JP2606604B2 - 立体駐車場 - Google Patents

立体駐車場

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JP2606604B2
JP2606604B2 JP6264852A JP26485294A JP2606604B2 JP 2606604 B2 JP2606604 B2 JP 2606604B2 JP 6264852 A JP6264852 A JP 6264852A JP 26485294 A JP26485294 A JP 26485294A JP 2606604 B2 JP2606604 B2 JP 2606604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送装置と車両を格納
する棚とからなる立体駐車場に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スタッカクレーン式の立体駐車場は、特
開昭51−141178号公報に示す如く、スタッカク
レーンと、多数の格納棚をスタッカクレーンの走行路の
両脇に設けた棚群とからなり、棚群(スタッカクレーン
の走行路)の一端に入庫口、他端に出庫口を設けてい
る。スタッカクレーンは、走行体と、走行体を昇降する
昇降体と、昇降体から格納棚側に対して進退するフォー
クとからなる。フォークは1組であり、入庫や出庫は車
両1台単位で行なわれる。
【0003】また、車両はパレットに載せて格納するよ
うになっている。このため、入庫口の近傍にはデパレタ
イザを設け、段積みしてあるパレットを分割して1枚づ
つ入庫口に供給している。また出庫口の近傍にはパレタ
イザを設け、車両の出庫によって不要となったパレット
を回収し段積みしている。
【0004】なお、一般の立体倉庫において、2組のフ
ォークをスタッカクレーンに設け、2台単位で入出庫を
行ない、荷役を早くすることが知られている。例えば、
特開昭57−107303号公報がある。
【0005】また、実開昭56−154903号公報に
示すものは倉庫であり、建屋の2階以上に棚群とスタッ
カクレーンを設置し、棚の最下部に荷のさばき場を設
け、この荷さばき場と1階とを荷昇降搬送手段で接続し
ている。荷昇降搬送手段は棚の下方にある。1階が入出
庫口になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】立体駐車場では、入庫
を希望してから実際に入庫できるまでの時間、及び、出
庫を希望してから実際に出庫できるまでの時間はできる
だけ短いことが望ましい。
【0007】入庫や出庫のパターンには色々ある。しか
し、店舗等一般用途用の立体駐車場では、大きく分ける
と次の三つのパターンになる。
【0008】(1)開店時の如く、入庫が連続するパタ
ーン (2)閉店時の如く、出庫が連続するパターン (3)中間の時間帯の如く、入庫と出庫が混在するパタ
ーンパターン(1)や(2)のためには入庫口、出庫口を多
数設けることが必要であるが、高価になる。
【0009】また、パターン(3)の場合の入庫や出庫
のやり方としては種々考えられるが、出庫をしたならば
次には入庫を行ない、次には出庫を行なうという交互の
繰返し方式が基本になる。
【0010】ところで、従来のスタッカクレーン式立体
駐車場では、スタッカクレーンの走行路の一端に入庫口
を設け、他端に出庫口を設けている。
【0011】このため、前記パターン(3)の場合、出
庫を行なって次の出庫を行なうには、スタッカクレーン
1は走行路を必ず一往復することが必要になる。
【0012】このため、パターン(3)では入出庫に多
大な時間を必要とすることになる。駐車数が大きくなっ
て走行路の長さが長くなる程、この傾向は大きくなる。
また、従来の立体駐車場では、入庫口と出庫口がそれぞ
れあるので、高価になっている。
【0013】本発明の目的は、安価な構成で、入出庫を
