JP2717815B2 - 軟磁性六方晶フェライト焼結体の製造方法 - Google Patents

軟磁性六方晶フェライト焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は軟磁性焼結体の製造方法に関し、特にC軸以
外の方向に磁化容易軸を有する板状粒子形の六方晶軟磁
性フエライト粉末を用いた六方晶系フェライト焼結体の
製造方法に関する。
(従来技術とその問題点) 磁気シールド、電波吸収材、マイクロは装置用材料、
電子回路用インダクタンスその他の用途に軟磁性体焼結
体が広く用いられている。このような軟磁性体に必要な
条件は飽和磁化が大きいこと、透磁率が高いことなとで
ある。例えば磁気シールド材の場合、磁界が磁気シール
ド材により阻止されるためには、磁気シールド材がシー
ト状または膜状に形成され、しかもその面に垂直な方向
の磁束が阻止され面内方向に磁束が誘導されるように磁
化容易軸が面内方向に配向する必要がある。このような
条件に適合する焼結磁性体は、微結晶子を磁化方向に板
状に発達し、しかも飽和磁化が大きく、板状の面内方向
に大きい磁化容易軸を有することである。
従来の磁性フェライトのような軟磁性焼結酸化物は通
常立方結晶系であり仮焼成し、粉砕し、次いでバインダ
ーと共に機械的に圧延成形するとか成形後の焼結時に配
向磁界を掛ける等の方法で焼結体を製造しても充分な異
方性ないし配向性は得られない。例えば、スピネルフェ
ライトであるMn−Znフェライトは高い飽和磁化を有し、
磁気異方性が小さく、高透磁率であるが磁気異方性の大
きい焼結体は得られない。
一方、C軸方向に大きい磁気異方性を有する六方晶の
磁性フェライトは板状の粒子形を発達しうることが知ら
れており、水溶液法、オートクレーブ法、ガラス結晶法
などがあるが本発明で用いたフラックス法(特公昭55−
49033号、特公昭57−21518号、特公昭58−20890号、特
開昭59−146944号、特開昭60−90829号)でも製造され
る。しかしこのものはマグネトプランバイト型フェライ
トであるから軟磁性体とは違い硬磁性体であり、本発明
が目的とする電磁特性は得られない。本発明が対象とす
る六方晶のフェライトであるC軸以外の方向に磁気異方
性を有するW型のフェライト(後で定義する)に類似し
た六方晶のフェライトが本発明の方法とは異なる水溶液
法(特開昭59−174530号)又は粉砕法(特開昭59−1745
31号、特開昭60−11232号)で作製された。しかしこう
して得られた磁性粉末の磁気異方性は大きく、軟磁性体
では無くて硬磁性体であるばかりでなく、優れた軟磁気
特性を得る為に必要な粒子形状、粒子サイズを作製する
ことが困難である。なぜならば硬磁性材料の磁性粉末は
単磁区粒子である必要性から、1μm以下の粒子を作る
ことを目的としているからである(磁気記録材料も同
じ)。
(発明の目的) 本発明の目的は、C軸以外の方向に磁化容易軸を有す
る板状乃至扁平状の粒子よりなる六方晶の磁性粉末を用
いて粉末粒子を特定方向に高度に配向させ、次いで焼結
することにより前記特定方向に磁化容易軸を有する高透
磁率でしかも密度の高い軟磁性焼結体を得ることを目的
とする。本発明の磁性材料は磁気シールド、電波吸収
材、マイクロは装置用材料、電子回路用インダクタンス
その他の用途に広く使用できる優れた磁性体である。
(発明の概要) 本発明は、1000〜1400℃での熱処理によりC軸以外の
方向に磁化容易軸を有する様な組成に配合されたフェラ
イト原料酸化物に、一種以上の水溶性塩をフラックスと
して混合し、1000〜1400℃で熱処理し、冷却後、フラッ
クスを水に溶解して取り除くことにより、平板状に結晶
化された軟磁性六方晶系フェライト粉末を製造し、次い
でこれに少量のバインダーを加えて塗料化し、シート成
形し、熱圧延し、最後に焼結することを特徴とする軟磁
性六方晶フェライト焼結体の製造方法を提供する。この
方法によるとシート面内方向に大きい透磁率を有する焼
結体が得られる。本発明の更に好ましい方法によると、
1000〜1400℃での熱処理によりC軸方向に磁化容易軸を
有する様な組成に配合されたフェライト原料酸化物に、
一種以上の水溶性塩をフラックスとして混合し、1000〜
1400℃で熱処理し、冷却後、フラックスを水に溶解して
取り除くことにより、平板状に結晶化された軟磁性六方
晶系フェライト粉末を製造し、得られた軟磁性六方晶系
