JP3289673B2 - 回転ドラムのアース機構 - Google Patents

回転ドラムのアース機構

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JP3289673B2 JP10852498A JP10852498A JP3289673B2 JP 3289673 B2 JP3289673 B2 JP 3289673B2 JP 10852498 A JP10852498 A JP 10852498A JP 10852498 A JP10852498 A JP 10852498A JP 3289673 B2 JP3289673 B2 JP 3289673B2
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ball bearing
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智 山下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープが巻き
付けられて摺動し記録または再生が行われるビデオテー
プレコーダー(VTR)などで用いられる磁気記録再生
装置に係り、特に回転ドラムのアース機構に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRやDAT等の回転ドラムを使用す
る磁気記録再生装置では、回転ドラムを接地することで
静電気によるノイズの発生を防止している。
【0003】従来の回転ドラムのアース機構を図4及び
図5を参照して説明する。図4は本発明に係る回転ドラ
ムのアース機構を適用したドラム装置を示す断面図であ
り、図5はその要部拡大図である。同図において、1は
固定ドラムであり、シャフト2が焼き嵌め等により固定
されている。3は回転ドラムであり、回転ドラム3の中
心孔の上下にはボールベアリング4A,4Bが焼き嵌め
等により固定されている。5は信号を伝達するためのロ
ータリートランスのステータ部であり、固定ドラム1の
上端に接着等により固定されている。6はロータリート
ランスのロータ部であり、回転ドラム3の下端に固定さ
れている。
【0004】固定ドラム1及び回転ドラム3よりなる組
品は、上下のボールベアリング4A,4Bにシャフト2
を挿入することによりドラム装置として構成され、その
後シャフト2の上方より予圧カラー7にてボールベアリ
ング4Bに必要な圧力がかけられた状態で、予圧カラー
7をネジによってシャフト2に固定する。また、ロータ
リートランスのステータ5及びロータリートランスのロ
ータ6は所定の間隔が空くように寸法設定されている。
【0005】ボールベアリング4Bと予圧カラー7との
間にはアースキャップ13の円板部13Aが介在してい
る。このアースキャップ13の円板部13Aは、下側面
がボールベアリング4Bの外輪上端面に接触すると同時
に、アースキャップ13の外周に設けた爪部13Bが回
転ドラム3のボールベアリング保持部3Aに嵌合してい
る。
【0006】8は映像,音声等の磁気ヘッドであり、ネ
ジによって回転ドラム3の所定の位置に調整された上で
固着されている。9は回転ドラム3を回転させるための
モータのロータ部であり、ネジによって回転ドラム3と
同心位置となるよう固定されている。10は回転ドラム
3のアースをとるためのアースブラシで、予圧カラー7
の所定の位置に設けた孔に挿入され、その先端部はアー
スキャップ13の上端面に接触している。
【0007】11はコイルスプリングであり、予圧カラ
ー7に設けた孔内のアースブラシ10の上側に挿入さ
れ、更に、その上側よりモータのステータ部12を予圧
カラー7にネジで固定することにより、コイルスプリン
グ11は所定の寸法に押し縮められて、アースブラシ1
0の先端部がアースキャップ13に接触するために必要
な圧力を与えている。この組品の状態で、モータのロー
タ部9とモータのステータ部12とによって、ロータ部
9及び回転ドラム3が回転することになるが、シャフト
2は固定ドラム1に固定されているのでシャフト2が挿
入されたボールベアリング4A,4Bについても、シャ
フト2側に位置する内輪は回転せず、回転ドラム3側の
外輪のみが回転する。
【0008】また、回転ドラム3の回転中、ボールベア
リング4A,4Bは内部の潤滑油によって内輪と外輪と
の間が通電しない状態となるため、アース経路として
は、回転ドラム3、ボールベアリング4Bの外輪部、ア
