JPWO2003000963A1 - 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、光学素子およびその製造方法 - Google Patents

磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、光学素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、磁性ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長させるための磁性ガーネット単結晶膜形成用基板と、この基板を用いて結晶成長を行う単結晶膜の製造方法と、この製造方法により製造される単結晶膜および光学素子に関する。この基板(2)は、液相エピタキシャル成長させるために用いるフラックスに対して不安定なガーネット系単結晶から成るベース基板(10)と、前記ベース基板(10)上に形成され、前記フラックスに対して安定なガーネット系単結晶薄膜から成るバッファ層(11)とを有する。この基板(2)を用いて、良質の磁性ガーネット単結晶膜(12)を製造することができる。この磁性ガーネット単結晶膜(12)は、光アイソレータ、光サーキュレータ、光磁気センサなどに用いられるファラデー素子などの光学素子として用いられる。

Description

技術分野
本発明は、たとえばビスマス置換希土類鉄ガーネット(Bi−RIG)単結晶などの磁性ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長させるための磁性ガーネット単結晶膜形成用基板と、この基板を用いて結晶成長を行う単結晶膜の製造方法と、この製造方法により製造される単結晶膜および光学素子に関する。
背景技術
光アイソレータ、光サーキュレータ、光磁界センサ等に用いられるファラデー回転子などの光学素子の材料としては、一般に、単結晶基板上に磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させたものが用いられる。基板上に成長させる磁性ガーネット単結晶膜としては、所要のファラデー効果が得られるように大きなファラデー回転係数が望まれる。また、エピタキシャル成長によって良質の単結晶膜を成膜するためには、成膜温度から室温までの温度域において、基板単結晶と、成長する単結晶膜との間の格子定数差が極力小さいことが要求される。
磁性ガーネット単結晶膜のファラデー回転係数は、希土類成分の一部をビスマスで置換することにより著しく増加することが知られている。ビスマス置換量の増加は、同時に磁性ガーネット単結晶膜の格子定数の増加をもたらすため、成膜に用いる基板材料にも、より大きな格子定数が要求され、たとえばCa、Zr、Mg等を添加して格子定数を大きくしたガドリニウム・ガリウムガーネット(GGG)が単結晶基板材料として用いられている(特公昭60−4583号公報)。
しかしながら、このCa、Zr、Mg等を添加したGGG単結晶基板上にビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を厚膜状に(たとえば200μm以上の膜厚)に成長させようとした場合、成膜中および成膜後の基板や単結晶膜に反りや割れなどを生じやすく、成膜時および加工時の製造歩留り低下の原因となっている。
この問題を解消すべく、本発明者等は、室温から850℃までの温度領域で、結晶方位<111>に直交する面内の熱膨張係数がビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶に極めて近い値を有する特定組成のガーネット単結晶基板を提案している(特開平10−139596号公報)。この単結晶基板を用いることにより、結晶欠陥や反り、割れなどが発生しない厚膜状のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長により形成させることができる。
しかしながら、この特定組成のガーネット単結晶基板は、ビスマス置換希土類鉄ガーネット(Bi−RIG)単結晶膜を液相エピタキシャル成長させる際に析出溶媒質として用いられる酸化鉛フラックスに対して不安定であり、良質なビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を得る歩留まりが悪いということが本発明者等により見出された。特に、NbまたはTaを含む基板組成でこの傾向は大きいことが判明した。
発明の開示
本発明の目的は、結晶欠陥や反り、割れ、剥離などが発生しない厚膜状の磁性ガーネット単結晶膜を、液相エピタキシャル成長により安定して形成することができる磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、光学素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板は、
