JP2719778B2 - 油溶性写真用添加剤の含有性の向上されたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

油溶性写真用添加剤の含有性の向上されたハロゲン化銀写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、分散剤を含有するハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは分散剤を含有させることにより油溶
性写真用添加剤を結晶析出や凝集等を起こすことなく分
散含有することを可能にしたハロゲン化銀写真感光材料
に関するものである。 [発明の背景] ハロゲン化銀写真感光材料の製造に際し、各種の写真
用添加剤が該写真感光材料の構成層中に添加される。こ
の添加に際しては、従来一般に該写真用添加剤を水また
は低級アルコール、アセトン等の有機溶媒に溶解し、該
溶液を構成層を形成する塗布液中に添加していた。しか
し、写真用添加剤のなかには水または前記有機溶媒に充
分には溶解し難い所謂油溶性のもの例えばカプラー、紫
外線吸収剤、色汚染防止剤等がある。 これらの油溶性写真用添加剤をハロゲン化銀写真感光
材料の構成層に含有させる方法としては、油溶性写真用
添加剤を水と混和しない有機溶媒中に溶解し、該溶液を
保護コロイドを含む水中に微細な小点滴状の粒子として
分散させ、該分散液を構成層を形成する塗布液中に分散
させるという方法が知られている。 従来、油溶性写真用添加剤を小点滴として分散させる
有機溶媒としては、例えばメチル、エチル、ブチル、ベ
ンジル、ノニルおよびデシルの各フタレート;ベンジ
ル、ブチル−O−メトキシおよびn−ヘキシルの各ベン
ゾエート;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、p−トルエンスルホニルジメチルアミド、
ベンゾフェノン、アセトフェノン、テトラヒドロフルフ
リールサクシネート、エチルサクシネート、エタノー
ル、アミン等があげられる。 しかしながら、すべての油溶性写真用添加剤は必ずし
もこれらの有機溶媒に対してよい溶解性を持っていると
は限らず、例えば、カプラーや紫外線吸収剤のある種の
ものはこれらの有機溶媒を使用しても溶解性が悪いた
め、コロイドミルやホモブレンダーによる乳化分散時と
か、乳剤やゼラチン溶液へ添加後の経時中とか、塗布乾
燥の工程段階において、油溶性写真用添加剤の結晶が析
出したり、あるいは小点滴粒子が互に凝集を起したりし
て、塗布の不均一や製品の品質低下を招くことがある。 更に、油溶性写真用添加剤をよく溶解する有機溶媒が
必ずしも分散安定性がよいとはかぎらず、溶解性がよく
ても分散安定性が悪いこともある。そのため製造工程中
に前記と同様に油溶性写真用添加剤が結晶析出したり、
あるいは小点滴粒子が互に凝集を起したりする場合があ
る。 また、有機溶媒のある種のものは帯電性を持っている
ため、静電気の発生により、スタチックマーク故障を起
すという問題点がある。 また、特にカラー写真感光材料においては、近年高温
迅速化写真処理が行われるに至り、処理特性を向上させ
るために感光層の薄膜化が要請されているが、薄膜化す
るには高沸点有機溶媒の使用量を減らす必要がある。し
かしながら従来の高沸点有機溶媒の中にはその減量によ
りカプラーの発色を阻害するものがある。 更にまた、従来の高沸点有機溶媒の中にはこれらを用
いて含有させたカプラーの発色によって得られる色素画
像の光、熱あるいは湿気に対する耐久性を充分に保持さ
せることができないものがあり、特にフェノール系シア
ンカプラーの発色によって得られるシアン色画像は一般
に熱や湿気に対して色相変化を起し易く、色相がグリー
ンに変化することが多い。またイエローカプラーの発色
によって得られる黄色画像は光によって退色し易く使用
する高沸点有機溶媒によってもその耐光性は左右され
る。 以上のように、従来の油溶性写真用添加剤を含有させ
るための多くの有機溶媒が知られているが、それぞれ一
長一短があり、これらの有機溶媒を用いるだけではすぐ
れた写真特性を兼備することができないのが現状であ
る。 本発明者等はこれらの問題点を解決すべく鋭意研究を
重ねた結果、ある種の分散剤を用いることにより、油溶
性写真用添加剤の分散性及び有機溶媒への溶解性並びに
ハロゲン化銀写真感光材料の構成層を形成するための塗
布液の分散安定性を向上することができることを見い出
した。更に、本発明者等はこれらの分散剤を用いた場合
には、油溶性写真用添加剤の含有されたハロゲン化銀写
真感光材料の優れた写真性能を保持することができるこ
とを見い出し本発明を完成したものである。 [発明の目的] 従って本発明の第1の目的は、ハロゲン化銀写真乳剤
または非感光性補助層中に油溶性添加剤を小点滴状に添
加した際、油溶性写真用添加剤の結晶が析出したり、あ
るいは小点滴粒子が互に凝集を起したりすることがな
く、すぐれた写真特性を有するハロゲン化銀写真感光材
料を提供することにある。 本発明の第2の目的は帯電列の調整を改善したハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することにある [発明の構成] 本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも一層の親
水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、前記親水性コロイド層の少なくとも一層にフッ素
系アニオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活
性剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料によって達成
された。 [発明の具体的構成] 一般に、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性
剤を混合すると対イオン交換反応により沈澱が生じ、界
面活性が失われることは広く知られている。ところが、
本発明者等によりフッ素系アニオン性界面活性剤とフッ
素系カチオン性界面活性剤を混合した場合には、沈澱を
生じないばかりでなく、水溶液の表面張力がそれぞれ単
独の値よりも低下することが見い出された。本発明者等
はこれは、混合系が液晶を形成しているためと考え、こ
のことを偏光顕微鏡による観察で確認した。 本発明における良好な分散性は上記のような理由によ
るものと考えられる。 なお、本明細書においては本発明にかかるフッ素系ア
ニオン性界面活性剤と本発明にかかるフッ素系カチオン
性界面活性剤を併用する場合には「本発明の分散剤」と
いう。 本発明にかかるフッ素系アニオン性界面活性剤として
好ましいものは下記一般式[I]で表わされる。 一般式[I] (CfY) (式中、Cfは少なくとも3個のフッ素原子と少なくと
も3個の炭素原子を含むn価の基を表わし、Yは、−CO
OM−、−SO3M、−OSO3M又は を表わし、ここでMは水素原子、又はアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属若しくは第4級アンモニウム塩の如きカ
チオンを表わし、そしてnは1又は2である。) 一般式[I]で表わされる本発明にかかるフッ素系ア
ニオン性界面活性剤のうちさらに好ましい例は、下記一
般式[II]で表わされる。 一般式[II] RfAY (式中、Rfは炭素原子数3〜30のフッ素置換アルキル
基又はアリール基を表わし、Aは−O−、−COO−、 なる結合を少なくとも1つ含む炭素原子数1〜12の2価
の基を表わし、ここでR1は炭素原子数1〜5のアルキル
基を表わし、nは1又は2であり、そしてYは−COOM、
−SO3M、−OSO3M又は を表わし、ここでMは水素原子又はアルカリ金属、アル
カリ土類金属若しくは第4級アンモニウム塩の如きカチ
オンを表わす。) 次に、一般式〔I〕、〔II〕で示される化合物の具体
例を挙げる。 一般式〔I〕で示される化合物 一般式〔II〕で示される化合物 本発明にかかるフッ素系カチオン性界面活性剤として
好ましいものは、下記一般式[III]で表わされる。 一般式[III] (DFW) (式中、Dfは少なくとも3個のフッ素原子と少なくと
も3個の炭素原子を含むn価の基を表わし、Wは を表わし、ここでR1、R2及びR3はそれぞれ炭素原子数1
〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル
基等)または一価の基で置換されたアルキル基(例えば
ヒドロキシメチル基、γ−ヒドロキシプロピル基等)を
表わし、Xはハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子、沃素原子等)、又はR−SO2−O基(Rは炭素原
子数1〜10のアルキル基又はアリール基)を表わし、Z
は窒素原子と共に5又は6員環(例えばピロール環、イ
ミダゾリン環、オキサゾール環、ピリジン環、ビリミジ
ン環等)を構成するに必要な原子群を表わし、そしてn
は1又は2である。) 次に、一般式(III)で示される化合物の具体例を挙
げる。 本発明にかかるフッ素系アニオン性界面活性剤あるい
は本発明にかかるフッ素系カチオン性界面活性剤は、例
えば米国特許2,559,751号、同第2,567,011号、同2,732,
398号、同第2,764,602号、同第2,806,866号、同第2,80
9,998号、同第2,915,376号、同第2,915,528号、同第2,9
34,450号、同第2,937,098号、同第2,957,031号、同第3,
472,894号、同第3,555,089号、同第2,918,501号、英国
特許1,143,927号、同1,130,822号、特公昭45−37304
号、特開昭47−9613号、同50−121243号、同50−117705
号、同49−134614号、同50−117727号、同52−41182
号、同51−12392号の各明細書、英国化学会誌(J.Chem.
Soc.)1950年第2789頁、同1957年第2574頁及び第2640、
米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)79巻第2549頁(1957
年)、油化学(J.Japan.Oil Chemists Soc.)第12巻 6
53頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)第30巻3524頁(196
5年)等に記載された方法によって合成することができ
る。 本発明にかかるこれらの含フッ素界面活性剤のうちあ
る種のものは第日本インキ化学工業社からメガファック
(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタマイニングアン
ドマニュファクチュアリングカンパニー社からフルオラ
ッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアルケミカ
ルインダストリー社からモンフロール(Monflor)なる
商品名で、イー・アイ・デュポン(E I Dupont)ネメラ
スアンドカンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品
名でまたはファルベベルケヘキスト社からリコベット
(Licowet)VPFなる商品名でそれぞれ市販されている。 また場合によっては、油溶性写真用添加剤を、本発明
の分散剤を用いて有機溶媒に溶解した溶液を、ハロゲン
化銀写真感光材料の構成層を形成するための塗布液中に
直接添加し乳化分散した後支持体上に塗布することもで
きる。本発明においては、油溶性写真用添加剤を分散す
るために、有機溶媒としてジブチルフタレート、トリク
レジルホスフェート等の高沸点有機溶媒(即ち、上述の
有機溶媒)のみを使用して、更に本発明の分散剤を用い
て充分に目的を達成することができるが、例えば特にカ
プラー等を乳化分散するためには、高沸点有機溶媒を用
い、更に必要に応じて低沸点有機溶媒を助溶媒として使
用し、これに本発明の分散剤を加えて用いることができ
る。組合せて用いることのできる低沸点有機溶媒として
は、例えば、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエ
チルアセテート、メトキシトリグリコールアセテート、
アセトン、メチルアセトン、メタノール、エタノール、
アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、エチルアセテート、ブチルアセ
テート、イソプロピルアセテート、ブタノール、クロロ
ホルム、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、フッ化
アルコール等をあげることができる。 本発明の分散剤の使用量はカプラー、紫外線吸収剤お
よびその他の油溶性写真用添加剤に対して、それぞれ任
意の量を選択することができるが、たとえば多層構成か
らなるハロゲン化銀カラー写真感光材料等の場合には、
その上層部に塗布された構成層中にあまりに多量に含有
すると、下層部に塗布された写真乳剤層の現像性を低下
させ、さらには乳剤層やゼラチン層の物性を多少劣化さ
せることもあるので実質的には、おのおのの油溶性写真
用添加剤に対して0.1〜8.0重量%の範囲で使用するのが
適当である。 また、本発明の分散剤を用いる場合の、本発明にかか
るフッ素系アニオン性界面活性剤と本発明にかかるフッ
素系カチオン性界面活性剤との添加割合は、1:10〜10:1
である。 なお、本発明の分散剤だけを単独でハロゲン化銀写真
感光材料の構成層を形成するための親水性コロイド液中
に添加してもよい。すなわち、たとえば保護層に単独で
添加するとすべり性が改善され、また多層ハロゲン化銀
写真感光材料における各構成層間の物性をコントロール
するため、あるいはスタチックマークの発生を防止する
ために中間層等に単独で添加してもよい。 本発明の分散剤を使用して油溶性写真用添加剤を分散
含有させた、ハロゲン化銀写真感光材料の構成層を形成
るための親水性コロイド液は、たとえばプラスチックフ
ィルム、レジンコート紙、バライタ紙等の適当な支持体
上に、塗布し、乾燥することによってハロゲン化銀写真
感光材料が製造される。本発明を適用することができる
ハロゲン化銀写真感光材料は、カラー用黒白用、あるい
は一般用、特殊用など任意のものに応用し得るが、こと
にカラー用ハロゲン化銀写真感光材料を製造する際に本
発明の適用が有効である。 本発明を実施するに当っての、最も代表的なハロゲン
化銀写真乳剤は通常はゼラチン−ハロゲン化銀乳剤であ
るが、他にアセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、あ
るいは水溶性セルロース誘導体、ポリビニールアルコー
ル、その他親水性の合成または天然の高分子化合物、あ
るいはそれらとゼラチンとの混合物等を使用したハロゲ
ン化銀写真乳剤に応用することもできる。また、ハロゲ
ン化銀写真感光材料の構成層を形成するための親水性コ
ロイド液が、上記ハロゲン化銀写真乳剤以外の補助層形
成用親水性保護コロイドである場合も、ゼラチンを使用
するのが一般的であるが、上記の如きその他の保護コロ
イドを用いてもよい。 本発明を適用して分散含有せしめることができる油溶
性写真用添加剤としては種々のものがあるが、とくにハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料において多用されるもの
