JP2622900B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2622900B2 JP32206090A JP32206090A JP2622900B2 JP 2622900 B2 JP2622900 B2 JP 2622900B2 JP 32206090 A JP32206090 A JP 32206090A JP 32206090 A JP32206090 A JP 32206090A JP 2622900 B2 JP2622900 B2 JP 2622900B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、親水性有機コロイド塗布層中に、新規な塗
布助剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料に関し、更
に詳しくは、ハジキ、ムラ等の発生がなく、均一な塗膜
を形成し且つ高速で塗布できる特定の界面活性材を含有
するハロゲン化銀写真感光材料に関する。
(従来の技術) 周知の如く写真感光材料は三酢酸セルロース、ポリエ
チレンテレフタレート、紙などの支持体の上に幾層かの
親水性コロイド(通常はゼラチン)から成る層が設けら
れている。それらの層は下塗り層、中間層、感光層、保
護層等種々の機能を有し、それらの機能を満足させる為
に各層には種々の無機又は有機の添加物を含む。
このように一般写真感光材料は多くの親水性有機コロ
イド層から形成されており、その製造に際してこれ等の
塗布液をコメット、ハジキ、塗布のムラ等の塗布故障な
く均一に且つ高速で薄層塗布することが要求される。塗
布方式としては、近年では連続同時多層塗布方法がよく
用いられている。
塗布工程でも最も困難な例はカラー写真感光材料の製
造の場合である。カラー写真感光材料では、カラーカプ
ラー、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等多くの水に難溶性添
加剤をフタル剤エステル系化合物、リン酸エステル系化
合物等の高沸点有機溶剤と酢酸エチルのような補助溶剤
に溶かし、親水性有機コロイド、特にゼラチンを溶液中
に界面活性剤の存在のもとに分散し(云わゆる乳化し
て)、親水性有機コロイド層中に含有させて用いてい
る。このような乳化物の乳化剤として多量の界面活性剤
を用いると、その親水性有機コロイド層の上にさらに塗
設される他の親水性有機コロイド層の塗布を困難ならし
める。乳化剤を少なくすると、乳化物粒子の凝集が起こ
り塗布後の写真感光材料の写真的特性が不安定になる。
又、塗布工程で最も困難な他の例は、薄膜状の塗布液
を支持体に衝突せしめて塗布するカーテン塗布方法であ
る。(特公昭49−24133号、同49−35447号)。
このカーテン塗布方法の最も重要な課題は、塗布液を
いかに早く、安定に薄膜状にするかにある。この課題に
対して、数多くの改良研究がなされてきたが、そのほと
んどは工程装置の改良であった。しかしながら装置や設
備の改良だけでは充分満足のできるものではなく、塗布
液の物理的性質に著しく依存していることがわかった。
これらの目的に、従来から写真感光材料の各種塗布液
の塗布助剤として種々のアニオン性界面活性剤が検討さ
れており、その具体例は米国特許2,240,476号、同3,02
6,202号、同3,068,101号、同3,220,847号、同3,415,649
号、同4,916,054号、西独特許1,942,665号、特公昭59−
50969号及び最近では特開平2−178649号、同2−17864
8号などに開示されている。
一方、塗布助剤としてのノニオン界面活性剤の具体例
は少ないが、例えば、特公昭44−22659号、同43−24722
号、同43−13481号などに開示されているショ糖誘導体
及び最近になって開示された米国特許4,892,806号など
を挙げることができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらアニオン性界面活性剤を塗布助
剤として用いてゼラチンなどのコロイド層上にゼラチン
などのコロイド液を塗布する場合には、ゼラチン中に含
まれるカルシウムのようなアルカリ土類金属イオンのた
めにアニオン性界面活性剤の溶解性が極端に低下するた
めに、アニオン性界面活性剤をゼラチン塗布液に添加す
ると水和固体状物質として析出することになり塗布性を
著しく悪化させる欠点があった。
また、帯電防止のために用いられる米国特許3850642
号、特開昭57−146248等に開示されたカチオン系界面活
性剤や特開昭55−7763、特開昭53−92125、特開昭54−1