磁性ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長させるための磁性ガーネット単結晶膜形成用基板であって、
液相エピタキシャル成長させるために用いるフラックスに対して不安定なガーネット系単結晶から成るベース基板と、
前記ベース基板上に形成され、前記フラックスに対して安定なガーネット系単結晶薄膜から成るバッファ層とを有する。
前記フラックスとしては、特に限定されないが、たとえば酸化鉛を構成成分とするフラックスである。なお、本発明において、「フラックスに対して不安定」とは、フラックス中の溶質成分が、対象物(ベース基板またはバッファ層)を核として結晶化を開始する、いわゆる過飽和状態において、対象物を構成する材質の少なくとも一部がフラックスに対して溶出すること、および/またはフラックス成分の少なくとも一部が対象物に拡散することで、単結晶膜の液相エピタキシャル成長を阻害することを意味する。また、「フラックスに対して安定」とは、「フラックスに対して不安定」の逆の現象を意味する。
本発明によれば、
液相エピタキシャル成長により形成する対象となる磁性ガーネット単結晶、たとえばビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶、に極めて近い熱膨張係数を有する特定組成のガーネット単結晶基板を選択し、その基板がフラックスに対して不安定であるとしても、安定して液相エピタキシャル成長を行うことができる。なぜなら、ベース基板の上には、フラックスに対して安定なバッファ層が形成してあるからである。
そのため、本発明では、ファラデー回転子などの光学素子に用いられるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を、結晶欠陥や反り、割れ、剥離などの発生を抑制して、高品質に液相エピタキシャル成長させることができる。すなわち、本発明によれば、比較的に厚膜(たとえば200μm以上)で、大面積(たとえば直径3インチ以上)の磁性ガーネット単結晶膜を、液相エピタキシャル成長により得ることができる。
好ましくは、前記ベース基板が、前記磁性ガーネット単結晶膜の熱膨張係数とほぼ等しい熱膨張係数を有している。たとえば、0°C〜1000°Cの温度範囲において、前記ベース基板の熱膨張係数が、前記磁性ガーネット単結晶膜の熱膨張係数に対して、±2×10−6/°C以下の範囲にある。
ベース基板の熱膨張係数を磁性ガーネット単結晶膜の熱膨張係数と略等しくすることで、エピタキシャル成長後の膜が基板に対して剥離することやクラックや欠けなど(以下、「クラックなど」とも称する)の品質低下を有効に防止することができる。なぜなら、磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長により形成する際には、温度が1000°C近くまで上昇し、その後に室温に戻されるため、熱膨張係数が相違すると、エピタキシャル成長膜にクラックなどが発生しやすくなるからである。
なお、バッファ層の熱膨張係数は、必ずしも、磁性ガーネット単結晶膜の熱膨張係数と略等しくする必要はない。なぜなら、バッファ層の膜厚は、ベース基板の厚みに対して極端に薄く、エピタキシャル成長膜に対する熱膨張差による影響が小さいからである。
好ましくは、前記ベース基板が、前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数とほぼ等しい格子定数を有している。たとえば前記ベース基板の格子定数が、前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数に対して、±0.02Å以下の範囲にある。
ベース基板の格子定数を、磁性ガーネット単結晶膜の格子定数とほぼ等しくすることで、バッファ層の上に、磁性ガーネット単結晶膜を、液相エピタキシャル成長させやすくなる。
好ましくは、前記ベース基板が、NbまたはTaを含む。前記ベース基板に、NbまたはTaを含ませることで、ベース基板の熱膨張係数および/または格子定数を、前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数とほぼ等しくさせることが容易になる。ただし、前記ベース基板にNbまたはTaを含ませると、フラックスに対する安定性が劣化する傾向にある。
好ましくは、前記バッファ層が、NbおよびTaを実質的に含まないガーネット系単結晶薄膜である。NbおよびTaを実質的に含まないガーネット系単結晶薄膜は、フラックスに対して比較的に安定だからである。
好ましくは、前記バッファ層は、
一般式R12(ただし、Rは希土類金属の少なくとも1種、MはGa,Feから選ばれた1種)で表されるものであり、
あるいは、
X置換ガドリニウム・ガリウムガーネット(ただし、Xは、Ca、Mg、Zrの少なくとも1種)である。
このような材質から成るバッファ層は、フラックスに対して比較的に安定であり、しかも、磁性ガーネット単結晶膜の格子定数に近い格子定数を持つので好ましい。