が多い。代表的なものとしては、カプラー、紫外線吸収
剤、色汚染防止剤、酸化防止剤等があり、その具体的一
例を示せばたとえば次の如くである。 I.カプラー II.紫外線吸収剤 III.その他の油溶性写真用添加剤 (A−1) 2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン (A−2) 2,5−ジ−tert−オクチルハイドロキノン (A−3) 2−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)−4−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシアセトアミド)−
インダノン [発明の効果] 本発明の分散剤は、前記の各種油溶性写真用添加剤に
対して極めてすぐれた分散性をもっており、更に有機溶
媒に油溶性写真用添加剤を溶解する際に添加すれば、該
油溶性写真用添加剤の溶解性を向上することができ、そ
の上、前記油溶性写真用添加剤を有機溶媒に溶解し、該
溶解液を微小な点滴状に分散させた後でも、小点滴中に
前記油溶性写真用添加剤の結晶が析出することがなく、
また凝集させることもなく、分散安定性のすぐれた溶液
となす特性を有している。 更に、本発明の分散剤が油溶性写真用添加剤をよく分
散するため、所定量の該添加剤を加えるのに要する本発
明の分散剤又は有機溶媒の使用量がすくなくてすみ、そ
の結果、写真感光材料の写真処理後における白地部分の
汚染および変色が少なく、また高温写真処理に要求され
る薄膜化を容易にする特徴を有する。特にカプラーを小
点滴状に分散させたカラー写真感光材料における場合、
得られたカラー画像は例えば有機溶媒のみを使用した場
合に比較して、光、熱および湿気に対してすぐれた耐久
性を示す。即ちフェノール系シアンカプラーから得られ
たシアン色画像の緑色化する現象は殆んどなく、イエロ
ーカプラーから得られた黄色画像の光による退色も極め
て少ない。 更にまた、従来すぐれた溶媒がないために使用し得な
かった油溶性写真用添加剤をも本発明の分散剤を用いる
ことにより有効に利用し得るという特徴を有している。 しかも、本発明の分散剤は帯電列の調整効果を有する
ため、静電気の発生も少なくなり、静電気によるスタチ
ックマーク発生が防止されるという優れた写真特性効果
を兼備するものである。 以下、実施例をあげて本発明を例証するが、本発明の
実施の態様はこれによって限定されるものではない。 実施例1 下記組成の乳化分散液を調製し40℃で6時間経過後の
乳化分散液中の凝集及び結晶析出の有無を目視で判断し
た。 紫外線吸収剤U−2 6g 下記表−1に記載の アニオン性界面活性剤 0.1g 下記表−1に記載の カチオン性界面活性剤 0.1g エチルアセテート 20ml ジブチルフタレート 3g 5%ゼラチン溶液 100ml ただし、比較例1においては、フッ素系アニオン性界
面活性剤の量を、0.2gとし、比較例2においてはフッ素
系カチオン性界面活性剤の量を0.2g比較例3ではアニオ
ン性界面活性剤の量、また、比較例4ではカチオン性界
面活性剤の量をそれぞれ0.2gとした。また、比較例5〜
7ではアニオン性とカチオン性界面活性剤の量をそれぞ
れ0.1gとした。 上記表−1から明らかなように、本発明にかるフッ素
系アニオン性界面活性剤及び本発明にかかるフッ素系カ
チオン性界面活性剤の双方を含有させた乳化分散液(試
料No.1〜No.13)においては、凝集及び結晶の析出は観
察されなかった。 これに対して、本発明の分散剤のうちフッ素系アニオ
ン性界面活性剤のみを含有させた比較の乳化分散液(試
料No.14)ではわずかではあるが凝集が発生した。ま
た、本発明の分散剤のうちフッ素系カチオン性界面活性
剤のみを含有させた比較の乳化分散液(試料No.15)で
はゼラチン溶液を混合した際に凝集が発生した。また、
炭化水素系アニオン又はカチオン界面活性剤のみを用い
た試料No.16、17、その双方を用いた試料No.18、本発明
のフッ素系アニオン性又はカチオン性界面活性剤と炭化
水素系カチオン性又はアニオン性界面活性剤を用いた試
料No.20、19ではいずれも凝集が発生した。 更に、試料No.1の乳化分散液において、フッ素系アニ
オン性界面活性剤の含有量、及びフッ素系カチオン性界
面活性剤の含有量をそれぞれ変化させて凝集及び結晶の
析出を観察したところ、フッ素系アニオン性界面活性剤
(FI−15)及びフッ素系カチオン性界面活性剤の使用量
がそれぞれ6.0×10-3g以下の場合には、紫外線吸収剤
U−2が充分に分散されていないために、凝集による結
晶の析出が生じた。 実施例2 実施例1で用いた紫外線吸収剤の代わりに、下記のイ
エローカプラー(Y−4)、マゼンタカプラー(M−1
1)、シアンカプラー(C−1、C−5)等を用い、下
記表−2に記載したアニオン性界面活性剤及びカチオン
性界面活性剤を用いて、実施例1と同様に乳化分散液を
調製し、これらの乳化分散液を用いて下記のような試料
を調製した。 ただし、比較の試料(試料No.2〜11)を調製する際に
は、カプラー等の油溶性写真用添加剤の凝集及び結晶の
析出を防止するために、高沸点有機溶媒(ジブチルフタ
レート)及び低沸点有機溶媒(エチルアセテート)並び
に界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ)の
添加量を2倍量とした。 以下の実施例において、ハロゲン化銀写真感光材料中
の添加量は特に記載のない限り1m2当りのものを示す。
また、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示し
