JP4590874B2 - ソフトフェライト微粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁気特性に優れたソフトフェライト微粒子の製造方法に関し、特に結晶性が高く、組成及び粒径の均一性に優れ、小粒径のソフトフェライト微粒子の製造方法に関するものである。
ソフトフェライト(MO・Fe、M=Ni、Zn、Mn、Co、Mg、Cu及びFeからなる群より選ばれる1種以上)は、各種通信機器、電源等におけるコイル、トランス材料、磁気ヘッド材料、温度及び音波センサー、さらには偽造防止用等の電波吸収体として広く用いられている。
従来、ソフトフェライトの製造方法としては、M及びFeの酸化物や炭酸塩の粉末を混合、焼成、粉砕する固相反応法(特許文献1)、M及びFeの塩化物溶液を用いる熱噴霧分解焙焼法(特許文献2)、M及びFeの塩化物等の溶液から水酸化物を析出させ、焙焼するアルカリ共沈焙焼法(特許文献3)等が知られている。これらの方法には、ほとんどの場合、鋼板を塩酸により酸洗して得られる溶液、もしくは該溶液から得られる粉末を主原料として用いるため、原料中に塩素が残留しやすい。原料中に塩素が残留すると焼成時に炉材を侵食しやすいほか、組成の均一性が問題となりやすく、所望の組成のソフトフェライトが得られにくいという問題があった。
一方、特許文献4には、ガラスをガラス転移点以上の温度で加熱処理してガラスマトリックス中にセラミックス結晶を析出させた後、ガラスを弱酸で溶解除去して析出結晶のみを分離するガラス結晶化法によるマグネトプランバイト型フェライト(MFe1219)粉末の製造方法が開示されている。このガラス結晶化法は、析出結晶以外の物質を完全に除去することが可能な場合には、高純度のセラミックス粒子の合成手段として有効であり、かつ、粒子の形状制御が容易であるという特徴を有する。
特開平5−3113号公報(特許請求の範囲) 特開平5−175033号公報(特許請求の範囲) 特開平6−293521号公報(特許請求の範囲) 特開昭56−169128号公報(特許請求の範囲)
本発明は、磁気特性に優れたソフトフェライト微粒子の製造方法に関し、特に結晶性が高く、組成及び粒径の均一性に優れ、小粒径のソフトフェライト微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
酸化物表示で、MO(M=Ni、Zn、Mn、Co、Mg、Cu及びFeからなる群より選ばれる1種以上)と、Feと、B、YO(Y=Mg、Ca、Sr、Baからなる群より選ばれる1種以上)とを含み、酸化物基準のモル%表示で、(MO+Fe)を10〜55%、Bを25〜75%、YOを12〜40%含む溶融物を得る工程と、前記溶融物を急速冷却して非晶質物質とする工程と、前記非晶質物質からソフトフェライト結晶を析出させる工程と、得られた結晶化物から前記ソフトフェライト結晶を分離する工程と、をこの順に含むことを特徴とするソフトフェライト微粒子の製造方法。
本発明によれば、結晶性が高く、組成及び粒径の均一性に優れかつ小粒径のソフトフェライト微粒子を容易に製造できる。そのため、本発明の製造方法によって得られるソフトフェライト微粒子は磁気特性に関して高い信頼性を有し、また、電力損失が少ない等の利点を有する磁性材料であり、コイル、トランス材料、磁気ヘッド材料及び電波吸収体材料として好適に用いられる。さらには、異方性(板状または針状)の微粒子が得られるため、材料中の充填率を高くできるため、優れた磁気特性を有する磁性材料として使用できる。
