JP2725301B2 - 回転ドラムのアース装置 - Google Patents

回転ドラムのアース装置

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JP2725301B2 JP63214355A JP21435588A JP2725301B2 JP 2725301 B2 JP2725301 B2 JP 2725301B2 JP 63214355 A JP63214355 A JP 63214355A JP 21435588 A JP21435588 A JP 21435588A JP 2725301 B2 JP2725301 B2 JP 2725301B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、VTR等に用いられるヘッドドラム装置の
回転ドラムのアース装置に関する。
〔発明の概要〕
この発明は、ねじりコイルばねを利用し、このねじり
コイルばねの基端部を回転ドラムの被取付け部に巻付け
て固定するとともに、このねじりコイルばねの先端側に
接触子を取付け、固定軸のボス部の外周面に接触子を圧
着させることによって回転ドラムのアースをとるように
した回転ドラムのアース装置において、回転ドラムにた
まった静電気を2KΩ以上1MΩ以下の抵抗値を有する抵抗
部材を介して固定ドラムに落とすようにすることによ
り、画面上に現われるノイズを除去するようにしたもの
である。
〔従来の技術〕
通常、VTRは回転ドラムと固定ドラムとを備え、これ
らのドラムの外周面に磁気テープをヘリカルに巻付ける
とともに、回転ドラムに設けられている磁気ヘッドによ
って磁気テープ上を走査することによってヘリカルスキ
ャンを達成するようにしている。そしてこのようなヘッ
ドドラム装置においては、回転ドラムをアースする必要
があり、アースを通常は支軸を用いて行なうようにして
いた。
軸が回転するタイプのドラム装置においては、メカデ
ッキに設けられているアース用のリーフばねの自由端を
延長するとともに、この自由端を軸の下端面に押当てる
ことによって軸を介して回転ドラムのアースをとるよう
にしていた。これに対して軸が固定されているタイプの
ものでは、軸の上部に回転部分を設け、この部分の接触
面の面粗度を良好にし、メカデッキに取付けられたリー
フスプリングから成るアースの自由端側を上記接触面に
接触させるようにしていた。
ところが、従来のこのような回転ドラムのアース装置
においては、軸アースをメカデッキに取付けるととも
に、この軸アースの接触部分がドラムの半径方向中心部
付近まで延長されるようになっていた。従ってこのよう
な従来のアース装置によれば、構造が大きくなるばかり
でなく、セット全体の高さを制限し、重量も重くなる欠
点であった。
そこで、本出願人は構造が小さく、またセットの高さ
が高くなることもなく、重量も小さくなるようにした回
転ドラムのアース装置を先に提案した(特願昭63−1599
41号)。
この装置は、磁気ヘッドを有する回転ドラムの電位を
アース電位に落とす装置において、弾性を有するワイヤ
状部材を設け、このワイヤ状部材の基端側を回転側また
は固定側の被取付け部に巻装して固定するとともに、こ
のワイヤ状部材の先端側の接触部またはワイヤ状部材の
先端部に取付けられている接触子を固定軸または回転軸
あるいはそれらのボス部の外周面に圧着させ、このワイ
ヤ状部材によって回転ドラムのアースをとるようにした
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、特願昭63−159941号で提案された装置の場
合、ドラムの回転速度が従来のものに比し1.5倍と早
く、軸固定で小型化のためアース端子内蔵タイプで周速
の比較的に大きい所を使わざるを得ず、しかもゴムダン
パ等の防振対策をとるスペースがないため、この状態で
画面を再生するとアース端子(接触子)振動のためにテ
ープと回転ドラムの摩擦で生じる静電気が突然回転ドラ
ムから固定ドラムを通してシャーシに流れ、そのとき磁
気ヘッドにノイズが乗り画面上にバラバラと白玉状のノ
イズが発生する欠点があった。
この発明は斯る点に鑑みてなされたもので、アース用
の接触子の振動により画面上に現われるノイズを除去す
ることができる回転ドラムのアース装置を提供するもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、弾性を有するワイヤ状部材(47)を設
け、このワイヤ状部材(47)の基端側を回転側または固
定側の被取付け部(45,46)に巻装して固定するととも
に、ワイヤ状部材(47)の先端側の接触部またはワイヤ
状部材(47)の先端部に取りつけられている接触子(4
8)を固定軸または回転軸あるいはそれらのボス部(3
9)の外周面に圧着させ、このワイヤ状部材(47)によ
って回転ドラム(11)のアースをとるようにした回転ド
ラムのアース装置において、回転ドラム(11)にたまっ
た静電気を2KΩ以上1MΩ以下の抵抗値を有する抵抗部材
(60)を介して固定ドラム(12)側に落とすように構成
している。
〔作用〕
回転ドラム(11)にたまった静電気はマグネットケー
ス(35)、抵抗部剤(60)、取付け板(45)、ピン(4