ースキャップ13、アースブラシ10、コイルスプリン
グ11、予圧カラー7、シャフト2、固定ドラム1の順
番となる。なお、アースキャップ13はボールベアリン
グ4Bが回転することによるボールベアリング4B内の
グリス飛散による通電性能の悪化を防ぐ重要な役割を持
っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の回転ド
ラムのアース機構においては、アースキャップ13が回
転ドラム3のボールベアリング保持部3Aに嵌合してい
るため、ボールベアリング保持部3Aの精度を出す必要
があり、回転ドラム3のボールベアリング保持部3Aを
加工することによるコストアップが発生していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明に係る回転ドラムのアース機構は、回転
ドラム3と、前記回転ドラム3の外周に取り付けた磁気
ヘッド8と、前記回転ドラム3の中央上部に設けた上ボ
ールベアリング4Bと、中央下部に設けた下ボールベア
リング4Aと、固定ドラム1と、前記固定ドラム1の中
央に固着したシャフト2と、前記上ボールベアリング4
B及び前記下ボールベアリング4Aに前記シャフト2を
挿入し、前記上ボールベアリング4Bに圧力をかけなが
ら前記シャフト2に固定した予圧カラー7と、前記予圧
カラー7に設けた孔に挿入したアースブラシ10と、前
記孔の上側を塞ぐ導電性の基板と、前記アースブラシ1
0と前記上ボールベアリング4Bの外輪との間に介在す
る円板部15Aと、前記上ボールベアリング4Bの外周
に固着される取り付け部15Bとからなり、前記アース
ブラシ10と前記上ボールベアリング4Bとの接触を中
継するアースキャップ15とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】ところで、ボールベアリングの外
輪は通常、数μmオーダーで管理されており、その精度
は従来のボールベアリング保持部の加工精度よりも高精
度であった。本発明は、この点に着目したもので、ボー
ルベアリングの外輪に直接アースキャップを取り付ける
構成としたものである。
【0012】以下、本発明に係る回転ドラムのアース機
構を図面を参照して説明する。なお、従来例と同じ構成
部材については同一の符号を付し、一部説明を省略す
る。図1は、本発明に係る回転ドラムのアース機構の一
実施例を示す断面図であり、図2はその要部拡大図であ
る。
【0013】同図において、1は固定ドラムであり、シ
ャフト2が焼き嵌め等により固定されている。3は回転
ドラムであり、回転ドラム3の中心孔の上下にはボール
ベアリング4A,4Bが焼き嵌め等により固定されてい
る。5は信号を伝達するためのロータリートランスのス
テータ部であり、固定ドラム1の上端に接着等により固
定されている。6はロータリートランスのロータ部であ
り、回転ドラム3の下端に固定されている。
【0014】固定ドラム1及び回転ドラム3よりなる組
品は、上下のボールベアリング4A,4Bにシャフト2
を挿入することによりドラム装置として構成され、その
後シャフト2の上方より予圧カラー7にてボールベアリ
ング4Bに必要な圧力がかけられた状態で、予圧カラー
7をネジによってシャフト2に固定する。また、ロータ
リートランスのステータ5及びロータリートランスのロ
ータ6は所定の間隔が空くように寸法設定されている。
【0015】ボールベアリング4Bと予圧カラー7との
間には、アースキャップ15の円板部15Aが介在して
いる。このアースキャップ15は、図3に示すような薄
板状で中央に孔の空いた形状となっており外周には複数
の爪部15Bが設けられている。このようなアースキャ
ップ15は、その下側面がボールベアリング4Bの外輪
上端面に接触すると同時に、外周に設けた複数の爪部1
5Bがボールベアリング4Bの外輪の外周面に嵌合し固
着されている。
【0016】また、アースキャップ15の内径部は、前
述したように、後からシャフト2に挿入される予圧カラ
ー7がボールベアリング4Bの内輪部に当接する部分を
逃げる状態となっており、アースキャップ15の外径部
はボールベアリング4Bの外輪部をカバーする寸法とな
っている。更に、予圧カラー7についても、固定時に高
さ方向の隙間がアースキャップ15に干渉しない寸法と
なっている。
【0017】8は映像,音声等の磁気ヘッドであり、ネ
ジによって回転ドラム3の所定の位置に調整された上で
固着されている。9は回転ドラム3を回転させるための
