JP2654717B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、親水性有機コロイド塗布層中に、新規な塗
布助剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料に関し、更
に詳しくは、ハジキ、ムラ等の発生がなく、均一な塗膜
を形成し且つ高速で塗布できる特定の界面活性剤を含有
するハロゲン化銀写真感光材料に関する。
(従来の技術) 周知の如く写真感光材料は三酢酸セルロース、ポリエ
チレンテレフタレート、紙などの支持体の上に幾層かの
親水性コロイド(通常はゼラチン)から成る層が設けら
れている。それらの層は下塗り層、中間層、感光層、保
護層等種々の機能を有し、それらの機能を満足させる為
に各層には種々の無機又は有機の添加物を含む。
このように一般写真感光材料は多くの親水性有機コロ
イド層から形成されており、その製造に際してこれ等の
塗布液をコメット、ハジキ、塗布のムラ等の塗布故障な
く均一に且つ高速で薄層塗布することが要求される。塗
布方式としては、近年では連続同時多層塗布方法がよく
用いられている。
塗布工程で最も困難な例はカラー写真感光材料の製造
の場合である。カラー写真感光材料では、カラーカプラ
ー、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等多くの水に難溶性添加
剤をフタル酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合
物等の高沸点有機溶剤と酢酸エチルのような補助溶剤に
溶かし、親水性有機コロイド、特にゼラチンの溶液中に
界面活性剤の存在のもとに分散し(云わゆる乳化し
て)、親水性有機コロイド層中に含有させて用いてい
る。このような乳化物の乳化剤として多量の界面活性剤
を用いると、その親水性有機コロイド層の上にさらに塗
設される他の親水性有機コロイド層の塗布を困難ならし
める。乳化剤を少なくすると、乳化物粒子の凝集が起こ
り塗布後の写真感光材料の写真的特性が不安定になる。
又、塗布工程で最も困難な他の例は、薄膜状の塗布液
を支持体に衝突せしめて塗布するカーテン塗布方法であ
る。(特公昭49−24133号、同49−35447号)。
このカーテン塗布方法の最も重要な課題は、塗布液を
いかに早く、安定に薄膜状にするかにある。この課題に
対して、数多くの改良研究がなされてきたが、そのほと
んどは工程装置の改良であった。しかしながら装置や設
備の改良だけでは充分満足のできるものではなく、塗布
液の物理的性質に著しく依存していることがわかった。
これらの目的に、従来から写真感光材料の各種塗布液
の塗布助剤として種々のアニオン性界面活性剤が検討さ
れており、その具体例は米国特許2,240,476号、同3,02
6,202号、同3,068,101号、同3,220,847号、同3,415,649
号、同4,916,054号、西独特許1,942,665号、特公昭59−
50969号及び最近では特開平2−178649号、同2−17864
8号などに開示されている。
一方、塗布助剤としてのノニオン界面活性剤の具体例
は少ないが、例えば、特公昭44−22659号、同43−24722
号、同43−13481号などに開示されているショ糖誘導体
及び最近になって開示された米国特許4,892,806号など
を挙げることができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらアニオン性界面活性剤を塗布助
剤として用いてゼラチンなどのコロイド層上にゼラチン
などのコロイド液を塗布する場合には、ゼラチン中に含
まれるカルシウムのようなアルカリ土類金属イオンのた
めにアニオン性界面活性剤の溶解性が極端に低下するた
めに、アニオン性界面活性剤をゼラチン塗布液に添加す
ると水和固体状物質として析出することになり塗布性を
著しく悪化させる欠点があった。
また、帯電防止のために用いられる米国特許3850642
号、特開昭57−146248等に開示されたカチオン系界面活
性剤や特開昭55−7763、特開昭53−92125、特開昭54−1
8728等に開示されるカチオンポリマーなどのカチオン系
の帯電防止剤とこれらの塗布剤としてのアニオン性界面
活性剤を同一感光材料中で使用する場合において、同一
塗布液中に添加すると両者で不難溶性のコンプレックス
を形成してコメットを発生してしまうという重大欠点が
あった。一方塗布助剤、乳化分散助剤の違いにかかわら
ず帯電防止剤とは別の層にそれぞれ添加してもその感光
材料を現像処理する際に処理液中に溶出した両者が処理
液中で不溶性コンプレックスを形成し、処理ムラを起こ
すという問題点があった。
近年環境保全上又は、水資源上、コスト上又は処理機
器の簡易コンパクト化の点から処理時の水洗水量を低減
する方向が示唆されてきた。また、単なる水による洗浄
工程の代りに各種薬剤を添加した液を用いて処理液量を
低下させる方法(例えば特開昭57−8542号、同58−1483
4号、同57−132146号、同58−18631号、同59−184345
号、同57−197540号、同58−134636号)がある。このよ
うに水洗水量の低減や薬剤の使用の場合、感光材料から
流出した界面活性剤が塗膜表面にムラ状に残って経時に
よって変色したり、塗膜中に分散されている高沸点溶
媒、カプラー等が凝集合一して生ずるいわゆる発汗現象
が促進される事が知られている。
また、近年コスト上の点から補充処理液量を減らす試
みが行われているが、この場合にも界面活性剤が処理液
中に蓄積される割合が高まり、これまで開示されている
アニオン界面活性剤を使った感材を処理し続けるとター
ル状の不溶解物の生成が問題になっていた。
更に処理時間の短縮化のために、処理液の濃厚化が試
みられたが、やはり上記と同様の問題を抱えていた。
処理時間の短縮化と簡易化の一環として、漂白又は漂
白定着液中に漂白促進剤(特開昭59−95630、同57−192
953、特公昭54−12056、米国特許4,552,834号)を添加
する方法が知られている。しかしこれらの漂白促進剤と
感材から流出したアニオン性界面活性剤との間で不溶性
のコンプレックスを形成し処理液汚染を起こす事がわか
っている。
特開昭54−98235号ではエチレンオキサイドを導入し
たある種のアニオン性界面活性剤のアルキル土類金属塩
を用いることによりゼラチン中にカルシウムのようなア
ルカリ土類金属イオンが含まれていても良好な塗布性が
得られることが開示してある。これらアニオン性界面活
性剤のアルキル土類金属塩を用いるとハジキなどの塗布
故障が減少し、従来のアニオン性界面活性剤に比べてや
や良好な塗布性は得られるものの、近年ハロゲン化銀感
材の製造に求められている高速塗布性を満足させること
迄はできなかった。
一方、ノニオン界面活性剤は、前記のようなイオンコ
ンプレックス形成の問題はないが、一般的に高速塗布適
性としては優れた効果を示すものが少なく、前述したよ
うな多糖類誘導体が一部知られているに過ぎない。しか
しながら、これらのものを近年のような高速同時多層塗
布方式又は、カーテン塗布方式(薄膜形成)に対しては
充分なものではなかった。
これらの問題の発生はそれぞれの目的に使用される界
面活性剤自身の性質による場合と、共存する他の添加剤
との相互作用によって生ずる場合とがある。したがって
これらの問題を解決するためには、使用する個々の界面
活性剤を改良することが最も好ましいものと考られる
が、実際には本来の目的とする性能を失なうことが多く
著しい困難をともなう。
(発明の目的) 本発明の第1の目的は、ゼラチン含有溶液又は他の親
水性コロイド溶液をフィルム又は紙等の支持体又は他の
写真層の上に塗布するときにコメットやハジキがなく均
一に塗布された写真感光材料を提供することにある。
なお、コメットとはデリヤギンら著「フィルム塗布理
論」(B.M.Deryagin,S.M.Levi,Film Coating Theory,Th