6)、アースばね(47)、接触子(48)を通り固定側の
ボス(39)に流れ、これに圧入している支軸(26)を介
して固定ドラム(12)を通ってシャーシに落ちる。この
とき2KΩ以上1MΩ以下の抵抗値を有する抵抗部材(60)
の介在によりラッシュ電流が規制されて急激に流れるの
が緩和され、静電気は徐々に放電することになり、この
結果画面上に現われる白玉状のノイズが除去される。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を第1図〜第4図に基づい
て詳しく説明する。
第1図はこの発明の一実施例に係るヘッドドラム装置
の全体の構造を示すものであって、この装置は磁気ヘッ
ド(10)を備える回転ドラム(11)と、その下側に同軸
状に配される固定ドラム(12)とから構成されている。
磁気ヘッド(10)はヘッドベース(13)の先端部に取付
けられるとともに、ヘッドベース(13)がビス(14)に
よって回転ドラム(11)の下面に固定されるようになっ
ている。そして端子板(15)に取付けられている接触子
(16)が磁気ヘッド(10)とロータリトランス(17)の
ロータ(18)との接続を行なうようにしている。ロータ
リトランス(17)は回転側と固定側との間での信号の授
受を行なうためのものであって、そのロータ(18)がヘ
ッドドラム(11)側に、また下側のステータ(19)が固
定ドラム(12)側にそれぞれ取付けられるようになって
おり、互いに微小なエアギャップを介して対向してい
る。
磁気ヘッド(10)を有する回転ドラム(11)はボス
(22)に取付けられるようになっている。回転ドラム
(11)はビス(23)によってボス(22)に固定されてい
る。そしてボス(22)は上下一対のボールベアリング
(24),(25)によって支軸(26)に回転可能に支持さ
れるようになっている。この支軸(26)の下端側の部分
は、固定ドラム(12)の中心部に形成されている穴(2
7)に圧入されるようになっている。また固定ドラム(1
2)の下側にはフレキシブルプリント基板(28)が取付
けられるようになっており、このプリント基板(28)の
端部に取付けられている端子板(29)に植設されている
ピン(30),(31)を介してプリント基板(28)の先端
部は下側の固定ドラム(12)の下面に取付けられるよう
になっている。
回転ドラム(11)の内側にはモータ(34)が配されて
おり、このモータ(34)によって回転ドラム(11)を回
転駆動するようになっている。すなわちマグネットケー
ス(35)がビス(36)によって回転ドラム(11)に固着
さるとともに、マグネットケース(35)にはマグネット
(37)が固着されている。そしてマグネット(37)はそ
の上側に配されているプリント基板(38)に形成されて
いるコイルと対向するようになっている。プリント基板
(38)は支軸(26)の上端に固着されたボス(39)にビ
ス(40)を介して固定されるようになっている。そして
ボス(39)にはフレキシブル基板(41)の先端部に取付
けられている端子板(42)が固着されるようになってお
り、フレキシブル基板(41)を介してプリント基板(3
8)のコイルに通電が行なわれるようになっている。
また、本実施例では回転ドラム(11)にたまった静電
気を放電する際に画面上に現われる白玉状のノイズを防
止するためにアースの経路に抵抗部材(60)を配置する
が、これについては後で詳述する。
つぎに磁気ヘッド(10)を備える回転ドラム(11)の
アースの構造について説明すると、第2図、第3図、及
び第4図に示すように、回転ドラム(11)のモータのマ
グネットケース(35)の内側には取付け板(45)がバラ
ンサ(51)とビス(52)によって取付けられている。取
付け板(45)にはピン(46)が植設されるとともに、こ
のピン(46)によってアースばね(47)の基端側が巻付
けられて支持されている。アースばね(47)の先端側に
は接触子(48)が固着されると共にこの接触子(48)が
支軸(26)の上端に固着されているボス(39)の溝(5
0)に圧着されるようになっている。なお非作動状態に
おいてはアースばね(47)の先端側の接触子(48)は取
付け板(45)の係止部(49)によって第3図に示すよう
に係止されるようになっており、この状態においてヘッ
ドドラム装置の組立てが行なわれるようになっている。
以上のような構成において、上下に同軸状に配されて
いる回転ドラム(11)と固定ドラム(12)の外周面には
磁気テープがヘリカルに巻付けられるようになってお
り、この状態においてモータ(34)によって回転ドラム
(11)が回転駆動される。するとドラム(11)にベース
(13)を介して支持されている磁気ヘッド(10)が磁気
テープの表面を斜めに走査することになり、ヘリカルス
キャンが行なわれる。従ってロータリトランス(17)を
介して固定側から供給された信号が磁気ヘッド(10)に
印加され、磁気ヘッド(10)によって磁気テープ上に信
号の記録が行なわれる。あるいはまた磁気テープ上の信
号を磁気ヘッド(10)が読出すとともに、この信号をロ
ータリトランス(17)を通して固定側に供給することに
なる。これによって所定の記録および/または再生が行
