JP3126623B2 - 燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents

燃料タンク用防錆鋼板

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JP3126623B2 JP07070259A JP7025995A JP3126623B2 JP 3126623 B2 JP3126623 B2 JP 3126623B2 JP 07070259 A JP07070259 A JP 07070259A JP 7025995 A JP7025995 A JP 7025995A JP 3126623 B2 JP3126623 B2 JP 3126623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク用防錆鋼板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、錫−亜鉛合金めっき鋼板は例え
ば、特開昭52−130438号公報のように亜鉛およ
び錫イオンを含む溶液中で電解する電気めっき法で主と
して製造されてきた。また錫−亜鉛合金めっき鋼板は亜
鉛以外に錫を含むため耐蝕性やハンダ性に優れており電
子部品などに多く使用されてきた。溶融めっき法ではめ
っき付着量を比較的容易に厚くすることができるため、
溶融めっき法で製造された製品は屋外用途等厳しい環境
で使用されている。例えば特開平4−214848号公
報では鉄系被めっき物に錫70〜98重量%の亜鉛−錫
合金めっきした被覆物やその製造法が開示されている。
特開平5−263208号公報では、鉄系基材に溶融亜
鉛または溶融亜鉛合金めっき層として錫を含む合金層、
または亜鉛とアルミニウムを含む合金層の上に、クロム
めっき層で順次被覆された亜鉛系めっき被覆物および製
造法が開示されている。一方、燃料タンク材料としてこ
れまで耐蝕性、加工性、ハンダン性等の優れたPb−S
nめっき鋼板が国内、海外共に主に用いられ実燃タンク
として使用実績を積み重ねてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電気めっき
法による錫−亜鉛めっき鋼板の使用によってハンダ性や
耐蝕性は改善されたものの、燃料タンクの様な長期耐蝕
性の要求される環境には付着量を厚くしためっき鋼板が
必要であるが、電気めっき法における付着量の制御は時
間と電流の大きさに依存するため、付着量は厚くできる
が処理時間を長くしたり、電流を沢山流す必要があり、
生産性や経済的に大きな問題を生ずる。また溶融めっき
法による錫−亜鉛めっき鋼板の使用によって塩水噴霧に
おいてもかなりの耐蝕性を示しているが、そのめっき層
の構造は棚状層と柱状層といった特徴のある鉄−亜鉛合
金層が通常5〜35μm(その外側のめっき被覆層が5
〜40μm、好ましくは10〜30μm)とめっき被覆
層と同等以上も厚みがあって、素地腐食抑制に関し合金
層の寄与が非常に大きいと共に、燃料タンクのような厳
しい加工に関しては合金層はめっき被覆層よりも硬度が
高いためにこのような合金層のめっき被覆層に対する比
率が高く厚みが厚い場合にはクラック等が入りやすく燃
料タンク内外面の腐食進展が遥かに起こりやすくなり、
燃料タンク材料としては不向きである。
【0004】更に鉄系基材が亜鉛または亜鉛合金層とク
ロムめっき層で順次被覆された場合についてはクロム被
覆層も加わり耐蝕性等がさらに向上するが、亜鉛または
亜鉛合金層の厚みが5〜75μm、好ましくは10〜5
0μm、更に好ましくは10〜30μmと非常に厚く、
上記と同様、合金層による耐蝕性の確保と共に、溶融め
っき法では素地鉄が合金層中に含有されるために硬度が
上昇し加工性が大幅に低下し燃料タンク材料としては不
向きである。また、Pb−Snめっき鋼板の使用によっ
て車の寿命を満足する耐蝕性、車底部の複雑な構造に合
った加工のできる加工性、燃料タンク部品を接合できる
ハンダ性、溶接性が確保されたものの、シュレッダーダ
スト等の産業廃棄物からのPb溶出規制等の環境規制に
対してはPb−Snめっき鋼板にはPbがふくまれるこ
とから使用は好ましくはない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはPb
が含まれていない(不可避的不純物は除く)燃料タンク
防錆鋼板を提供することを目的に、鋼成分、被覆層組
織、構成等を種々検討したところ本構成の材料が燃料タ
ンク材料として必要な性能を満たすことを知見したもの
である。その要旨は、 (1) 重量%でC≦0.1%,Si≦0.1%,0.
05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04%,Al≦0.