e Focal Press,1964)P.183に詳しく述べられているよ
うに、塗布液中に含まれる微量の油脂粒子、鉱油粒子や
疎水性液体、固体が核となってその周囲も含めて局部的
に塗布されない部分の生ずる現象を言う。またハジキと
は主として表面張力上の理由で塗布液の拡がりが不十分
なために、部分的に塗布されない部分が生ずる現象を言
う。本発明の第2の目的はカーテン塗布方法に於いて安
定な薄膜を形成し高速で塗布できるような方法を提供す
ることにある。本発明の第3の目的は、現像処理液や、
ローラーの汚染を起こさない写真感光材料を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のこれらの目的は、ハロゲン化銀乳剤層又は他
の親水性コロイド層中に下記一般式〔I〕又は〔II〕で
表される化合物を含有させることによって達成された。
式中、R1は炭素数8〜32のアルキル基、アルケニル
基、置換アルキル基、置換アリール基を表わす。R2、R3
はそれぞれ水素原子、又は炭素数6〜32のアルキル基、
置換シクロアルキル基、置換アリール基を表わし、R2
R3は同時に水素原子とはならない。mは3〜6、nは1
〜50の数を表わす。
以下に本発明を更に具体的に説明する。一般式〔I〕
に於けるR1の好ましい例としては炭素数8〜16のアルキ
ル基及びR4O(CH2(R4は、炭素数6〜18の直鎖又は
分岐アルキル基を表わす)である。R1及びR4の具体例と
してはn−C8H17, n−C10H21,n−C6H13, n−C12H24,n−C16H33, 等を挙げることができる。一般式〔II〕に於けるR2、R3
の好ましい例としては共に炭素数6〜12のアルキル基で
ある。R2、R3の具体例としては、n−C6H13,n−C8H17, n−C10H21,n−C12H14等を挙げることができる。
一般式〔I〕、〔II〕に於けるmの好ましい数は、4
又は5であり、nの数は、1〜10特に好ましくは1〜5
である。
次に本発明に使用される一般式〔I〕、〔II〕で表さ
れる化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
(化合物) 本発明に使用するこれらの化合物の合成例を次に示
す。
合成例−1(化合物例−1の合成) (1) オクチル−N−グルコニルアミン オクチルアミン38.77g(0.3モル)とメタノール500ml
を1の三ッ口フラスコに入れ、溶解させる。内温50℃
に保ちながらδ−グルコノラクトン53.4g(0.3モル)を
撹拌下、少量ずつ加える。添加終了後メタノール還流下
5時間反応させた。室温下に放冷すると結晶が析出す
る。結晶を取り出し、メタノール1000ml/エタノール500
mlの混合液より再結晶した。NMRより目的物であること
を確認した。
(2) 化合物例−1 オクチル−N−グルコニルアミン30.74g(0.1モ
ル)、ジメチルホルムアミド(DMF)100ml、NaOH 2g
(0.05モル)を300mlの三ッ口フラスコに入れ、90〜100
℃で、NaOH粒がスカム状となるまで撹拌する。減圧下80
℃以下でDMFを留去した後、新たにDMF80mlを加え120〜1
30℃に保ちながら撹拌下グリシドール14.8g(0.2モル)
を滴下する。同温で6時間撹拌下反応させる。未反応の
グリシドールは認められない。冷却後、濃塩酸で中和す
る。減圧下で溶媒を留去した後、メタノール100mlを加
え、再び溶解し活性炭を加え加熱脱色、濾過、溶媒減圧
濃縮し更にアセトン洗浄すると淡褐色の固体が得られ
る。IR,NMRより目的物であることを確認した(但しグリ
シドールの反応で2級OH基との反応物も一部含まれてい
る)。水に透明溶解、表面張力(1%)は28dyne/cmで
あった。
合成例−2(化合物例−4の合成) (1) 3−(2−エチルヘキシルオキシ)−プロピル
−N−グルコニルアミン 2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン56.02g(0.
