JPS5950969B2 - 写真感光材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関するもので、特
に界面活性剤を少くとも一つの親水性コロイド層に含む
写真感光材料に関するものである。

周知の如く写真感光材料はプラスチックフィルム、紙な
どの支持体の上に幾層かの親水性コロイド（通常はゼラ
チン）から成る層が設けられている。

それらの層は下塗り層、中間層、感光層、保護層等種々
の機能を有し、それらの機能を満足させる為に各層には
種々の無機又は有機の添加物を含む。写真感光材料を製
造する際、支持体上に幾層かの異つた親水性コロイド層
が均一に塗布されねばならない。

これらの層は各層を順次一層ずつ塗布されるか或は複数
層が実質的に同時に塗布される。これらの製造に当つて
必要とされるのは高速で均一に塗布できること、塗布表
面が均一によく塗布されてむら等がなく均一に塗布でき
ることである。この目的を満足させるために、従来から
界面活性剤を塗布液に添加することが試みられ、多くの
化合物が知られている。また露光済の写真感光材料を、
現像・定着等の写真処理に際し、感光材料が液に均一に
濡れないと、処理の進行にムラを生じ、画像のムラをも
たらす。

このような現像を防ぐためにも界面活性剤を感光材料中
に含む必要がある。親油性の写真添加剤（たとえば発色
カプラー）の有機溶媒溶液あるいは疎水性合成高分子物
質（たとえばアクリル酸エステル）などを分散物として
含む親水性コロイド水溶液を塗布して写真感光材料を構
成する層とすることも広く行われている。

このような場合にも、界面活性剤は、有用というよりむ
しろ不可欠である。写真感光材料に用い得る界面活性剤
は写真特性（すなわち写真感度、カブリ、階調、現像進
行の速さなど）に悪影響を及ぼさないことが必要とされ
る。

しかし、写真感光材料の写真的性質は写真乳剤中に添加
された微量の物質によつてもしばしば大きな影響を受け
るものであつて、界面活性剤の場合でもそれぞれの目的
に応じた化合物が選択されて用いられるが、目的を充分
に満足し且つ写真的に悪い影響もない化合物を見出すこ
とは容易でない。その界面活性剤単独では悪影響が無く
ても、共存する他の添加剤との相互作用で悪影響を生じ
る場合もある。本発明の目的は支持体上に親水性コロイ
ド層が均一に塗布された写真感光材料を提供することに
ある。

本発明の他の目的は写真特性に実質的に影響を与えない
新規な塗布助剤を含む感光材料を提供することにある。

本発明の他の目的は写真処理する場合表面が均一に濡ら
され、その結果写真処理が均一に行われる写具感光材料
を提供することにある。

上記の目的は一般式に〔Ｉ〕で示されるアルキルジフエ
ニルエーテルジスルホン酸（塩）をハカゲン化銀写真感
光材料の少なくとも一つの親水性コロイド層に添加する
ことにより達成された。

一般式〔Ｉ〕但し、Ｒ゛及びＲ”は各々水素または炭素
数６から１８の直鎖または分岐のアルキル基を表わす。

ただしＲ”とＲ’の合計炭素数は６から２８である。Ｍ
は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マグネシウ
ム、亜鉛、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムか
らえらばれたカチオンを表わす。次に本発明に使用され
る化合物の例を示す化合・物、１．ドデシルジフエニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム２．テトラデシルジフ
エニルエーテルジスルホン酸カリウム３．オクタデシル
ジフエニルエーテルジスルホン酸カリウム４．ジオクチ
ルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム５．ジヘ
キシルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム６．
デシルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウムこれ
らの化合物を合成する方法は知られており、当業者は容
易に合成することができる。

例えば、ジフエニルエーテルを塩化アルミニウム等のル
イス酸を触媒とし、アルキルハライドでアルキル化した
後クロルスルホン酸でスルホン化して得られる。又本発
明に使用する化合物は’“サンデツトＢＬ’’ （三洋
化成（株）），’“Ｄｅｗｆａｘ２Ａ−１及びＤＯｗｆ
ａｘ３Ｂ− １’’ （ダウケミカルズ（株））という
商品名で市販されている。本発明に用いられる上記界面
活性剤は各種写真用塗布液１ｋｇ当り０．０１〜５０ｇ
の割で添加しうるが、通常は０．０５〜 ５ｇが適当で
ある。

添加法としては、水又はメタノールもしくは他の水と混
合しうる溶媒に溶かした溶液として添加するのが好まし
い。上記界面活性剤は、写真感光材料を構成するいずれ
の写真層の塗布液に添加されてもよく、その層が感光性
の層であると非感光性の層であることを問わない。本発
明の感光材料は、一般式の化合物の添加により低速度で
はもちろん高速塗布（５０ｍ／分以上）に於いても極め
て均一親水性コロイドの塗膜が形成される。