なわれることになる。
このようなVTR用のヘッドドラム装置において、支軸
(26)は固定軸を構成しており、しかもヘッドドラム装
置を偏平にして軸線方向の寸法を小さくするために、モ
ータ(34)が回転ドラム(11)の中に入っており、モー
タ(34)のハーネスがフレキシブル基板(41)によって
構成され、回転ドラム(11)の上側から引出されるよう
になっている。従ってこのような構造によると、ドラム
(11)の上部から軸アースをとることが困難になる。ま
たドラム(11)の外周面に直接アースを接触させるよう
にすると、外周面の周速が大きいのでジッタの原因にな
る。またこのような構造を採用すると接触部の摩耗が大
きくなる。
そこでこのヘッドドラム装置においては、第2図〜第
4図に示すように回転ドラム(11)内にアースばね(4
7)を取付け、このアースばね(47)の先端に設けられ
ている接触子(48)を支軸の上端に固着されているボス
(39)の外周面に形成されている溝(50)に圧着するよ
うにしている。このような構造によれば、ねじりコイル
ばね(47)を利用して圧接力を低くし、安定化させるこ
とが可能になる。また接触子(48)として貴金属を用い
ているために、酸化によるさびが確実に防止されること
になる。このようなアースの構造によれば、支軸(26)
をドラム(11)の上部に突出させる必要がなくなるの
で、ヘッドドラム装置全体の軸線方向の寸法を小さくで
き、軽量化が可能になる。またばね(47)の圧接力が低
く、安定化しているために、摩耗が少なく、ジッタに対
して有利になる。
さて、本実施例では回転ドラム(11)にたまった静電
気を放電する際に画面上に現われる白玉状のノイズを防
止するためにアースの経路に抵抗部材(60)を配置する
わけであるが、ここでは一例としてマグネットケース
(35)と取付け板(45)の間に薄膜の抵抗部材(60)を
設ける。また、ビス(52)は非導電性とする。
回転ドラム(11)にたまった静電気は回転ドラム(1
1)−マグネットケース(35)−抵抗部材(60)−取付
け板(45)−ピン(46)−アースばね(47)−接触子
(48)−ボス(39)−支軸(26)−固定ドラム(12)の
経路を通ってシャーシへ流れるが、この際に途中に抵抗
部材(60)が介在しているのでそのとき流れるラッシュ
電流が規制されて急激に流れるのが緩和され、静電気は
徐々に放電する。この結果ノイズが磁気ヘッド(10)に
乗らないので、画面上には何ら白玉状のノイズは現われ
なくなる。
実験によれば、抵抗部材(60)の抵抗値は約2KΩ以上
あればよく、その上限は静電気の流れる可能性のある値
約1MΩ以下である。
なお上述の実施例では、アースを構成するアースばね
(47)が回転ドラム(11)側に設けられるとともに、こ
のばね(47)の先端に取付けられている接触子(48)が
固定軸(26)の上端に固着されているボス(39)の外周
面に圧着されるようになっている場合であるが、このよ
うな構造に代えて、固定ドラム(12)側にアースばねを
取付けるとともに、このアースばねの先端側の接触部ま
たは接触子を回転ドラム(11)に固着された回転軸の外
周面あるいはこの回転軸に固着されたボスの外周面に圧
着させるようにしてもよい。
また、上述の実施例では抵抗部材(60)をマグネット
ケース(35)と取付け板(45)の間に配置したが、上述
した回転ドラム(11)より固定ドラム(12)のアースの
経路中であれば任意の位置でよい。
〔発明の効果〕 上述の如くこの発明によれば、回転ドラムにたまった
静電気を2KΩ以上1MΩ以下の抵抗値を有する抵抗部材を
介して固定ドラム側に落とすようにしたので、静電気の
放電により画面上に現われるノイズを除去できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例と示す縦断面図、第2図は
この発明の要部を示す拡大平面図、第3図はこの発明の
要部を一部切断して示す正面図、第4図はこの発明の要
部を示す平面図である。 (10)は磁気ヘッド、(11)は回転ドラム、(12)は固
定ドラム、(35)はマグネットケース、(39)はボス、
(45)は取付け板、(46)はピン、(47)はアースば
ね、(48)は接触子、(50)は溝、(52)はビス、(6
0)は抵抗部材である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性を有するワイヤ状部材を設け、該ワイ
    ヤ状部材の基端側を回転側または固定側の被取付け部に
    巻装して固定するとともに、上記ワイヤ状部材の先端側
    の接触部または上記ワイヤ状部材の先端部に取り付けら
    れている接触子を固定軸または回転軸あるいはそれらの
    ボス部の外周面に圧着させ、該ワイヤ状部材によって上
    記回転ドラムのアースをとるようにした回転ドラムのア
    ース装置において、 上記回転ドラムにたまった静電気を2KΩ以上1MΩ以下の
    抵抗値を有する抵抗部材を介して固定ドラムに落とすよ
    うにしたことを特徴とする回転ドラムのアース装置。
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