3モル)とメタノール600mlを1の三ッ口フラスコに入
れ溶解させる。内温50℃に保ちながらδ−グルコノラク
トン53.44g(0.3モル)を撹拌下少量ずつ加える。添加
終了後、メタノール還流下5時間反応させた。メタノー
ルを減圧留去すると固形物が得られる。アセトニトリル
1300ml/エタノール400mlの混合液より再結晶した。収量
40g、NMRより目的物であることを確認した。
(2) 化合物例−4 グリシドールの付加反応は合成例−1と同様に行ない
目的物を得た。
合成例−3(化合物例−10の合成) 2,2−ジヘキシルプロパンジニトリル 乾燥したDMSO800mlに水素化ナトリウム36g(2.0モ
ル)を加えたスラリー中に乾燥DMSO200mlに溶解したマ
ロノニトリル66.1g(1.0モル)を撹拌下、水冷しつつゆ
っくり添加した。終了後撹拌を20分間続け、次にヘキシ
ルブロマイド330.1g(2.0モル)を氷冷しながら滴下し
た(20℃、1時間)。終了後30℃以下で2時間、更に50
℃で4時間撹拌した。反応液を氷水3000ml中に注入し撹
拌した。次に酢酸エチル2000mlを加え油分を抽出し、分
離した。分離した酢酸エチル層は更に水洗いを2回くり
返した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、酢酸エチルを留去し黄色の油状物質を得た。油状物
質を減圧蒸留して無色油状の目的物181gを得た。(沸
点、153〜159℃/6mmHg)。
2,2−ジヘキシルプロパン−1,3−ジアミン 2,2−ジヘキシルプロパンジニトリル180.5g(0.77モ
ル)をエタノール320mlに溶解し、ラネーニッケル(ト
ルエン分散物)約5gを加えオートクレーブ中で水素圧10
0kg/m2、100℃6時間接触還元を行なった。触媒を除
去、エタノールを留去し油状物質を得た。油状物質を減
圧蒸留し無色油状の目的物119gを得た。(沸点、153〜1
60℃/4mmHg)。
2,2−(ジヘキシル)−N,N′−ビス(D−グルコニル)
プロパン−1,3−ジアミン 2,2−ジヘキシルプロパン−1,3−ジアミン24.24g(0.
1モル)と1,5−D−グルコノラクトン35.63g(0.2モ
ル)とをメタノール600ml中で6時間還流下で加熱反応
させた。室温下に放冷すると結晶が析出する。これを濾
取し、メタノールより再結晶した。NMRより目的物であ
ることを確認した。
融点180℃、収量30gであった。
化合物例−10の合成 グリシドールの付加反応は合成例−1と同様に行ない
目的物を得た。
本発明に使用される一般式〔I〕又は〔II〕で表され
るノニオン界面活性剤は前記した写真用高速同時多層塗
布方式又は、カーテン塗布方式による塗布液の塗布助剤
として著しく優れていることを見いだした。即ちコメッ
トやハジキがなく均一に高速同時塗布が出来ることがわ
かった。又本発明に使用される一般式〔I〕及び〔II〕
で表される化合物を含有する写真フィルムは、現像処理
液中での汚染物質の発生を防止できる等の特徴を有して
いることもわかった。これらの効果の理由は本発明の化
合物が分子中に多くの水酸基を有していることによる水
酸基同士の相互作用、特に糖水酸基とグリセロール水酸
基の協奏効果に起因しているものと推定している。
本発明に於いて、一般式〔I〕及び〔II〕で表される
化合物は、親水性有機コロイド塗布液中に添加し塗布助
剤として用いるが、その使用量は塗布液1kg当り0.01〜5
0gの範囲で添加しうるが、好ましくは0.05〜5gが適当で
ある。
添加方法としては、水又はメタノールもしくは他の水
と混合しうる溶媒に溶かした溶液として添加するのが好
ましい。
上記界面活性剤は、写真感光材料を構成するいずれの
写真層の塗布液に添加されてもよく、その層が感光性の
層であると非感光性の層であることを問わない。
本発明の感光材料は、前記一般式の化合物の添加によ
り低速度ではもちろん高速塗布に於いて極めて均一な親
水性コロイドの塗膜が形成される。すなわち塗布ムラや
塗膜のコメット、ハジキが生じない。
本発明は、写真感光材料中にカプラー、アルキルハイ
ドロキノン類、紫外線吸収剤、増感色素などの親油性物
質や、疎水性ビニール重合体などを含有させる場合の塗
布助剤として特に有用である。
すなわち、これらの親油性物質を高沸点の水難溶性有