フェライト粉末に前記フェライト原料酸化物を混合量比
40モル%:60モル%〜60モル%:40モル%で且つ少量のバ
インダーを加えて塗料化し、シート状に成形し、熱圧延
し、最後に焼結することを特徴とする軟磁性六方晶フェ
ライト焼結体の製造方法が提供される。この方法による
と透磁率の更に高い焼結磁性体を得ることができる。例
えば、磁気シールド材の場合には、シート状に形成した
磁性焼結体のシート面に対して直角な方向への磁束の透
過は極端に減じ、大分部の磁束は面内方向に誘導される
という著しい利益が得られる。また生シートの段階で何
層にも積層したものを焼結すると同様にシート面内方向
に高透磁率を有する焼結磁性体を得ることができる。
(発明の具体的な説明) 先きに述べたとおり、本発明ではフラックス法を用い
る。この方法は公知であるので、必要なら上に引用した
文献を参照されたい。しかし再度強調しておくが、本発
明の目的生成物であるC軸以外の方向に磁化容易軸を有
する六方晶軟磁性フェライトの製造にフラックス法が適
用できることは全く知られていない。そもそも、W型そ
の他本発明で製造されるものと同型の磁性材料の用途は
その磁気特性の低さのために従来ほとんど存在しなかっ
たのである。しかるに、本発明によって、板状粒子形の
六方晶磁性粉末空製造された焼結磁性体は磁気シールド
材、磁気コアのような軟磁性の用途において極めて優れ
た特性を有することが初めて発見されたのである。すな
わち、本発明の方法が新規なだけでなく、製造された磁
性焼結体も新規である。
磁性粉末と焼結体について 本発明の方法により製造される磁性焼結体は、C軸以
外の方向に磁化容易軸を有する六方晶の軟磁性体粉末を
経由して製造される。この粉末も焼結体も同一の組成を
有し得る。この型の六方晶磁性材料にはY型、Z型、W
型フェロクスプラナ型フェライトなどがあり、一般的に
は(AO)(MeO)(Fe2-yDyO3の組成を有する。
W型は(AO)(MeO)(Fe2-yDyO3、Y型は(AO)
(MeO)(Fe2-yDyO3、Z型は(AO)(MeO)
(Fe2-yDyO312である。(ただしAはBa、Sr等のア
ルカリ土類金属の少なくとも一種、Meは2価のFe、Ni、
Zn、Mn、Cu、Cd、Co、Mg、及び(Fe3++Li1+)/2の少な
くとも一種で、W型ではCoが35〜100%を占め、Y型で
はCoが0〜100を占め、Z型ではCoが25〜100%を占め
る。Dは3価のAl、Mn、Cr、Ga、(Co2++Ti4+)/2の少
なくとも一種である。)。a、b、cが適当なら軟磁性
体が得られ、さらにY型、Z型、W型の混合状態でも軟
磁性が損なわれることはない。また材料にはY型、Z
型、W型以外の結晶相が共存することがある。この場
合、S型すなわち(MeO)(Fe2-YDyO3)は立方晶であ
り、板状粒子は得にくいが、軟磁性を示す相であり、20
wt%以下であれば材料の軟磁性を大きく損なうことはな
い。またFe2-yDyO3は一般に非磁性相であり、軟磁性を
薄めることとなるが10wt%以下であれば材料全体の軟磁
性を大きく損なうことはない。しかしM型すなわち(A
O)(Fe2-yDyO3は六方晶であるが、C軸が磁化容易
軸となる硬磁性を示す相であることから、共存すると材
料全体の軟磁性を大きく損なうこととなるため、3wt%
以下に抑制する必要がある。以上の結果をまとめると
(AO)(MeO)(Fe2-yDyO3で目的の軟磁性が得
られる組成範囲はa+b+c=100とすると、第1図に
示すように、組成点(a、b、c)がI(5、40、5
5)、II(30、15、55)、III(25、5、70)、IV(5、
15、80)の4点で囲まれた範囲となる。上記の磁性材料
Y型はMeとしてCoを含有しなくてもC軸以外の方向に磁
化容易軸を発達させることができるが、W型、Z型はCo
を少なくとも含有しなければC軸以外の方向に磁化容易
軸を発達させることはできない。上記の組成の磁性体は
酸化物であるために、磁気シールド材などの軟磁性物品
を加工する前後を問わず熱的にも安定であり、耐酸化性
も良い。さらに、上記磁性粉末はコバルトを含有するこ
ともあるがその量は少量に留まり、安価な酸化鉄が80%
程度を占めているので原料費は安くなり、また空気中で
製造できることから、この六方晶フェライトは低コスト
である。
軟磁性六方晶系フェライト粉末の製造方法 本発明の中間工程で製造される扁平乃至板状の粒子形