8728等に開示されるカチオンポリマーなどのカチオン系
の帯電防止剤とこれらの塗布剤としてのアニオン性界面
活性剤を同一感光材料中で併用する場合において、同一
塗布液中に添加すると両者で不難溶性のコンプレックス
を形成してコメットを発生してしまうという重大欠点が
あった。一方塗布助剤、乳化分散助剤の違いにかかわら
ず帯電防止剤とは別の層にそれぞれ添加してもその感光
材料を現像処理する際に処理液中に溶出した両者が処理
液中で不溶性コンプレックスを形成し、処理ムラを起こ
すという問題点があった。
近年環境保全上又は、水資源上、コスト上又は処理機
器の簡易コンパクト化の点から処理時の水洗水量を低減
する方向が示唆されてきた。また、単なる水による洗浄
工程の代りに各種薬剤を添加した液を用いて処理液量を
低下させる方法(例えば特開昭57−8542号、同58−1483
4号、同57−132146号、同58−18631号、同59−184345
号、同57−197540号、同58−134636号)がある。このよ
うに水洗水量の低減や薬剤の使用の場合、感光材料から
流出した界面活性剤が塗膜表面にムラ状に残って経時に
よって変色したり、塗膜中に分散されている高沸点溶
媒、カプラー等が凝集合一して生ずるいわゆる発汗現象
が促進される事が知られている また、近年コスト上の点から補充処理液量を減らす試
みが行われているが、この場合にも界面活性剤が処理液
中に蓄積される割合が高まり、これまで開示されている
アニオン界面活性剤を使った感材を処理し続けるとター
ル状の不溶解物の生成が問題になっていた。
更に処理時間の短縮化のために、処理液の濃厚化が試
みられたが、やはり上記と同様の問題を抱えていた。
処理時間の短縮化と簡易化の一環として、漂白又は漂
白定着液中に漂白促進材(特開昭59−95630、同57−192
953、特公昭54−12056、米国特許4,552,834号)を添加
する方法が知られている。しかしこれらの漂白促進剤と
感材から流出したアニオン性界面活性剤との間で不溶性
のコンプレックスを形成し処理液汚染を起こす事がわか
っている。
特開昭54−98235号ではエチレンオキサイドを導入し
たある種のアニオン性界面活性剤のアルキル土類金属塩
を用いることによりゼラチン中にカルシウムのようなア
ルカリ土類金属イオンが含まれていても良好な塗布性が
得られることが開示してある。これらアニオン性界面活
性剤のアルキル土類金属塩を用いるとハジキなどの塗布
故障が減少し、従来のアニオン性界面活性剤に比べてか
なり良好な塗布性は得られるものの、近年ハロゲン化銀
感材の製造に求められている高速塗布性を満足させるこ
と迄はできなかった。
一方、ノニオン界面活性剤は、前記のようなイオンコ
ンプレックス形成の問題はないが、一般的に高速塗布適
正としては優れた効果を示すものが少なく、前述したよ
うな多糖類誘導体が一部知られているに過ぎない。しか
しながら、これらのものを近年のような高速同時多層塗
布方式又は、カーテン塗布方式(薄膜形成)に対しては
充分なものではなかった。
これらの問題の発生はそれぞれの目的に使用される界
面活性剤自身の性質による場合と、共存する他の添加剤
との相互作用によって生ずる場合とがある。したがって
これらの問題を解決するためには、使用する個々の界面
活性剤を改良することが最も好ましいものと考えられる
が、実際には本来の目的とする性能を失なうことが多く
著しい困難をともなう。
(発明の目的) 本発明の第1の目的は、ゼラチン含有溶液又は他の親
水性コロイド溶液をフィルム又は紙等の支持体又は他の
写真層の上に塗布するときにコメットやハジキがなく均
一に塗布された写真感光材料を提供することにある。
なお、コメットとはデリヤギンら著「フィルム塗布理
論」(B.M.Deryagin,S.M.Levi,Film Coating Theory,Th
e Focal Press,1964)P.183に詳しく述べられているよ
うに、塗布液中に含まれる微量の油脂粒子、鉱油粒子や
疎水性液体、固体が核となってその周囲も含めて局部的
に塗布されない部分の生ずる現象を言う。またハジキと
は主として表面張力上の理由で塗布液の拡がりが不十分
なために、部分的に塗布されない部分が生ずる現象を言
う。本発明の第2の目的はカーテン塗布方法に於いて安
定な薄膜を形成し高速で塗布できるような方法を提供す
ることにある。本発明の第3の目的は、現象処理液や、
ローラーの汚染を起こさない写真感光材料を提供するこ
とにある。本発明の第4の目的は、該親水性コロイド液
中に、疎水性写真用添加物(例えば油溶性カプラー、染
料、紫外線吸収剤等)を含有させる場合に於いて、良好
