JP2715053B2 - 磁気光学素子材料 - Google Patents
磁気光学素子材料Info
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- JP2715053B2 JP2715053B2 JP6176020A JP17602094A JP2715053B2 JP 2715053 B2 JP2715053 B2 JP 2715053B2 JP 6176020 A JP6176020 A JP 6176020A JP 17602094 A JP17602094 A JP 17602094A JP 2715053 B2 JP2715053 B2 JP 2715053B2
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- garnet single
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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- H01F10/08—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
- H01F10/10—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
- H01F10/18—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being compounds
- H01F10/20—Ferrites
- H01F10/24—Garnets
- H01F10/245—Modifications for enhancing interaction with electromagnetic wave energy
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B15/00—Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
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- C30B29/00—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
- C30B29/10—Inorganic compounds or compositions
- C30B29/16—Oxides
- C30B29/22—Complex oxides
- C30B29/28—Complex oxides with formula A3Me5O12 wherein A is a rare earth metal and Me is Fe, Ga, Sc, Cr, Co or Al, e.g. garnets
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- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/0009—Materials therefor
- G02F1/0036—Magneto-optical materials
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- Inorganic Chemistry (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液相エピタキシャル
(以下、「LPE」と略記する)成長による磁性ガーネ
ット単結晶に関し、更に詳しく述べると、(NdBi)
3 Fe5 O12なる組成の磁性ガーネット単結晶からなる
磁気光学素子材料に関するものである。この材料は、特
に使用波長950〜1050nm帯の光アイソレータなど
に有用である。
(以下、「LPE」と略記する)成長による磁性ガーネ
ット単結晶に関し、更に詳しく述べると、(NdBi)
3 Fe5 O12なる組成の磁性ガーネット単結晶からなる
磁気光学素子材料に関するものである。この材料は、特
に使用波長950〜1050nm帯の光アイソレータなど
に有用である。
【0002】
【従来の技術】磁性ガーネット単結晶はファラデー効果
を持っており、光アイソレータの中心材料である。現
在、光通信に使用されている波長帯は1310nmと15
50nmである。そして近年、この波長帯に適用される磁
性ガーネット単結晶は、非磁性ガーネット単結晶基板上
にLPE法により成膜した単結晶膜(LPE膜)が主と
なっている。その理由は、LPE法が量産性に優れてい
ることによる。代表的な基板としては、格子定数a=1
2.496Åの(CaGd)3 (ZrMgGa)5O12
がある。
を持っており、光アイソレータの中心材料である。現
在、光通信に使用されている波長帯は1310nmと15
50nmである。そして近年、この波長帯に適用される磁
性ガーネット単結晶は、非磁性ガーネット単結晶基板上
にLPE法により成膜した単結晶膜(LPE膜)が主と
なっている。その理由は、LPE法が量産性に優れてい
ることによる。代表的な基板としては、格子定数a=1
2.496Åの(CaGd)3 (ZrMgGa)5O12
がある。
【0003】磁性ガーネット単結晶の特性を評価する基
準として性能指数F(deg /dB)がある。この性能指
数Fは、F=θF /αで表され、その値が大きいほど性
能が優れていることを表している。なおθF はファラデ
ー回転係数(deg /cm)、αは吸収係数(dB/cm)で
ある。性能指数Fを大きくするためには、ファラデー回
転係数θF を大きく、吸収係数αを小さくする必要があ
る。そこで、ファラデー回転係数θF を大きくするため
にビスマスを多量置換することが提案されている(例え
ば特開平1−246520号公報、特開平1−2509
24号公報)。また吸収係数αを小さくするために、2
価や4価の化合物を添加する方法、育成後に酸化や還元
処理を行う方法(日本応用磁気学会誌 vol.10, No.2, 1
986 )がある。
準として性能指数F(deg /dB)がある。この性能指
数Fは、F=θF /αで表され、その値が大きいほど性
能が優れていることを表している。なおθF はファラデ
ー回転係数(deg /cm)、αは吸収係数(dB/cm)で
ある。性能指数Fを大きくするためには、ファラデー回
転係数θF を大きく、吸収係数αを小さくする必要があ
る。そこで、ファラデー回転係数θF を大きくするため
にビスマスを多量置換することが提案されている(例え
ば特開平1−246520号公報、特開平1−2509
24号公報)。また吸収係数αを小さくするために、2
価や4価の化合物を添加する方法、育成後に酸化や還元
処理を行う方法(日本応用磁気学会誌 vol.10, No.2, 1
986 )がある。
【0004】ところで近年、光信号をそのまま増幅でき
るファイバ型光増幅器の開発が活発に行われている。通
信波長1310nm帯にはプラセオジウムドープファイバ
が、1550nm帯にはエルビウムドープファイバがあ
る。しかし各々その実用化のためには、励起光用光アイ
ソレータが必要となる。プラセオジウムドープファイバ
の励起光波長は1017nm、エルビウムドープファイバ
の励起光波長は980nmと1480nmである。従って、
980nm,1017nm,1480nm帯で用いることので
きる光アイソレータが必要であり、それに応じて各々の
波長帯に適した磁性ガーネット単結晶を開発しなければ
ならない。
るファイバ型光増幅器の開発が活発に行われている。通
信波長1310nm帯にはプラセオジウムドープファイバ
が、1550nm帯にはエルビウムドープファイバがあ
る。しかし各々その実用化のためには、励起光用光アイ
ソレータが必要となる。プラセオジウムドープファイバ
の励起光波長は1017nm、エルビウムドープファイバ
の励起光波長は980nmと1480nmである。従って、
980nm,1017nm,1480nm帯で用いることので
きる光アイソレータが必要であり、それに応じて各々の
波長帯に適した磁性ガーネット単結晶を開発しなければ
ならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、このうち、14
80nm帯の磁性ガーネット単結晶には、既存の1550
nm帯用の磁性ガーネット単結晶を流用して製造してお
り、それで特に問題は生じていない。これに対して98
0nm帯及び1017nm帯に既存の1310nm帯の磁性ガ
ーネット単結晶を使用しようとしても、光吸収が大き
く、特性が悪化するため、実質的に使用不可能である。
このように光吸収が大きくなる理由は、900nm付近に
ピークをもつFe3+の吸収が1000nm付近まで広がり
を持つためである。
80nm帯の磁性ガーネット単結晶には、既存の1550
nm帯用の磁性ガーネット単結晶を流用して製造してお
り、それで特に問題は生じていない。これに対して98
0nm帯及び1017nm帯に既存の1310nm帯の磁性ガ