1%を含む鋼に、Ni,Fe,Zn,Snの1種以上を
含む合金層が片面当たり厚み1.5μm以下ありその上
に錫:70〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物か
らなり、その中に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以
上のものが表面から見て20個以下/0.25mm2であ
り、片面当たりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金め
っき層があることを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
【0006】(2) 重量%でC≦0.1%,Si≦
0.1%,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04
%,Al≦0.1更にBを0.0002〜0.0030
%含有する鋼にNi,Fe,Zn,Snの1種以上を含
む合金層が片面当たり厚み1.5μm以下ありその上に
錫:70〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物から
なり、その中に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上
のものが表面から見て20個以下/0.25mm2であ
り、片面当たりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金め
っき層があることを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
【0007】(3) 重量%でC≦0.1%,Si≦
0.1%,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04
%,Al≦0.1でTi,Nb,の1種以上を(C+
N)含有量の原子当量以上含有し上限を1.0%とする
鋼にNi,Fe,Zn,Snの1種以上を含む合金層が
片面当たり厚み1.5μm以下あり、その上に錫:70
〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、そ
の中に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが
表面から見て20個以下/0.25mm2であり、片面当
たりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があ
ることを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
【0008】(4) 重量%でC≦0.1%,Si≦
0.1%,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04
%,Al≦0.1%でTi,Nbの1種以上を(C+
N)含有量の原子当量以上含有し上限を1.0%とし、
さらにBを0.0002〜0.0030%含有する鋼に
Ni,Fe,Zn,Snの1種以上を含む合金層が片面
当たり厚み1.5μm以下あり、その上に錫:70〜9
9%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、その中
に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが表面
から見て20個以下/0.25mm2であり、片面当たり
の厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があるこ
とを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。(5)(1)〜
(4)記載の外側にさらにCr換算量で片面あたり0.
2〜25mg/m 2のクロメート処理を有することを特徴と
する燃料タンク用防錆鋼板にある。
【0009】以下に本発明について詳細に説明する。鋳
片から熱間圧延、酸洗、冷間圧延等の熱処理、圧延等を
行った焼鈍済の鋼板、または圧延材を非めっき材として
使用し、圧延油の除去等の前処理を行った後、めっきを
行う。このようにして製造しためっき鋼板を使用する。
鋼成分については、燃料タンクの複雑な形状に加工でき
る成分系であることと、錫−めっき層界面の合金成分層
の厚みを極力薄しめっき剥離を防止できること、燃料タ
ンク内部環境および外部環境における腐食の進展を抑制
する成分系である必要がある。Cは強度確保の点からあ
る程度の含有量は必要である。しかし本めっき浴成分で
は加工性および耐蝕性を低下させる元素であるが、鋼−
めっき層界面反応を抑制する元素として働くため加工時
のめっき密着性を確保する点では有利である。以上を考
慮してC含有量は重量%でC≦0.1%とした。
【0010】Siは鋼表面酸化皮膜を安定化させるた
め、本めっき浴成分ではめっき浴へ浸漬時残存しやすく
めっき反応を阻害し、耐蝕性に影響するピンホール(不
めっき部分)を多量に生成しやすい。また強度確保の点
からある程度の含有は必要であるが、強度強化元素であ
るため含有量を調整する必要がある。また本めっき浴成
分では鋼−めっき層界面反応を抑制する元素として働く
ため加工時のめっき密着性を確保する点では有利とな
る。以上を考慮してSi含有量は重量%でSi≦0.1
%とした。Mnは強度確保の点からある程度の含有量は
必要であるが、強度強化元素なため加工性を低下させる
傾向にあり含有量を制限する必要がある。また本めっき
浴では反応性を向上させる方向にあり、鋼−めっき層界
面反応も促進させる方向にあり界面反応を調整する上で
含有量を調整する必要がある。以上を考慮してMn含有
量は重量%で0.05%≦Mn≦1.2%とした。
【0011】Pは本めっき浴で反応を抑制させる効果が
あり鋼−めっき層界面反応を抑制させるのに必要な成分
である。含有量が多すぎるとピンホールが多量に発生す
るため、以上を考慮して重量%でP≦0.04%とし
た。Alは本めっき浴で反応を抑制させる効果があり鋼
−めっき層界面反応を抑制させるのに必要な成分であ
る。但し多すぎるとめっき性を大幅に低下させるために
ピンホールが発生しやすく含有量の上限を制限する必要
がある。従って上限を重量%で0.1%とした。
【0012】Nb,TiはC,Nを固定して鋼板に加工
性を付与するために必要な元素で(C+N)の原子当量
以上含有することによってC,Nを固定可能である。ま
た1.0%を越えると効果は飽和すると共に本めっき浴
では鋼−めっき層界面反応も促進させる方向にあり界面
反応を調整する上でも含有量を調整する必要がある。以
上考慮してTi,NbについてはTi,Nbの1種以上
を(C+N)含有量の原子当量以上含有し上限を重量%
で1.0%とした。Bは結晶粒界に析出して粒界の強度
を高め、2次加工割れを防止して加工性を向上させるの
に必要である。多すぎるとその効果が飽和し、かつ熱間
強度が高くなりすぎ熱間圧延性が低下し好ましくない。
従って含有量は重量%で0.0002〜0.0030%
とした。
【0013】鋼近傍の合金組成については溶融めっき、
あるいは電気めっき後、加熱して封孔処理等を行うと鋼
との界面に鋼成分、めっき層成分を含む組織を生ずる。
本組織を以降、合金層と称する。本合金層にはNi,F
e,Zn,Snの1種以上をふくんでいるがこれらの組
織はガソリン燃料に対しては腐食進行は遅く、合金層厚
みが厚い方が長期耐蝕性を確保する点で有利である。し
かしながら自動車下部の複雑な形状に適した厳しい加工
性を確保する点からは、本組織は少量生成しなければな
らないが、硬度が高いため加工時に合金層にクラックを
生じ更に合金層厚みがある厚みよりも厚い場合、合金層
外側のめっき層にクラックが伝播しめっき層中に割れを
生ずることとなり、めっき剥離やめっき層のダメージに