本発明の製造方法において、溶融物は、M源(M=Ni、Zn、Mn、Co、Mg、Cu、Fe)として働くMの酸化物、炭酸塩又は硝酸塩と、Fe源として働くFeの酸化物、炭酸塩又は硝酸塩とを含む混合物を溶融して得ることが好ましい。上記Mの酸化物、炭酸塩又は硝酸塩としては、所望のソフトフェライト組成に応じて酸化ニッケル(NiO)、炭酸ニッケル(NiCO・xHO)、硝酸ニッケル(Ni(NO・xHO)、酸化亜鉛(ZnO)、硝酸亜鉛(Zn(NO・xHO)、酸化マンガン(MnO、MnO、Mn)、炭酸マンガン(MnCO)、硝酸マンガン(Mn(NO・6HO)、酸化コバルト(CoO、Co)、炭酸コバルト(CoCO)、硝酸コバルト(Mn(NO・6HO)、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、硝酸マグネシウム(Mg(NO・6HO)、酸化銅(CuO,CuO)、炭酸銅(CuCO)、硝酸銅(Cu(NO・3HO)、酸化鉄(FeO、Fe、Fe)及び硝酸鉄(Fe(NO)からなる群より選ばれる1種以上を用いると好ましい。また、上記Fe源としては酸化鉄(FeO、Fe、Fe)及び硝酸鉄(Fe(NO)からなる群より選ばれる1種以上を用いると好ましい。
次に、本発明では、ガラス形成成分としてホウ酸塩を含む混合物を溶融して溶融物を得ると好ましい。ホウ酸塩としては、酸化ホウ素(B)又はホウ酸(HBO)を用いることができる。
上記のM源と、Fe源と、ホウ酸塩とに加え、本発明では、さらにXO源(X=Li、Na、K)又はYO源(Y=Mg、Ca、Sr、Ba)となる塩を加えた混合物を溶融すると好ましい。XO源としてはXCO及びXのホウ酸塩からなる群より選ばれる1種以上の塩が好ましく、YO源としてはYO、YCO及びYのホウ酸塩からなる群より選ばれる1種以上の塩を用いると好ましい。ここで、Y=Mgの場合、すなわち、MgOを溶融物中に加える場合、Yはソフトフェライトの構成成分となるM源としても働きうる。したがって、溶融物中にMgOが含まれる場合、本発明の組成の表現においてはMgOを優先的にMOに配分し、(MgO+Fe)が55%を超えるときはMgO−(55−Fe)をYOに配分して計算する。このとき、総MgO=(MO中のMgO+YO中のMgO)で定義される。これらの塩は、溶融物の溶融温度を制御する作用を有する他、ガラス形成成分として働く上記ホウ酸塩と協働するガラス骨格修飾成分として作用し、ガラス化範囲を調整し得る。なお、XO源とYO源との混合割合は特に限定されない。
所望の特性を低下させない範囲であれば、混合物中の構成材料の純度は特に限定されないが、水和水を除いた純度が99%以上であると好ましく、より好ましくは純度99.9%以上のものを用いるとよい。また、溶融して均一な溶融物が得られる範囲であれば、上記構成材料の粒度も特に限定されない。また、上記構成材料は、ボールミル、遊星ミル等の混合・粉砕手段を用いて、乾式又は湿式で混合してから溶融すると好ましい。
溶融は、大気雰囲気で行ってもよいが、酸素分圧や酸素流量を制御しながら行うことが好ましい。また、溶融に用いるるつぼは、アルミナ製、白金製、又はロジウムを含む白金製であると好ましいが、耐火物を用いることもできる。また、溶融を抵抗加熱炉、高周波誘導炉又はプラズマアーク炉を用いて行うと好ましい。抵抗加熱炉は、ニクロム合金等の金属製、炭化ケイ素質又はケイ化モリブデン製等の発熱体を備えた電気炉であると好ましい。高周波誘導炉は、誘導コイルを備えており、出力を制御できるものであればよく、また、プラズマアーク炉は、カーボン等を電極とし、これによって発生するプラズマアークを利用できるものであればよい。さらに、赤外線又はレーザー直接加熱によって溶融してもよい。溶融は800℃以上で行うことが好ましく、また、得られた溶融物は、均一性を高めるために撹拌してもよい。
なお、構成材料を混合した混合物は粉体状態で溶融してもよいし、あらかじめ成型した混合物を溶融してもよい。プラズマアーク炉を利用する場合には、あらかじめ成型した混合物をそのまま溶融し、さらに急速冷却することもできる。
溶融物の組成は、酸化物基準のモル%表示で、(MO+Fe)を10〜55%、Bを25〜75%、(XO+YO)を10〜50%含むものとする。上記の組成域の溶融物は適度な粘性を有するうえ、続く急速冷却操作により溶融物が結晶化することなく非晶質物質を得ることができるため好ましい。なお、この組成は溶融前の構成材料の化学組成とも対応している。溶融操作中に構成材料の揮発等が生じて、所望の組成の溶融物が得られない場合には、構成材料の添加割合を調整すればよい。
(MO+Fe)が55%を超え、Bが25%未満で、かつ、(XO+YO)が10%未満の組成の溶融物は急速冷却により結晶化しやすく、ガラス化して非晶質物質とすることが困難になるため、目的の特性を有するソフトフェライト微粒子を得がたくなり好ましくない。一方、(MO+Fe)の含有率が10%未満の溶融物において、Bが75%を超えるか又は(XO+YO)が50%を超える場合には、後に続く結晶化において、ソフトフェライトが充分に析出しないおそれがあるため好ましくない。なかでも、(MO+Fe)を20〜45%、Bを25〜40%、(XO+YO)を25〜40%含む溶融物とすると、目的の特性を有するフェライト微粒子が得られやすくなり、かつ、その収率を高くできるため好ましい。
なお、溶融物中に、単独成分としてMOを17〜25%、Feを17〜25%、Bを25〜34%、(XO+YO)を25〜34%含むと、目的の特性を有するフェライト微粒子が得られやすくなり好ましい。また、このとき、(MO+Fe)/(B+XO+YO)の比が0.5〜1であると、ソフトフェライトの収率を高くできる点で好ましい。
また、前記MO及び前記FeをMO:Fe=40:60〜60:40のモル比で含む溶融物とすると、MO:Feの組成比が1:1(理想組成比)付近のソフトフェライトが得られやすくなるため好ましい。
次に、得られた溶融物を急速冷却して非晶質物質とする工程には、高速で回転する双ローラーの間に溶融物を滴下してフレーク状の非晶質物質を得る方法や、高速で回転するドラムにより、溶融物から連続的にファイバー状の非晶質物質(長繊維)を巻き取る方法が好適に用いられる。ここで、双ローラー及びドラムとしては金属製又はセラミックス製のものを用いる。また、高速で回転し、側壁に細孔を設けたスピナーを用いてファイバー状の非晶質物質(短繊維)を得てもよい。これらの装置を用いれば、溶融物を効果的に急速冷却して高純度の非晶質物質にできる。
非晶質物質がフレーク状の場合には、その厚さが200μm以下、より好ましくは100μm以下となるように、また、繊維状の場合には、その直径が50μm以下、より好ましくは30μm以下となるように急速冷却することが好ましい。これ以上の厚さ又は直径の非晶質物質が形成するように急速冷却すると、溶融物が結晶化しやすくなるため好ましくない。
次に、非晶質物質からソフトフェライト結晶を析出させる。非晶質物質からソフトフェライト結晶を析出させる工程は、大気中、400〜800℃で行うことが好ましい。400℃未満で24時間程度、連続して加熱を行っても結晶が析出しにくく、また、800℃を超えると、非晶質物質を含む結晶化物が融解するおそれがあるためいずれも好ましくない。さらに好ましくは、550〜750℃で行う。この結晶析出工程は、核生成、それに続く結晶成長の2段階からなるため、この2段階をそれぞれ異なる温度で行ってもよい。なお、加熱を高温で行うほど、析出する結晶の粒径が大きくなる傾向があるので、所望の粒径に応じて結晶化温度を設定すればよい。本発明においては、非晶質物質の結晶化により、結晶としてソフトフェライト、及びXのホウ酸塩又はYのホウ酸塩が析出する。
また、結晶化にあたっては、上記の温度範囲に4時間〜48時間保つと、ソフトフェライトを充分に結晶化できるため好ましい。その際、保持時間が長くなるほど、析出する結晶の粒径が大きくなる傾向があるので、所望の粒径に応じて保持時間を設定すればよい。なお、ソフトフェライト結晶の形状は板状又は針状であると好ましい。