に可溶化分散し、塗布時にコメット(ブツ)の発生なく
均一塗布された写真感光材料を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のこれらの目的は、ハロゲン化銀乳剤層又は他
の親水性コロイド層中に下記一般式〔I〕で表わされる
化合物を含有させることによって達成された。
一般式〔I〕 式中、R1,R2は、それぞれ−OM基又は炭素数1〜40の
置換または非置換の炭化水素基を有するアルコキシ基又
はアミノ基を表わすが、R1,R2の少なくとも1つは炭素
数8以上のアルキル基を有する置換又は非置換の炭化水
素基であり、R1,R2の合計炭素数は50以下である。R
3は、水素原子または−(CH2nSO3M基を表わす。Mは
水素原子またはカチオンを表わす。nは0又は2〜6の
整数である。
以下に本発明を更に具体的に説明する。
一般式〔I〕に於けるR1,R2の好ましい例としてはR1,
R2が共に炭素数6〜16のアルキル基であり、R3水素原子
又は−(CH2nSO3Mである。特に好ましくはR3は−(CH
2nSO3Mである。置換炭化水素の好ましい例としては−
CH2CH2(OCH2CH2 aR4である。R4は炭化水素基であり、
例えば、C8H17、C12H25等である。aは1〜3である。
次に本発明に使用される一般式〔I〕で表わされる化
合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
本発明に使用するこれらの化合物の合成は、酒石酸と
長鎖アルコールとの反応によりジエステル体を合成し、
これにサルトン又はスルファミン酸を反応させ、NaOH水
で処理することによりスルホン酸アルキル、アルキル酒
石酸エステルナトリウム又は硫酸アルキル酒石酸エステ
ルナトリウムを得ることができる。次に合成例を示す。
合成例−1(化合物例−1の合成) 酒石酸75.05g(0.5モル)、n−オクタノール143.2g
(1.1モル)、パラトルエンスルホン酸4.3g、トルエン1
00mlを500mlの三ツ口フラスコに入れ撹拌下還流させな
がら生成する水を系外に取り出す。反応約30分で均一溶
液となり、約3時間で理論量の水が生成した(約18.0m
l)。更に1時間撹拌を続けた。冷却後、酢エチを加え
溶解させ、NaOH水とふりまぜながら中和し、更に水洗を
くり返した。酢エチ層を取り出し減圧留去するワックス
状の固体が得られる。このものは酒石酸ジ−オクチルエ
ステルであり純度はガスクロより96%であった。更に再
結晶すると純度99%となった(融点 ℃)。
次に酒石酸ジ−オクチルエステル37.45g(0.1モ
ル)、トルエン100mlを500mlの三ツ口フラスコに入れ加
熱溶解後冷却し撹拌、氷冷下30℃以下で、60%ソジウム
ハイドライド8.8g(0.22モル)を少しづつ加える。約30
分同温で撹拌した後50℃以下でブタルサルトン29.9g
(0.22モル)を滴下する。滴下終了後更に70℃で2時間
撹拌した。反応物にメタノール500ml、エタノール500ml
を加え加熱溶解し、不溶解物を濾過除去する。溶媒留去
濃縮した後アセトニトリル800ml中に入れ晶析させ目的
物59.4g(収率87%)を得た。水に透明溶解、表面張力
(1%水溶液)は28dyne/cmであった。
本発明に使用する一般式〔I〕で表わされる化合物
は、上記合成法によって単体として合成できるが必ずし
も単体として得る必要はなく、混合体としても実用上の
問題はなくむしろ性能向上の特徴が得られることもあ
る。
本発明に使用される一般式〔I〕で表わされるスルホ
ン酸基又は硫酸エステル基を含む化合物(アニオン界面
活性剤)は親水性有機コロイド塗布液中に添加した場合
に著しく優れた塗布性改良を発揮した。
即ち、ハジキ、ムラがなく均一に高速同時多層塗布が
出来ること、又カーテン塗布方式による塗布に於いて安
定な薄膜を形成し、且つ高速で塗布できることがわかっ
た。更に又、親水性コロイド液中に疎水性写真用添加
物、特に油溶性カプラー又は染料を含有させる場合に於
い、本発明化合物を使用すると良好に可溶化分散し、塗
布時にコメット(ブツ)の発生がなく均一塗布できた。
又本発明に使用される化合物を含む写真感光材料は、
現像処理液中での汚染物質の発生がない特徴をも有して
いることがわかった。これらの理由は、本発明に使用す
る化合物が1分子中に2ケ以上の親水基を有しているこ
とによる親水性基同士の相互作用および本発明化合物の
特定化学構造による界面活性挙動に起因するものと推定
される。本発明化合物の物理的特性としては、臨界ミセ
ル濃度(cmc)及び表面張力(静的、動的)を著しく低