よる耐蝕性劣化が懸念される。この様なめっき剥離はめ
っき層の種類、厚み、鋼種と非常に大きな関連があり本
発明材の構成を考慮して合金層厚みを決定する必要があ
る。従って合金層厚みは1.5μm以下とした。
【0014】めっき層については、錫、亜鉛を含む組成
からなりガソリン等の燃料に対するタンク内面耐蝕性や
融雪塩散布地域走行時に生ずる塩害環境に対する外面耐
蝕性の確保、さらには自動車下部の構造に合わせて加工
できる加工性の確保、燃料パイプ等の部品の接合に必要
なハンダ性の確保等が必要である。めっき層中の錫含有
量が70%より少ない場合、タンク内面耐蝕性が大幅に
低下しめっき層の溶解速度が大きくなると共に塩害環境
に於けるめっき層の溶解速度も大きくなり耐蝕性が大幅
に低下する。また亜鉛含有量が多くなることによってめ
っき層の加工性も低下する。さらに亜鉛含有量が多くな
ることによってハンダ性が大幅に低下する。めっき層錫
含有量が99%より多くなると特に性能が低下する訳で
はないが塩害環境におけるめっき層による犠牲防錆効果
が小さくなり、疵がはいった場合、素地から鉄錆を生じ
やすい。従ってめっき層組織として重量%で錫:70〜
99%、残部亜鉛および不可避的不純物からなるとし
た。
【0015】めっき層中の亜鉛の形態については冷却過
程で初晶として亜鉛が析出する場合、亜鉛晶の大きさが
大きいと亜鉛晶が優先的に腐食しやすくなりめっき層が
局部的腐食しめっき層の貫通までの寿命が短くなる。ま
た加工した場合、大きな亜鉛晶はクラックの伝播経路と
なりクラックがめっき層を伝播しめっき剥離を生じた
り、腐食の鋼までの進行を早める。従ってめっき層中の
亜鉛晶の大きさは大きすぎると問題があるため、めっき
層表面から見て長径が250μm以上のものが20個以
下/0.25mm2とした。めっき層の厚みは耐蝕性に影
響するが、あまり薄すぎると燃料タンク材として長期使
用に対し、比較的短期間で素地まで腐食が進行しやすい
と共にめっき時に生じた微小ピンホールが被覆されず露
出するためめっき厚みより推定した寿命よりも早く素地
腐食が起こる。またハンダ性も低下する。めっき厚みが
厚すぎると耐蝕性は充分に確保されるが性能過剰とな
る。従ってめっき厚みは片面あたり4〜50μmとし
た。
【0016】さらにめっき層の上にクロメート処理皮膜
を有する。この処理皮膜は本組成のめっき層とは非常に
馴染みが良く、微小ピンホール等の欠陥部を被覆した
り、めっき層を溶解させピンホールを修復する効果があ
り耐蝕性を大幅に向上させる。従って耐蝕性を向上させ
る下限値としてCr換算量で0.2mg/m2とした。また
本処理の付着量が多くなるとハンダ性を大幅に低下させ
るため、上限値をCr換算量で25mg/m2とした。従っ
て本処理量はCr換算量で0.2〜25mg/m2とした。
【0017】
【実施例】本発明の燃料タンク用防錆鋼板の品質特性を
実施例で示す。 実施例1 焼鈍済の表1に示す鋼を脱脂、酸洗した後、Niプレめ
っき、Fe−Niプレめっきを行うかまたはプレめっき
を行わずに、フラックス法による連続溶融めっきを行い
付着量を調整し、さらに冷却し本材料を作成した。得ら
れた本材料の内面耐蝕性、外面耐蝕性、ハンダ性、加工
性を表2〜表9に示す。
【0018】
【表1】
【0019】(1)内面耐蝕性(表2及び表3) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
ヵ月試験を行い、試験内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表2及び表3の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0023】(2)外面耐蝕性(表4及び表5) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に外面に塩水噴霧があたるよ
うに水平に試料を設置し1ヵ月後の外観および素地腐食
状況を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表4及び表5の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0027】(3)ハンダ性(表6及び表7) 下記に示す試験条件を基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もし
くは良好な結果を示した。一方比較材はZn含有量の多
い材料等でハンダ性は良好でなかった。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】(ハンダ性評価法) ・平板の試料をトルエンで脱脂した後、フラックスを少
量塗った後、ハンダを一定量付け、その後、鉛浴に一定
時間浮かべ、引き上げた後の広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後引き上げる。 ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表6及び表7の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0031】(4)プレス成形性(表8及び表9) 下記に示す試験条件を基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方比較材は鋼成分系、合金層、めっき層の
厚み、めっき組成によっては加工時に割れたり、めっき
剥離を生じた。
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】
【0034】(プレス加工性) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、そのときの絞り込み可能でめっ
き剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件: ・プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ力500kg ・めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっ
き剥離有無を肉眼観察する ・判定法 絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表8及び表9の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0035】実施例2 焼鈍済の表10に示す鋼を脱脂、酸洗した後、Niプレ
めっき、Fe−Niプレめっきを行うかまたはプレめっ
きを行わずに、フラックス法による連続溶融めっきを行
い付着量を調整し、さらに冷却した後クロメート処理を
行い本材料を製造した。得られた本材料の内面耐蝕性、
外面耐蝕性、ハンダ性、加工性を表11〜表14に示
す。
【0036】
【表10】
【0037】(1)内面耐蝕性(表11) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材では素地からの腐食もなく
良好であった。一方比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0038】
【表11】
【0039】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
ヵ月試験を行い、試験内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表11の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0040】(2)外面耐蝕性(表12) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材では素地からの腐食もなく
