・7H2O 250g/l Na2SO4 100g/l NaH2PO2・H2O 0.2g/l (2)塩化浴Fe−Pめっき FeCl2・4H2O 240g/l KCl 180g/l NaH2PO2・H2O 0.2g/l (3)硫酸浴Fe−Znめっき FeSO4・7H2O 300g/l ZnSO4・7H2O 15g/l Na2SO4 50g/l なお表2に第2図に示す竪型セルに補助電極を設けた
場合の例である。この装置でのラインスピードによる通
電,無通電の時間は参考までに示すと下表のようにな
る。
場合の例である。この装置でのラインスピードによる通
電,無通電の時間は参考までに示すと下表のようにな
る。
<発明の効果> 本発明により、Fe系めっきを上層に有する合金化溶融
亜鉛めっき鋼板のプレス加工時のパウダリングの発生が
防止でき、自動車用鋼板等として有利に用いることがで
きるようになった。
亜鉛めっき鋼板のプレス加工時のパウダリングの発生が
防止でき、自動車用鋼板等として有利に用いることがで
きるようになった。
【図面の簡単な説明】 第1図はエッチングによるZn溶解量と曲げ加工における
Znの剥離量との関係を示すグラフ、第2図は補助電極を
適用した竪型めっきセルの例、第3図(a)及び第4図
(a)はそれぞれエッチングされた合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の表面組織を示す写真、第3図(b)及び第4図
(b)はそれぞれ第3図(a),第4図(a)の断面組
織を示す写真である。
Znの剥離量との関係を示すグラフ、第2図は補助電極を
適用した竪型めっきセルの例、第3図(a)及び第4図
(a)はそれぞれエッチングされた合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の表面組織を示す写真、第3図(b)及び第4図
(b)はそれぞれ第3図(a),第4図(a)の断面組
織を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−108396(JP,A) 特開 平1−319661(JP,A) 特開 昭61−253397(JP,A) 特開 昭62−192597(JP,A) 特開 平1−177348(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の上層に連続Fe
系電気めっきを施すに際し、通電めっき時のFe系めっき
浴によるZnのエッチング層を5g/m2以下に抑制すること
を特徴とする耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1062223A JP2702217B2 (ja) | 1989-03-16 | 1989-03-16 | 耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1062223A JP2702217B2 (ja) | 1989-03-16 | 1989-03-16 | 耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02243780A JPH02243780A (ja) | 1990-09-27 |
JP2702217B2 true JP2702217B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=13193939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1062223A Expired - Fee Related JP2702217B2 (ja) | 1989-03-16 | 1989-03-16 | 耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2702217B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2541380B2 (ja) * | 1991-01-14 | 1996-10-09 | 日本鋼管株式会社 | 電着塗装性に優れた、複数の鉄−亜鉛合金めっき層を有する鉄−亜鉛合金めっき鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61253397A (ja) * | 1985-05-01 | 1986-11-11 | Kawasaki Steel Corp | カチオン電着塗装用合金化溶融亜鉛めつき鋼板 |
JPS62192597A (ja) * | 1986-02-17 | 1987-08-24 | Nippon Steel Corp | 耐パウダリング性に優れためつき鋼板 |
JPH0631475B2 (ja) * | 1987-10-21 | 1994-04-27 | 住友金属工業株式会社 | カチオン電着塗装用ガルバニール鋼板の製法 |
-
1989
- 1989-03-16 JP JP1062223A patent/JP2702217B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02243780A (ja) | 1990-09-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |