JP3023799B2 - 低損失酸化物磁性材料の製造方法 - Google Patents
低損失酸化物磁性材料の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,電源トランス等に用いられる,低損失酸化
物磁性材料の製造方法に関する。
物磁性材料の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来のスイッチング電源用変圧器においては,スイッ
チング周波数として専ら25〜200kHz程度のものが使用さ
れており、これに対応すべき低損失酸化物磁性材料とし
て,主成分として30〜40モル%の一酸化マンガン(Mn
O),5〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)及び残部として,酸
化第2鉄(Fe2O3)を含み,副成分として0.04〜0.15重
量%の酸化カルシウム(CaO)と0.010〜0.100重量%の
二酸化ケイ素(SiO2)とを含むものがすでに開発されて
いる。
チング周波数として専ら25〜200kHz程度のものが使用さ
れており、これに対応すべき低損失酸化物磁性材料とし
て,主成分として30〜40モル%の一酸化マンガン(Mn
O),5〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)及び残部として,酸
化第2鉄(Fe2O3)を含み,副成分として0.04〜0.15重
量%の酸化カルシウム(CaO)と0.010〜0.100重量%の
二酸化ケイ素(SiO2)とを含むものがすでに開発されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] 近年スイッチング電源を小型・軽量化する為に,スイ
ッチング周波数が200kHzの高周波で使用するのが一般的
となりつつある。ところが従来の成分を有する低損失酸
化物磁性材料をスイッチング周波数が200kHz以上のスイ
ッチング電源用の変圧器の磁芯材料として使用すると鉄
損が大きく発熱するという欠点があった。
ッチング周波数が200kHzの高周波で使用するのが一般的
となりつつある。ところが従来の成分を有する低損失酸
化物磁性材料をスイッチング周波数が200kHz以上のスイ
ッチング電源用の変圧器の磁芯材料として使用すると鉄
損が大きく発熱するという欠点があった。
そこで,本発明の技術的課題は,周波数が200kHz以上
の高い周波数で使用しても鉄損を小さくできる低損失酸
化物磁性材料の製造方法を提供する事にある。
の高い周波数で使用しても鉄損を小さくできる低損失酸
化物磁性材料の製造方法を提供する事にある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,主成分組成が30〜42mol%の一酸化
マンガン(MnO),4〜19mol%の一酸化亜鉛(ZnO),及
び残部の酸化第2鉄(Fe2O3)よりなり,副成分として
0.02〜0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)と0.005〜0.
1重量%の二酸化ケイ素(SiO2)を含みさらに酸化ハフ
ニウム(HfO2)を含む低損失酸化物磁性材料の製造方法
において,前記酸化ハフニウム(HfO2)をケイ酸ハフニ
ウム(HfSiO4)のケイ酸化合物として添加することを特
徴とする低損失酸化物磁性材料の製造方法が得られる。
マンガン(MnO),4〜19mol%の一酸化亜鉛(ZnO),及
び残部の酸化第2鉄(Fe2O3)よりなり,副成分として
0.02〜0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)と0.005〜0.
1重量%の二酸化ケイ素(SiO2)を含みさらに酸化ハフ
ニウム(HfO2)を含む低損失酸化物磁性材料の製造方法
において,前記酸化ハフニウム(HfO2)をケイ酸ハフニ
ウム(HfSiO4)のケイ酸化合物として添加することを特
徴とする低損失酸化物磁性材料の製造方法が得られる。
一般に,本発明の様なMn−Znフェライトは,副成分で
ある二酸化ケイ素(SiO2)と酸化カルシウム(CaO)を
添加する事により,高抵抗な粒界相を形成し,電気抵抗
を向上させうず電流損失を低下させている。また,添加
物として他の酸化物を添加することにより一層の高電気
抵抗を得る事が可能である。
ある二酸化ケイ素(SiO2)と酸化カルシウム(CaO)を
添加する事により,高抵抗な粒界相を形成し,電気抵抗
を向上させうず電流損失を低下させている。また,添加
物として他の酸化物を添加することにより一層の高電気
抵抗を得る事が可能である。
これら副成分(SiO2とCaO)及び添加物は焼結中に液
相を形成し,粒界へ濃縮することにより高抵抗な粒界相
を形成する。
相を形成し,粒界へ濃縮することにより高抵抗な粒界相
を形成する。
しかし,副成分(SiO2とCaO)や添加物は,各成分を
単独で添加するのが一般的であり,さらに副成分,添加
物の添加量は数百ppm〜数千ppmと非常に微量であり,粒
界相成分の不均一性さらに粒界への各成分の濃縮が不十
分となり(結晶粒内への副成分・添加成分の残留)電気
抵抗を劣下させうず電流損失を増大させてしまう。
単独で添加するのが一般的であり,さらに副成分,添加
物の添加量は数百ppm〜数千ppmと非常に微量であり,粒
界相成分の不均一性さらに粒界への各成分の濃縮が不十
分となり(結晶粒内への副成分・添加成分の残留)電気
抵抗を劣下させうず電流損失を増大させてしまう。
また原子の拡散が不十分となる為にヒステリシス損失
も増大させ,電力損失を劣下している。
も増大させ,電力損失を劣下している。
そこで,その欠点を解決する為に副成分である二酸化
ケイ素(SiO2)と添加物酸化ハフニウム(HfO2),酸化
ジルコニウム(ZnO2)をケイ酸化ハフニウム(HfSi
O4),ケイ酸化ジルコニウム(ZrSiO4)のケイ酸化物の
状態で添加し,副成分である酸化カルシウム(CaO)も
水溶性である水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を用いる
事により,著しく電力損失を低減できる低損失酸化物磁
性材料を得られる事を発見した。
ケイ素(SiO2)と添加物酸化ハフニウム(HfO2),酸化
ジルコニウム(ZnO2)をケイ酸化ハフニウム(HfSi
O4),ケイ酸化ジルコニウム(ZrSiO4)のケイ酸化物の
状態で添加し,副成分である酸化カルシウム(CaO)も
水溶性である水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を用いる
事により,著しく電力損失を低減できる低損失酸化物磁
性材料を得られる事を発見した。
各成分の均一な分散が可能となった事により粒界相へ
の濃縮が改善され,各成分の単独添加の場合と比較し,
電気抵抗が著しく向上している。また以上の事から焼結
性が向上し緻密化が促進された事により,電力損失の改
善が図れたものと推察される。
の濃縮が改善され,各成分の単独添加の場合と比較し,
電気抵抗が著しく向上している。また以上の事から焼結
性が向上し緻密化が促進された事により,電力損失の改
善が図れたものと推察される。
[実施例] 以下本発明の実施例について,図面を参照して説明す
る。
る。
主成分として,53.0モル%の酸化第二鉄(Fe2O3),39
モル%の一酸化マンガン(MnO)及び8.0モルの酸化亜鉛
(ZnO)を含有した粉末を混合,予焼し,この粉末に,
ケイ酸ハフニウム(HfSiO4),ケイ酸ジルコニウム(Zr
SiO4)を0.01〜0.130重量,水酸化カルシウム(Ca(O
H)2)を0.100重量%添加した後さらに混合し,造粒
し,成形プレスした後温度1100〜1300℃,酸素分圧0.5
〜5.0%において焼結し,酸化物磁性材料を得た。
モル%の一酸化マンガン(MnO)及び8.0モルの酸化亜鉛
(ZnO)を含有した粉末を混合,予焼し,この粉末に,
ケイ酸ハフニウム(HfSiO4),ケイ酸ジルコニウム(Zr
SiO4)を0.01〜0.130重量,水酸化カルシウム(Ca(O
H)2)を0.100重量%添加した後さらに混合し,造粒
し,成形プレスした後温度1100〜1300℃,酸素分圧0.5
〜5.0%において焼結し,酸化物磁性材料を得た。
第1図は周波数1MHz磁気密度(Bm)が500Gの場合の電
力損失を示している。
力損失を示している。
また第1図における曲線1はケイ酸ハフニウム(HfSi
O4)を0.13重量%添加した場合,曲線2はケイ酸ジルコ
ニウム(ZrSiO4)を0.13重量%添加した場合,曲線3
は,曲線1と同量となる様に酸化ハフニウム(HfO2)と
二酸化ケイ素を単独で添加した場合,曲線4は曲線2と
同量となる様に酸化ジルコニウム(ZrO2)と二酸化ケイ