モータのロータ部であり、ネジによって回転ドラム3と
同心位置となるよう固定されている。10は回転ドラム
3のアースをとるためのアースブラシで、予圧カラー7
の所定の位置に設けた孔に挿入され、その先端部はアー
スキャップ15の上端面に接触している。
【0018】11はコイルスプリングであり、予圧カラ
ー7に設けた孔内のアースブラシ10の上側に挿入さ
れ、更に、その上側よりモータのステータ部12を予圧
カラー7にネジで固定することにより、コイルスプリン
グ11は所定の寸法に押し縮められて、アースブラシ1
0の先端部がアースキャップ15に接触するために必要
な圧力を与えている。この組品の状態で、モータのロー
タ部9とモータのステータ部12とによって、ロータ部
9及び回転ドラム3が回転することになるが、シャフト
2は固定ドラム1に固定されているのでシャフト2が挿
入されたボールベアリング4A,4Bについても、シャ
フト2側に位置する内輪は回転せず、回転ドラム3側の
外輪のみが回転する。
【0019】また、回転ドラム3の回転中、ボールベア
リング4A,4Bは内部の潤滑油によって内輪と外輪と
の間が通電しない状態となるため、アース経路として
は、回転ドラム3、ボールベアリング4Bの外輪部、ア
ースキャップ13、アースブラシ10、コイルスプリン
グ11、予圧カラー7、シャフト2、固定ドラム1の順
番となる。
【0020】以上のように構成してなる回転ドラムのア
ース機構によれば、常に高精度で供給されているボール
ベアリングの外輪に直接アースキャップを取り付けてい
るので、回転ドラムのボールベアリング保持部を精度良
く加工する必要がなくなる。
【0021】
【発明の効果】上述したように、アースキャップをボー
ルベアリングの外輪に直接取り付けるようにしたので、
アースキャップを取り付ける部分を別途加工する必要が
なくなりコストダウンを計ることができる。また、元来
より高精度のボールベアリングにアースキャップの取付
けの精度が依存されるので取付精度が増すという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る回転ドラムのアース機
構を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る回転ドラムのアース機
構を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る回転ドラムのアース機
構に適用するアースキャップを示す図である。
【図4】従来の回転ドラムのアース機構の一例を示す断
面図である。
【図5】従来の回転ドラムのアース機構の一例を示す要
部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 固定ドラム 2 シャフト 3 回転ドラム 4A,4B ボールベアリング 5 ロータリートランスのステータ部 6 ロータリートランスのロータ部 7 予圧カラー 8 磁気ヘッド 9 モータのロータ部 10 アースブラシ 11 コイルスプリング 12 モータのステータ部 13,15 アースキャップ 13A,15A 円板部 13B,15B 爪部(取り付け部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/02 G11B 5/53

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ドラムと、 前記回転ドラムの外周に取り付けた磁気ヘッドと、 前記回転ドラムの中央上部に設けた上ボールベアリング
    と、中央下部に設けた下ボールベアリングと、 固定ドラムと、 前記固定ドラムの中央に固着したシャフトと、 前記上ボールベアリング及び前記下ボールベアリングに
    前記シャフトを挿入し、前記上ボールベアリングに圧力
    をかけながら前記シャフトに固定した予圧カラーと、 前記予圧カラーに設けた孔に挿入したアースブラシと、 前記孔の上側を塞ぐ導電性の基板と、 前記アースブラシと前記上ボールベアリングの外輪との
    間に介在する円板部と、前記上ボールベアリングの外周
    に固着される取り付け部とからなり、前記アースブラシ
    と前記上ボールベアリングとの接触を中継するアースキ
    ャップとを備えたことを特徴とする回転ドラムのアース
    機構。
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