好ましくは、前記バッファ層の厚みが1〜10000nm、さらに好ましくは5〜50nmであり、前記ベース基板の厚みが0.1〜5mm、さらに好ましくは0.2〜2.0mmである。バッファ層の厚みが薄すぎると、本発明の効果が小さく、厚すぎると、コスト高になると共に、熱膨張係数の違いなどからエピタキシャル成長膜に対してクラックなどの悪影響を与える傾向にある。また、ベース基板の厚みが薄すぎると、機械的強度が不足して取扱い作業性が悪くなる傾向にあり、厚すぎると、クラックなどの発生が増加する傾向にある。
本発明に係る磁性ガーネット単結晶膜の製造方法は、
本発明の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板を用いて、前記バッファ層の上に、液相エピタキシャル成長法によって磁性ガーネット単結晶膜を成長させる工程を有する。
本発明に係る光学素子の製造方法は、
本発明の磁性ガーネット単結晶膜の製造方法を用いて、前記磁性ガーネット単結晶膜を形成した後、
前記ベース基板およびバッファ層を除去し、前記磁性ガーネット単結晶膜から成る光学素子を形成する工程を有する。
本発明に係る光学素子は、本発明の光学素子の製造方法により得られる。
発明を実施するための最良の態様
以下、本発明を図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態における磁性ガーネット単結晶膜形成用基板2は、ベース基板10と、このベース基板10の表面上に積層して形成されたバッファ層11とを有する。ベース基板10は、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶からなる磁性ガーネット単結晶膜12に極めて近い値の格子定数および熱膨張係数を有するが、酸化鉛フラックスに対して不安定である。バッファ層11は、酸化鉛フラックスに対して安定なガーネット系単結晶薄膜で構成してある。
この基板2におけるバッファ層11上に、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜12が液相エピタキシャル成長される。ベース基板10は、バッファ層11を介して磁性ガーネット単結晶膜12を成長させるために、単結晶膜12との格子整合性が良く、かつ線熱膨張係数が単結晶膜12のそれに近い特性を有している。
ベース基板10は、たとえば一般式M1M2M312で示される非磁性ガーネット系単結晶で構成してある。この一般式において、M1は、たとえばCa、Sr、CdおよびMnの中から選ばれる金属である。M1は、価数2+で安定に存在し、配位数8を取ることができ、この状態でのイオン半径が0.096〜0.126nmの範囲にあるものが好ましい。M2は、たとえばNb、TaおよびSbの中から選ばれる金属である。M2は、価数5+で安定に存在し、配位数6を取ることができ、この状態でのイオン半径が0.060〜0.064nmの範囲にあるものが好ましい。M3は、たとえばGa、Al、Fe、Ge、SiおよびVの中から選ばれる金属である。M3は、価数3+、4+または5+で安定に存在し、配位数4を取ることができ、この状態でのイオン半径が0.026〜0.049nmの範囲にあるものが好ましい。なお、これらのイオン半径は、シャノン(R.D.Shannon)により定められた有効イオン半径の値である。これらのM1、M2およびM3は、それぞれ単独の金属であってもよいし、また2種以上の金属の組み合せであってもよい。
さらに、M1の金属は、価数および格子定数を調整するために、必要に応じ、50アトミック%未満の範囲内でその一部を、その組成においてCaまたはSrと置換可能な金属M4で置換しても良い。M4としては、たとえばCd、Mn、K、Na、Li、Pb、Ba、Mg、Fe、Co、希土類金属およびBiの中から選ばれた少なくとも1種、好ましくは配位数8を取り得るものであることが好ましい。
また、M2は、M1の場合と同じように、50アトミック%未満の範囲で、その一部を、その組成において、Nb、TaまたはSbと置換可能な金属M5で置換しても良い。M5としては、たとえばZn、Mg、Mn、Ni、Cu、Cr、Co、Ga、Fe、Al、V、Sc、In、Ti、Zr、SiおよびSnの中から選ばれた少なくとも1種、好ましくは配位数6を取りうるものが例示される。
このような組成の単結晶基板は、熱膨張係数が、成長されるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶の熱膨張係数に近似し、また、この単結晶との格子整合性が良好である。特に、前記の一般式において、xが2.98〜3.02、yが1.67〜1.72およびzが3.15〜3.21の範囲の数であるものが好適である。
このような組成のベース基板10の熱膨張係数は、室温〜850℃において、1.02×10−5/℃〜1.07×10−5/℃程度であり、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の同じ温度範囲の線熱膨張係数1.09×10−5/℃〜1.16×10−5/℃に非常に近似している。
