JP2711041B2 - マンガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料 - Google Patents
マンガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料Info
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- JP2711041B2 JP2711041B2 JP4040997A JP4099792A JP2711041B2 JP 2711041 B2 JP2711041 B2 JP 2711041B2 JP 4040997 A JP4040997 A JP 4040997A JP 4099792 A JP4099792 A JP 4099792A JP 2711041 B2 JP2711041 B2 JP 2711041B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子機器のノイズフィ
ルターなどに用いられるマンガン−亜鉛系高透磁率フェ
ライト材料に関するものである。
ルターなどに用いられるマンガン−亜鉛系高透磁率フェ
ライト材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の電源ラインより進入するノイ
ズを除去するために、フェライト材料からなるノイズフ
ィルターが使用されている。ノイズは数キロヘルツから
数メガヘルツのノイズがあり、これらのノイズを除去す
る目的でノイズフィルターが使用されている。
ズを除去するために、フェライト材料からなるノイズフ
ィルターが使用されている。ノイズは数キロヘルツから
数メガヘルツのノイズがあり、これらのノイズを除去す
る目的でノイズフィルターが使用されている。
【0003】数キロヘルツから数百キロヘルツのノイズ
は、フェライト材料のインダクタンス(L)∝透磁率
(μi)の関係、すなわち μi=(DL/4SN2)×109 (ここで、μiは透磁率、Dは平均磁路直径、Lはイン
ダクタンス、Sは磁路断面積、Nは巻数である。)を利
用して、コモンモードチョークコイルを形成して除去
し、また数百キロヘルツから数メガヘルツのノイズは、
フェライト材料のインピーダンス(Z)を利用して除去
している。
は、フェライト材料のインダクタンス(L)∝透磁率
(μi)の関係、すなわち μi=(DL/4SN2)×109 (ここで、μiは透磁率、Dは平均磁路直径、Lはイン
ダクタンス、Sは磁路断面積、Nは巻数である。)を利
用して、コモンモードチョークコイルを形成して除去
し、また数百キロヘルツから数メガヘルツのノイズは、
フェライト材料のインピーダンス(Z)を利用して除去
している。
【0004】従ってフェライト材料は、数キロヘルツか
ら数百キロヘルツのノイズを除去するために、高い透磁
率が要求され、しかも数百キロヘルツから数メガヘルツ
のノイズを除去するために、高いインピーダンスが要求
される。
ら数百キロヘルツのノイズを除去するために、高い透磁
率が要求され、しかも数百キロヘルツから数メガヘルツ
のノイズを除去するために、高いインピーダンスが要求
される。
【0005】従来のフェライト材料として、特開昭59
−50072号には、酸化鉄50〜56モル%、酸化マ
ンガン21〜38モル%、酸化亜鉛6〜25モル%から
なる基本組成に、酸化カルシウム0.01〜0.1重量
%、酸化コバルト0.05〜0.1重量%および酸化ジ
ルコニウム0.02〜0.1重量%を含有する酸化物磁
性材料が開示されている。
−50072号には、酸化鉄50〜56モル%、酸化マ
ンガン21〜38モル%、酸化亜鉛6〜25モル%から
なる基本組成に、酸化カルシウム0.01〜0.1重量
%、酸化コバルト0.05〜0.1重量%および酸化ジ
ルコニウム0.02〜0.1重量%を含有する酸化物磁
性材料が開示されている。
【0006】しかしこの酸化物磁性材料は、100kH
zにおける初透磁率が5000未満であって、高透磁率
が得られず、インピーダンスについても何ら考慮されて
いない。
zにおける初透磁率が5000未満であって、高透磁率
が得られず、インピーダンスについても何ら考慮されて
いない。
【0007】従来の高透磁率フェライト材料としては、
酸化鉄50〜55モル%、酸化マンガン25〜30モル
%および酸化亜鉛19〜25モル%の基本組成からな
り、副成分として酸化ケイ素や酸化カルシウムを合計と
して1重量%以下含有しているものがある。このような
高透磁性フェライト材料では、一般にインピーダンスを
向上させるために、酸化ケイ素や酸化カルシウムの含有
量を調整している。
酸化鉄50〜55モル%、酸化マンガン25〜30モル
%および酸化亜鉛19〜25モル%の基本組成からな
り、副成分として酸化ケイ素や酸化カルシウムを合計と
して1重量%以下含有しているものがある。このような
高透磁性フェライト材料では、一般にインピーダンスを
向上させるために、酸化ケイ素や酸化カルシウムの含有