短時間に行えるようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、二つの授受装
置を水平方向に並べて有する搬送装置と、 該搬送装置の
走行路の両側に沿って水平方向に複数の格納棚をそれぞ
れ有する二つの棚群と、 前記二つの棚群にそれぞれ二つ
づつ水平方向に隣接して設けられ、前記授受装置との間
で車両を授受する口であり、前記搬送装置の走行方向に
対して直角方向の水平方向から見たとき、一方の前記棚
群の前記の二つの口の延長線上に他方の前記棚群の二つ
の口が位置する授受口と、 前記二つの棚群にそれぞれ一
つづつ設けられ、前記授受口の水平方向に接続して設け
た口であり、前記搬送装置の走行方向に対して直角方向
の水平方向から見たとき、一方の前記棚群の前記口の延
長線上に他方の前記棚群の口が位置する第2の授受口
と、 該二つの棚群、前記搬送装置、該搬送装置の走行路
とからなる格納領域の垂直方向に設置した入出庫領域
と、 乗降するためのものであって、前記入出庫領域に設
けた二つの入出庫口と、 前記第2の授受口のそれぞれと
前記入出庫口とを接続するものであって、前記搬送装置
の走行方向にパレットを搬送する第1のコンベヤを有す
る二つのリフタと、 前記授受口のそれぞれに設けられ、
前記それぞれの棚群内の前記授受口の相互間において車
両を授受するものであり、前記第2の授受口に位置した
前記第1のコンベヤとの間で車両を授受する第2のコン
ベヤと、 からなる立体駐車場を構成したことを特徴とす
る。
【0015】
【作用】出庫に当って搬送装置は二つの授受装置を同時
に駆動して2台の車両を同時に二つの授受口の第2のコ
ンベヤに載せる。すなわち、一方の授受装置は一方の棚
群の1つの授受口の第2のコンベヤに車載パレットを載
せる。同時に、他方の授 受装置は他方の棚群の1つの授
受口の第2のコンベヤに車載パレットを載せる。
【0016】次に、搬送装置は走行することなく、その
位置で二つの授受装置を同時に駆動して、入庫すべき2
台の車両を他の二つの授受口の第2のコンベヤから同時
に受け取る。すなわち、前記一方の授受装置は前記一方
の棚群の他の授受口の第2のコンベヤから車載パレット
を受け取る。同時に、前記他方の授受装置は前記他方の
棚群の他の授受口のコンベヤから車載パレットを受け取
る。
【0017】次に、搬送装置は格納棚に向けて走行す
る。なお、前記二つ他の授受口の第2のコンベヤには入
庫すべき車載パレットが第2の授受口から事前に搬入さ
れている。
【0018】次に、授受装置から車両を受けた授受口の
第2のコンベヤは前北の授受口の第2のコンベヤを介し
て第2の授受口に位置したリフタの第1のコンベヤに車
両を搬送する。次に、リフタは車両を入出庫口に出庫す
る。
【0019】以上により、搬送装置によって2台の車両
を出庫したならば2台の車両を入庫できるので、入出庫
時間を短縮できるものである。
【0020】また、搬送装置の走行方向に対して直角方
向の水平方向から見たとき、それぞれの棚群の入出庫口
を同一位置に設置できるので、例えば、入出庫口の手前
の進入路の直線部を長くでき、入出庫口への進入を容易
にできるものである。
【0021】
【実施例】以下、図1〜図4により説明する。このもの
車両をパレットに載せて格納する方式である。図1に
おいて、1は公知の搬送装置としてのスタッカクレーン
であり、走行体と、走行体を昇降する昇降体と、昇降体
に設けた2組の授受装置としてのフォーク2A,2Bと
からなる。フォーク2A,2Bは、それぞれ両側に突出
可能である。
【0022】スタッカクレーン1の走行路3の両脇に
は、多数の格納棚からなる棚群4,5,4A,5Aを設
けている。ここではスタッカクレーン1,その両脇の棚
群4,5または棚群4A,5Aを一組として、2組を並
設している。
【0023】各棚群4,5,4A,5Aの格納棚の数
は、スタッカクレーン1の走行方向にそって8箇ある。
棚の段数は4段である。後述の授受口10E,10F,
11E,11F等を含めて棚群と称している。