良好であった。一方比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0041】
【表12】
【0042】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧があたるように
水平に試料を設置し1ヵ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表12の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0043】(3)ハンダ性(表13) 下記に示す試験条件を基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明材は現行Pb−Snめっき鋼板と同等も
しくは良好な結果が得られた。一方比較材はZn含有量
の多い材料、クロメート被覆量の多い材料でハンダ性は
良好でなかった。
【0044】
【表13】
【0045】(ハンダ性評価法) ・平板の試料をトルエン脱脂しフラックスを少量塗った
後、ハンダを一定量付け、その後、鉛浴に一定時間浮か
べ、引き上げたあとの広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後に引き上げ
る。 ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表13の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0046】(4)プレス成形性(表14) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方比較材は鋼成分系、合金層、めっき層厚
み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥離
を生じた。
【0047】
【表14】
【0048】(プレス加工性評価法) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、そのときの絞り込み加工でめっ
き剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:/プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっき
剥離有無を肉眼観察する。 ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表14の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0049】実施例3 酸洗済の表15に示す鋼板にNiプレめっき、Fe−N
iプレめっきを行うかまたは酸洗済の熱延板や冷延板を
そのまま、酸化炉または無酸化炉、還元炉等を有する炉
で加熱処理を行った後、溶融めっきを行い付着量を調整
して冷却して本材料を製造した。得られた本材料の内面
耐蝕性、外面耐蝕性、ハンダ性、加工性を表16〜表1
9に示す。
【0050】
【表15】
【0051】(1)内面耐蝕性(表16) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材では素地からの腐食もなく
良好であった。一方比較材では素地からの赤錆、赤変色
およびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色
があり耐蝕性は良好でなかった。
【0052】
【表16】
【0053】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
ヵ月試験を行い、試験内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表16の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0054】(2)外面耐蝕性(表17) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材では素地からの腐食もなく
良好であった。一方比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0055】
【表17】
【0056】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧があたるように
水平に試料を設置し1ヵ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表17の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0057】(3)ハンダ性(表18) 下記に示す試験条件を基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もし
くは良好な結果が得られた。一方比較材はZn含有量の
多い材料等でハンダ性は良好でなかった。
【0058】
【表18】
【0059】(ハンダ性評価法) ・平板の試料をトルエンで脱脂しフラックスを少量塗っ
た後、ハンダを一定量付け、その後、鉛浴に一定時間浮
かべ、引き上げたあとの広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後に引き上げ
る。 ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表18の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0060】(4)プレス成形性(表19) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方比較材は鋼成分系、合金層、めっき層厚
み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥離
を生じた。
【0061】
【表19】
【0062】(プレス加工性評価法) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、そのときの絞り込み加工でめっ
き剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:/プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっき
剥離有無を肉眼観察する。 ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表19の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0063】実施例4 酸洗済の表15に示す鋼を脱脂、酸洗した後、Niプレ
めっき、Fe−Niプレめっきを行うかまたは酸洗済の
熱延板や冷延板をそのまま、酸化炉または無酸化炉、還
元炉等を有する炉で加熱処理を行った後、溶融めっきを
行い付着量を調整して、更に冷却した後クロメート処理
を行い本材料を製造した。得られた本材料の内面耐蝕
性、外面耐蝕性、ハンダ性、加工性を表20〜表23に
示す。 (1)内面耐蝕性(表20) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材では素地からの腐食もなく
良好であった。一方比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0064】
【表20】
【0065】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