量を調整している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の酸化ケ
イ素や酸化カルシウムを含有する高透磁率フェライト材
料は、インピーダンスとインダクタンスがトレードオフ
の関係にあり、インピーダンスを向上させるとインダク
タンスが低下するという問題点がある。
イ素や酸化カルシウムを含有する高透磁率フェライト材
料は、インピーダンスとインダクタンスがトレードオフ
の関係にあり、インピーダンスを向上させるとインダク
タンスが低下するという問題点がある。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、インダクタンスまたは透磁率を低下させず
にインピーダンスを向上させた、初透磁率が100kH
zにおいて5000以上のマンガン−亜鉛系高透磁率フ
ェライト材料を得ることを目的とするものである。
れたもので、インダクタンスまたは透磁率を低下させず
にインピーダンスを向上させた、初透磁率が100kH
zにおいて5000以上のマンガン−亜鉛系高透磁率フ
ェライト材料を得ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のマンガン−亜
鉛系高透磁率フェライト材料は、酸化鉄(Fe2O3)5
0〜55モル%、酸化マンガン(MnO)25〜30モ
ル%および酸化亜鉛(ZnO)19〜25モル%の基本
組成に、副成分として酸化ケイ素(SiO2)0.00
3〜0.1重量%、酸化カルシウム(CaO)0〜1重
量%および酸化ジルコニウム(ZrO2)0.03〜
0.1重量%を含有する初透磁率(100kHz)が5
000以上であるマンガン−亜鉛系高透磁率フェライト
材料である。
鉛系高透磁率フェライト材料は、酸化鉄(Fe2O3)5
0〜55モル%、酸化マンガン(MnO)25〜30モ
ル%および酸化亜鉛(ZnO)19〜25モル%の基本
組成に、副成分として酸化ケイ素(SiO2)0.00
3〜0.1重量%、酸化カルシウム(CaO)0〜1重
量%および酸化ジルコニウム(ZrO2)0.03〜
0.1重量%を含有する初透磁率(100kHz)が5
000以上であるマンガン−亜鉛系高透磁率フェライト
材料である。
【0011】
【作用】各成分の配合量が上記範囲外では高透磁率フェ
ライト材料としての特性が悪化する。酸化カルシウムの
量は0でもよい。この発明のマンガン−亜鉛系高透磁率
フェライト材料は、電子機器のノイズフィルター用コア
などに使用される。
ライト材料としての特性が悪化する。酸化カルシウムの
量は0でもよい。この発明のマンガン−亜鉛系高透磁率
フェライト材料は、電子機器のノイズフィルター用コア
などに使用される。
【0012】マンガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料
に酸化ジルコニウムを0.03〜0.1重量%含有させ
ることにより、インダクタンスまたは透磁率を低下させ
ることなくインピーダンスが向上する。酸化ジルコニウ
ムの含有量が0.03重量%より少ない量では効果がな
く、0.1重量%より多い量ではインピーダンスは向上
するもののインダクタンスまたは透磁率が低下する。
に酸化ジルコニウムを0.03〜0.1重量%含有させ
ることにより、インダクタンスまたは透磁率を低下させ
ることなくインピーダンスが向上する。酸化ジルコニウ
ムの含有量が0.03重量%より少ない量では効果がな
く、0.1重量%より多い量ではインピーダンスは向上
するもののインダクタンスまたは透磁率が低下する。
【0013】
【実施例】コア用マンガン−亜鉛系フェライト材料を常
法に従って製造した。すなわち、この発明の基本組成の
酸化鉄、酸化マンガンおよび酸化亜鉛からなる、仮焼結
粉砕した主原料混合物中に、微量成分として酸化ケイ素
0.003〜0.005重量%、酸化カルシウム0.0
3〜0.05重量%および酸化ジルコニウム0〜0.1
重量%を添加し、混合した。そして所望のフェライトコ
アを好適に製造するために、ポリビニルアルコールなど
のバインダを0.5〜1.5重量%程度加え成形した。
法に従って製造した。すなわち、この発明の基本組成の
酸化鉄、酸化マンガンおよび酸化亜鉛からなる、仮焼結
粉砕した主原料混合物中に、微量成分として酸化ケイ素
0.003〜0.005重量%、酸化カルシウム0.0
3〜0.05重量%および酸化ジルコニウム0〜0.1
重量%を添加し、混合した。そして所望のフェライトコ
アを好適に製造するために、ポリビニルアルコールなど
のバインダを0.5〜1.5重量%程度加え成形した。
【0014】次いで、この成形品を800〜1200℃
の範囲内の所定温度まで300℃/hr程度の昇温速度
で昇温した。次いで酸素濃度を制御した雰囲気下におい
て、所望(1300〜1400℃)の焼結温度まで50
〜150℃/hrの昇温速度で加熱し、焼結を完了させ
るため1〜5時間保持した。
の範囲内の所定温度まで300℃/hr程度の昇温速度
で昇温した。次いで酸素濃度を制御した雰囲気下におい
て、所望(1300〜1400℃)の焼結温度まで50
〜150℃/hrの昇温速度で加熱し、焼結を完了させ
るため1〜5時間保持した。