【0024】図2,図3において、9はスタッカクレー
ン1の走行路3や棚群4,5,4A,5Aを支持する床
であり、駐車するための車両34の進入路35,退出路
36,図4の乗員のための場用の通路50,同じく退
場用の通路55の面G,Lよりも上方に設置している。
スタッカクレーン1は床9の上面を走行する。床9は、
車両34の走行の邪魔にならない位置に設置した柱(図
示せず)で支持されている。
【0025】即ち、1階部分が入出庫のための領域(入
出庫領域)となり、2階以上の部分が車両の格納領域と
なっている。格納領域は、棚群4,5,4A,5A、ス
タッカクレーン1、その走行路3からなる。1階の入出
庫口13A,13Bに車両を乗入れ、乗員が下車する
と、リフタ12A,12Bで2階部分に上昇させ、格納
する。また、車両を出庫する場合には、2階部分からリ
フタ12A,12Bで入出庫13A,13Bに出庫す
る。
【0026】リフタ12A,12Bの上面にはそれぞれ
コンベヤ10A,10Bを設けている。該リフタはコン
ベヤ10A,10Bを第1段目の棚(授受口10E,1
0F)まで上昇させる。
【0027】リフタ12Aは棚群4の第4行目に、リフ
タ12Bは棚群5の第5行目に設けている。棚群4の第
5行目、棚群5の第4行目の第1段目の棚(授受口11
E,11F)の底部には、入庫用のコンベヤ11A,1
1Bを設けている。行の数は図1において右側から数え
る。
【0028】前記コンベヤ10A,10B,11A,1
1Bはスタッカクレーン1のフォークが入ることができ
るように設けてある。コンベヤ11A,11Bが有る棚
(空間)はスタッカクレーン1との授受口であり、入庫
用の授受口11E,11Fである。コンベヤ10A,1
0Bが上昇した位置の棚(空間)はスタッカクレーン1
との授受口であり、出庫用の授受口10E,10Fであ
る。
【0029】21はパレタイザの機能およびデパレタイ
ザの機能を有するパレットマガジンであり、棚群4の第
3行目および棚群5の第6行目の、第1段目の棚にそれ
ぞれ設置している。パレットマガジン21は周知の如
く、段積みパレットの収納部22,段積みパレットを支
持する支持装置23,コンベヤ24を昇降させるリフタ
25とからなる。
【0030】パレットマガジン21の動作の要点を、棚
群4側のパレットマガジン21について簡単に説明す
る。
【0031】空のパレット39を段積みするパレタイザ
として用いる場合について説明する。入出庫口13Aか
ら車両が出庫すると、リフタ12Aを上昇させ、その上
面のパレットをコンベヤ10Aを用いてパレットマガジ
ン21のコンベヤ24に供給する。次にリフタ25を上
昇させて支持装置23上のパレットを押上げ、次に支持
装置23を後退させ、次にさらにリフタ25を上昇さ
せ、次に支持装置23を突出させ、次にリフタ25を下
降させるものである。以上の動作によって、パレット3
9を下方から段積みできる。
【0032】空のパレット39を1枚づつ出庫するデパ
レタイザとして用いる場合について説明する。リフタ2
5を上昇させて段積みパレットを持上げ、次に支持装置
23を後退させ、次にリフタ25を下降させ、次に支持
装置23を突出させて2段目のパレットを支持可能と
し、次にリフタ25を下降すれば1枚のパレットを取出
すことができる。このパレットは、上昇したリフタ12
Aのコンベヤ10Aに供給する。
【0033】図4において、30は駐車場への車両の入
口、31は出口である。入出庫口13A,13Bはリフ
タ12A,12Bの周囲を安全のためまたは壁44,
45で囲っている。車両の走行方向におけるリフタの右
側と、右側の壁44との間には、乗員の乗降用のプラッ
トフォーム43がある。40は入庫する車両の入口ドア
であり、降車した乗員の出口ともなる。41は出庫する
車両の出口ドアであり、乗車する乗員の入口ともなる。
【0034】プラットフォーム43が右側にあるのは、
車両の運転席が右側にあるためである。左側に運転席を
有する車両が主体の場合は、出口31側を入口とし、入
口30側を出口とする。
【0035】入出庫口13A,13Bの壁44に乗員の
出入口を設けてもよい。入出庫口13Aのプラットフォ
ーム43は、走行路3の下方にある。入出庫口13Bの
プラットフォーム43は、並設されている棚群4Aの下
方に位置している。
【0036】図1において、並設されている棚群4A,
5Aのパレットマガジン21,入出庫口13A,13
B,コンベヤ10A,10B,リフタ12A,12Bお
よびコンベヤ11A,11Bは、棚群4,5の各位置に
対してそれぞれ1行ほど若い行に位置している。即ち、
棚群4Aの入出庫口13Aは隣接する棚群5の入出庫口
13Bよりも入口側に少くとも1行の空間を置いた位置
に設置している。
【0037】50,55は乗員のための通路であり、床
9の下方で車両の進入路35、退出路36の上方に設け
ている。50は入庫させた乗員のための通路であり、出
口51の階段に接続している。該通路50は第2行目の
下方にある。55は出庫を希望する乗員のための通路で
あり、入口56の階段に接続している。通路50,55
はそれぞれ、第1行目、第7行目の下方においてスタッ
カクレーン1(即ち、車両)の走行方向に直交して設け
ている。通路50,55の下方を車両が走行できる。入
出庫口13A,13Bの面と通路50,55とは階段5
3,58で接続している。階段53,58はスタッカク
レーン1の走行路3の下方に位置している。階段53,
58は第3行目、第5行目の近傍で面G,Lに接続して
いる。
【0038】かかる構成において、入庫運転(パターン
(1))を棚群4,5について説明する。
【0039】入口30から入った車両は、進入路35を
通って入出庫口13A,13Bの前方で一旦停止し、同
乗者を降車させる。
【0040】パレットマガジン21から供給された空パ
レット39を載せたリフタ12A,12Bが下降する
と、入口ドアが開くので、車両を入出庫口13A,13
Bに進入させる。運転者は降車後入口ドア40を通って
入出庫口13A,13Bの外に出たのち、端末器を操作
して入庫運転を指令する。また駐車カードを受領する。
運転者および同乗者は、階段53,通路50を通って出
口51に至る。
【0041】入庫運転が指令されると、入口ドア40が
閉じ、リフタ12A,12Bが上昇する。リフタ12
A,12Bの車載パレット39は、それぞれコンベヤ1
0A,10Bによりコンベヤ11A,11Bに供給され
る。
【0042】リフタ12A,12Bはパレットマガジン
21から空パレットを受取ったのち、下降する。
【0043】コンベヤ11A,11Bにそれぞれ車載パ
レットが載っている場合は、スタッカクレーン1はフォ
ーク2Aが棚群4,5の第4行目に位置するように停止
する。そしてフォーク2Aをコンベヤ11Bへ、フォー
ク2Bをコンベヤ11Aへ同時に突出させ、車載パレッ
トをスタッカクレーン1側に同時に取込む。次に、スタ
ッカクレーン1は空棚に車載パレットを格納する。
【0044】このように、スタッカクレーン1が2台の
車載パレットを同時に搬送するのは、入庫が連続してい
る場合であり、その他の場合は一台毎に搬送する。
【0045】次に、出庫運転(パターン(2))を棚群
4,5について説明する。出庫を要求する運転者は、入
口56に設置した端末器に駐車カードを挿入し、出庫を
指令する。端末器からは車両が出庫される入出庫口の位
置(番号)が指示されるので、その指示に従って通路5
5,階段58を通って所定の入出庫口に行く。各入出庫
口の表示器には、駐車カードの番号が出車順序で表示さ
れている。このため、自己の駐車カードの番号が表示さ
れているので、自己の車両の出庫作業が行われているこ
とがわかり、利用者は安心して待機することができ、ま
た、駐車カードの番号によって自己の車両が出庫された
ことを容易に認識できるものである。
【0046】スタッカクレーン1は、出庫指令の出され
た2箇の棚から車載パレットを取出し、フォーク2Aが
棚群4,5の第4行目に位置するように停止する。そし