た。 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
層カラー写真要素試料1を作製した。 試料−1 第1層:ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀を含むゼラチン層。 第2層:中間層(I.L.) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンの乳化分散物
を含むゼラチン層。 第3層:低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RL−1) 平均粒径()0.30μm、AgI 6モル%を含むAgBrIか
らなる 単分散乳剤(乳剤I)…銀塗布量1.8g/m2 増感色素I…… 銀1モルに対して6×10-5モル 増感色素II…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 シアンカプラー(C−1)…… 銀1モルに対して0.06モル カラードシアンカプラー(CC−1)…… 銀1モルに対して0.003モル DIR化合物(D−1)…… 銀1モルに対して0.0015モル DIR化合物(D−2)…… 銀1モルに対して0.002モル 第4層:高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH−1) 平均粒径()0.5μm、AgI 7.0モル%を含むAgBrI
からなる 単分散乳剤(乳剤II)…銀塗布量1.3g/m2 増感色素I…… 銀1モルに対して6×10-5モル 増感色素II…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 シアンカプラー(C−1)…… 銀1モルに対して0.02モル カラードシアンカプラー(CC−1)…… 銀1モルに対して0.0015モル シアンカプラー(C−5)…… 銀1モルに対して0.01モル DIR化合物(D−2)…… 銀1モルに対して0.001モル 第5層:中間層(I.L.) 第2層と同じ、ゼラチン層。 第6層:低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GL−1) 乳剤−I……塗布銀量1.5g/m2 増感色素III…… 銀1モルに対して2.5×10-5モル 増感色素IV…… 銀1モルに対して1.2×10-5モル 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 マゼンタカプラー(M−11)…… 銀1モルに対して0.050モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)…… 銀1モルに対して0.009モル DIR化合物(D−1)…… 銀1モルに対して0.0010モル DIR化合物(D−3)…… 銀1モルに対して0.0030モル 第7層:高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH−1) 乳剤−II……塗布銀量1.4g/m2 増感色素III…… 銀1モルに対して1.5×10-5モル 増感色素IV…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 マゼンタカプラー(M−11)…… 銀1モルに対して0.020モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)…… 銀1モルに対して0.002モル DIR化合物(D−3)…… 銀1モルに対して0.0010モル 第8層:イエローフィルター層(YC−1) 黄色コロイド銀と2,5−ジ−t−オクチルハイドロキ
ノンの乳化分散物とを含むゼラチン層。 第9層:低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BL−1) 平均粒径0.48μm、AgI 6モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(乳剤III)…銀塗布量0.9g/m2 増感色素V…… 銀1モルに対して1.3×10-5モル 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 イエローカプラー(Y−4)…… 銀1モルに対して0.29モル 第10層:高感度青感性乳剤層(BH−1) 平均粒径0.8μm、AgI 15モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(乳剤IV)……銀塗布量0.5g/m2 増感色素V…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 イエローカプラー(Y−4)…… 銀1モルに対して0.08モル DIR化合物(D−2)…… 銀1モルに対して0.0015モル 第11層:第1保護層(Pro−1) 沃臭化銀(AgI 1モル%平均粒径 0.07μm) 銀塗布量0.5g/m2 本発明の分散剤で分散された以下の油溶性写真用添加
剤 紫外線吸収剤U−1、U−2及びUF−1を含むゼラチ
ン層。 第12層:第2保護層(Pro−2) ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)及び
本発明の分散剤で分散されたホルマリンスカベンジャー
(HS−1)エチルメタクリレート:メチルメタクリレー
ト:メタクリル酸の共重合体マット剤粒子(平均粒径3.
