JP3476557B2 - ファラデー回転子 - Google Patents

ファラデー回転子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液相エピタキシャル
(以下、「LPE」と略記する)成長による磁性ガーネ
ット単結晶からなるファラデー回転子に関し、更に詳し
く述べると、ファラデー回転係数の波長依存性の異なる
2種類のLPE磁性ガーネット膜を重ねて用いるファラ
デー回転子に関するものである。このファラデー回転子
は、波長1250〜1370nmで使用する広帯域光アイ
ソレータに有用である。
【0002】
【従来の技術】磁性ガーネット単結晶はファラデー効果
を持っており、光アイソレータの中心材料である。現
在、光通信に使用されている波長帯は、1310nm帯と
1550nm帯である。そして近年、この波長帯に適用さ
れる磁性ガーネット単結晶は、非磁性ガーネット単結晶
基板上にLPE法により成膜した単結晶膜(LPE膜)
が主となっている。その理由は、LPE法が量産性に優
れていることによる。
【0003】ところで将来の大容量光通信として注目さ
れている波長多重伝送には、広い波長帯域でファラデー
回転係数の波長変化率が小さい広帯域光アイソレータが
不可欠となる。波長1550nm帯においては、Bi(ビ
スマス)で置換したテルビウム鉄ガーネットをファラデ
ー回転子に用いた広帯域光アイソレータが知られている
(玉城孝彦「波長多重画像伝送用広帯域光アイソレータ
の開発」NHK技研R&D No.20 1992 8月 pp.8-1
6)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、波長1310
nm帯において十分な性能をもつ広帯域光アイソレータは
未だ開発されていない。例えば、この波長帯で使用され
ているTb1.85Bi1.15Fe4.75Al0.2512なる組成
のLPE膜は、波長帯域幅が狭く、波長多重通信には対
応できない。そこで、波長1310nm帯においても、波
長1550nm帯と同様に広帯域の光アイソレータの開発
が望まれていた。
【0005】本発明の目的は、波長1250〜1370
nmにおいて波長帯域幅が広く、そのためその波長帯での
波長多重通信に対応できるファラデー回転子を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、組成式がR1
3-x Bix Fe5-y y 12で示されるLPE磁性ガー
ネット単結晶からなるA膜と、組成式がR2 3-z Smz
Fe5 12で示されるLPE磁性ガーネット単結晶から
なるB膜とを重ねて、波長1250〜1370nmで使用
するファラデー回転子である。 但し、R1 はYを含む希土類元素 ZはAl,In,Ga 0.3≦x≦1.9 0≦y≦0.5 R2 はBi,Yを含む希土類元素 0.5≦z≦3
【0007】ここで好ましくは、A膜におけるBi量x
が0.7≦x≦1.9であり、B膜におけるSm量zが
0.5<z≦3とする。また、A膜におけるR1 が、Y
を含み且つSmを含まない希土類元素であり、B膜にお
けるR2 が、Yを含む希土類元素とするのが好ましい。
【0008】本発明者等は、種々の組成のLPE磁性ガ
ーネットを試作し、それらの各種特性を測定する基礎実
験を重ねてきた。その結果、Sm(サマリウム)を含む
ものと、含まないものとで波長1310nmにおけるファ
ラデー回転係数の波長変化率FWCが大きく異なること
を見出した。その結果の一例を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】ここで波長1310nmにおけるファラデー
回転係数の波長変化率FWCは、次式のように定義した
ものである。 FWC={θF (1310nm)−θF (1330nm)}/|θF (131
0nm)|/20×100 %/nm ここでθF (1310nm)及びθF (1330nm)は、それぞれ13
10nmと1330nmにおけるファラデー回転係数であ
る。
【0011】表1を見ると、Smを含んでいる試料7の
みがFWCが+0.12%/nmであるが、それ以外の試
料のFWCは全て−0.17〜−0.20%/nmであ
る。そこで、各試料についてBi量に対するFWCをプ
ロットすると、図1のようになる。このことからSmの
入っていない試料の場合は、希土類元素の種類及びBi
量にかかわらず、FWCがほぼ一定になっていることが
分かる。これらの結果から分かるように、Smを含む希
土類鉄ガーネット単結晶とSmを含まないビスマス置換
型希土類鉄ガーネット単結晶とは、1310nmにおける
ファラデー回転係数の波長依存性が逆符号の関係にあ
る。そのため、両者を組み合わせることで、それぞれ単
結晶膜単独の場合に比べて帯域幅が広がる。本発明は、
かかる知得に基づき完成したものである。
【0012】本発明においては、上記A膜とB膜とを重
ねてファラデー回転子とするが、実際には、A膜とB膜
とをそれぞれ別々にLPE成長により作製して重ね合わ
せるのが好ましい。別々にLPE成長させる方が基板材
料や膜組成に制約が少ないからである。しかし、非磁性
ガーネット基板上に先ずA膜もしくはB膜のいずれかを
LPE成長させ、その上に残る他方の膜をLPE成長さ
せる構成でもよいし、非磁性ガーネット基板の一方の面
にA膜をLPE成長させ、該基板の他方の面にB膜をL
PE成長させる構成でもよい。
【0013】A膜においてAl,In,Gaは含まれて
いなくてもよいが、Feサイトの一部を非磁性のAl,
In,Gaで置換すると、LPE膜の飽和磁化が小さく
なり、光アイソレータを構成するとき磁石を小さくする
ことができる。但し、置換量が多すぎると、ファラデー
回転係数が低下するため好ましくなく、y≦0.5とす
る必要がある。Bi含有量xを、0.3≦x≦1.9と
したのは、少ないとファラデー回転係数が小さいし、多
すぎるとクラックが入って成膜できないためである。S
m含有量zを、0.5≦z≦3としたのは、ある程度の
量以上のSmが入っていないと、その効果が現れないた
めである。
【0014】
【作用】サマリウム鉄ガーネット単結晶は、図3に示す
ように、1240nm付近及び1380nm付近にサマリウ
ムの吸収がある。その影響により、図2のように、ファ