を有する粉末は特殊な製造方法によって製造される。従
来から知られている粉砕装置を用いた粉砕工程では、所
期の粒子形は得ることができない。例えば、従来公知の
粉砕装置には、スタンプミル、乾式ボールミル、湿式ボ
ールミル、アトライター、振動ミル、ロッドミル、衝撃
ミル、デイスクミル、クラッシャーロールなどがある
が、これらの粉砕方法によったのでは微細な扁平粒子形
状は得られず、粒状の粒子しか得ることができず、これ
から製造した磁気シールド材等の軟磁性製品は等方性に
近くなり、充分な磁気特性は期待できない。
本発明はフラックス法による磁性粉末の製造方法であ
る。この方法の応用については立方晶形フェライトに関
しては本出願人による提案が成されている(特開昭60−
89902号、特願昭58−199206号、特願昭59−197377号、
特開昭60−91699号など)。磁石用の六方晶フェライト
に関しては特公昭55−49030号、特公昭57−21518号、特
開昭60−90829号などにより知られている。しかしなが
ら、本発明に適する軟磁性材料であるC軸とは異なる磁
化容易軸を有するフェライト即ちフェロクスプラナの製
造にフラックス法が適用されたことはない。
原料は最終的に目標の組成となるようにA、D、Me、
Feの酸化物、水酸化物、炭酸塩等から選択される。フラ
ックスである水溶性塩はK2SO4、Na2SO4等の硫酸塩、或
はKC1等の塩化物の一種、または融点の制御のために二
種類以上を組み合わせて使用する。フラックスの混合料
はフラックスも含めた全量を基準として20〜70mol%が
適しており、さらに好ましくは35〜55mol%である。原
料とフラックスとを混合した後、アルミナ等のるつぼに
この混合物を装入し組成にあわせて1000〜1400℃の間の
適当な温度で熱処理する。熱処理温度は組成に依存し、
Y型フェライトでは1000℃以上、Z型、W型では1200℃
以上が適当である。これらの温度は当然フラックスの融
点よりも高温度でなければならない。熱処理時間は通常
30分から3時間程度の間で設定される。熱処理後室温ま
で冷却し、解砕し、水または湯にフラックスを溶解して
分離し、脱水、乾燥の後に目的の扁平粒子即ち板状粒子
の粉末よりなる軟磁性六方晶フェライトを得る。
この工程で製造された磁性粉末の大部分、恐らく総量
の約80%以上は扁平粒子よりなり、その形状のために配
向性が良く、次ぎの工程で優れた配向性を発揮できる。
六方晶であるこのフェライト粒子は板状性が良く、平均
直径(平面方向からみた平均の粒子径であり、粒形の小
さいほうから重量を累計して50%になった時の直径。こ
れはD50として知られている)dは1〜100μm、粒子の
平均厚さtは0.01〜10μm、平均直径と平均厚さ比d/t
が5以上のものが条件を調整することにより製造でき、
次ぎの工程で仮面方向に高度に配向でき、面内方向の透
磁率の高い焼結体を得ることが容易にできる。
成形法 得られた粉末は、焼成時に揮発し得るバインダー例え
ばブチラール樹脂とか、ポリビニルアルコールとか公知
の任意のバインダーを使用して磁性塗料化する。
磁性塗料の調製には2つの方法があり、一つは上記の
工程で製造された磁性粉末を直接バインダーと混合する
場合であり、他の方法は上記の方法で製造された磁性粉
末に更に出発原料として用いた原料酸化物を混合する場
合である。以下の説明から分かる様に後者の方法が特に
望ましい。後者の場合、軟磁性六方晶系フェライト粉末
に前記フェライト原料酸化物を混合量比95モル%:5モル
%〜25モル%:75モル%で配合するととくに優れた軟磁
性特性が得られる。
次いで磁性塗料をシート成形する。ここにシート成形
とは磁性塗料をシート状に成形する際に成形方向に機械
的な配向作用が働く場合を言い、ドクターブレードを使
用して磁性塗料をシート状に伸ばす方法がその典型的な
方法である。
シート成形された磁性塗料は乾燥され次いで適当な層
数に積層され、次いで熱圧延される。このとき成形を同
時に行なっても良いし前後して行なっても良い。例えば
シートの積層体を熱圧延した後、抜き型により所定の形
状に成形するとか、積層体を成形金型に装入してから熱
加圧するなどの方法が使用できる。必要なら更に熱圧延
時に配向磁界を印加しても良い。シート成形及び熱圧延
工程は板状粒子をシート方向に硬度に配向させるのに適
しており、六方晶系フェライト粉末を単独で使用する場