すなわち塗布ムラや塗膜のハジキが生じない。写真特性
に関しては、特にリス型感光材料に適用した場合に本発
明は極めて有用である。

すなわち非常に高いコントラストが所定の現像条件（時
間）で得られることが要求されるリス型感光材料におい
て現像進行性は極めて重要であり、特に界面活性剤はリ
ス型感光材料の現像進行に対し影響することが多いが、
本発明で用いられる界面活性剤はリス型感光材料の現像
進行性を実質的に全く変化させない。本発明は、写真感
光材料中にカプラー、アルキルハイドロキノン類、紫外
線吸収剤、増感色素などの親油性物質や、疎水性ビニー
ル重合体などを含有させる場合に、有用である。

すなわち、これらの親油性物質を高沸点の水難溶性有機
溶媒に溶解して得られる溶液を前記一般式の界面活性剤
の存在下に親水コロイド水溶液中に微細かつ安定に分散
させ、これを直接塗布液として用いるか、それをさらに
写真乳剤等の塗布液に添加することができる。

一方疎水性ビニール重合体の水性分散液を調製する場合
にも有効である。

すなわち本願発明による界面活性剤を含む水溶液中に疎
水性ビニールモノマーを乳化せしめた後、重合開始剤を
加え重合すると粒子サイズの細かい安定な水性分散液が
得られる。本発明に使用される界面活性剤は写真乳剤に
多量に添加した場合でも、写真特性に対する悪影響は全
く認められなかつた。

他のアニオン、カチオン、ノニオン、両性タイプの界面
活性剤と併用することもできる。この場合これらの界面
活性剤は同じ層でもよく又別々の層に添加してもよい。
そのような他の界面活性剤としては例えば、小田良平、
寺村一広著「界面活性剤の合成と其応用」（槙書店１９
６４年版）に記載されているようなものである。本発明
の界面活性剤は写真分野で一般に使用される種々の親水
性コロイド塗布組成に用いられる。親水性コロイドとし
ては最も代表的なゼ・ラチンのほかセルローズ誘導体、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリルアミドのような合成ポリマー等の単独または混合
物が挙げられる。このような親水性コロイド中はさらに
ポリアルキルアタリレート又はポリアルキル３メタクリ
レート等のような水不溶性ポリマーが分散されてもよい
。本発明の写真感光材料には、塩化銀、臭化銀、沃化銀
、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等通常の写真感光材
料において用いられるハロゲン化銀．が用いられる。

なお、通常のハロゲン化銀写真乳剤のほか、あらかじめ
光や還元性物質、貴金属塩などによつて表面がかぶらさ
れたハロゲン化銀粒子をもつ直接ポジ型写真乳剤、或い
は表面現像によつてポジ像・を与える内部潜像型写真乳
剤を用いることもできる。

ハロゲン化銀乳剤は常法により、硫黄化合物、セレン化
合物、貴金属化合物等による化学増感、増感色素による
分光増感がされていてもよい。

本発明によるコロイド層塗布液は業界でよく知られてい
るクロム明ばん、酢酸クロム等のような無機硬膜剤、ホ
ルムアルデヒド、ムコクロル酸、活性ハロゲン化合物、
活性ビニル化合物、エチレンイミン化合物等のような有
機硬膜剤等種々の通常の写真用硬膜剤を含んでいてもよ
い。本発明の写真感材はアザインデン系化合物、フエニ
ルメルカプトテトラゾール等のような公知の種々の乳剤
安定剤、カブリ防止剤等を含んでいてもよい。

又、その他、写真感光材料を得るに必要とされる種々の
添加剤例えばシリコーン、含弗素化合物、脂肪族エステ
ル等の表面改質剤、カラー感光材料に於ける各種のカラ
ーカプラー、染料、可塑剤等を含有せしめうる。以下に
実施例を示し本発明を更に具体的に説明する。

なお％は特に規定がない場合すべて重量％である。実施
例 １ ゼラチン７％ハロゲン化銀５％を含む塩臭化銀乳剤（塩
化銀５０モル％） １ｋｇ当り例示化合物１の０．２ｇ
を添加した。

この写真乳剤をバライタ紙に５０ｍ／分の塗布速度でデ
イツプ法によつて塗布し冷却セツトした。この上に２．
５％ゼラチン溶液１ｋｇ中に例示化合物１の１ｇを含有
したゼラチン溶液を塗布し、冷却セツト後乾燥した。つ
くられたフイルムの乳剤層および保護層中には泡、ハジ
キは全くなく、５０ｍ／分の塗布速度で均一に塗布する
ことができた。又これらの試料を通常のメトールハイド
ロキノン現像液で現像したところ写真特性（感度、ガン
マ、カブリ）には全く悪影響は認められなかつた。実施
例 ２ ゼラチン６％と沃臭化銀（沃化銀１．５モル％）６％を
含む高感度硬調乳剤をつくつた。

この写真乳剤に例示化合物１を、乳剤１ｋｇ当り０．０
１〜２．５ｇの範囲で含まれるように２％水溶液として
添加した。この乳剤を下塗り層をもつた三酢酸セルロー
ス支持体に塗布し乾燥した。第１表に示すように例示化
合物１の添加量の増加に伴い、ハジキ数が非常に減少す
ることがわかる。実施例 ３ 両面に下引き層を有するポリエチレンテレフタレート支
持体の一方の側に、予め水溶性マゼンタ染料、ゼラチン
及び後記の処方−１でつくつた工チルアクリレート重合
体を含むハレーシヨン防止層を塗布しておく。

一方４．５重量％のゼラチンと１９．５モル％の臭化銀
、８０モル％の塩化銀及び０．５モル％の沃化銀を含む
熟成済みの硬調ハロゲン化銀乳剤に、３−カルボキシメ
チル−５−〔２一（３−エチルーチアゾリニリデン）エ
チリデン〕ローダニン、４−ヒドロキシ−１，３，３ａ
，７−テトラザインデン、ムコクロル酸、エチレンオキ
サイド基５０個を含むポリオキシエチレンノニルフエニ
ルエーテル及びＮ−（γ−ジエチルアミノプロピル）−
Ｎ’−フエニル尿素を各々通常用いられる量添加した後
２等分し、第１の部分はさらに４等分して各々に下記処
方（ｌ）乃至（４）によつて調製されたエチルアクリレ
ート重合体の分散物を、乳剤１ｋｇに対して２００ｍ１
加えよく攪拌混合した。残りの部分には分散物を添加し
ない。各部分の乳剤を、前記支持体のハレーシヨン防止
層とは反対側の面に、１００ｃｍ２当り５５±５ｍｇの
銀が含まれるような割合で塗布した。処方（ｌ） 蒸留水１２１にエチルアクリレート３ｋｇと分散剤とし
て例示化合物１の１００ｇを加え５００〜８００ｒ．ｐ
．ｍで攪拌し乳化せしめる。

次いで重合開始剤の過硫酸カリ０．１５ｇを加え、攪拌
しながら、加熱し９０〜１００℃に保つ。反応を６時間
続ければ完全に重合が終了する。若干の残留モノマを除
＜ため１時間水蒸気蒸留を行えば目的の安定なエチルア
クリレート重合体水性分散液が得られる。尚これら分散
液中の固体ビニール重合体の粒子の大きさは約０．０２
〜０．１μで殆んどが０．０５μ程度に揃つた球状粒子
であつた。処方（２） 処方（ｌ）における例示化合物ｌの代りに、比較化合物
（ａ）を用いて同様にして調製した。

処方（３）゜ 例示化合物１の代りに比較化合物（ｂ）を用い、処方（
ｌ）に準じた。

比較化合物（ｂ） 処方（４） 例示化合物１の代りにドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム（比較化合物（ｃ）とする）を用い、処方（ｌ）
に準じた。

塗布された各乳剤層の上にさらに、６％ゼラチン水溶液
に例示化合物１、比較化合物（ａ），（ｂ）及び（ｃ）
をそれぞれ１ｋｇゼラチン水溶液に対し１００ｍｇ加え
た塗布液を第２表に示すような組合せで乾燥後膜厚が１
μになるように塗布して、保護層とした。

へ ± これら各試料フイルムに、タングステン光源を用いて、
各試料片面積のｌ／２には１５０線マゼンタコンタクト
スクリーンを通して、残り１／２にはスクリーンを通さ
ないで、光楔露光したのち、第３表に示す現像液Ｉ及び
１１を用い、現像温度２５℃、現像時間２分で現像処理
した。

現像処理後、写真感度を測定し、かつ倍率１００の光学
顕微鏡を用いて網点品質を観察し、第４表に示す結果を
得た。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記一般式〔 I 〕で示される化合物が少くとも一
   つの親水性コロイド層に添加されたハロゲン化銀写真感
   光材料。 一般式〔 I 〕 ▲数式、化学式、表等があります▼ 但し、Ｒ＾１及びＲ＾２は各々水素または炭素数６から
   １８のアルキル基を表わす。 但し、Ｒ＾１とＲ＾２の合計炭素数は６から２８である
   。Ｍは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マグネ
   シウム、亜鉛、アンモニウム及びアルキルアンモニウム
   のうちいずれかのカチオンを表わす。