機溶媒に溶解して得られる溶液を前記一般式の界面活性
剤の存在下に親水コロイド水溶液中に微細かつ安定に分
散させ、これを直接塗布液として用いるか、それをさら
に写真乳剤等の塗布液に添加して用いることができる。
一方、疎水性ビニール重合体の水性分散液を調製する
場合にも有効である。すなわち本願発明による界面活性
剤を含む水溶液中に疎水性ビニールモノマーを乳化せし
めた後、重合開始剤を加え重合すると粒子サイズの細か
い安定な水性分散液が得られる。
本発明に於ける親水性有機コロイドとしては、ゼラチ
ンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイ
ドも用いることができる。
たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子との
グラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロース誘
導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセ
タール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるい
は共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いる
ことができる。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼ
ラチンや、写真学会誌、ジャパン(Bull.Soc.Sci.Phot.
Japan.)No.16,30頁(1966)に記載されたような酸素処
理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解
物や酸素分解物も用いることができる。ゼラチン誘導体
としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、酸無水物、
イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン類、
ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合物類、ポ
リアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種々の化
合物を反応させて得られるものが用いられる。
本発明に於ける親水性有機コロイド層とは、上述の如
き親水性有機コロイド、特にゼラチンをバインダーとす
る写真溶塗布層であり、例えばハロゲン化銀乳剤層、表
面保護層、フィルター層、中間層、ハレーション防止
層、スタチック防止層、下塗層、バッキング層などを挙
げることが出来る。
本発明の化合物は、可溶化力及び界面活性度が高いた
め、水に難溶性の写真用添加剤を高沸点有機溶剤を用い
て溶解、分散せしめた親水性有機コロイド層の塗布に好
ましく用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤層には各種のハロゲン
化銀を使用することができる。たとえば、塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、沃臭化銀あるいは塩沃臭化銀などであ
る。2ないし20モル%の沃化銀を含む沃臭化銀、10ない
し50モル%の臭化銀を含む塩臭化銀は好ましい。ハロゲ
ン化銀粒子の結晶形、結晶構造、粒径、粒径分布等には
限定はない。ハロゲン化銀の結晶は、正常晶でも双晶で
もよく、六面体、八面体、14面体のいずれであってもよ
い。リサーチディスクロージャー22534に記載されたよ
うな、厚味が0.5ミクロン以下、径は少くとも0.6ミクロ
ンで、平均アスペクト比が5以上の平板粒子であっても
よい。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部が異質な組成
であってもよく、層状構造をなしていても、またエピタ
キシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合
されていてもよく、種々の結晶形の粒子の混合から成っ
ていてもよい。また潜像を主として粒子表面に形成する