また、このベース基板10の厚さについては特に制限はないが、膜厚が200μm以上の厚膜のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を成膜する場合には、成膜時における基板および単結晶膜の割れや反りなどの発生が抑制され、品質の良好な単結晶膜が得られる点で、厚さ1.5mm以下にするのが良い。ベース基板の厚さが1.5mmを超えると、厚さの増加に伴い、基板と単結晶膜の界面近傍でクラックの発生が増加する傾向がみられる。また、単結晶基板10の厚さがあまり薄すぎると機械的強度が小さくなり取扱い性が悪くなるので、厚さ0.1mm以上のものが好ましい。
単結晶基板10上に形成されるバッファ層11は、ガーネット系単結晶薄膜で構成してある。このガーネット系単結晶薄膜としては、
一般式R12(ただし、Rは希土類金属の少なくとも1種、MはGa,Feから選ばれた1種)で表されるものであり、
あるいは、
X置換ガドリニウム・ガリウムガーネット(ただし、Xは、Ca、Mg、Zrの少なくとも1種)などが例示される。
これらの中でも、ネオジウム・ガリウムガーネット、サマリウム・ガリウムガーネット、ガドリニウム・ガリウムガーネット、およびX置換ガドリニウム・ガリウムガーネット(ただし、Xは、Ca、Mg、Zrの少なくとも1種)から選ばれた1種を用いることが好ましいが、酸化鉛フラックスに対して安定なガーネット系材料であれば、これに限定されることはない。
本発明の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板におけるベース基板10の製造方法については特に制限はなく、従来のGGG単結晶基板などの製造において慣用されている方法を採用することができる。
たとえば、まず、前述の一般式におけるM1で示される金属、M2で示される金属、およびM3で示される金属の中から、それぞれ1種または2種以上選ばれた金属と、場合により用いられるM4で示される金属およびM5で示される金属の中から、それぞれ1種または2種以上選ばれた金属とを、それぞれ所定の割合で含有する均質な溶融混合物を調製する。次いで、この溶融混合物中に、たとえば長軸方向が<111>であるGGG種子結晶などを液面に対して垂直に浸漬し、ゆっくり回転させながら引き上げることにより、多結晶体を形成させる。
この多結晶体にはクラックが多数存在するので、その中からクラックのない単結晶部分を選択し、結晶方位を確認したのち、種子結晶として、再度、上記溶融混合物中に、結晶方位<111>が液面に対して垂直になるように浸漬し、ゆっくり回転させながら引き上げることにより、クラックの存在しない単結晶を形成させる。次に、この単結晶を成長方向と垂直に所定の厚さに切断し、両面を鏡面研磨したのち、たとえば熱リン酸などでエッチング処理し、ベース基板10が得られる。
このようにして得られたベース基板10上に、スパッタリング法、CVD法、パルスレーザ蒸着法、溶液法、またはその他の薄膜成膜技術により、前述した組成のガーネット系単結晶薄膜から成るバッファ層11を成膜する。
このようにして得られた磁性ガーネット単結晶膜形成用基板2を用い、液相エピタキシャル成長法によって、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜から成る磁性ガーネット単結晶膜12が形成される。この形成されるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の組成は、たとえば、一般式Bi3−mFe5−nMnO12(式中のRは、希土類金属の少なくとも1種、MはGa、Al、In、Sc、Si、Ti、GeおよびMgの中から選ばれた少なくとも1種の金属であり、mおよびnは、0<m<3.0、0≦n≦1.5の範囲である)で表わされる。
この一般式において、Rで示される希土類金属としては、たとえばY、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられ、これらは1種含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
この単結晶においては、Rで示される希土類金属の一部はビスマスで置換されており、このビスマスによる置換の割合はmで表わされ、このmの値は、0<m<3.0の範囲であるが、特に0.5〜1.5の範囲にある場合、単結晶の熱膨張係数と単結晶基板の線熱膨張係数とが極めて近似したものになるので、有利である。また、MはFeと置換可能な非磁性金属元素で、Ga、Al、In、Sc、Si、Ti、Ge、Mgであり、これらは1種含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。この非磁性金属元素のFeとの置換の割合nは0〜1.5の範囲で選ばれる。