0μ)を含むゼラチン層 尚各層には上記組成物の他に、ゼラチン硬化剤(H−
1)や界面活性剤を添加した。 試料1の各層に含まれる化合物は下記の通りである。 増感色素I:アンヒドロ5,5′−ジクロロ−9−エチル−
3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)チアカルボシアニ
ンヒドロキシド 増感色素II:アンヒドロ9−エチル−3,3′−ジ−(3−
スルホプロピル)−4,5,4′,5′−ジベンゾチアカルボ
シアニンヒドロキシド 増感色素III:アンヒドロ5,5′−ジフェニル−9−エチ
ル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボ
シアニンヒドロキシド 増感色素IV:アンヒドロ9−エチル−3,3′−ジ−(3−
スルホプロピル)−5,6,5′,6′−ジベンゾオキサカル
ボシアニンヒドロキシド 増感色素V:アンヒドロ3,3′−ジ−(3−スルホプロピ
ル)−4,5−ベンゾ−5′−メトキシチアシアニン 界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ このようにして得られた試料1には、結晶の析出や凝
集物が見られなかった。 この試料1を白色光を用いてウェッジ露光したのち、
下記現像処理を行い、得られた画像の濃度を濃度系(小
西六写真工業株式会社製KD−7R型)を用いた測定し、更
に感度及びカブリを求めた。感度は比較化合物を用いた
試料の感度を100とした相対感度で表わした。また、未
露光試料1の感光面を下にして、上からゴムローラーで
圧着後、ハクリすることによりスタチックマークを発生
させ同様の現像処理を行ないスタチックマークの発生の
程度を評価した。 評価は次の5段階の基準に従った。 A:スタチックマークの発生が認められない B:スタチックマークの発生が少し発生する C:スタチックマークの発生が相当発生する D:スタチックマークの発生が著しく発生する E:スタチックマークの発生が全面に発生する 処理工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。 [発色現像液] 4−アミノ−3−メチル−N− エチル−N−(β−ヒドロキシ エチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩 (1水温) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 上記表−2から明らかなように、本発明にかかる試料
(試料No.2−1〜No.2−10)では、本発明の分散剤を用
いていない比較の試料(No.2−11)と比べて、感度は維
持されており、その上カブリが小さくなっている。これ
は、比較の試料(No.2−11)においては、高沸点有機溶
媒、及び低沸点有機溶媒並びに界面活性剤の添加量が多
いが、本発明にかかる試料においては、有機溶媒、及び
界面活性剤の添加量が少ないからである。 また、比較の試料ではスタチックマークが相当発生し
たのに対し、本発明にかかる試料ではスタチックマーク
の発生は認められなかった。これは本発明の分散剤によ
り静電気の発生が防止されているからである。 更に、試料No.2−1において、油溶性写真用添加剤を
分散させる本発明の分散剤のカプラー等の油溶性写真用
添加剤に対する添加割合を種々変化させたところ、本発
明にかかるフッ素系アニオン性界面活性剤、及び本発明
にかかるフッ素系カチオン性界面活性剤の各々の油溶性
写真用添加剤に対する添加割合が0.1重量%以下の場合
には、油溶性写真用添加剤の凝集による結晶の析出が生
じた。一方、添加割合が8.0重量%以上の場合には、作
製されたハロゲン化銀写真感光材料における膜物性が低
下した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−125015(JP,A) 特開 昭60−164738(JP,A) 特開 昭51−129229(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.支持体上に少なくとも一層の親水性コロイド層を有
    するハロゲン化銀写真感光材料において、前記親水性コ
    ロイド層の少なくとも一層にフッ素系アニオン性界面活
    性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤を含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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