てフォーク2Aをコンベヤ10Aへ、フォーク2Bをコ
ンベヤ10Bへ同時に突出させ、上昇して待機している
リフタ12A,12Bの上面のコンベヤ10A,10B
に、2台の車載パレットを同時に載せる。
【0047】次に、リフタ12A,12Bが下降する
と、出口ドア41が開き、運転者が乗車して出庫させ
る。そして一旦停止し、通路55を通ってきた同乗者を
乗車させ、退出路36を通って出口31に至る。
【0048】車両が出庫すると出口ドア41が閉じ、リ
フタ12A,12Bが上昇し、空パレット39をパレッ
トマガジン21に段積する。
【0049】このように、スタッカクレーン1が2台の
車載パレットを同時に搬送するのは、出庫が連続してい
る場合であり、その他の場合は1台毎に搬送する。
【0050】次に、出庫運転と入庫運転を、交互に繰返
し行なう場合(パターン(3))を棚群4,5について
説明する。
【0051】一般の駐車場においては、入出庫口の手前
で入庫待ちの車両が待機しており、駐車中の車両が出庫
して空が出れば、直ちに入庫するケースが大半を占め
る。即ち、入出庫口13A,13Bの手前に入庫待ち車
両がある場合は、出口ドア41が開いて車両が出庫した
のち、出口ドア41を閉じると同時に入口ドア40を開
く。リフタ12A,12Bの上面には空パレット39が
載ったままになっており、入庫待ちの車両を入出庫口1
3A,13Bに進入させる。運転者が降車したのち、入
庫指令により入口ドア40を閉じ、リフタ12A,12
Bが上昇して、車載パレットはコンベヤ11A,11B
に供給される。リフタ12A,12Bは上昇した状態で
待機する。
【0052】上記入庫作業を行っている間に、スタッカ
クレーン1は、出庫指令の出された2箇の車載パレット
を取出し、フォーク2Aが棚群4,5の第4行目に位置
するように停止する。そして、入庫すべき車載パレット
がコンベヤ11A,11Bに移されていれば、フォーク
2Aをコンベヤ10Aへ、フォーク2Bをコンベヤ10
Bへ同時に突出させ、該車載パレットをコンベヤ10
A,10Bに同時に載せる。
【0053】次に、スタッカクレーン1は、フォーク2
A,2Bをコンベヤ10A,10Bから同時に引込め、
途中で止めることなく、さらにコンベヤ11B,11A
へ同時に突出させ、そして同時に2箇の車載パレットを
取込む。次に、スタッカクレーン1は空に車載パレッ
トを格納する。
【0054】一方、スタッカクレーン1から出庫すべき
車載パレットをコンベヤ10A,10Bが受取ると、リ
フタ12A,12Bは下降し、出口ドア41が開き、運
転者が乗車して出庫する。
【0055】以後、これを繰返す。このように、スタッ
カクレーン1が2台の車載パレットを同時に搬送するの
は、出庫および入庫が連続している場合である。
【0056】出庫または入庫のいずれかが1台の場合に
ついて説明する。出庫が1台、入庫が2台の場合を、棚
群4,5について説明する。入庫する2台の車両は、先
に説明の手順により同時にコンベヤ11A,11Bに供
給される。出庫指令によりスタッカクレーン1は、車載
パレットをフォーク2Aにより棚から取出し、フォーク
2Aが棚群4,5の第4行目に位置するように停止す
る。次にフォーク2Aにより該車載パレットをコンベヤ
10Aに載せ、フォーク2Aを引込め、続いてフォーク
2Aをコンベヤ11Bに突出させる。この時フォーク2
Aと同調して、フォーク2Bをコンベヤ11Aに突出さ
せ、同時に2箇の車載パレットを取込む。そのあと、ス
タッカクレーン1は、空棚に2箇の車載パレットを格納
する。
【0057】一方、コンベヤ10Aがスタッカクレーン
1から車載パレットを受取ると、リフタ12Aは下降
し、出口ドア41が開き、運転者が乗車して出庫する。
また、コンベヤ10Bには、パレットマガジン21から
空パレットを供給し、リフタ12Bを下降させる。
【0058】出庫指令された棚が棚群4,5の第5行目
〜第8行目にある時は、スタッカクレーン1は車載パレ
ットをフォーク2Bにより棚から取出し、フォーク2B
が棚群4,5の第5行目に位置するように停止する。こ
の場合、該車載パレットはフォーク2Bでコンベヤ10
Bに載せ、出庫する。また、コンベヤ10Aには、パレ
ットマガジン21から空パレットを供給する。
【0059】次に、出庫が2台、入庫が1台の場合を、
棚群4,5について説明する。例えば、出庫指令は2台
であるが、入庫待ち車は入出庫口13Bには無く、入出
庫口13Aの前方にのみあるときについて説明する。
【0060】入庫する車両は、先の説明の手順に従って
入出庫口13Aに入り、リフタ12Aが上昇し、車載パ
レットをコンベヤ11Aに供給する。これと同時に、リ
フタ12Bは空パレットを載せたままで上昇し、該空パ
レットをコンベヤ10Bにより、パレットマガジン21
に段積みする。スタッカクレーン1は、2台の車載パレ
ットを棚から受取り、フォーク2A,2Bでそれぞれコ
ンベヤ10A,10Bに該車載パレットを載せる。次に
フォーク2Bをコンベヤ10Bから引込め、さらに引続
いてコンベヤ11Aに突出させて、車載パレットを受取
る。この時フォーク2Aは、フォーク2Bに同調してコ
ンベヤ10Aから引込めるが、コンベヤ11Bには突出
しない。スタッカクレーンは、1台の車載パレットを空
に格納する。
【0061】以上の運行はコンピュータで行なわれる。
コンピュータは、出庫要求の状況、入出庫口13A,1
3B及び各授受口におけるパレットの有無、入庫待ちの
車両の数等を検出して、運行手順を定める。
【0062】なお、入庫や出庫の方法としては他にもあ
る。例えば、入庫において、一方の入出庫口13A側に
複数の車両が入庫しようとし、他方の入出庫口13B側
に車両が居ない場合は、スタッカクレーン1はコンベヤ
11A,10Aの2つの車載パレットを同時に搬送する
ことになる。
【0063】また、入出庫口13Aを入庫用、入出庫口
13Bを出庫専用とすることができる。この場合、2つ
の車載パレットをコンベヤ10B,11Bに同時に出庫
し、コンベヤ10A,11Aから2つの車載パレットを
同時にスタッカクレーン1に取込むことができる。車両
の走行方向において上流側に位置する入出庫口13Aを
入庫用とし、下流側の入出庫口13Bを出庫用としてい
るので、車両の運転を容易にできるものである。
【0064】以上の如く、棚群4,5にそれぞれ入出庫
口13A,13Bを設け、一方のフォーク2Aを一方の
棚群の授受口へ、他方のフォーク2Bを他方の棚群の授
受口へ同時に突出させ、2台の車両を同時にスタッカク
レーンから授受口に(または授受口からスタッカクレー
ンに)搬送しているので、1台ごとに搬送する場合に比
べて、一台当りの入出庫に要する時間を短縮できるもの
である。例えば、2台のみの出庫又は2台のみの入庫を
考えるとこの効果を容易に理解できよう。
【0065】また、各棚群4,5に授受口10E,11
E,10F,11Fを2つづつ設け、この授受口の位置
(高さ,間隔)はスタッカクレーン1のフォーク2A,
2Bの位置(高さ,間隔)に合せて設けている。即ち、
一方の棚群の授受口10E,11Eと他方の授受口11
F,10Fとはフォーク2A,2Bをはさんで対向して
いる。また、出庫用の授受口10E,10Fと入庫用の
授受口11,11とは対向している。このため、ス
タッカクレーンは停止したままで、2台の車載パレット
を同時に出庫用の授受口10E,10Fに渡し、さらに
同じ停止位置で、反対側の入庫用の授受口11F,11
Eから2台の車載パレットを同時に受取ることができ、
入庫および出庫を極めて短時間に行なうことができるも
のである。
【0066】さらに、パレットマガジン21入庫用授
受口11E,11Fとの間に出庫用の授受口10E,1
0Fを設けているので、空パレットの搬送距離を極力少
なくすることができる。特に入庫と出庫を交互に繰返す
場合は、空パレットの搬送は全く必要なく、更に効率よ
く短時間で入庫および出庫ができるものである。また以
上の配置により、空パレット専用の搬送路を棚の下部に
設ける必要がなく、棚の高さを低くすることができるも
