JP2003020299A - 酸化物ガーネット単結晶 - Google Patents

酸化物ガーネット単結晶

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JP2003020299A
JP2003020299A JP2001205576A JP2001205576A JP2003020299A JP 2003020299 A JP2003020299 A JP 2003020299A JP 2001205576 A JP2001205576 A JP 2001205576A JP 2001205576 A JP2001205576 A JP 2001205576A JP 2003020299 A JP2003020299 A JP 2003020299A
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garnet single
oxide
absorption loss
optical
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Shigeru Konishi
繁 小西
Satoru Fukuda
悟 福田
Masayuki Tanno
雅行 丹野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
    • H01F1/346[(TO4) 3] with T= Si, Al, Fe, Ga

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長1.4〜1.6μm帯での光吸収損失が著しく
小さく、且つ飽和磁化が小さい酸化物ガーネット単結晶
を提供する。 【解決手段】 式GdaHobPbeBi3-a-b-eFe5-c-d-fM1c
dPtf12(式中、M1はAl、Sc、Ga、Inから選択され
る少なくとも1種類の元素、M2はSi、Ti、Ge、Zr、Sn
から選択される少なくとも1種類の元素、a、b、c、dは
0.6≦a≦1.6、0.7≦b≦1.4、0<c<1.2、0≦d≦0.1、0.
7≦3−a−b−e≦1.2、e、fはO<e≦2.0、O<f≦2.0であ
り、e/f≧3を満たす。)又は式GdaHobEugPbeBi3-a-b-g-e
Fe5-c-d-fM1cM2dPtf12(式中、M1はAl、Sc、G
a、Inから選択される少なくとも1種類の元素、M2はS
i、Ti、Ge、Zr、Snから選択される少なくとも1種類の
元素、a、b、c、d、g は0.6≦a≦1.6、0.7≦b≦1.4、0
<c<1.2、0≦d≦0.1、0.03≦g≦0.6、0.7≦3−a−b−g
−e≦1.2、e、fはO<e≦2.0、O<f≦2.0であり、e/f≧3
を満たす。)で示されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学素子に用
いられる酸化物ガーネット単結晶、具体的には、波長1.
4〜1.6μm帯での光吸収損失が著しく小さく、且つ飽和
磁化が小さい酸化物ガーネット単結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光アイソレータ、光サーキュレー
タ、及び光アッテネータなどの磁気光学素子は、光ファ
イバの伝送損失が小さくなる波長1.55μm帯で用いられ
ている。上記の磁気光学素子には、液相エピタキシャル
法で基板単結晶上に成長させたビスマス置換希土類鉄ガ
ーネット単結晶が主に用いられており、使用する波長付
近で光吸収損失が小さくなる材料が用いられる。しかし
ながら、近年、従来の1.55μm帯より長波長帯での光増
幅が可能となり、高密度波長多重伝送が検討されてい
る。また、多重する波長数を増やすため、1.44μm帯の
レーザを用いた誘導ラマン増幅が見直されている。この
誘導ラマン増幅は光ファイバ中の非線形光学効果を利用
するため、使用されるポンプレーザのパワーは大きくな
る。したがって、使用される光学部品に光吸収がある
と、温度上昇を生じるなど、信頼性の面で問題を生じ
る。そのため、従来のものよりも、光吸収損失の小さい
材料が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気光学素子に用いら
れる酸化物ガーネット単結晶の例としては、例えば、式
(Bi0.26Eu0.07Tb0.67)3(Fe0.94Ga0.06)512で示される
ものが提案されている(特公平5−13916号公報参照)。
この酸化物ガーネット単結晶については、波長1.3μm帯
における磁気光学特性は良好であり、波長1.55μm帯で
ファラデー回転角の温度依存性が小さい特徴をもつ。し
かし、上記酸化物ガーネット単結晶は、波長1.55μm帯
及びそれより長波長の領域においては、波長1.7μmより
長波長側に存在するTbの吸収ピークの影響により光吸収
損失が大きくなってしまい、波長1.55μm帯より長波長
用の光アイソレータなどの磁気光学素子として用いた場
合には、挿入損失が小さくならないという欠点があっ
た。
【0004】Tbを含まない酸化物ガーネット単結晶とし
ては、例えば、式Ho3-x-yGdxBiyFe5 -zGaz12(ただし、
0.8≦x≦1.2、0.7≦y≦1.2、1.2≦z≦1.7)で表わされる
組成を有する温度補償用磁気光学ガーネット単結晶も提
案されている(特開平2−77719号公報参照)。上記式
中、HoはTbに比べて長波長領域に吸収を持ち、且つファ
ラデー回転角の温度依存性が小さい特徴をもつ。しか
し、非磁性元素であるGaは、磁性元素であるFeを置換し
て飽和磁化を小さくするが、特開平2−77719号公報の
実施例に示されているように、ファラデー回転係数が波
長1.55μmの光に対し、590deg/cm程度まで小さくなって
しまう。そのため、この酸化物ガーネット単結晶膜を単
独で光アイソレータなどのファラデー回転素子に用いる
場合には膜厚を大きくする必要があり、その分、挿入損
失が大きくなるという問題点があった。
【0005】挿入損失を小さくする目的で、上記に例示
したような酸化物ガーネット単結晶に、Ca2+、Mg2+、Ti
4+、Si4+のような2価や4価の金属イオンを微量添加す
るという方法が提案されている(第11回日本応用磁気学
会、学術講演概要集(1987年11月)、2C-10、p.137、及
びセラミックス、Vol.26、No.2、p.135(1991))。液相
エピタキシャル法で成長させた酸化物ガーネット単結晶
には、フラックスとして用いる酸化鉛や、ルツボに用い
ている白金などがPb2+又はPb4+イオン、Pt 2+又はPt4+
オンの形で入り込む。これらのイオンが存在すると、酸
化物ガーネット単結晶中のFeの価数が3価から、4価又
は2価に変わったものが存在するようになり、異なる価
数イオン間で電荷移動の吸収が生じ、光吸収損失を大き
くすると考えられている。また、異なる価数のPb、Ptイ
オンが存在することによっても光吸収損失が大きくなる
と言われている。そして、上記の方法によれば、酸化物
ガーネット単結晶に添加したCaやMgの2価イオン、ある
いはTiやSiの4価イオンは、Feの価数を3価に戻し、ま
た、混入したPbイオンの価数を2価又は4価のいずれか
にすることによって、光吸収損失を小さくすると考えら
れている。しかしながら、本発明者らが検討したところ
によれば、上記のイオンを添加すると、逆に光吸収損失
が増大する場合が認められた。すなわち、酸化物ガーネ
ット単結晶に上記イオンを添加しても、必ずしも光吸収
損失は小さくならないことがわかった。
【0006】また、日本特許第2543997号では、酸化物
ガーネット単結晶に3価のTiを添加する方法が開示され
ており、確かに、光吸収損失を小さくする効果が認めら
れる。しかしながら、酸化物ガーネット単結晶膜中のFe
サイトに、他の非磁性元素が置換された場合における光
吸収損失の挙動については記述されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、ビスマス置換希
土類鉄ガーネット単結晶において、希土類元素の中で波
長1.55μm帯における光吸収損失を増大させず、且つ飽
和磁化を小さくするものとして、ガドリニウム(Gd)とホ
ルミウム(Ho)及び鉄を置換する非磁性元素を使用し、さ
らに、混入するPbイオンとPtイオンの比が所定の値以上
である場合に、4価のイオンを添加することによって、
波長1.4〜1.6μm帯での光吸収損失を0.01dB未満にでき
ることを見出し、また、希土類元素の中で、2価又は4
価の金属イオンに変化し得るユウロピウム(Eu)が、更に
光吸収を改善し得るものであることも見出した。そし
て、これらGd、Ho及びEuは、すべて希土類元素であるた
めに、ガーネット単結晶を構成する他の金属との相溶性
がよく、液相エピタキシャル法による厚膜の製造時にお
いて、均一な組成物を与えることを確認して、本発明を
完成させた。すなわち、本発明は、式GdaHobPbeBi
3-a-b-eFe5-c-d-fM1cM2dPtf12(式中、M1はAl、
Sc、Ga、Inから選択される少なくとも1種類の元素、M
2はSi、Ti、Ge、Zr、Snから選択される少なくとも1種
類の元素、a、b、c、dは0.6≦a≦1.6、0.7≦b≦1.4、0
<c<1.2、0≦d≦0.1、0.7≦3−a−b−e≦1.2、e、fはO
<e≦2.0、O<f≦2.0であり、e/f≧3を満たす。)、又は
式GdaHobEugPbeBi3-a-b-g-eFe5-c-d-fM1cM2dPtf
12(式中、M1はAl、Sc、Ga、Inから選択される少なく
とも1種類の元素、M2はSi、Ti、Ge、Zr、Snから選択
される少なくとも1種類の元素、a、b、c、d、g は0.6
≦a≦1.6、0.7≦b≦1.4、0<c<1.2、0≦d≦0.1、0.03
≦g≦0.6、0.7≦3−a−b−g−e≦1.2、e、fはO<e≦2.
0、O<f≦2.0であり、e/f≧3を満たす。)で示されるこ
とを特徴とする酸化物ガーネット単結晶である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。本発明の酸化物ガーネット単結晶は、前記した式
で表わされるものであるが、これらは、酸化物ガーネッ
ト単結晶を構成する各金属の酸化物と、フラックス成分
との融液から、希土類ガリウムガーネット単結晶基板上
に、液相エピタキシャル法で結晶を成長させることによ
って製造することができる。
【0009】本発明の酸化物ガーネット単結晶膜を成長
させるために使用されるガーネット単結晶基板は、サマ
リウム・ガリウム・ガーネット(以下、SGGと略記す
る。)、ネオジム・ガリウム・ガーネット(以下、NGGと
略記する。)、ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以
下、GGGと略記する。)に、Ca、Mg、Zr、Yの少なくとも
1つを添加し、置換したGGG系のSOG、NOG[いずれも信越
化学工業(株)製、商品名]とすればよく、これらはSm2
3、Nd23、Gd23又は必要に応じて、Ca0、Mg0、Zr
2などの置換剤を、それぞれGa23の所定量と共にル
ツボに仕込み、高周波誘導炉で各々の融点以上に加熱し
て溶融したのち、この溶液からチョクラルスキー法で単
結晶を引き上げることによって得ることができる。
【0010】また、この基板単結晶上に液相エピタキシ
ャル法でエピタキシャル成長させる酸化物ガーネット単
結晶は、上記式で示されるものであるが、このものはGd
23、Ho23、Bi23、Fe23、及び必要に応じて、元
素M1、M2の酸化物、Eu23をフラックスとしてのPb
0、B23と共に仕込み、1,000〜1,200℃に加熱してこ
れを溶解させたのち、この過冷却状態の融液から液相エ
ピタキシャル法で750〜950℃の成長温度で単結晶を成長
させることによって得ることができる。また、本発明の
酸化物ガーネット単結晶では、希土類元素としてEuを用
いることにより、ファラデー回転係数の波長依存性を改
善することができる。さらに、Gd及びHoに加えて、Ruを
添加してもよい。
【0011】本発明の酸化物ガーネット単結晶の飽和磁
化は、光アイソレータなどの磁気光学素子に使用される
磁石を小型にすることができるように、700G以下にする
必要があるが、そのために上記した式におけるaの値は
0.6以上にしなければならない。また、本発明の酸化物
ガーネット単結晶は、前記したガ−ネット単結晶基板上
に液相エピタキシャル法で亀裂やクラックの発生のない
厚膜として成長させるのであるが、このためにはガーネ
ット単結晶基板の格子定数と、目的とする酸化物ガーネ
ット単結晶の格子定数が±0.003Åの範囲内で一致して
いることが必要とされる。したがって、本発明の酸化物
ガーネット単結晶は、例えば、ガーネット単結晶基板が
NGGの場合には、格子定数が12.508±0.003Å、NOGの場
合には格子定数が12.496±0.003Åの範囲となるよう
に、上記した式におけるa、b、c、d、eの値を選択す
る必要がある。そのため、本発明の酸化物ガーネット単
結晶においては、aの値を前述した理由により、0.6以
上に保ちつつ、格子定数が小さくなり過ぎないようにす
るには、bの値を1.4以下にする必要があり、単結晶中
のBi置換量が少なくなって、ファラデー回転係数が小さ
くなることがないようにし、しかも格子定数が大きくな
り過ぎないようにするには、aの値を1.6以下にして、
bの値を0.7以上にする必要がある。また、必要に応じ
てEuを添加してもよく、上記した式におけるgの値は、
0.03≦g≦0.6の範囲にあることが好ましい。Euは2.0μm
帯に吸収を持つため、1.55μm帯での光吸収損失を増大
させずファラデー回転係数の波長依存性を小さくする効
果を持つが、gの値が0.03より小さいとその効果は小さ
く、又0.6より大きくなると格子定数が大きくなりすぎ
てガーネット単結晶の育成が難しくなる。
【0012】上記した式におけるcの値は、1.2以上で
あると補償温度が100℃以上となり、ファラデー回転角
の温度依存性が悪くなる。そのため、cの値は0<c<
1.2の範囲にあることが好ましい。上記した式における
dの値は、置換する4価イオンの量を表している。dの
値が0.1より大きくなると、基板上に均一な単結晶の膜
を形成しにくくなる。そのため、dの値は0≦d≦0.1
の範囲にあることが好ましい。単結晶中のBi置換量は0.
7以上1.2以下であることが好ましい。0.7より小さいと
ファラデー回転係数が小さくなり、1.2より大きいとガ
ーネット単結晶と育成する基板の熱膨張係数差が大きく
なって、育成中又は育成後の降温時に割れが生じ易くな
る。上記した式におけるe、fの値は、ガーネット単結
晶育成中に混入するPb及びPtの量であるが、それぞれ2.
0以下、より好ましくは1.0以下であることが望ましい。
2.0より多く入ると、他の希土類元素あるいはFeの置換
量が小さくなり、ファラデー回転係数が小さくなるなど
問題が生じる。そのため、置換量としては小さい方が望
ましく、1.0以下にした方が良い。これらe及びfの値
はその範囲ばかりでなく、その比e/fが光吸収損失に
影響し、比が3以上であることが好ましい。 比が3以
上のとき、4価イオンを0≦d≦0.1の範囲で添加するこ
とによって、光吸収損失を0.01dB未満にすることができ
る。e/fが3未満であると、4価イオンを添加すると
逆に光吸収損失が増大する。酸化物ガーネット単結晶中
に入るPb、Ptの量、及びその比は、液相エピタキシャル
法で膜を成長させる際における、融液中の酸化鉛の割
合、成長温度、成長速度によってコントロールすること
ができる。式中のM1としては、Al、Sc、Ga、Inなどの
3価イオンを用いることができるが、Feのイオン半径に
近いGaを用いることが好ましい。式中のM2としては、
Si、Ti、Ge、Zr、Snなどを用いることができるが、Feの
イオン半径に近いSi、Ti、Geを用いることが好ましい。
特にTiを用いた場合が最も光吸収損失が小さくなるの
で、Tiを用いることが好ましい。
【0013】本発明の酸化物ガーネット単結晶は、ガー
ネット単結晶基板の格子定数とのミスマッチが殆どない
ので、その表面にピットやクラックが発生することもな
く、これに含有されているGd、Ho、あるいはEuが同じ希
土類元素であるために、他の金属との相溶性がよいこと
から均一な組成の厚膜として得られる。このGdとHoの組
み合わせが、波長1.4〜1.6μm帯における光吸収を改善
し得るものであり、また、単結晶中のGd含有量を適度に
調節することで飽和磁化を小さくすることができ、Euが
更に光吸収を改善し得る。さらに、混入するPbとPtの比
が一定以上となるような成長条件で4価イオンを添加す
ることにより、光アイソレータのような磁気光学素子と
して用いた場合に、波長1.4〜1.6μm帯での光吸収損失
を著しく小さくすることができ、且つそれに使用される
磁石も小型化できるという工業的な有利性を有するもの
になる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例、比較例を挙げるが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0015】(実施例1)ガーネット単結晶基板とし
て、格子定数が12.496Åで、厚さが1.2mmである直径50m
mφのNOGウェーハを用い、酸化物ガーネット単結晶を形
成させる金属酸化物として、Gd2316.9685g、Ho232
6.5314g、Bi232916.94g、Fe23584.14g、Ga2324.9
824 g、Ti025.8666gと、フラックス成分として、Pb02
794.49gとB 23139.47 gとを白金ルツボに仕込み、1,02
0℃に加熱してこれを溶融させ、この融液から、上記し
たNOGウェーハに成長温度797.0〜784.2℃で膜厚582μm
の酸化物ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル法で
成長させた。このようにして得られた酸化物ガーネット
単結晶を、ICP発光分析法で分析した結果、これは式Gd
0.95Ho1.15Pb0.05Bi0.85Fe4.65 Ga0.27Ti0.07Pt0.01
12で示されるものであり、混入したPbのPtに対する比は
約5であった。この単結晶を切断して研磨加工し、Si0
2とTi35からなる無反射コーティングを施した後、大
きさを2.9×2.9×0.512mmとし、このものに55kA/mの磁
場を加えて単一に磁化した状態で、波長1.55μmにおけ
る光吸収損失を調べたところ0.002dBであった。また、
上記と同様の大きさで、厚さを波長1.44μmでファラデ
ー回転角が45°となる厚さ(370μm)としたものに、Si0
2とTi35からなる無反射コーティングを施した後、こ
のものに55kA/mの磁場を加えて単一に磁化した状態で、
波長1.44μmにおける光吸収損失を調べたところ0.005dB
であった。また、上記と同様の大きさで、厚さを波長1.
625μmでファラデー回転角が45°となる厚さ(530μm)と
したものに、Si02とTi35からなる無反射コーティン
グを施した後、このものに55kA/mの磁場を加えて単一に
磁化した状態で、波長1.625μmにおける光吸収損失を調
べたところ0.009dBであった。
【0016】(実施例2)ガーネット単結晶基板とし
て、格子定数が12.496Åで、厚さが1.2mmである直径50m
mφのNOGウェーハを用い、酸化物ガーネット単結晶を形
成させる金属酸化物として、Gd2314.5652g、Ho232
8.1958g、Bi232927.24g、Fe23573.03g、Ga2316.0
905 g、Ti025.7551gと、フラックス成分として、Pb02
804.36gとB 23139.95 gとを白金ルツボに仕込み、1,02
0℃に加熱してこれを溶融させ、この融液から、上記し
たNOGウェーハに成長温度790.0〜778.4℃で膜厚622μm
の酸化物ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル法で
成長させた。このようにして得られた酸化物ガーネット
単結晶を、ICP発光分析法で分析した結果、これは式Gd
0.86Ho1.24Pb0.05Bi0.85Fe4.82Ga0.1Ti0.07Pt0.0112
で示されるものであり、混入したPbのPtに対する比は約
5であった。この単結晶を切断して研磨加工し、Si02
とTi35からなる無反射コーティングを施した後、大き
さを2.9×2.9×0.559mmとし、このものに55kA/mの磁場
を加えて単一に磁化した状態で、波長1.55μmにおける
光吸収損失を調べたところ0.003dBであった。また、実
施例1と同様に厚さを調整し、波長1.44μm及び1.625μ
mにおける光吸収損失を調べたところ、いずれの波長に
おいても0.01dB未満という良好な値を得た。
【0017】(実施例3)ガーネット単結晶基板とし
て、格子定数が12.496Åで、厚さが1.2mmである直径50m
mφのNOGウェーハを用い、酸化物ガーネット単結晶を形
成させる金属酸化物として、Gd2316.9685g、Ho232
6.5314g、Bi232916.94g、Fe23584.14g、Ga2324.9
824 g、Ti025.8666gと、フラックス成分として、Pb02
794.49gとB 23139.47 gとを白金ルツボに仕込み、1,02
0℃に加熱してこれを溶融させ、この融液から、上記し
たNOGウェーハに成長温度811.0〜797.8℃で膜厚608μm
の酸化物ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル法で
成長させた。このようにして得られた酸化物ガーネット
単結晶を、ICP発光分析法で分析した結果、これは式Gd
1.25Ho0.83Pb0.03Bi0.89Fe3.92Ga1.0Ti0.07Pt0.0112
で示されるものであり、混入したPbのPtに対する比は約
3であった。実施例1及び2で述べた単結晶とは、ファ
ラデー回転の向きが逆であった。この単結晶を切断して
研磨加工し、Si02とTi35からなる無反射コーティン
グを施した後、大きさを2.9×2.9×0.559mmとし、この
ものに40kA/mの磁場を加えて単一に磁化した状態で、波
長1.55μmにおける光吸収損失を調べたところ0.008dBで
あった。また、実施例1と同様に厚さを調整し、波長1.
44μm及び1.625μmにおける光吸収損失を調べたとこ
ろ、いずれの波長においても0.01dB未満という良好な値
を得た。
【0018】(実施例4)ガーネット単結晶基板とし
て、格子定数が12.496Åで、厚さが1.2mmである直径50m
mφのNOGウェーハを用い、酸化物ガーネット単結晶を形
成させる金属酸化物として、Gd2315.2722g、Ho232
3.8791g、Eu234.1185g、Bi232917.04g、Fe23584.
16g、Ga2324.9832 g、Ti025.8667gと、フラックス成
分として、Pb02794.59gとB23139.47 gとを白金ルツ
ボに仕込み、1,020℃に加熱してこれを溶融させ、この
融液から、上記したNOGウェーハに成長温度797.0〜784.
2℃で膜厚590μmの酸化物ガーネット単結晶膜を液相エ
ピタキシャル法で成長させた。このようにして得られた
酸化物ガーネット単結晶を、ICP発光分析法で分析した
結果、これは式Eu0.2Gd0.85Ho1.05Pb0.05Bi0.85Fe4.65
Ga0.27Ti0.07Pt0.01 12で示されるものであり、混入し
たPbのPtに対する比は約5であった。この単結晶を切断
して研磨加工し、Si02とTi35からなる無反射コーテ
ィングを施した後、大きさを2.9×2.9×0.520mmとし、
波長1.55μmにおける光吸収損失を調べたところ0.007dB
であった。また、実施例1と同様に厚さを調整し、波長
1.44μm及び1.625μmにおける光吸収損失を調べたとこ
ろ、いずれの波長においても0.01dB未満という良好な値
を得た。
【0019】(比較例1)ガーネット単結晶基板とし
て、格子定数が12.496Åで、厚さが1.2mmである直径50m
mφのNOGウェーハを用い、酸化物ガーネット単結晶を形
成させる金属酸化物として、Gd2316.6394g、Ho232
6.0167g、Bi233249.06g、Fe23572.81g、Ga2324.4
977 g、Ti025.8666gと、フラックス成分として、Pb02
490.14gとB 23124.27 gとを白金ルツボに仕込み、1,02
0℃に加熱してこれを溶融させ、この融液から、上記し
たNOGウェーハに成長温度782.0〜769.2℃で膜厚603μm
の酸化物ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル法で
成長させた。このようにして得られた酸化物ガーネット
単結晶を、ICP発光分析法で分析した結果、これは式Gd
0.99Ho1.09Pb0.02Bi0.90Fe4.66Ga0.26Ti0.07Pt0.0112
で示されるものであり、混入したPbのPtに対する比は約
2であった。この単結晶を切断して研磨加工し、Si02
とTi35からなる無反射コーティングを施した後、大き
さを2.9×2.9×0.512mmとし、このものに55kA/mの磁場
を加えて単一に磁化した状態で、波長1.55μmにおける
光吸収損失を調べたところ0.02dBであった。また、実施
例1と同様に厚さを調整し、波長1.44μm及び1.625μm
における光吸収損失を調べたところ、いずれの波長にお
いても光吸収損失は0.02dB以上であり、0.01dBを下回る
ことはなかった。
【0020】(比較例2)ガーネット単結晶基板とし
て、格子定数が12.496Åで、厚さが1.2mmである直径50m
mφのNOGウェーハを用い、酸化物ガーネット単結晶を形
成させる金属酸化物として、Gd2316.9685g、Ho232
6.5314g、Bi232916.94g、Fe23584.14g、Ga2324.9
824 g、Ti0211.7328gと、フラックス成分として、Pb0
2794.49gとB23139.47 gとを白金ルツボに仕込み、1,0
20℃に加熱してこれを溶融させ、この融液から、上記し
たNOGウェーハに成長温度797.0〜784.2℃で膜厚670μm
の酸化物ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル法で
成長させた。このようにして得られた酸化物ガーネット
単結晶を、ICP発光分析法で分析した結果、これは式Gd
0.95Ho1.15Pb0.05Bi0.85Fe4.61Ga0.24Ti0.14Pt0.0112
で示されるものであり、混入したPbのPtに対する比は約
5であった。この単結晶を切断して研磨加工し、Si02
とTi35からなる無反射コーティングを施した後、大き
さを2.9×2.9×0.607mmとし、このものに55kA/mの磁場
を加えて単一に磁化した状態で、波長1.55μmにおける
光吸収損失を調べたところ0.52dBであった。また、実施
例1と同様に厚さを調整し、波長1.44μm及び1.625μm
における光吸収損失を調べたところ、いずれの波長にお
いても光吸収損失は0.5dB以上であり、0.01dBを下回る
ことはなかった。すなわち、実施例1と同程度のPbとPt
の比であるが、Tiの添加量が多すぎても光吸収損失は大
きくなり、その添加量に上限があることがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、酸化物ガーネット単結
晶が均一な組成の厚膜として得られ、また、波長1.4〜
1.6μm帯の光吸収損失を0.01dB未満まで小さくし、且つ
飽和磁化を小さくすることができるので、光アイソレー
タや光スイッチなどの磁気光学素子に有用であるという
工業的な有利性をもつ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹野 雅行 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BC22 BC25 CG01 CG05 EC07 HA02 5E049 AB06 AC03 BA22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式GdaHobPbeBi3-a-b-eFe5-c-d-fM1c
    dPtf12(式中、M1はAl、Sc、Ga、Inから選択され
    る少なくとも1種類の元素、M2はSi、Ti、Ge、Zr、Sn
    から選択される少なくとも1種類の元素、a、b、c、dは
    0.6≦a≦1.6、0.7≦b≦1.4、0<c<1.2、0≦d≦0.1、0.
    7≦3−a−b−e≦1.2、e、fはO<e≦2.0、O<f≦2.0であ
    り、e/f≧3を満たす。)で示されることを特徴とする酸
    化物ガーネット単結晶。
  2. 【請求項2】 式GdaHobEugPbeBi3-a-b-g-eFe5-c-d-f
    cM2dPtf12(式中、M1はAl、Sc、Ga、Inから選択
    される少なくとも1種類の元素、M2はSi、Ti、Ge、Z
    r、Snから選択される少なくとも1種類の元素、a、b、
    c、d、g は0.6≦a≦1.6、0.7≦b≦1.4、0<c<1.2、0≦
    d≦0.1、0.03≦g≦0.6、0.7≦3−a−b−g−e≦1.2、e、
    fはO<e≦2.0、O<f≦2.0であり、e/f≧3を満たす。)で
    示されることを特徴とする酸化物ガーネット単結晶。
  3. 【請求項3】 M2がTiである請求項1又は2記載の酸
    化物ガーネット単結晶。
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