ーネット単結晶を使用しようとしても、光吸収が大き
く、特性が悪化するため、実質的に使用不可能である。
このように光吸収が大きくなる理由は、900nm付近に
ピークをもつFe3+の吸収が1000nm付近まで広がり
を持つためである。
【0006】本発明の目的は、特に波長950〜105
0nm帯において良好な特性を呈し、LPE法により成膜
した磁性ガーネット単結晶からなる磁気光学素子材料を
提供することである。
0nm帯において良好な特性を呈し、LPE法により成膜
した磁性ガーネット単結晶からなる磁気光学素子材料を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、格子定数aが
12.61Å≦a≦12.63Åである非磁性ガーネッ
ト基板上にLPE法により成長させた、組成式がNd
3-x Bix Fe5 O12(但し、0.5≦x≦1.9)で
示される磁性ガーネット単結晶からなる磁気光学素子材
料である。この材料は、特に波長950〜1050nm帯
で使用するのに適している。非磁性ガーネット基板とし
ては、組成式がGd3-y Ndy Sc2 Ga3 O12(但
し、1.0≦y≦1.4)で示されるものが使用でき
る。
12.61Å≦a≦12.63Åである非磁性ガーネッ
ト基板上にLPE法により成長させた、組成式がNd
3-x Bix Fe5 O12(但し、0.5≦x≦1.9)で
示される磁性ガーネット単結晶からなる磁気光学素子材
料である。この材料は、特に波長950〜1050nm帯
で使用するのに適している。非磁性ガーネット基板とし
ては、組成式がGd3-y Ndy Sc2 Ga3 O12(但
し、1.0≦y≦1.4)で示されるものが使用でき
る。
【0008】前記のように、980nm及び1017nm帯
光アイソレータのファラデー素子に鉄ガーネットを用い
た場合は、Fe3+固有の吸収が900nm付近にピークを
持つため、吸収が大きい問題がある。しかし、フラック
ス法による磁性ガーネット単結晶では、結晶の格子定数
を大きくすると、吸収のピークは短波長側にシフトす
る。そこで、本発明者等はLPE法の基板として、格子
定数aが、12.61Å≦a≦12.63Åと、従来品
よりもかなり大きな非磁性ガーネット単結晶基板を開発
して、(NdBi)3 Fe5 O12なる組成の磁性ガーネ
ット単結晶膜の育成を試み、本発明を完成させたもので
ある。
光アイソレータのファラデー素子に鉄ガーネットを用い
た場合は、Fe3+固有の吸収が900nm付近にピークを
持つため、吸収が大きい問題がある。しかし、フラック
ス法による磁性ガーネット単結晶では、結晶の格子定数
を大きくすると、吸収のピークは短波長側にシフトす
る。そこで、本発明者等はLPE法の基板として、格子
定数aが、12.61Å≦a≦12.63Åと、従来品
よりもかなり大きな非磁性ガーネット単結晶基板を開発
して、(NdBi)3 Fe5 O12なる組成の磁性ガーネ
ット単結晶膜の育成を試み、本発明を完成させたもので
ある。
【0009】本発明においてNd(ネオジム)を用いる
のは、NdがBi(ビスマス)と同じ負のファラデー回
転を生じ、ファラデー回転係数θF を大きくすることが
できるためである。なお、Ndは1500nm帯に吸収が
あり、そのため従来、使用波長1550nm帯のファラデ
ー素子材料としては不適切なものであったが、それより
短波長側(特に本発明が意図しているような波長帯域)
では、そのような不都合はない。そして、ビスマスの置
換量xを、0.5≦x≦1.9としたのは、0.5未満
ではファラデー回転係数θF が小さく、そのため光アイ
ソレータに必要な45°回転膜厚が厚くなり、特に短波
長側での吸収が大きくなること、1.9を超えてビスマ
ス置換量が多くなると育成した磁性ガーネット単結晶膜
に割れが生じることによる。
のは、NdがBi(ビスマス)と同じ負のファラデー回
転を生じ、ファラデー回転係数θF を大きくすることが
できるためである。なお、Ndは1500nm帯に吸収が
あり、そのため従来、使用波長1550nm帯のファラデ
ー素子材料としては不適切なものであったが、それより
短波長側(特に本発明が意図しているような波長帯域)
では、そのような不都合はない。そして、ビスマスの置
換量xを、0.5≦x≦1.9としたのは、0.5未満
ではファラデー回転係数θF が小さく、そのため光アイ
ソレータに必要な45°回転膜厚が厚くなり、特に短波
長側での吸収が大きくなること、1.9を超えてビスマ
ス置換量が多くなると育成した磁性ガーネット単結晶膜