のである。このことは、例えば、棚群4のパレットマガ
ジン21を第6行目に設置した場合を想定すれば、理解
できよう。
【0067】また、スタッカクレーンとの授受口10
E,10F,11E,11Fを、棚群の長さ方向のほぼ
中央に設けているので、スタッカクレーンの走行距離を
最小限にすることができ、さらに、駐車場の出入口から
入出庫口までの距離を十分にとることができるもので、
入出庫口への車両の進入、退出が容易にできるものであ
る。
【0068】以上により、一箇の棚群に対して一組の入
出庫口、リフタ、パレットマガジン、コンベヤを設ける
ことにより、行数の少い棚、多い棚のいずれにおいて
も、極めて効率的に入庫、駐車、出庫ができるものであ
る。
【0069】さらに、棚群を並設する場合は、入出庫
口、リフタ等を少なくとも1行ずらして設置しているの
で、乗員の乗車、降車用のプラットフォームのスペース
を、他の棚の下方に位置することができ、相対する棚群
間に特別のスペースを必要としない効果がある。
【0070】また、乗員の通路50,55を車両の進入
路35、退出路36の上方に設けているので、乗員が車
両の進入路35、退出路36を横切ることが無くなり、
安全にできるものである。特に、入出庫口を多数並設す
る大形の駐車場において、効果的である。また、入出庫
口の面と通路50,55を接続する階段をスタッカクレ
ーン1の走行路3の下方に設けているので、空間を有効
に利用でき、立体駐車場の幅方向の大形化を防止できる
ものである。
【0071】図5は、棚群4,5において、入庫用授受
口と出庫用授受口をそれぞれ入れ替えたものである。ス
タッカクレーン1は、出庫する車載パレットをフォーク
2A,2Bでそれぞれコンベヤ11B,11Aに載せ、
入庫する車載パレットを、コンベヤ10A,10Bから
受取る。
【0072】これによれば、上面にコンベヤ10A,1
0Bを載せているリフタ12A,12Bが上昇していな
くても、出庫する車載パレットを授受口に渡すことがで
き、さらにリフタ12A,12Bが上昇すれば、直ちに
入庫する車載パレットを受取ることができるので、スタ
ッカクレーン1の待ち時間を短くできるものである。
まり、入庫優先である。前記図1の場合は出庫優先であ
るといえる。
【0073】図6、図7に示す実施例について説明す
る。棚群4において、パレットマガジン21、入出庫口
13Aのコンベヤ10A,コンベヤ45A,46Aを直
列に設けている。棚群5において、パレットマガジン2
1,入出庫口13Bのコンベヤ10B,コンベヤ45
B,46Bを直列に設けている。これらの各機器は棚群
4と棚群5において同一行に設置している。
【0074】2台の車両の入庫と2台の車両の出庫を交
互に行なう場合は、前記から明らかなように、スタッカ
クレーン1はコンベヤ45A,46Bに2つの車載パレ
ットを同時に出庫し次に、同一位置においてコンベヤ
46A,46Bから2つの車載パレットを同時に受取
る。
【0075】また、コンベヤ10A,45Bに同時に出
庫し、次に、1行分走行した後、コンベヤ45A,46
Bから同時に車載パレットを受取るようにすることもで
きる。
【0076】逆に、コンベヤ45A,46Bに同時に出
庫し、次に、1行分走行した後、コンベヤ10A,45
Bから同時に車載パレットを受取ることができる。
【0077】また、コンベヤ45A,46A(45B,
46B)、又はコンベヤ10A,45A(10B,45
B)を一組として授受することができる。コンベヤ46
A,46Bはバッファとなっている。
【0078】状況に応じてこれらを適宜切換えて用いれ
ば、効率を向上できる。
【0079】この実施例では、入出庫口13Aと入出庫
口13Bを同一行に設置できるので、例えば、入出庫口
の手前の進入路35の直線部を長くでき、入出庫口への
進入を容易にできる。
【0080】また、棚群5の入出庫口13Bと隣接する
組の棚群4Aの入出庫口13Aとを同一行に設置してい
るので、隣接する各組の間、即ち、棚群5と棚群4との