液相エピタキシャル成長法により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成させるには、たとえば、まず、(1)酸化ビスマスと、(2)少なくとも1種の希土類金属酸化物と、(3)酸化鉄と、(4)場合により用いられるGa、Al、In、Sc、Si、Ti、GeおよびMgの中から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物とを、それぞれ所定の割合で含有する均質な溶融混合物を調製する。析出用溶質としては、通常、主要構成成分として酸化鉛が用いられるが、酸化ビスマスなどのその他の析出用媒質であっても良い。また、所望に応じ、結晶成長向上剤として、酸化ホウ素などを含有させてもよい。
次に、この溶融混合物中に、本発明の基板2を浸漬することにより、基板2におけるバッファ層11の表面に、溶融混合物から単結晶をエピタキシャル成長させて、磁性ガーネット単結晶膜を成膜する。この際の溶融混合物の温度は、原料混合物の組成などにより異なるが、通常は600〜1000℃の範囲で選ばれる。また、基板2は、溶融混合物中に静置してエピタキシャル成長させてもよいし、適当に回転させながらエピタキシャル成長させてもよい。基板2を回転させる場合、その回転数は10〜200rpm程度が有利である。また、成膜速度は、通常0.08〜0.8μm/分程度である。浸漬時間は、成膜速度および所望の膜厚などにより異なり、一概に定めることはできないが、通常は、10〜100時間程度である。
エピタキシャル成長終了後、基板2を溶融混合物から引き上げ、付着している溶融混合物を十分に振り切ったのち、室温まで冷却する。次いで、希硝酸などの鉱酸水溶液中に浸漬して、形成した単結晶膜表面に付着している溶融混合物の固化物を取り除いたのち、水洗、乾燥する。このようにして、基板2上に形成されるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶から成る磁性ガーネット単結晶膜12の厚さは、通常100〜1000μmの範囲である。また、その熱膨張係数は、室温〜850℃において、1.0×10−5/℃〜1.2×10−5/℃程度である。
このようにして、基板2上に形成されたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の結晶構造および組成は、それぞれX線回折および蛍光X線による組成分析などにより同定することができる。また、この単結晶膜12の性能は、単結晶膜12から基板2を研磨加工などで除去し、その後、膜12の両面を研磨加工処理したのち、その両面に無反射膜を設け、ファラデー回転係数、透過損失および温度特性などを求めることにより、評価することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
溶融液の組成がCaNb1.7Ga3.212となるように、CaCO、NbおよびGaを秤量して、大気中1350°Cで焼成し、ガーネット単相を確認した後、イリジウムルツボ中に仕込み、窒素ガス98容量%と酸素ガス2容量%との混合ガス雰囲気中で、高周波誘導により約1450℃に加熱して溶融させた。その後、この溶融液に長軸方向が<111>である5mm角柱状の上記組成の種子結晶を液面に対し垂直に浸漬し、これを20rpmの回転下に3mm/時の速度で引き上げたところ、全体にクラックの全く存在しない透明な単結晶が得られた。
次に、この結晶の上部と下部から各約1gの試料を切出し、蛍光X線分析装置で各成分金属元素について定量分析を行ったところ、結晶上部および結晶下部共に、CaNb1.7Ga3.212(CNGG)の組成を有することが確認された。
得られた単結晶を、成長方向と垂直に所定の厚さに切断し、両面を鏡面研磨したのち、熱リン酸でエッチング処理して、CNGG単結晶基板(ベース基板10)を作製した。この単結晶基板の室温〜850℃における熱膨張係数(α)は1.07×10−5/℃であった。このCNGG単結晶基板の厚みは、0.6mmであった。
このCNGG単結晶基板上に、スパッタリング法で、NdGa12(NGG)薄膜(バッファ層11)を形成した。具体的には、NGG焼結体をターゲットとして用い、下記の成膜条件でスパッタリング成膜を行い、その後にアニール処理を行った。
(スパッタリング成膜条件)
基板温度:600°C、
入力:300W、
雰囲気:Ar+O(10容積%)、1Pa、
成膜時間:30分、
膜厚:250nm。
(アニール処理)
雰囲気:O、1atm、
温度:800°C
時間:30分。
NGG膜表面のSEM像を図2Aに示す。また、その断面SEM像を図2Bに示す。平滑なNGG膜が得られることが確認できた。また、NGG膜の蛍光X線による組成分析を行ったところ、ほぼ化学量論組成のNdGa12(NGG)薄膜が得られていることが確認できた。