に割れが生じることによる。
【0010】(NdBi)3 Fe5 O12なる組成の磁性
ガーネット単結晶は、格子定数aがa=12.62Åで
ある。LPE法で結晶を育成する場合、基板とLPE膜
との格子定数を合わせなければならない制約を受ける。
本発明者等が開発した組成式Gd3-y Ndy Sc2 Ga
3 O12(但し、1.0≦y≦1.4)で示される非磁性
ガーネット基板は、格子定数aが、12.61Å≦a≦
12.63Åであり、上記磁性ガーネット単結晶のLP
E法による成膜に最適である。
ガーネット単結晶は、格子定数aがa=12.62Åで
ある。LPE法で結晶を育成する場合、基板とLPE膜
との格子定数を合わせなければならない制約を受ける。
本発明者等が開発した組成式Gd3-y Ndy Sc2 Ga
3 O12(但し、1.0≦y≦1.4)で示される非磁性
ガーネット基板は、格子定数aが、12.61Å≦a≦
12.63Åであり、上記磁性ガーネット単結晶のLP
E法による成膜に最適である。
【0011】
【作用】上記のように、(NdBi)3 Fe5 O12で表
される組成の磁性ガーネット単結晶は、格子定数aがa
=12.62Åと大きい。そのためフラックス法による
磁性ガーネット単結晶の場合と同様、900nm付近での
吸収のピークが短波長側にシフトする現象が生じること
が確認された。そのため950nm〜1050nmの帯域で
の吸収低減効果が生じ、性能指数が向上する。しかも、
X線回折で検査した結果、この磁性ガーネット単結晶
は、NdとBiの置換量が変化しても、その格子定数a
が一定(a=12.62Å)であることが分かり、その
ためNdとBiの置換量の異なる様々な組成の単結晶を
同一の非磁性ガーネット基板上に容易に成膜でき、且つ
成膜の際に厳密な温度制御が不要となる。
される組成の磁性ガーネット単結晶は、格子定数aがa
=12.62Åと大きい。そのためフラックス法による
磁性ガーネット単結晶の場合と同様、900nm付近での
吸収のピークが短波長側にシフトする現象が生じること
が確認された。そのため950nm〜1050nmの帯域で
の吸収低減効果が生じ、性能指数が向上する。しかも、
X線回折で検査した結果、この磁性ガーネット単結晶
は、NdとBiの置換量が変化しても、その格子定数a
が一定(a=12.62Å)であることが分かり、その
ためNdとBiの置換量の異なる様々な組成の単結晶を
同一の非磁性ガーネット基板上に容易に成膜でき、且つ
成膜の際に厳密な温度制御が不要となる。
【0012】
【実施例】はじめに引上げ法により基板となる非磁性ガ
ーネット単結晶を<111>方位で育成した。その組成
はGd1.8 Nd1.2 Sc2 Ga3 O12であり、格子定数
aはa=12.62Åであった。次に、この単結晶基板
を用いて、LPE法により(NdBi)3 Fe5 O12を
育成した。
ーネット単結晶を<111>方位で育成した。その組成
はGd1.8 Nd1.2 Sc2 Ga3 O12であり、格子定数
aはa=12.62Åであった。次に、この単結晶基板
を用いて、LPE法により(NdBi)3 Fe5 O12を
育成した。
【0013】LPE膜の原料として、Nd2 O3 ,Fe
2 O3 ,Bi2 O3 ,PbO,B2O3 を用いた。まず
950℃で10時間溶融し、次いで同じ950℃で3時
間攪拌した。その後、材料に応じた単結晶育成温度まで
下げ、LPE法で磁性ガーネット単結晶を育成した。実
験結果の一例を表1に示す。表1において、膜厚は実際
に成膜した時の厚さであり、割れはその時の割れ発生の
有無を示している。また特性は波長980nm及び101
7nmで使用可能か否かを〇と×で表しており、以下に述
べる表2及び表3の結果に基づいている。なお、実験例
1〜6の磁性ガーネット単結晶の格子定数aは、Ndと
Biとの組成比率にかかわらず全てa=12.62Åで
一定であった。
2 O3 ,Bi2 O3 ,PbO,B2O3 を用いた。まず
950℃で10時間溶融し、次いで同じ950℃で3時
間攪拌した。その後、材料に応じた単結晶育成温度まで
下げ、LPE法で磁性ガーネット単結晶を育成した。実
験結果の一例を表1に示す。表1において、膜厚は実際
に成膜した時の厚さであり、割れはその時の割れ発生の
有無を示している。また特性は波長980nm及び101
7nmで使用可能か否かを〇と×で表しており、以下に述
べる表2及び表3の結果に基づいている。なお、実験例
1〜6の磁性ガーネット単結晶の格子定数aは、Ndと
Biとの組成比率にかかわらず全てa=12.62Åで
一定であった。
【0014】
【表1】
【0015】割れの生じなかった実験例1〜5の磁性ガ
ーネット単結晶について、波長λ=980nm及び101
7nmでの磁気光学特性(ファラデー回転係数θF 、吸収
係数α、性能指数F、及び45°損失)を測定した。そ
の結果を、表2(波長λ=980nmの特性)及び表3
(波長λ=1017nmの特性)に示す。また比較のため
に、1310nm帯用の光アイソレータに現在使用されて
いるLPE法による磁性ガーネット単結晶(比較例)の
特性データを合わせて示す。なお、この比較例の組成
は、Tb1.85Bi1.15Fe4.75Al0.25O12である。
ーネット単結晶について、波長λ=980nm及び101
7nmでの磁気光学特性(ファラデー回転係数θF 、吸収
係数α、性能指数F、及び45°損失)を測定した。そ
の結果を、表2(波長λ=980nmの特性)及び表3
(波長λ=1017nmの特性)に示す。また比較のため
に、1310nm帯用の光アイソレータに現在使用されて
いるLPE法による磁性ガーネット単結晶(比較例)の
特性データを合わせて示す。なお、この比較例の組成
は、Tb1.85Bi1.15Fe4.75Al0.25O12である。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】表2及び表3から、実験例1〜5は全て比
較例よりも特性が良い。しかし、その絶対値を見てみる
と、表2の実験例1は45°損失が5.6dBと大き
い。現在、980nmの励起光用半導体レーザの出力は1
20mWが限界である。これ以上の高出力では寿命や安
定性に問題がある。そして、エルビウムドープファイバ
への入力パワーは30mWは必要である。この差は6d
Bであるが、ファイバへの結合損失(2dB程度)を考
慮すると、ファラデー素子となる磁性ガーネット単結晶
膜の損失は4dB以下でなければならないことになる。
従って、表2の実験例1では損失が大きすぎて光アイソ
レータとしては不適当である。このことから、Bi置換
量xの下限は0.5となる。
較例よりも特性が良い。しかし、その絶対値を見てみる
と、表2の実験例1は45°損失が5.6dBと大き
い。現在、980nmの励起光用半導体レーザの出力は1
20mWが限界である。これ以上の高出力では寿命や安
定性に問題がある。そして、エルビウムドープファイバ
への入力パワーは30mWは必要である。この差は6d
Bであるが、ファイバへの結合損失(2dB程度)を考
慮すると、ファラデー素子となる磁性ガーネット単結晶
膜の損失は4dB以下でなければならないことになる。
従って、表2の実験例1では損失が大きすぎて光アイソ
レータとしては不適当である。このことから、Bi置換
量xの下限は0.5となる。
【0019】またBi置換量xが多くなるほどファラデ
ー回転係数が大きくなるが、表1に示すように、Bi置
換量xが2.0の試料(実験例6)は、割れが生じた。
このことから、Bi置換量xの上限は1.9となる。こ
れらのことから、各表において実験例2〜5が本発明品
ということになる。
ー回転係数が大きくなるが、表1に示すように、Bi置
換量xが2.0の試料(実験例6)は、割れが生じた。
このことから、Bi置換量xの上限は1.9となる。こ
れらのことから、各表において実験例2〜5が本発明品
ということになる。
【0020】図1にLPE膜の吸収スペクトルを示す。
実線は本発明品を示し、点線は比較例を示す。この図1
より、900nm付近の吸収ピークが短波長側にシフトし
ていることが分かる。そして、900〜1050nmにお
いて、本発明品は比較例より吸収係数が低減しているこ
とが分かる。しかし、その絶対値を見ると、900nm付
近は非常に大きい。実験例1〜5の中で最も性能が優れ
ている実験例5について、ファラデー回転子に必要な4
5°損失の波長依存性を図2に示す。前記のように、光
アイソレータとして使用可能な損失の上限を4dBとす
ると、使用可能な波長の下限は950nmとなる。105
0nmより大きな波長帯では、比較例とほとんど変わりが
ない。
実線は本発明品を示し、点線は比較例を示す。この図1
より、900nm付近の吸収ピークが短波長側にシフトし
ていることが分かる。そして、900〜1050nmにお
いて、本発明品は比較例より吸収係数が低減しているこ
とが分かる。しかし、その絶対値を見ると、900nm付
近は非常に大きい。実験例1〜5の中で最も性能が優れ
ている実験例5について、ファラデー回転子に必要な4
5°損失の波長依存性を図2に示す。前記のように、光
アイソレータとして使用可能な損失の上限を4dBとす
ると、使用可能な波長の下限は950nmとなる。105
0nmより大きな波長帯では、比較例とほとんど変わりが
ない。
【0021】次に、非磁性ガーネット単結晶基板の組成
を変えることで格子定数を変えて、LPE膜を育成し
た。育成したLPE膜は、実験例2の組成である。その
結果を表4に示す。非磁性ガーネット単結晶基板の組成
は、Gd3-y Ndy Sc2 Ga3 O12である。表4で、
膜厚は上記の基板上に育成したLPE膜の厚さである。
この結果、好ましい組成は1.0≦y≦1.4であり、
格子定数は12.61Å≦a≦12.63であることが
分かる。
を変えることで格子定数を変えて、LPE膜を育成し
た。育成したLPE膜は、実験例2の組成である。その
結果を表4に示す。非磁性ガーネット単結晶基板の組成
は、Gd3-y Ndy Sc2 Ga3 O12である。表4で、
膜厚は上記の基板上に育成したLPE膜の厚さである。
この結果、好ましい組成は1.0≦y≦1.4であり、
格子定数は12.61Å≦a≦12.63であることが
分かる。
【0022】
【表4】
【0023】
【発明の効果】本発明は上記のように、格子定数aが1
2.61Å≦a≦12.63Åである非磁性ガーネット
基板上にLPE成長させた、組成式がNd3-x Bix F
e5 O12(0.5≦x≦1.9)で示される磁性ガーネ
ット単結晶からなる磁気光学素子材料であるから、特に
波長950〜1050nm帯において性能指数が向上し、
その波長帯域の光アイソレータとして十分使用可能な材
料が得られた。これによって、プラセオジウムドープフ
ァイバの励起光波長1017nm、及びエルビウムドープ
ファイバの励起光波長980nmに用いる光アイソレータ
が得られる。
2.61Å≦a≦12.63Åである非磁性ガーネット
基板上にLPE成長させた、組成式がNd3-x Bix F
e5 O12(0.5≦x≦1.9)で示される磁性ガーネ
ット単結晶からなる磁気光学素子材料であるから、特に
波長950〜1050nm帯において性能指数が向上し、
その波長帯域の光アイソレータとして十分使用可能な材
料が得られた。これによって、プラセオジウムドープフ
ァイバの励起光波長1017nm、及びエルビウムドープ
ファイバの励起光波長980nmに用いる光アイソレータ
が得られる。
【図1】本発明品と比較例の吸収スペクトルを示す図。
【図2】Nd1.1 Bi1.9 Fe5 O12の45°損失の波
長依存性を示すグラフ。
長依存性を示すグラフ。
Claims (3)
- 【請求項1】 格子定数aが12.61Å≦a≦12.
63Åである非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシ
ャル成長させた、組成式がNd3-x Bix Fe5 O
12(但し、0.5≦x≦1.9)で示される磁性ガーネ
ット単結晶からなる磁気光学素子材料。 - 【請求項2】 波長950〜1050nm帯で使用する請
求項1記載の磁気光学素子材料。 - 【請求項3】 組成式がGd3-y Ndy Sc2 Ga3 O
12(但し、1.0≦y≦1.4)で示される非磁性ガー
ネット基板を用いる請求項1又は2記載の磁気光学素子
材料。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6176020A JP2715053B2 (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | 磁気光学素子材料 |
US08/498,226 US5547613A (en) | 1994-07-05 | 1995-07-05 | Magneto-optical element material formed of magnetic garnet single crystals |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6176020A JP2715053B2 (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | 磁気光学素子材料 |
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-
1995
- 1995-07-05 US US08/498,226 patent/US5547613A/en not_active Expired - Fee Related
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