間にプラットフォーム43用の隙間を設けている。
【0081】図7において、通路50は乗降兼用として
いる。60は出庫用の通路である。また、隙間Sの部分
にも階段を追加することもできる。上記実施例では棚の
格納領域を入出庫の領域の上方に設けているが、逆に下
方に設けることもできるものである。図8にその一例を
示す。リフタ12A等は棚群4に支持されている。49
は進入路35等のための床である。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、搬送装置によって2台
の車両を出庫したならば2台の車両を入庫できるので、
入出庫時間を短縮できるものである。また、搬送装置の
走行方向に対して直角方向の水平方向から見たとき、そ
れぞれの棚群の入出庫口を同一位置に設置できるので、
例えば、入出庫口の手前の進入路の直線部を長くでき、
入出庫口への進入を容易にできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体駐車場の棚の第1段目の水平断面図であ
る。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B面図である。
【図4】図2のC−C断面図である。
【図5】他の例の立体駐車場の要部の棚の第1段目の水
平断面図である。
【図6】本発明の一実施例の立体駐車場の要部の棚の第
1段目の水平断面図である。
【図7】図6の実施例の入出庫領域の水平断面図であ
る。
【図8】本発明の他の実施例の要部の縦断面図である
【符号の説明】
1…スタッカクレーン、2,2A,2B…フォーク、3
…走行路、4,4A,5,5A…棚群、9…床、10
A,10B,11A,11B…コンベヤ、12A,12
B…リフタ、13A,13B…入出庫口、21…パレッ
トマガジン、35…進入路、36…退出口、43A,4
3B,45A,45B,46A,46B…コンベヤ、5
0,55…乗員の通路、53,58…階段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つの授受装置を水平方向に並べて有する
    搬送装置と、 該搬送装置の走行路の両側に沿って水平方向に複数の格
    納棚をそれぞれ有する二つの棚群と、 前記二つの棚群にそれぞれ二つづつ水平方向に隣接して
    設けられ、前記授受装置との間で車両を授受する口であ
    り、前記搬送装置の走行方向に対して直角方向の水平方
    向から見たとき、一方の前記棚群の前記の二つの口の延
    長線上に他方の前記棚群の二つの口が位置する授受口
    と、 前記二つの棚群にそれぞれ一つづつ設けられ、前記授受
    口の水平方向に接続して設けた口であり、前記搬送装置
    の走行方向に対して直角方向の水平方向から見たとき、
    一方の前記棚群の前記口の延長線上に他方の前記棚群の
    口が位置する第2の授受口と、 該二つの棚群、前記搬送装置、該搬送装置の走行路とか
    らなる格納領域の垂直方向に設置した入出庫領域と、 乗降するためのものであって、前記入出庫領域に設けた
    二つの入出庫口と、 前記第2の授受口のそれぞれと前記入出庫口とを接続す
    るものであって、前記搬送装置の走行方向にパレットを
    搬送する第1のコンベヤを有する二つのリフタと、 前記授受口のそれぞれに設けられ、前記それぞれの棚群
    内の前記授受口の相互間において車両を授受するもので
    あり、前記第2の授受口に位置した前記第1のコンベヤ
    との間で車両を授受する第2のコンベヤと、 からなる立体駐車場。
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JPS61261577A (ja) * 1985-05-13 1986-11-19 株式会社 東京タツノ 駐車装置
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