次に、上記によって得られたソフトフェライト結晶を含む結晶化物から、ソフトフェライト結晶を分離する。酸又は水を用いれば、結晶化物からソフトフェライト結晶以外の物質を容易に溶脱除去できる。酸としては、酢酸、塩酸、硝酸等の無機酸や、シュウ酸、クエン酸等の有機酸を用いることができる。また、反応を促進するために、酸又は水を温めて用いてもよく、また、超音波照射を併用してもよい。この溶脱処理により、ソフトフェライト結晶の一部が溶解する場合もあるが、粒径を均一化できる点ではむしろ好ましい。
溶脱処理後、必要に応じて純水による洗浄を行い、ソフトフェライト微粒子を得る。得られるソフトフェライト微粒子の組成が、酸化物基準のモル%表示で、MO:Fe=45:55〜55:45の範囲であると、優れた磁気特性を発現でき好ましい。
また、得られる微粒子の平均粒径が5〜1000nmであると好ましい。得られる微粒子の平均粒径が細かいほど、磁気特性が向上するため、平均粒径が5〜200nmであるとさらに好ましく、特に好ましくは5〜50nmである。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。例1〜4、例7〜12、例14、例16〜20及び例22〜例24は参考例である。
[例1〜15]
MO(M=Ni、Zn、Mn、Co、Mg及びCuからなる群より選ばれる1種以上)、Fe、酸化ホウ素、XCO及びYCOを、それぞれMO、Fe、B、XO(X=Na)及びYO(Y=Ba)基準のモル%表示で表1に示す割合となるように秤量し、少量のエタノールを添加して自動乳鉢で混合・粉砕した。その後、乾燥させて原料粉末を得た。
得られた原料粉末を、ロジウムを10質量%含む白金製の、ノズル付きのるつぼに装填し、ケイ化モリブデンを発熱体とした電気炉で、表1に示す温度で1時間加熱して完全溶融させた。
次に、ノズルの下端部を電気炉で加熱しながら溶融物を滴下させ、300rpmで回転する直径約15cmの双ローラーを通すことにより液滴を急速冷却し、フレーク状の固形物を得た。得られたフレークは透明な非晶質物質であった。マイクロメーターでフレークの厚さを測定したところ、30〜50μmであった。
得られたフレークの一部を用い、あらかじめ示差走査熱量測定(DSC)にてガラス転移点及び結晶化温度を求めておき、このガラス転移点より20℃高い温度〜結晶化温度より100℃高い、表1に示す温度でフレークを12時間加熱して、板状のソフトフェライト結晶を析出させた。
次に、結晶化処理後のフレークを70℃の1mol/L酢酸溶液中に20時間放置して可溶性物質を溶脱した。溶脱した液を遠心分離し、上澄みを捨てて水洗し、さらに高圧分散させ、乾燥させ、さらに水洗、乾燥を経て粒径5〜50nmの微粒子を得た。
得られたソフトフェライト微粒子の鉱物相を、X線回折装置を用いて同定した。その結果、いずれも立方晶であり、それぞれの組成における公知のソフトフェライトの回折ピークとほぼ一致し、ソフトフェライト単相からなる結晶性の高い粒子であった。例2のX線回折パターンを図1に示す。また、混合物の化学組成、溶融温度、結晶化温度を表1に示す。
Figure 0004590874
次に、例2、例14及び例15において得られたソフトフェライト微粒子を純水中で粉砕・分散した後、レーザー光散乱法により粒度分布を測定したところ、モノピークモードであり、例2、例14及び例15のメディアン径はそれぞれ30nm、40nm及び45nmと、非常に細かい微粒子であった。
[例16〜24]
MO(M=Zn、Mn、Co及びMgからなる群より選ばれる1種以上)、Fe、酸化ホウ素、XCO及びYCOを、それぞれMO、Fe、B、XO(X=Li、Na及びKからなる群より選ばれる1種以上)及びYO(Y=Sr)基準のモル%表示で表2に示す割合となるように秤量し、例1と同様にして混合・粉砕操作を行った後、表2に示す温度で溶融させ、急速冷却してフレーク状の非晶質物質を得る。続いて表2に示す温度で結晶化操作を行い、例1と同様にして溶脱操作を行うと、粒径5〜50nmのソフトフェライト微粒子が得られる。
Figure 0004590874
[例25(比較例)]
例8と同様にして混合・粉砕操作、溶融操作を行って得られた溶融物を、電気炉内で300℃/hの速度で室温まで冷却したところ、不透明な固形物が生成し、非晶質物質は得られなかった。
[例26、27(比較例)]
ZnO、Fe、酸化ホウ素及び炭酸ナトリウムを、それぞれZnO、Fe、B及びNaO基準のモル%表示で表3に示す割合となるように秤量し、例1と同様にして混合・粉砕操作を行った後、表3に示す温度で溶融させ、急速冷却したところ、透明なフレークが得られた。しかし、例1と同様にして結晶化操作、溶脱操作を行った結果、ソフトフェライト微粒子はほとんど得られなかった。
[例28(比較例)]
CoO、Fe、酸化ホウ素及び炭酸バリウムを、それぞれCoO、Fe、B及びBaO基準のモル%表示で表3に示す割合となるように秤量し、例1と同様にして混合・粉砕操作、溶融操作、急速冷却操作を行ったところ、不透明な固形物が生成し、非晶質物質は得られなかった。
Figure 0004590874
本発明により得られるソフトフェライト微粒子は結晶性が高く、組成及び粒径の均一性に優れかつ小粒径で、磁気特性に関して高い信頼性を有するので、コイル、トランス材料、磁気ヘッド材料及び電波吸収体用材料として使用できる。
例2で得られたソフトフェライト微粒子のX線回折パターン図

Claims (8)

  1. 酸化物表示で、MO(M=Ni、Zn、Mn、Co、Mg、Cu及びFeからなる群より選ばれる1種以上)と、Feと、B、YO(Y=Mg、Ca、Sr、Baからなる群より選ばれる1種以上)とを含み、酸化物基準のモル%表示で、(MO+Fe)を10〜55%、Bを25〜75%、YOを12〜40%含む溶融物を得る工程と、前記溶融物を急速冷却して非晶質物質とする工程と、前記非晶質物質からソフトフェライト結晶を析出させる工程と、得られた結晶化物から前記ソフトフェライト結晶を分離する工程と、をこの順に含むことを特徴とするソフトフェライト微粒子の製造方法。
  2. 前記溶融物中に、前記MO及び前記FeをMO:Fe=40:60〜60:40のモル比で含む請求項1に記載のソフトフェライト微粒子の製造方法。
  3. 記溶融物を急速冷却してフレーク状又はファイバー状の非晶質物質を得る 請求項1又は2に記載のソフトフェライト微粒子の製造方法。
  4. 前記非晶質物質からソフトフェライト結晶を析出させる工程を400〜800℃で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のフェライト微粒子の製造方法。
  5. 前記ソフトフェライト結晶を分離する工程を酸又は水を用いて行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のソフトフェライト微粒子の製造方法。
  6. 前記ソフトフェライト結晶の形状が板状又は針状である請求項1〜5のいずれか1項に記載のソフトフェライト微粒子の製造方法。
  7. 前記ソフトフェライト微粒子の組成が、酸化物基準のモル%表示で、MO:Fe=55:45〜45:55である請求項1〜6のいずれか1項に記載のソフトフェライト微粒子の製造方法。
  8. 前記ソフトフェライト微粒子の平均粒径が5〜1000nmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の前記ソフトフェライト微粒子の製造方法。
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