このようにして得られたNGG膜付きCNGG基板を用いて、液相エピタキシャル成長法により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成した。具体的には、白金製ルツボに、Hoを5.747g、Gdを6.724g、Bを43.21g、Feを126.84g、PbOを989.6g、Biを826.4g入れ、約1000℃で溶融し、かきまぜて均質化したのち、120℃/hrの速度で降温して、832℃の過飽和状態を保持した。次いで、この溶融液中に、厚さ0.6mmのCNGG基板上に厚さ250nmのNGG薄膜を形成してなる基板を浸漬し、100rpmで基板を回転させながら、単結晶膜を10分間液相エピタキシャル成長させ、基板上に膜厚約4μmのビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の組成を、蛍光X線法により分析したところ、Bi1.1Gd1.1Ho0.8Fe5.012(Bi−RIG)であることが確認できた。この単結晶膜の断面SEM画像を図3に示し、その表面SEM画像を図4Aに示す。表面が平滑で緻密な良質の、ほぼ化学量論組成のBi−RIG膜をエピタキシャル成長させることができることが確認できた。また、この単結晶膜の格子定数と、ベース基板であるCNGG基板との格子定数の差異を測定したところ、0.009Åであり、±0.02Å以内であることが確認できた。なお、この単結晶膜の格子定数と、バッファ層であるNGG薄膜との格子定数の差異を測定したところ、0.007Åであった。格子定数の測定は、X線回折法により行った。
また、別のサンプルで、上記と同じ条件で、液層エピタキシャル成長を30時間行い、基板上に膜厚約470μmのビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成させた。この基板上に成膜された単結晶膜の写真を図5Aに示す。
得られた単結晶膜および単結晶基板の両方共、クラックの発生は認められなかった。この単結晶膜の組成を蛍光X線法により分析したところ、Bi1.1Gd1.1Ho0.8Fe5.012であることが確認できた。
また、この単結晶膜から基板を研磨加工により除去し、単結晶膜の両面を研磨加工し、その両面にSiOまたはTaから成る無反射膜を付けて、波長1.55μmのファラデー回転角、ファラデー回転角45degでの透過損失および温度特性を評価したところ、ファラデー回転係数は0.119deg/μm、透過損失は0.03dB、温度特性は0.065deg/℃であった。いずれも、光アイソレータの光学特性として満足できるレベルであった。
なお、ファラデー回転角は波長1.55μmの偏光したレーザー光を単結晶膜に入射させ、出射した光の偏光面の角度を測定し求めた。透過損失は単結晶膜を透過した波長1.55μmのレーザー光強度と単結晶膜のない状態の光強度の差より求めた。温度特性は試料の温度を−40℃から85℃まで変化させて回転角を測定し、その測定値より算出した。
さらに、この単結晶膜の室温〜850℃における熱膨張係数(α)は、1.10×10−5/℃であった。ベース基板と単結晶膜との熱膨張係数の差異は、0.03×10−5/℃であった。また、得られた単結晶膜にはクラックの発生は認められなかった。
実施例2
前記実施例1と同様な手法で、CNGG単結晶基板を作製した。
このCNGG単結晶基板上に、パルスレーザ蒸着法で、Gd2.65Ca0.35Ga4.05Mg0.3Zr0.6512(GCGMZG)薄膜を形成した。具体的には、GCGMZG単結晶ターゲットにKrFエキシマレーザを照射レーザ密度2.0J/cmで照射し、基板温度800℃に保持されたCNGG基板上に、酸素分圧1Pa、照射時間5分、膜厚約10nmのGCGMZG薄膜を形成した。このGCGMZG薄膜の蛍光X線分析を行ったところ、ターゲットと同組成のGCGMZGであることが確認された。
このようにして得られたGCGMZG薄膜付きCNGG単結晶基板を用い、実施例1と同様な液相エピタキシャル成長法により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成した。得られた単結晶膜にはクラックの発生は認められなかった。
比較例1
実施例1と同様な手法で、CNGG単結晶基板を作製し、その上に酸化鉛に対して安定な単結晶薄膜から成るバッファ層を形成することなく、実施例1と同様な液相エピタキシャル成長法により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成した。
図4Bは、実験後の基板の表面SEM画像であり、表面がエッチングされていることが確認された。また、蛍光X線分析により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜が形成されていないことが分かった。
また、図5Bは、この比較例1によって成長したビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の全体写真であり、基板の表面に対して不均一に膜が形成され、一部で剥がれていることが確認された。
実施例3
前記実施例1と同様な手法で、NGG薄膜付きCNGG単結晶基板を作製した。このNGG薄膜付きCNGG単結晶基板を用いて、液相エピタキシャル成長法により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成した。
具体的には、白金製ルツボに、Tbを12.431g、Ybを1.464g、Bを43.21g、Feを121.56g、PbOを989.6g、Biを826.4g入れ、約1000℃で溶解し、かきまぜて均質化したのち、120℃/hrの速度で降温して、840℃の過飽和状態を保持した。次いで、この溶液中に、基板厚0.6mmのCNGG基板上に250nmのNGG薄膜を形成してなる単結晶基板材料を浸漬し、100rpmで基板を回転させながら、単結晶膜を43時間液相エピタキシャル成長させ、基板上に膜厚560μmのビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成させた。
得られた単結晶膜および単結晶基板の両方とも、クラックの発生は認められなかった。この単結晶膜の組成を蛍光X線法により分析したところ、Bi1.0Tb1.9Yb0.1Fe5.012であることが確認できた。
また、この単結晶膜の格子定数と、ベース基板であるCNGG基板との格子定数の差異を測定したところ、0.005Åであり、±0.02Å以内であることが確認できた。なお、この単結晶膜の格子定数と、バッファ層であるNGG薄膜との格子定数の差異を測定したところ、0.004Åであった。
また、この単結晶膜について、実施例1と同様にして、波長1.55μmのファラデー回転角、ファラデー回転角45度での透過損失および温度特性を評価したところ、ファラデー回転係数は0.102deg/μm、透過損失は0.09dB、温度特性は0.051deg/℃であった。さらに、この単結晶膜の熱膨張係数は1.09×10−5/℃であった。ベース基板と単結晶膜との熱膨張係数の差異は、0.02×10−5/℃であった。また、得られた単結晶膜にはクラックの発生は認められなかった。
実施例4
前記実施例1と同様な手法で、NGG薄膜付きCNGG単結晶基板を作製した。このNGG薄膜付きCNGG単結晶基板を用いて、液相エピタキシャル成長法により、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成した。
具体的には、白金製ルツボに、Gdを7.653g、Ybを6.778g、Bを43.21g、Feを113.2g、Gaを19.02g、Alを3.35g、PbOを869.7g、Biを946.3g入れ、約1000℃で溶解し、かきまぜて均質化したのち、120℃/hrの速度で降温して、829℃の過飽和状態を保持した。次いで、この溶液中に、基板厚0.6mmのCNGG基板上に250nmのNGG薄膜を形成してなる単結晶基板材料を浸漬し、100rpmで基板を回転させながら、単結晶膜を43時間液相エピタキシャル成長させ、基板上に膜厚520μmのビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を形成させた。
得られた単結晶膜および単結晶基板の両方とも、クラックの発生は認められなかった。この単結晶膜の組成を蛍光X線法により分析したところ、Bi1.3Gd1.2Yb0.5Fe4.2Ga0.6Al0.212であった。
また、この単結晶膜の格子定数と、ベース基板であるCNGG基板との格子定数の差異を測定したところ、0.014Åであり、±0.02Å以内であることが確認できた。なお、この単結晶膜の格子定数と、バッファ層であるNGG薄膜との格子定数の差異を測定したところ、0.013Åであった。
また、この単結晶膜を、実施例1と同様にして、波長1.55μmのファラデー回転角、ファラデー回転角45度での透過損失および温度特性を評価したところ、ファラデー回転係数は0.113deg/μm、透過損失は0.02dB、温度特性は0.096deg/℃であった。さらにこの単結晶膜の熱膨張係数は1.05×10−5/℃であった。ベース基板と単結晶膜との熱膨張係数の差異は、0.02×10−5/℃であった。また、得られた単結晶膜にはクラックの発生は認められなかった。
評価
実施例1〜4によれば、図5Aに示すように単結晶膜が均一に成長し、結晶表面が滑らかで光沢が見られるのに対し、比較例1によると、成長膜と基板との界面で反応が生じたため、単結晶膜が均一に成長せず、部分的な剥離が生じていることが観察された。
以上述べた実施形態および実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様および変更態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一実施形態に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板と、これを用いて成長したビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を示す断面図、
図2Aは本発明の一実施例に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板の表面SEM像、
図2Bは図2Aに示す基板の断面SEM像、
図3は本発明の一実施例に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板の表面にビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を成膜した状態の断面SEM像、
図4Aは本発明の一実施例に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板の表面にビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を成膜した状態の表面SEM像、
図4Bは本発明の比較例に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板の表面にビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を成膜した状態の表面SEM像、
図5Aおよび図5Bは本発明の実施例および比較例に係る磁性ガーネット単結晶膜形成用基板の表面にビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を成膜した状態の写真である。

Claims (13)

  1. 磁性ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長させるための磁性ガーネット単結晶膜形成用基板であって、
    液相エピタキシャル成長させるために用いるフラックスに対して不安定なガーネット系単結晶から成るベース基板と、
    前記ベース基板上に形成され、前記フラックスに対して安定なガーネット系単結晶薄膜から成るバッファ層とを有する磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  2. 前記フラックスの主成分として、酸化鉛および/または酸化ビスマスを含有していることを特徴とする請求項1に記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  3. 前記ベース基板が、前記磁性ガーネット単結晶膜の熱膨張係数とほぼ等しい熱膨張係数を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  4. 0°C〜1000°Cの温度範囲において、前記ベース基板の熱膨張係数が、前記磁性ガーネット単結晶膜の熱膨張係数に対して、±2×10−6/°C以下の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  5. 前記ベース基板が、前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数とほぼ等しい格子定数を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  6. 前記ベース基板の格子定数が、前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数に対して、±0.02Å以下の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  7. 前記ベース基板が、NbまたはTaを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  8. 前記バッファ層が、NbおよびTaを実質的に含まないガーネット系単結晶薄膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  9. 前記バッファ層は、
    一般式R12(ただし、Rは希土類金属の少なくとも1種、MはGa,Feから選ばれた1種)で表されるものであり、
    あるいは、
    X置換ガドリニウム・ガリウムガーネット(ただし、Xは、Ca、Mg、Zrの少なくとも1種)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  10. 前記バッファ層の厚みが1〜10000nmであり、前記ベース基板の厚みが0.1〜5mmである請求項1〜9のいずれかに記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の磁性ガーネット単結晶膜形成用基板を用いて、前記バッファ層の上に、液相エピタキシャル成長法によって磁性ガーネット単結晶膜を成長させる工程を有する磁性ガーネット単結晶膜の製造方法。
  12. 請求項11に記載の磁性ガーネット単結晶膜の製造方法を用いて、
    前記磁性ガーネット単結晶膜を形成した後、
    前記ベース基板およびバッファ層を除去し、前記磁性ガーネット単結晶膜から成る光学素子を形成する工程を有する、
    光学素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載の光学素子の製造方法により得られた光学素子。
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