JP2726063B2 - 地下立体格納装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、地下空間に設けられる立体格納装置に関
する。

〔従来の技術〕

都市では、自動車の駐車場の多くは、ビル等の建築物
の地下設備として建設されている。最も一般的な地下駐
車場は、運転者が自動車を運転して地下の出入口からス
ロープを通り所定の地下階の駐車スペースまで移動させ
て駐車させ、その後下車した運転者がエレベータ又は階
段によって地上に戻る自走式のものである。その他に駐
車用台車又はケージを循環移動させる循環式立体格納装
置も使用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、自走式の地下駐車装置は、運転者が自分で運
転して自動車を駐車スペースまで移動させるため、自動
車が走行するスロープや走行通路を確保する必要がある
のみでなく、各階共、運転者が歩行するために十分な階
高が必要である。さらに、排ガスによるビル内空気の汚
染を防止するための通気施設も設備しなければならず、
地下空間を駐車スペースとして有効利用することができ
ない。また、自動車以外の貨物の格納は困難である。循
環式立体格納装置は入出庫時に台車又はケージ全体を駆
動させるため、大きな動力を必要とする。

この発明は、上記課題を解決するものであって、走行
用のスロープが不要で、人の歩行のために各階の階高を
高くする必要がなく、地下空間を有効利用でき、所要動
力が少ない地下格納装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、この発明では、パレット台
車を格納する複数段，複数列の格納室を地下に、通路を
挟んで２層対向して設け、地上には入出庫口を前記格納
室の各層上にそれぞれ設け、地上，地下間で前記パレッ
ト台車の搬入出を行う入出庫用エレベータを前記各入出
庫口と格納室の各層間にそれぞれ設け、前記通路上には
前記格納室に沿って横行移動する格納用エレベータを設
け、格納用エレベータに前記入出庫用エレベータと格納
用エレベータとの間及び格納用エレベータと格納室との
間でパレット台車の移送を行う移送装置を設けている。

〔作用〕

入庫する場合、格納品を入出庫口から搬入し、入出庫
用エレベータ上のパレット台車に積み込むと、入出庫用
エレベータが下降して格納品は地下へ搬入され、そこ
で、入出庫用エレベータから格納用エレベータへ格納品
を積載したパレット台車が移送される。格納用エレベー
タは空の格納室のある列まで横行移動し、空の格納室前
まで下降して、パレット台車を格納室内へ移送し格納す
る。

出庫する場合には、指定された格納品が入っている格
納室前まで格納用エレベータが移動し、格納品を積載し
たパレット台車を格納用エレベータに移す。それから、
格納用エレベータは入出庫用エレベータの前まで戻り、
パレット台車を入出庫用エレベータへ移送する。入出庫
用エレベータはパレット台車を地上へ搬出し、格納品は
入出庫口から取り出される。

〔実施例〕

第１図，第２図及び第３図は、この発明の地下立体格
納装置の一実施例である駐車装置の全体構成を示す正面
図，側面図及び平面図である。

ここでは、３階,4列の格納室１が、地下に２層，前後
に対向して設けられており、その間が格納用エレベータ
２の通路３になっている。地上には入出庫口４が格納室
１の各層上にそれぞれ設けられており、第４図に示すよ
うに地下１階１列（１−１）との間でパレット台車５を
搬入出する入出庫用エレベータ６がそれぞれ設置されて
いる。７は入出庫用エレベータ６の巻上装置、21は自動
車、22はエレベータ前のホールである。格納用エレベー
タ２は、図示しない走行装置で通路３の床に敷設された
レール８上を第１列から第４列まで横行移動する移動枠
９に、巻上装置10で地下１階から地下３階まで昇降する
ケージ11を吊設したものであり、このケージ11上には移
送装置12が設けられている。23は移動枠９の案内ローラ
である。移送装置12は、第５図に示すように前後（図上
左右）両端にスプロケット13,14が軸支されており、ド
ッグ15を取り付けたチェン16がこのスプロケット13,14
に巻回張設されていて、チェン駆動装置17によりチェン
16が前後に走行する。この移送装置12は、格納用エレベ
ータ２のケージ11に設置された送り装置18に取り付けら
れており、送り用モータ19の駆動により前後にストロー
クＬの送りが与えられる。従って移送装置12を格納室１
側へストロークＬだけ送った後チェン16を駆動すればチ
ェン16のドッグ15がパレット台車５に設けられたドッグ
20に係合して、ケージ11と格納室１との間でパレット台
車５の移送を行うことができる。