ヵ月試験を行い、試験内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表20の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0066】(2)外面耐蝕性(表21) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材では素地からの腐食もなく
良好であった。一方比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0067】
【表21】
【0068】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧があたるように
水平に試料を設置し1ヵ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表21の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0069】(3)ハンダ性(表22) 下記に示す試験条件を基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もし
くは良好な結果が得られた。一方比較材はZn含有量の
多い材料、クロメート被覆量の多い材料等でハンダ性は
良好でなかった。
【0070】
【表22】
【0071】(ハンダ性評価法) ・平板の試料をトルエンで脱脂しフラックスを少量塗っ
た後、ハンダを一定量付け、その後、鉛浴に一定時間浮
かべ、引き上げたあとの広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後引き上げる。 ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表22の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0072】(4)プレス成形性(表23) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方比較材は鋼成分系、合金層、めっき層厚
み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥離
を生じた。
【0073】
【表23】
【0074】(プレス加工性評価法) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、そのときの絞り込み加工でめっ
き剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:/プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっき
剥離有無を肉眼観察する。 ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表23の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数。
【0075】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は燃料タン
ク材としての諸特性に優れた燃料タンク用防錆鋼板を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 献 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/06 - 2/08 C23C 28/00 - 28/02 C23C 30/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC≦0.1%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04%,A
    l≦0.1%を含む鋼に、Ni,Fe,Zn,Snの1
    種以上を含む合金層が片面当たり厚み1.5μm以下あ
    り、その上に錫:70〜99%、残部亜鉛および不可避
    的不純物からなり、その中に含まれる亜鉛晶の長径が2
    50μm以上のものが表面から見て20個以下/0.2
    5mm2であり、片面当たりの厚みが4〜50μmの錫−
    亜鉛合金めっき層があることを特徴とする燃料タンク用
    防錆鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%でC≦0.1%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04%,A
    l≦0.1%更にBを0.0002〜0.0030%含
    有する鋼に、Ni,Fe,Zn,Snの1種以上を含む
    合金層が片面当たり厚み1.5μm以下あり、その上に
    錫:70〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物から
    なり、その中に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上
    のものが表面から見て20個以下/0.25mm2であ
    り、片面当たりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金め
    っき層があることを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%でC≦0.1%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04%,A
    l≦0.1%でTi,Nbの1種以上を(C+N)含有
    量の原子当量以上含有し上限を1.0%を上限とする鋼
    に、Ni,Fe,Zn,Snの1種以上を含む合金層が
    片面当たり厚み1.5μm以下あり、その上に錫:70
    〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、そ
    の中に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが
    表面から見て20個以下/0.25mm2であり、片面当
    たりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があ
    ることを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%でC≦0.1%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.2%,P≦0.04%,A
    l≦0.1%でTi,Nbの1種以上を(C+N)含有
    量の原子当量以上含有し上限を1.0%とし、さらにB
    を0.0002〜0.0030%含有する鋼に、Ni,
    Fe,Zn,Snの1種以上を含む合金層が片面当たり
    厚み1.5μm以下あり、その上に錫:70〜99%、
    残部亜鉛および不可避的不純物からなり、その中に含ま
    れる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが表面から見
    て20個以下/0.25mm2であり、片面当たりの厚み
    が4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があることを特
    徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,4記載の外側にさら
    にCr換算量で片面あたり0.2〜25mg/m2のクロメ
    ート処理を有することを特徴とする燃料タンク用防錆鋼
    板。
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