く、且つクラフト点が低く溶解性が高いことにある。
本発明に於いて、一般式〔I〕で表される化合物は、
親水性有機コロイド塗布液中に添加し塗布助剤として用
いるが、その使用量は塗布液1kg当り0.01〜50gの範囲で
添加しうるが、好ましくは0.05〜5gが適当である。
添加方法としては、水又はメタノールもしくは他の水
と混合しうる溶媒に溶かした溶液として添加するのが好
ましい。
上記界面活性剤は、写真感光材料を構成するいずれの
写真層の塗布液に添加されてもよく、その層が感光性の
層であると非感光性の層であることを問わない。
本発明の感光材料は、前記一般式の化合物の添加によ
り低速度ではもちろん高速塗布に於いて極めて均一な親
水性コロイドの塗膜が形成される。すなわち塗布ムラや
塗膜のコメット、ハジキが生じない。
本発明は、写真感光材料中にカプラー、アルキルハイ
ドロキノン類、紫外線吸収剤、増感色素などの親油性物
質や、疎水性ビニール重合体などを含有させる場合の塗
布助剤として特に有用である。
すなわち、これらの親油性物質を高沸点の水難溶性有
機溶媒に溶解して得られる溶液を前記一般式の界面活性
剤の存在下に親水コロイド水溶液中に可溶化又は微細か
つ安定に分散させ、これを直接塗布液として用いるか、
それをさらに写真乳剤等の塗布液に添加して用いること
ができる。
一方、疎水性ビニール重合体の水性分散液を調製する
場合にも有効である。すなわち本願発明による界面活性
剤を含む水溶液中に疎水性ビニールモノマーを乳化せし
めた後、重合開始剤を加え重合すると粒子サイズの細か
い安定な水性分散液が得られる。
本発明に於ける親水性有機コロイドとしては、ゼラチ
ンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイ
ドも用いることができる。
たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子との
グラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロース誘
導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセ
タール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるい
は共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いる
ことができる。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼ
ラチンや、写真学会誌、ジャパン(Bull.Soc.Sci.Phot.
Japan.)Na.16,30頁(1966)に記載されたような酵素処
理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解
物や酵素分解物も用いることができる。ゼラチン誘導体
としては、ゼラチンにたとえば酸ハイライド、酸無水
物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン
類、ビニルスルホンアミド類、マレインアミド化合物
類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種
々の化合物を反応させて得られるものが用いられる。
本発明に於ける親水性有機コロイド層とは、上述の如
き親水性有機コロイド、特にゼラチンをバインダーとす
る写真用塗布層であり、例えばハロゲン化銀乳剤層、表
面保護層、フィルター層、中間層、ハレーション防止
層、スタチック防止層、下塗層、バッキング層などを挙
げることが出来る。
本発明の化合物は、可溶化力及び界面活性度が高いた
め、水に難溶性の写真用添加剤を高沸点有機溶剤を用い
て溶解、分散せしめた親水性有機コロイド層の塗布に好
ましく用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤層には各種のハロゲン
化銀を使用することができる。たとえば、塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、沃臭化銀あるいは塩沃臭化銀などであ
る。2ないし20モル%の沃化銀を含む沃臭化銀、10ない
し50モル%の臭化銀を含む塩臭化銀は好ましい。ハロゲ
ン化銀粒子の結晶形、結晶構造、粒径、粒径分布等には
限定はない。ハロゲン化銀の結晶は、正常晶でも双晶で
もよく、六面体、八面体、14面体のいずれであってもよ
い。リサーチディスクロージャー22534に記載されたよ
うな、厚味が0.5ミクロン以下、径は少くとも0.6ミクロ