自動車21を入庫する場合、運転者は入出庫口４から入
出庫用エレベータ６上で待機しているパレット台車５に
自動車21を乗り入れて下車し、エレベータホール22の制
御パネル（図示略）の押釦スイッチを押す。すると、入
出庫用エレベータ６が下降して自動車21を積載したパレ
ット台車５は地下１階１列（１−１）に搬入される。そ
こで移送装置12が入出庫用エレベータ６側へ送られ、チ
ェン16が走行してパレット台車５は格納用エレベータ２
のケージ11上へ移送される。移送装置２がケージ11側へ
戻ると、格納用エレベータ２の移動枠９がレール８上を
横行移動して空を格納室１の列で停止し、ケージ11が空
の格納室１の階まで下降して停止する。次いで、移送装
置12が駆動され、パレット台車５を格納室１内へ移送し
て格納が終わり、エレベータ2,6は元の位置へ戻る。続
けて入庫する場合は、空のパレット台車５を積んで戻
る。

出庫する場合は、運転者が制御パネル上で自分の自動
車21が格納されている格納室１を指定することにより上
記と逆の順序で自動車21が搬出される。

自動車以外の貨物も入出庫口４でパレット台車５に積
込み格納することができる。入出庫口４と入出庫用エレ
ベータ６は格納用エレベータ２とは別に各層にそれぞれ
設けられているので、入出庫が輻輳するときには、一方
で入出庫を行っているとき、他方では自動車の乗り入れ
や貨物の積込み等を行ってクッションとすることができ
る。

この実施例では、３階,4列を２層併置しているが、必
要に応じその数は任意に選定することができる。

〔発明の効果〕

この発明は、上記のように構成しているので、走行用
のスロープは不要であり、利用者は入出庫口でパレット
台車上へ貨物を積み込むだけで地下の格納室へ出入りす
る必要がなく、格納室の階高を低くし、地下空間を有効
に利用することができる。また、入出庫用エレベータ及
び格納用エレベータは、必要なパレット台車のみを移動
させるので、所要動力が少なく、さらに、入出庫口と入
出庫用エレベータを格納用エレベータとは別に各層にそ
れぞれ設けているため、入出庫が輻輳するときのクッシ
ョンとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図及び第３図は、この発明の実施例である
駐車装置の全体構成を示す正面図，側面図及び平面図、
第４図は、第２図の一部を拡大して示す入出庫用エレベ
ータと格納用エレベータの構成の説明図、第５図は、移
送装置の構成の説明図である。 １……格納室、２……格納用エレベータ、３……通路、
４……入出庫口、５……パレット台車、６……入出庫用
エレベータ、12……移送装置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パレット台車を格納する複数階，複数列の
   格納室を地下に通路を挟んで２層対向して設け、地上に
   は入出庫口を前記格納室の各層上にそれぞれ設け、地
   上，地下間で前記パレット台車の搬入出を行う入出庫用
   エレベータを前記各入出庫口と格納室の各層間にそれぞ
   れ設け、前記通路上には前記格納室に沿って横行移動す
   る格納用エレベータを設け、格納用エレベータに前記入
   出庫用エレベータと格納用エレベータとの間及び格納用
   エレベータと格納室との間でパレット台車の移送を行う
   移送装置を設けたことを特徴とする地下立体格納装置。