もので、内部に形成するものでもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、0.1ミクロン以下の微粒子で
も投影面積直径が3ミクロンに至る迄の大サイズ粒子で
もよく、狭い分布を有する単分散乳剤でも、あるいは広
い分布を有する多分散乳剤でもよい。
これらのハロゲン化銀粒子は、当業界において慣用さ
れている公知の方法によって製造することができる。
前記ハロゲン化銀乳剤は通常行なわれる化学増感即
ち、硫黄増感法、貴金属増感法、あるいはこれらの併用
により増感できる。さらに本発明に係るハロゲン化銀乳
剤は増感色素を用いて所望の感光波長域に感色性を付与
することができる。本発明に有利に用いられる色素類と
しては、シアニン、ヘミシアニン、ロダシアニン、メロ
シアニン、オキソノール、ヘキオキソノールなどのメチ
ン色素及びスチリル色素があり、1種あるいは2種以上
を組合せて用いることができる。
本発明に於ける水に難溶性の写真用添加剤としては、
例えば油溶性カラーカプラー、色カブリ又は混色の防止
に用いる酸化防止剤、退色防止剤(例えば、アルキルハ
イドロキノン類、アルキルフェノール類、クロマン類、
クマロン類、等)、硬膜剤、油溶性フィルター染料、油
溶性紫外線吸収剤、DIR化合物(例えば、DIRハイドロキ
ノン類、無呈色DIR化合物、等)、現像薬、色素現像
薬、DRR化合物、DDRカプラー、等を挙げることが出来
る。
この内油溶性カラーカプラーとしては、ベンゾイルア
セトアニリド系、ピバロイルアセトアニリド系、ピラゾ
ロン系、シアノアセチル系、フェノール系、ナフトール
系化合物を用いることが出来る。これらの代表的例は、
米国特許第2875057号、同3408194号、同3582322号、同3
891445号、同2600788号、同3062653号、同3311476号、
同3519429号、同3558319号、同3615506号、同3834908
号、同2369929号、同2474293号、同2895826号、同35913
83号、同3227544号、同3790384号、等に記載されてい
る。
本発明に於ける高沸点有機溶剤としては、例えばフタ
ール酸アルキルエステル(ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレートなど)、リン酸エステル(ジフェニルフ
ォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレ
ジルフォスフェート、ジオクチルブチルフォスフェー
ト)、クエン酸エステル(たとえばアセチルクエン酸ト
リブチル)、安息香酸エステル(たとえば安息香酸オク
チル)、アルキルアミド(たとえばジエチルラウリルア
ミド)などを挙げることが出来る。
本発明に於ける親水性コロイド塗布液には、この他に
安定剤、硬膜剤、染料、マット剤、感光性ハロゲン化銀
粒子、他の界面活性剤、ポリマーラテックス、螢光増白
剤その他写真感光材料に有用な各種の添加剤を含有する
ことが出来る。
この内本発明の界面活性剤と併用する他の界面活性剤
としては、アニオン系界面活性剤が好ましい。
前記の添加剤に関しては、プロダクトライセンシング
・インデックス誌92巻107〜110頁(1971年12月)、リサ
ーチディスクロージャ15162(1976年11月)、同17643
(1978年12月)に記載されている。
本発明の化合物を含有せしめた、親水性有機コロイド
塗布層が、ハロゲン化銀乳剤を含んでいる場合、該塗布
層は、ハロゲン化銀乳剤層と水透過性の関係にあって
も、あるいはバック層のようにハロゲン化銀と水透過性
の関係になくてもよい。また、本発明は全くハロゲン化
銀乳剤層を含まない単層のあるいは同時重層の塗布に対
しても使用できる。同時重層の塗布を行うとき、本発明
の化合物はすべての塗布液に含有せしめてもよいが、好
ましくは最上層あるいは、その隣接層に添加すると、添
加故障低減と塗布速度の向上が顕著である。本発明の化
合物を含有せしめた塗布層が冷却セットされた状態にあ
り、さらにこの上に本発明の化合物を含まない塗布層を
設ける場合にも、塗布ハジキが低減する。
同時重層塗布するときは、米国特許2,761,417号記載
のホッパー塗布、同3,508,947号に記されたカーテン塗
布、その他リサーチディスクロージャー17644(1978年1
2月)に記載されているような塗布方法に従うことがで
きる。
(実施例) 以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 通常の方法で粒子形成、熟成された塩臭化銀乳剤(ハ
ロゲン化銀1モル当り100gのゼラチンを含む)1kgを10
%ゼラチン水溶液で3倍に希釈し、この乳剤溶液1kg当
りサポニンを2g添加した。この乳剤溶液とは別に、5%
ゼラチン水溶液をつくり、これにトリ−n−ヘキシル−
フォスフェートをゼラチン中に分散して得られた乳化物
(平均粒径0.9μ)をトリ−n−ヘキシル−フォスフェ
ートとして18cc/1kg5%ゼラチン水溶液になるように添
加した液を作った。この液を6等分し、各々に、塗布助
剤を2.0g/kg塗布液添加し、表面保護層用塗布液とし
た。
この表面保護層塗布液の表面張力をウイルヘルミー吊
板法(例えば 表面とコロイド科学(“Surface and Coll oid Scienc
e)"vo1.1p.124〜128、Wiley−Interscience(1969)を
参照)で測定した。
一方、乳剤溶液と表面保護層用塗布液をマルチスライ
ドホッパー型塗布装置により、下塗り層を施した、三酢
酸セルロース支持体上に塗布速度100m/分で二層同時塗
布をし試料−(1)〜(4)を作成し、各試料について
1平方米当りのハジキの数を調べた。又ローラー汚染度
については下記の方法により評価した。
得られた結果を第1表に示す。
ローラー汚染度の測定 乳剤層および表面保護層を塗布した試料を30.5cm×1
7.1cm角に裁断した。現像処理後の光学濃度が1.0になる
ように均一露光したのち、自動現像処理機(シリコーン
ローラー搬送機を有する)(現像液=富士写真フイルム
RD−II 35℃、定着浴=富士写真フイルムFuji−F35℃水
洗浴の3浴より成っている)で連続的に50枚現像処理し
た。
水洗スクイズローラーを十分に乾燥させた後、51枚目
のサンプルの先端部に発生するスジ状の濃度ムラの出具
合を調べた。
ローラー汚染度の評価は次の4段階の基準に従った。
(汚染度が高くなると濃度ムラが大きくなる) A:濃度ムラの発生が認められない。
B:濃度ムラが少し発生する。
C:濃度ムラが相当発生する。
D:濃度ムラが著しく発生する。
第1表から明らかな如く、本発明の化合物を用いた試
料(4〜6)は、ハジキ数も少なくローラー汚染度も少
ないことがわかる。
実施例−2 7%ゼラチン水溶液1kgにポリビニルベンゼンスルフ
ォン酸カリウム0.6gと塗布助剤2.0gを添加した表面保護
用塗布液を比較化合物及び本発明の化合物のそれぞれに
ついて調製した。
これら塗布液を特開昭55−73365に示されるエクスト
ルージョン型カーテン塗布装置により、カーテン膜を形
成させ、その膜形成可能な最低流量(Q)を測定した。
また、このカーテン塗布装置により、上記塗布液をポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、限界塗
布速度を調べた。これらの結果を第2表に示す。
比較化合物D C16H33O(CH2CH2O)10H 第2表からわかる通り、比較試料7、8、9のQがそ
れぞれ2.1、1.5、2.3なのに対し、本発明である試料1
0、11、12は0.9、0.7、0.8と小さいQでもカーテン膜を
形成することが可能であり、カーテン膜の薄膜形成に有
効であることがわかる。又限界速度も比較化合物より明
らかに優れていることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於い
    て、該ハロゲン化銀乳剤層又は他の親水性コロイド層中
    に下記一般式〔I〕又は〔II〕で表わされる化合物を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 式中、R1は炭素数8〜32のアルキル基、アルケニル基、
    置換アルキル基、置換アリール基を表わす。R2、R3はそ
    れぞれ水素原子、又は炭素数6〜32のアルキル基、置換
    シクロアルキル基、置換アリール基を表わし、R2とR3
    同時に水素原子とはならない。mは3〜6、nは1〜50
    の数を表わす。
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