【0015】焼結が完了した後、冷却工程は温度に応じ
て酸素濃度を制御した雰囲気中で冷却した。冷却速度は
100〜300℃/hrである。このようにして得られ
たフェライトコアの透磁率とインピーダンスを測定し
た。結果を表1に示す。
て酸素濃度を制御した雰囲気中で冷却した。冷却速度は
100〜300℃/hrである。このようにして得られ
たフェライトコアの透磁率とインピーダンスを測定し
た。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から、酸化ジルコニウムの添加量が
0.05重量%または0.1重量%の場合に、初透磁率
(100kHz)が5000以上で、しかもインピーダ
ンスが向上していることがわかる。しかし、酸化ジルコ
ニウムの添加量が0.1重量%の場合には透磁率が10
%程度低下しているので、これより多い添加は透磁率の
低下を招き良くない。
0.05重量%または0.1重量%の場合に、初透磁率
(100kHz)が5000以上で、しかもインピーダ
ンスが向上していることがわかる。しかし、酸化ジルコ
ニウムの添加量が0.1重量%の場合には透磁率が10
%程度低下しているので、これより多い添加は透磁率の
低下を招き良くない。
【0018】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、マン
ガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料に酸化ジルコニウ
ムを特定量含有させているため、インダクタンスまたは
透磁率を低下させずにインピーダンスを向上させた、初
透磁率が100kHzにおいて5000以上のマンガン
−亜鉛系高透磁率フェライト材料を得ることができる。
ガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料に酸化ジルコニウ
ムを特定量含有させているため、インダクタンスまたは
透磁率を低下させずにインピーダンスを向上させた、初
透磁率が100kHzにおいて5000以上のマンガン
−亜鉛系高透磁率フェライト材料を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−299208(JP,A) 特開 昭62−97115(JP,A) 特開 昭63−151620(JP,A) 特開 平5−74622(JP,A) 特開 平5−41315(JP,A) 特開 平4−209754(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化鉄(Fe2O3)50〜55モル%、
酸化マンガン(MnO)25〜30モル%および酸化亜
鉛(ZnO)19〜25モル%の基本組成に、副成分と
して酸化ケイ素(SiO2)0.003〜0.1重量
%、酸化カルシウム(CaO)0〜1重量%および酸化
ジルコニウム(ZrO2)0.03〜0.1重量%を含
有することを特徴とする初透磁率(100kHz)が5
000以上であるマンガン−亜鉛系高透磁率フェライト
材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4040997A JP2711041B2 (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | マンガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4040997A JP2711041B2 (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | マンガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05243030A JPH05243030A (ja) | 1993-09-21 |
JP2711041B2 true JP2711041B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=12596070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4040997A Expired - Fee Related JP2711041B2 (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | マンガン−亜鉛系高透磁率フェライト材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711041B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-27 JP JP4040997A patent/JP2711041B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05243030A (ja) | 1993-09-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |