JPH05339099A - 磁気光学ガーネット - Google Patents
磁気光学ガーネットInfo
- Publication number
- JPH05339099A JPH05339099A JP17616892A JP17616892A JPH05339099A JP H05339099 A JPH05339099 A JP H05339099A JP 17616892 A JP17616892 A JP 17616892A JP 17616892 A JP17616892 A JP 17616892A JP H05339099 A JPH05339099 A JP H05339099A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- garnet
- faraday rotation
- coefft
- content
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- Prior art date
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- Withdrawn
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- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ファラデー回転係数が大きく、温度依存性が
小さく、飽和磁場が小さく、かつ光吸収損失が小さい磁
気光学ガーネット膜を得ること。 【構成】 TbxLu3-x-yBiyFe5O12で示される化学式にお
いて、0.7≦x≦1.0,0.9≦y≦1.1の組成の磁気光学ガー
ネット。
小さく、飽和磁場が小さく、かつ光吸収損失が小さい磁
気光学ガーネット膜を得ること。 【構成】 TbxLu3-x-yBiyFe5O12で示される化学式にお
いて、0.7≦x≦1.0,0.9≦y≦1.1の組成の磁気光学ガー
ネット。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファラデー効果を利用
した光アイソレータに用いられる磁気光学ガーネットに
関するものであり、光センサー,光スイッチ用としても
応用が可能である。
した光アイソレータに用いられる磁気光学ガーネットに
関するものであり、光センサー,光スイッチ用としても
応用が可能である。
【0002】
【従来の技術および課題】光アイソレータ,光センサ
ー,光スイッチなどには、ファラデー回転素子が用いら
れている。ファラデー回転素子の必要特性は、 ファラデー回転係数 光吸収損失 ファラデー回転角の温度係数 飽和磁場強度 である。ファラデー回転係数が大きいと素子の厚さを薄
くでき、光アイソレータの小型化に有効である。また素
子の光吸収損失が小さいと、光アイソレータの順方向損
失を小さくできる。またファラデー回転角の温度係数が
小さいと、周囲の環境温度が変化してもファラデー回転
角の変化は小さく、アイソレーションの劣化が少ない。
また素子の飽和磁場強度が小さいと、磁界強度の小さい
マグネットで素子を飽和させることができ、アイソレー
タなどの小型化が可能である。
ー,光スイッチなどには、ファラデー回転素子が用いら
れている。ファラデー回転素子の必要特性は、 ファラデー回転係数 光吸収損失 ファラデー回転角の温度係数 飽和磁場強度 である。ファラデー回転係数が大きいと素子の厚さを薄
くでき、光アイソレータの小型化に有効である。また素
子の光吸収損失が小さいと、光アイソレータの順方向損
失を小さくできる。またファラデー回転角の温度係数が
小さいと、周囲の環境温度が変化してもファラデー回転
角の変化は小さく、アイソレーションの劣化が少ない。
また素子の飽和磁場強度が小さいと、磁界強度の小さい
マグネットで素子を飽和させることができ、アイソレー
タなどの小型化が可能である。
【0003】ところで、ガーネット膜を液相エピタキシ
ャル法により育成する場合、PbOを主体としたフラツク
スを使用するため、成長した結晶膜中に鉛イオンが混
入、同時に坩堝材の白金イオンも混入し、これらによっ
て光吸収損失がもたらされ、素子の挿入損失を大きくし
てしまう。そこで光吸収損失を下げるため、ガーネット
中のBi置換量を多くして、ファラデー回転係数を大きく
し、かつ45degのファラデー回転角をなす膜厚を薄くす
ることによって挿入損失を低下させる方法と、ガーネッ
ト膜中のFe3+価数が不純物イオン(Pb4+,Pb2+,Pt4+)
によって一部Fe2+,Fe4+に変わり吸収を増しているため
に2価あるいは4価のSi,Ti,Caなどのイオンを添加し
たり、熱処理などによって価数制御する方法がある。
ャル法により育成する場合、PbOを主体としたフラツク
スを使用するため、成長した結晶膜中に鉛イオンが混
入、同時に坩堝材の白金イオンも混入し、これらによっ
て光吸収損失がもたらされ、素子の挿入損失を大きくし
てしまう。そこで光吸収損失を下げるため、ガーネット
中のBi置換量を多くして、ファラデー回転係数を大きく
し、かつ45degのファラデー回転角をなす膜厚を薄くす
ることによって挿入損失を低下させる方法と、ガーネッ
ト膜中のFe3+価数が不純物イオン(Pb4+,Pb2+,Pt4+)
によって一部Fe2+,Fe4+に変わり吸収を増しているため
に2価あるいは4価のSi,Ti,Caなどのイオンを添加し
たり、熱処理などによって価数制御する方法がある。
【0004】例えば、波長1.3μmにおけるファラデー回
転係数が−1800deg/cmと非常に大きく結晶欠陥の少ない
(GdLuBi)3Fe5O12膜においても45degのファラデー回
転角をなす膜厚で挿入損失が0.13dB、ファラデー回転角
の温度係数が0.08deg/℃と悪い組成膜となっている。希
土類元素によって回転角の温度依存性が異なり、Gdは回
転角の温度特性を考えて好ましくない。本発明は、ファ
ラデー回転係数が大きく、温度依存性が小さく、飽和磁
場が小さく、かつ光吸収損失が小さい磁気光学ガーネッ
ト膜を得ることを目的とする。
転係数が−1800deg/cmと非常に大きく結晶欠陥の少ない
(GdLuBi)3Fe5O12膜においても45degのファラデー回
転角をなす膜厚で挿入損失が0.13dB、ファラデー回転角
の温度係数が0.08deg/℃と悪い組成膜となっている。希
土類元素によって回転角の温度依存性が異なり、Gdは回
転角の温度特性を考えて好ましくない。本発明は、ファ
ラデー回転係数が大きく、温度依存性が小さく、飽和磁
場が小さく、かつ光吸収損失が小さい磁気光学ガーネッ
ト膜を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、液晶エピタキ
シャル成長法によるBi置換希土類鉄ガーネット膜におい
ては、温度特性を改善する方法として、ファラデー回転
角θFの温度係数の符号の異なる2つのガーネット(R
IG)と(BiIG)を組み合わせて固溶体にする方法が
知られており[RIG:希土類鉄ガーネット,BiIG:
ビスマス鉄ガーネット]、本発明者らは、希土類元素と
して、Tb(テルビウム)とLu(ルテチウム)を選び、TbxLu
3-x-yBiyFe5O12で示される化学式において、0.7≦x≦
1.0,0.9≦y≦1.1の組成を有する磁気光学ガーネットを
提供するものである。
シャル成長法によるBi置換希土類鉄ガーネット膜におい
ては、温度特性を改善する方法として、ファラデー回転
角θFの温度係数の符号の異なる2つのガーネット(R
IG)と(BiIG)を組み合わせて固溶体にする方法が
知られており[RIG:希土類鉄ガーネット,BiIG:
ビスマス鉄ガーネット]、本発明者らは、希土類元素と
して、Tb(テルビウム)とLu(ルテチウム)を選び、TbxLu
3-x-yBiyFe5O12で示される化学式において、0.7≦x≦
1.0,0.9≦y≦1.1の組成を有する磁気光学ガーネットを
提供するものである。
【0006】それぞれの成分のモル比限定理由を表1に
示す。
示す。
【表1】 △:ピット発生 ×:ピット発生が多く、基板割れ
【0007】以上のように各成分のモル比が上記範囲外
の場合、結晶性が悪く、良好なガーネット膜が得られな
い。ガーネット中のTbの量が多いと温度特性は良くなる
が、Biの量が減り、ファラデー回転係数が下がってしま
う。逆にガーネット中のTbの量が少ないと、温度特性は
悪くなるが、Biの量が増え、ファラデー回転係数を大き
くすることが可能である。またTbは磁性イオンなので、
Tbの量が多いと飽和磁場を小さくすることができる。ま
たガーネットの光吸収損失を下げるためには、大きなフ
ァラデー回転係数が必要とされる。
の場合、結晶性が悪く、良好なガーネット膜が得られな
い。ガーネット中のTbの量が多いと温度特性は良くなる
が、Biの量が減り、ファラデー回転係数が下がってしま
う。逆にガーネット中のTbの量が少ないと、温度特性は
悪くなるが、Biの量が増え、ファラデー回転係数を大き
くすることが可能である。またTbは磁性イオンなので、
Tbの量が多いと飽和磁場を小さくすることができる。ま
たガーネットの光吸収損失を下げるためには、大きなフ
ァラデー回転係数が必要とされる。
【0008】これらの関係より、本発明者らはBi置換量
を多く、Tb,Luの最適量を検討し、ファラデー回転係数
が高く、温度特性良好で、光吸収損失が小さく、飽和磁
場の小さな膜を得ることができた。Lu添加は、Biのイオ
ン半径が大きく、Luのイオン半径が小さいので、両者で
相殺することにより、膜と基板との格子定数のマッチン
グに効果があると考えた。そして、TbxLu3-x-yBiYFe5
O12系は、酸化あるいは還元雰囲気中の熱処理により光
吸収損失の改善も確認された。
を多く、Tb,Luの最適量を検討し、ファラデー回転係数
が高く、温度特性良好で、光吸収損失が小さく、飽和磁
場の小さな膜を得ることができた。Lu添加は、Biのイオ
ン半径が大きく、Luのイオン半径が小さいので、両者で
相殺することにより、膜と基板との格子定数のマッチン
グに効果があると考えた。そして、TbxLu3-x-yBiYFe5
O12系は、酸化あるいは還元雰囲気中の熱処理により光
吸収損失の改善も確認された。
【0009】
【実施例1】下記の表2に示した融液中に浸漬した{1
11}面のSGGG基板(格子定数が、12.496ÅのCa,
Mg,Zr置換のガドリニウム・ガリウム・ガーネット基
板)上に、790℃で11時間液相エピタキシャル成長させ
ることによって、420μm厚のTb0 .9Lu1.1Bi1.0Fe5O12の
組成を有する磁気光学ガーネット結晶を得た。
11}面のSGGG基板(格子定数が、12.496ÅのCa,
Mg,Zr置換のガドリニウム・ガリウム・ガーネット基
板)上に、790℃で11時間液相エピタキシャル成長させ
ることによって、420μm厚のTb0 .9Lu1.1Bi1.0Fe5O12の
組成を有する磁気光学ガーネット結晶を得た。
【表2】
【0010】この単結晶膜のファラデー回転係数は、波
長1.3μmの光に対し、−1500deg/cm,ファラデー回転角
の温度係数は、−20℃〜70℃において0.05deg/℃,飽和
磁場は、950Oeであった。この膜のフアラデー回転角が4
5degとなる膜厚に仕上げた後、熱処理を行ない、膜の両
面にARコートをつけて、光吸収損失を測定したところ
-0.03dBの値を示した。
長1.3μmの光に対し、−1500deg/cm,ファラデー回転角
の温度係数は、−20℃〜70℃において0.05deg/℃,飽和
磁場は、950Oeであった。この膜のフアラデー回転角が4
5degとなる膜厚に仕上げた後、熱処理を行ない、膜の両
面にARコートをつけて、光吸収損失を測定したところ
-0.03dBの値を示した。
【0011】
【実施例2】表2に示した融液中に浸漬した{111}
面のSGGG基板上に、795℃で14時間液相エピタキシ
ャル成長させることによって、520μm厚のTb0.9Lu1.1Bi
1.0Fe5O12の組成を有する磁気光学ガーネット結晶を得
た。この単結晶膜のファラデー回転係数は、波長1.55μ
mの光に対し、−1040deg/cm,ファラデー回転角の温度
係数は、−20℃〜70℃において0.05deg/℃,飽和磁場は
950Oeであった。この膜をファラデー回転角が45degとな
る膜厚に仕上げた後、熱処理を行ない、膜の両面にAR
コートをつけて、光吸収損失を測定したところ-0.05dB
の値を示した。
面のSGGG基板上に、795℃で14時間液相エピタキシ
ャル成長させることによって、520μm厚のTb0.9Lu1.1Bi
1.0Fe5O12の組成を有する磁気光学ガーネット結晶を得
た。この単結晶膜のファラデー回転係数は、波長1.55μ
mの光に対し、−1040deg/cm,ファラデー回転角の温度
係数は、−20℃〜70℃において0.05deg/℃,飽和磁場は
950Oeであった。この膜をファラデー回転角が45degとな
る膜厚に仕上げた後、熱処理を行ない、膜の両面にAR
コートをつけて、光吸収損失を測定したところ-0.05dB
の値を示した。
【0012】
【発明の効果】本発明により、挿入損失が極めて低く、
かつ温度特性が良く、飽和磁場の小さいファラデー回転
素子が得られる。
かつ温度特性が良く、飽和磁場の小さいファラデー回転
素子が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 TbxLu3-x-yBiyFe5O12で示される化学式
において、 0.7≦x≦1.0 0.9≦y≦1.1 の組成を有することを特徴とする磁気光学ガーネット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17616892A JPH05339099A (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 磁気光学ガーネット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17616892A JPH05339099A (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 磁気光学ガーネット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339099A true JPH05339099A (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=16008855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17616892A Withdrawn JPH05339099A (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 磁気光学ガーネット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05339099A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5565131A (en) * | 1994-01-07 | 1996-10-15 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Bismuth-substituted rare earth iron garnet single crystal |
JP2004206078A (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-22 | Tdk Corp | ファラデー回転子及びそれを備えた光デバイス |
-
1992
- 1992-06-10 JP JP17616892A patent/JPH05339099A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5565131A (en) * | 1994-01-07 | 1996-10-15 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Bismuth-substituted rare earth iron garnet single crystal |
JP2004206078A (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-22 | Tdk Corp | ファラデー回転子及びそれを備えた光デバイス |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990831 |