合よりも元の原料と混合して使用した方が更に高度な配
向を実現することができる。
焼成工程 この様にして得た成形体を次ぎに約1000〜1400℃の温
度で空気中焼成する。好ましい焼成温度は約1200℃以上
であり、焼成時間は30分〜3時間である。焼成が終った
ら室温まで冷却して目的の軟磁性六方晶系フェライトを
得る。以下に本発明の実施例を説明する。
尚、本発明の実施例で評価される磁気特性は、軟磁性
の代表的特性である初透磁率μiであり、ここにその評
価方法を簡単に述べておく。
実施例 フラックス法により板状粒子を調製した。フラックス
法の場合、上記配合比による各原料のmol数の和を1と
すると、これに対し0.8のmol数に相当する硫酸塩をフラ
ックスとして混合した。フラックスはK2SO4を用いた。
原料酸化物としてBaCO320mol%、ZnO16mol%、MnO4mol
%、Fe2O360mol%を用い、K2SO4、44.45mol%を混合し
た。この原料及びフラックスを乾式の撹拌機で混合し、
電気炉に装入し温度1200℃で1時間空気中で熱処理し、
室温まで冷却した。ついで板状形状を損なわない範囲の
力で解砕し、約80℃の湯の中に投入し、撹拌して、フラ
ックスを溶解した。この溶解は3〜4度反復し、フラッ
クスが殆ど存在しなくなる量にしてから、過機で脱水
した後、100〜150℃の乾燥機中で乾燥して軟磁性六方晶
フェライトを得た。
こうして得られた軟磁性粉体と上記組成の原料酸化物
とを混合量比0mol%:100mol%〜100mo1%:0mol%の範囲
で、板状粉体が破壊されないように、樹脂ライニングの
ボールミルにより混合した。混合終了後、脱水し、100
〜150℃の乾燥器中で乾燥させた。この混合粉体を有機
バインダーおよび溶剤によって再び樹脂ライニングのボ
ールミルにより混合し、塗料化した。この塗料をドクタ
ーブレードによりシート成形し、乾燥炉130℃により溶
剤を抜きシートを得た。このシートを必要とする形状に
切断し、数十枚積層後、熱プレスによって圧延比0.5と
なる様に圧延した。得られた成形品を電気炉に空気中で
1300℃まで昇温して1300℃で2時間保持し室温まで冷却
した。最終的に得られた軟磁性六方晶フェライト焼結体
の配向度を第2図に、および軟磁性としての特性(初透
磁率)を第3図に示す。これにより、板状粉体95mol%
〜25mol%、原料5mol%〜75mol%で0.9以上の配向度お
よび理論密度に対して93%以上の密度が得られることが
確認された。また同じ範囲で初透磁率においても良好な
特性となっている。なお配向度はX線回折により焼結体
回折強度を測定し配向度を算出した。
測定範囲 2θ=20゜〜60゜ さらに初透磁率は厚み3mm、外径20mm、内径10mmのリ
ング試料に10ターンの巻線をし、LCRメーターで周波数
f=100KHzにてインダクタンスLを測定し、初透磁率を
測定した。
応用例 実施例より得られた良好な配向度、密度を有する軟磁
性六方晶フェライト焼結体で板状と原料比率が50:50mol
%の焼結体と、同組成からなる粉体を塗料化−シート成
形−圧延の工程を除いた焼結体との磁気特性、インピー
ダンスの絶対値||(Ω)を比較した結果を第4図に
示す。形状外径φ3.5×内径φ1.3×5mmに加工したもの
の内径にφ0.65mmのケーブルを通して測定した。ここに
比較に用いた焼結体はBaCO3、ZnO、Mno、Fe2O3を同様に
し、その混合粉体をAl2O3製るつぼに入れ、空気中1250
℃で2時間熱処理した後室温まで冷却し、解砕の後、ス
チール製ボールミルにおいて材料重量の2倍の水、鋼球
も2倍入れ、20時間粉砕した。乾燥後、得られた粉体を
水分調整後1ton/cm2で成形し、電気炉にて、空気中1300
℃で2時間熱処理した後室温まで冷却して得た。また、
従来スピネル材の焼結体の特性も合せて示す。これよ
り、塗料化−シート成形−圧延により得られた本発明品
は、前記工程を除いたものと比較して良好な磁気特性イ
ンピーダンスの絶対値||(Ω)が得られることが確
認された。また従来スピネル材の特性値と比較しても周
波数200MH以上において大きな値となり、良好な磁気特
性が得られることが確認された。なお、インピーダンス
は厚み5mm、外径3.5mm、内径1.3mmのビーズ試料に1タ
ーンの線径0.65mmの巻線をし、インピーダンスアナライ
ザーにて||を測定した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法により製造された六方晶でC軸以
外の方向に磁化容易軸を有する軟磁性材料の組成を示す
三元組成図、第2図は板状粉体と原料酸化物の配合割合
が配向度に及ぼす効果を示すグラフ、第3図は板状粉体
と原料酸化物の配合割合が初透磁率に及ぼす効果を示す
グラフ、及び第4図は本発明のシート成形法がインピー
ダンス特性に及ぼす効果をシート成形のない焼結体の例
及び従来のスピネル型フェライト焼結体の例と比較した
グラフである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の熱処理によりC軸以外の方向に磁化
    容易軸を有する様な組成に配合されたフェライト原料酸
    化物に、一種以上の水溶性塩をフラックスとして混合
    し、1000〜1400℃で熱処理し、冷却後、フラックスを水
    に溶解して取り除くことにより、平板状に結晶化された
    軟磁性六方晶系フェライト粉末を製造し、次いでこれに
    少量のバインダーを加えて塗料化し、シート成形し、熱
    圧延し、最後に焼結することを特徴とする軟磁性六方晶
    フェライト焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】下記の熱処理によりC軸以外の方向に磁化
    容易軸を有する様な組成に配合されたフェライト原料酸
    化物に、一種以上の水溶性塩をフラックスとして混合
    し、1000〜1400℃で熱処理し、冷却後、フラックスを水
    に溶解して取り除くことにより、平板状に結晶化された
    軟磁性六方晶系フェライト粉末を製造し、得られた軟磁
    性六方晶系フェライト粉末に前記フェライト原料酸化物
    を混合量比95モル%:5モル%〜25モル%:75モル%で且
    つ少量のバインダーを加えて塗料化し、シート成形し、
    熱圧延し、最後に焼結することを特徴とする軟磁性六方
    晶フェライト焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】フェライト原料酸化物が下記熱処理後の組
    成で表わして(AO)(MeO)(Fe2-yDyO3系の少
    なくとも1種の磁性酸化物(但しAはBa,Sr等のアルカ
    リ土類金属の少なくとも1種、Meは2価のFe、Ni、Zn、
    Mn、Cu、Cd、Mg、Co及び(Fe3++Li1+)/2の少なくとも
    一種、Dは3価のAl、Mn、Cr、Ga、(CO2++Ti4+)/2の
    少なくとも一種、yはFeの置換量を表わす。a、b、c
    はC軸以外の方向に磁化容易軸を生じる様に選択する)
    を生成するように調製した原料酸化物である前記第1ま
    たは2項記載の軟磁性六方晶フェライト焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】フェライト原料酸化物が熱処理により(A
    O)(MeO)(Fe2-yDyO3(yが0.5以下)、(AO)
    (MeO)(Fe2-yDyO3(yは0.5以下)、及び(A
    O)(MeO)(Fe2-yDyO312(yは0.5以下)の1種
    又は2種以上を生成するものである前記第3項記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】フラックスがK2SO4、Na2SO4等の硫酸塩、
    またはKCl等の塩化物であり、フラックスと原料酸化物
    の全量に対してフラックスが20〜70mol%の量で用られ
    る第1ないし4項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】原料酸化物が、組成(AO)(MeO)(F
    e2-yDyO3の磁性酸化物を生成するような組成を有す
    る(ここに、a+b+c=100とすると、図1に示すよ
    うに組成点(a、b、c)がI(5、40、55)、II(3
    0、15、55)、III(25、5、70)、IV(5、15、80)の
    4点で囲まれた範囲となる)前記第2項記載の製造方
    法。
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