ラデー回転にピークが生じ、1310nm付近ではファラ
デー回転係数の波長変化率(FWC)はプラス符号をも
つ。これはSmを含む希土類鉄ガーネットのみに見られ
る現象である。
【0015】ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶
は、Bi含有量が多くなるほどファラデー回転係数が大
きくなり、45度ファラデー回転角を得るのに必要な膜
厚が小さくて済む。そしてSmを含まない(あるいはS
m含有量が非常に少ない)ビスマス置換型希土類鉄ガー
ネット単結晶は、前述のように希土類元素の種類やBi
量にかかわらず、1310nm付近でのファラデー回転係
数の波長変化率(FWC)は逆にマイナス符号を持ち、
ほぼ一定の値をとる。そこで、両方の性質をもつ膜を組
み合わせることで、1310nm付近でのファラデー回転
係数の波長変化率が相殺され、帯域幅が広がる。本発明
においては、Bi量の多いA膜によってファラデー回転
角をかせぎ、Smを含むB膜でFWCの調整を行ってい
るのである。
【0016】
【実施例】非磁性ガーネット基板上にLPE法によりビ
スマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜(A膜)を育
成した。フラックスにはBi2 3 −B2 3 −PbO
を用いた。育成したA膜(A−1からA−5までの5種
類)の組成と磁気光学的特性及び使用した基板を表2に
示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2に見られるように、Bi含有量が多く
なるほどファラデー回転係数は大きくなる。但し、Bi
含有量xが多過ぎると(x>1.9)、基板との熱膨張
差のためにクラックが入り単結晶が育成できなくなる。
これらの膜では、帯域幅はせいぜい22nmである。A−
1の膜組成は、Bi量が少ないためにファラデー回転係
数が小さく、その分、膜厚を厚くするか、複数枚構成と
する必要があるため、できればBi量xを0.7以上と
することが好ましい。
【0019】同様に、非磁性ガーネット基板上にLPE
法によりSmを含む希土類鉄ガーネット単結晶膜(B
膜)を育成した。フラックスにはBi2 3 −B2 3
−PbOを用いた。育成したB膜(B−1からB−7ま
での7種類)の組成と磁気光学的特性及び使用した基板
を表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】表3に見られるように、Biの入っていな
いサマリウム鉄ガーネット膜は、ファラデー回転係数が
非常に小さく、それ単独では45度ファラデー回転子を
構成することは不可能であり、特にSm量zが0.5<
z≦3の場合には帯域幅は非常に小さい。
【0022】そこで、上記のように育成した種々のA膜
とB膜とを組み合わせて45度ファラデー回転子を作製
し、消光比が35dB以上の波長範囲と帯域幅を求め
た。実験結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】実験例10で用いたA膜は2枚構成であ
る。表4において、* 印を付した実験例が本発明範囲に
含まれるものであり、**印を付したものは特に好ましい
例である。本発明の構成では、A膜とB膜とを組み合わ
せることで、それぞれ単独の場合よりも帯域幅が広が
る。特に**印を付したものは、波長帯域幅54〜63nm
が得られ、A膜単独の場合と比べて帯域幅を約2.5〜
2.9倍程度まで広げることができた。
【0025】ところで比較のために、現在1310nm帯
で用いられている45度ファラデー回転子の代表例につ
いて述べると、膜組成はTb1.85Bi1.15Fe4.75Al
0.2512であり、基板は(CaGd)3 (MgZrG
a)5 12(格子定数12.496Å)である。この単
結晶膜の波長1310nmにおけるファラデー回転係数は
−1570(deg/cm)、消光比が35dB以上の波長範
囲は1300〜1322nmで、帯域幅は22nmである。
【0026】
【発明の効果】本発明はBiを含むLPE磁性ガーネッ
ト単結晶からなるA膜と、Smを含むLPE磁性ガーネ
ット単結晶からなるB膜とを重ねたファラデー回転子で
あるから、波長1250〜1370nmにおいてファラデ
ー回転係数の波長依存性が低減して波長帯域幅が広が
り、そのためその波長帯での波長多重通信に対応できる
広帯域光アイソレータの開発が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bi含有量とFWCの関係を示す説明図。
【図2】Sm鉄ガーネット単結晶のファラデー回転係数
の波長依存性を示すグラフ。
【図3】Sm鉄ガーネット単結晶の光吸収スペクトルを
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−74528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/09 C30B 29/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式が、R1 3-x Bix Fe5-y y
    12 但し、R1 はYを含む希土類元素 ZはAl,In,Ga 0.3≦x≦1.9 0≦y≦0.5 で示される液相エピタキシャル磁性ガーネット単結晶か
    らなるA膜と、組成式が、R2 3-z Smz Fe5 12 但し、R2 はBi,Yを含む希土類元素 0.5≦z≦3 で示される液相エピタキシャル磁性ガーネット単結晶か
    らなるB膜とを重ねて、波長1250〜1370nmで使
    用するファラデー回転子。
  2. 【請求項2】 A膜におけるBi量xが0.7≦x≦
    1.9であり、B膜におけるSm量zが0.5<z≦3
    である請求項1記載のファラデー回転子。
  3. 【請求項3】 A膜におけるR1 が、Yを含み且つSm
    を含まない希土類元素であり、B膜におけるR2 が、Y
    を含む希土類元素である請求項1又は2記載のファラデ
    ー回転子。
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