ンで、平均アスペクト比が5以上の平板粒子であっても
よい。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部が異質な組成
であってもよく、層状構造をなしていても、またエピタ
キシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合
されていてもよく、種々の結晶形の粒子の混合から成っ
ていてもよい。また潜像を主として粒子表面に形成する
もので、内部に形成するものでもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、0.1ミクロン以下の微粒子で
も投影面積直径が3ミクロンに至る迄の大サイズ粒子で
もよく、狭い分布を有する単分散乳剤でも、あるいは広
い分布を有する多分散乳剤でもよい。
これらのハロゲン化銀粒子は、当業界において慣用さ
れている公知の方法によって製造することができる。
前記ハロゲン化銀乳剤は通常行なわれる化学増感即
ち、硫黄増感法、貴金属増感法、あるいはこれらの併用
により増感できる。さらに本発明に係るハロゲン化銀乳
剤は増感色素を用いて所望の感光波長域に感色性を付与
することができる。本発明に有利に用いられる色素類と
しては、シアニン、ヘミシアニン、ロダシアニン、メロ
シアニン、オキソノール、ヘミオキソノールなどのメチ
ン色素及びスチリル色素があり、1種あるいは2種以上
を組合せて用いることができる。
本発明に於ける水に難溶性の写真溶添加剤としては、
例えば油溶性カラーカプラー、色カブリ又は混色の防止
に用いる酸化防止剤、退色防止剤(例えば、アルキルハ
イドロキノン類、アルキルフェノール類、クロマン類、
クマロン類、等)、硬膜剤、油溶性フィルター染料、油
溶性紫外線吸収剤、DIR化合物(例えば、DIRハイドロキ
ノン類、無呈色DIR化合物、等)、現像薬、色素現像
薬、DRR化合物、DDRカプラー、等を挙げることが出来
る。
この内油溶性カラーカプラーとしては、ベンゾイルア
セトアニリド系、ピバロイルアセトアニリド系、ピラゾ
ロン系、シアノアセチル系、フェノール系、ナフトール
系化合物を用いることが出来る。これらの代表的例は、
米国特許第2875057号、同3408194号、同3582322号、同3
891445号、同2600788号、同3062653号、同3311476号、
同3519429号、同3558319号、同3615506号、同3834908
号、同2369929号、同2474293号、同2895826号、同35913
83号、同3227544号、同3790384号、等に記載されてい
る。
本発明に於ける高沸点有機溶剤としては、例えばフタ
ール酸アルキルエステル(ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレートなど)、リン酸エステル(ジフェニルフ
ォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレ
ジルフォスフェート、ジオクチルブチルフォスフェー
ト)、クエン酸エステル(たとえばアセチルクエン酸ト
リブチル)、安息香酸エステル(たとえば安息香酸オク
チル)、アルキルアミド(たとえばジエチルラウリルア
ミド)などを挙げることが出来る。
本発明に於ける親水性コロイド塗布液には、この他に
安定剤、硬膜剤、染料、マット剤、感光性ハロゲン化銀
粒子、他の界面活性剤、ポリマーラテックス、螢光増白
剤その他写真感光材料に有用な各種の添加剤を含有する
ことが出来る。
この内本発明の界面活性剤と併用する他の界面活性剤
としては、アニオン系界面活性剤が好ましい。
前記の添加剤に関しては、プロダクトライセンシング
・インデックス誌92巻107〜110頁(1971年12月)、リサ
ーチディスクロージャ15162(1976年11月)、同17643
(1978年12月)に記載されている。
本発明の化合物を含有せしめた、親水性有機コロイド
塗布層が、ハロゲン化銀乳剤を含んでいる場合、該塗布
層は、ハロゲン化銀乳剤層と水透過性の関係にあって
も、あるいはバック層のようにハロゲン化銀と水透過性
の関係になくてもよい。また、本発明は全くハロゲン化
銀乳剤層を含まない単層のあるいは同時重層の塗布に対
しても使用できる。同時重層の塗布を行うとき、本発明
の化合物はすべての塗布液に含有せしめてもよいが、好
ましくは最上層あるいは、その隣接層に添加すると、塗
布故障低減と塗布速度の向上が顕著である。本発明の化
合物を含有せしめた塗布層が冷却セットされた状態にあ
り、さらにこの上に本発明の化合物を含まない塗布層を
設ける場合にも、塗布ハジキが低減する。
同時重層塗布するときは、米国特許2,761,417号記載
のホッパー塗布、同3,508,947号に記されたカーテン塗
布、その他リサーチディスクロージャー17644(1978年1
2月)に記載されているような塗布方法に従うことがで
きる。
(実施例) 以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 通常の方法で粒子形成、熟成された塩臭化銀乳剤(ハ
ロゲン化銀1モル当り100gのゼラチンを含む)1kgを10
%ゼラチン水溶液で3倍に希釈し、この乳剤溶液1kg当
りサポニンを2g添加した。この乳剤溶液とは別に、5%
ゼラチン水溶液をつくり、これにトリ−n−ヘキシル−
フォスフェートをゼラチン中に分散して得られた乳化物
(平均粒径0.9μ)をトリ−n−ヘキシル−フォスフェ
ートとして18cc/1kg5%ゼラチン水溶液になるように添
加した液を作った。この液を6等分し、各々に、塗布助
剤を2.0g/kg塗布液添加し、表面保護層用塗布液とし
た。
この表面保護層塗布液の表面張力をウイルヘルミー吊
板法(例えばE.Matijevi表面とコロイド科学(“Surf
aca and Coll oid Science")vol.1p.124〜128、Wiley
−Interscience(1969)を参照)で測定した。
一方、乳剤溶液と表面保護層用塗布液をマルチスライ
ドホッパー型塗布装置により、下塗り層を施した、三酢
酸セルロース支持体上に塗布速度100m/分で二層同時塗
布をし資料−(1)〜(4)を作成し、各試料について
1平方米当りのハジキの数を調べた。又ローラー汚染度
については下記の方法により評価した。
得られた結果を第1表に示す。
ローラー汚染度の測定 乳剤層および表面保護層を塗布した試料を30.5cm×1
7.1cm角に裁断した。現像処理後の光学濃度が1.0になる
ように均一露光したのち、自動現像処理機(シリコンロ
ーラー搬送機を有する)(現像液=富士写真フイルムRD
−II35℃、定着浴=富士写真フイルムFuji−F35℃、水
洗浴の3浴より成っている)で連続的に50枚現像処理し
た。
水洗スクイズローラーを十分に乾燥させた後、51枚目
のサンプルの先端部に発生するスジ状の濃度ムラの出具
合を調べた。
ローラ汚染度の評価は次の4段階の基準に従った。
(汚染度が高くなると濃度ムラが大きくなる) A:濃度ムラの発生が認められない。
B:濃度ムラが少し発生する。
C:濃度ムラが相当発生する。
D:濃度ムラが著しく発生する。
第1表から明らかな如く、本発明の化合物を用いた試
料(4〜6)は、ハジキ数も少なくローラー汚染度も少
ないことがわかる。
実施例−2 7%ゼラチン水溶液1kgにポリビニルベンゼンスルフ
ォン酸カリウム0.6gと塗布助剤2.0gを添加した表面保護
層用塗布液を比較化合物及び本発明の化合物のそれぞれ
について調製した。
これら塗布液を特開昭55−73365に示されるエクスト
ルージョン型カーテン塗布装置により、カーテン膜を形
成させ、その膜形成可能な最低流量(Q)を測定した。
また、このカーテン塗布装置により、上記塗布液をポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、限界塗
布速度を調べた。これらの結果を第2表に示す。
第2表からわかる通り、比較試料7、8、9のQがそ
れぞれ2.1、2.2、2.3なのに対し、本発明である試料1
0、11、12は0.8、0.9、0.7と小さいQでもカーテン膜を
形成することが可能であり、カーテン膜の薄膜形成に有
効であることがわかる。又限界速度も比較化合物より明
らかに優れていることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於い
    て、該ハロゲン化銀乳剤層又は他の親水性コロイド層中
    に、下記一般式〔I〕で表わされる化合物を含有するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 式中、R1,R2は、それぞれ−OM基又は炭素数1〜40の炭
    化水素基を有するアルコキシ基又はアミノ基を表わす
    が、R1,R2の少なくとも1つは炭素数8以上のアルキル
    基を有する炭化水素基であり、R1,R2の合計炭素数は50
    以下である。R3は、水素原子または−(CH2nSO3M基を
    表わす。Mは水素原子またはカチオンを表わす。nは0
    又は2〜6の整数である。
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