素(SiO2)を単独で添加した場合を示している。いずれ
の曲線も酸化カルシウム(CaO)は水酸化カルシウム(C
a(OH)2)の状態で0.15重量%添加している。
O4)を0.13重量%添加した場合,曲線2はケイ酸ジルコ
ニウム(ZrSiO4)を0.13重量%添加した場合,曲線3
は,曲線1と同量となる様に酸化ハフニウム(HfO2)と
二酸化ケイ素を単独で添加した場合,曲線4は曲線2と
同量となる様に酸化ジルコニウム(ZrO2)と二酸化ケイ
素(SiO2)を単独で添加した場合を示している。いずれ
の曲線も酸化カルシウム(CaO)は水酸化カルシウム(C
a(OH)2)の状態で0.15重量%添加している。
第1図より周波数1MHzの場合においては,電力損失は
副成分,添加物の添加状態に無関係に温度が約80℃の時
最小値を有する。そして副成分,添加物をケイ酸ハフニ
ウム(HfSiO4),ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)のケイ
酸化物の状態で添加した方が,単独で添加した時よりも
電力損失が小さくなる事がわかる。
副成分,添加物の添加状態に無関係に温度が約80℃の時
最小値を有する。そして副成分,添加物をケイ酸ハフニ
ウム(HfSiO4),ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)のケイ
酸化物の状態で添加した方が,単独で添加した時よりも
電力損失が小さくなる事がわかる。
第1表に本実施例により得られた酸化物磁性材料と従
来の単独に酸化物を添加する方法により得られた酸化物
磁性材料の諸特性(初透磁率μi,飽和磁束密度B
15[G],残留磁束密度Br[G],保持力Hc[θe])
を示す。
来の単独に酸化物を添加する方法により得られた酸化物
磁性材料の諸特性(初透磁率μi,飽和磁束密度B
15[G],残留磁束密度Br[G],保持力Hc[θe])
を示す。
第1表より明らかな如く本発明実施例のものは,スイ
ッチング電源用磁芯材料として求められる諸特性を十分
に満たしており、ケイ酸化合物による,副成分・添加物
の添加は,高周波において電力損失を著しく改善する事
がわかる。
ッチング電源用磁芯材料として求められる諸特性を十分
に満たしており、ケイ酸化合物による,副成分・添加物
の添加は,高周波において電力損失を著しく改善する事
がわかる。
[発明の効果] 以上の説明で明らかな様に低損失酸化物磁性材料の製
造方法において副成分・添加物をケイ酸化合物の状態で
添加する事により,スイッチング電源用材料として求め
られる諸特性を十分満足するとともに高周波において従
来のものより電力損失を低減できる低損失酸化物磁性材
料を提供でき,高周波磁芯用材料としてスイッチング電
源の小型・軽量化に十分適した材料を提供可能とするも
のである。
造方法において副成分・添加物をケイ酸化合物の状態で
添加する事により,スイッチング電源用材料として求め
られる諸特性を十分満足するとともに高周波において従
来のものより電力損失を低減できる低損失酸化物磁性材
料を提供でき,高周波磁芯用材料としてスイッチング電
源の小型・軽量化に十分適した材料を提供可能とするも
のである。
第1図は本発明の実施例に係る低損失酸化物磁性材料の
温度と電力損失との関係を示す図で,比較例として,本
発明によるケイ酸化合物での添加と従来通りの酸化物を
各成分単独で添加する材料を併せて示した。
温度と電力損失との関係を示す図で,比較例として,本
発明によるケイ酸化合物での添加と従来通りの酸化物を
各成分単独で添加する材料を併せて示した。
Claims (1)
- 【請求項1】主成分組成が30〜42mol%の一酸化マンガ
ン(MnO),4〜19mol%の一酸化亜鉛(ZnO),及び残部
の酸化第2鉄(Fe2O3)よりなり,副成分として0.02〜
0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)と0.005〜0.1重量
%の二酸化ケイ素(SiO2)を含みさらに酸化ハフニウム
(HfO2)を含む低損失酸化物磁性材料の製造方法におい
て,前記酸化ハフニウム(HfO2)をケイ酸ハフニウム
(HfSiO4)のケイ酸化合物として添加することを特徴と
する低損失酸化物磁性材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2272127A JP3023799B2 (ja) | 1990-10-12 | 1990-10-12 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2272127A JP3023799B2 (ja) | 1990-10-12 | 1990-10-12 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04148509A JPH04148509A (ja) | 1992-05-21 |
JP3023799B2 true JP3023799B2 (ja) | 2000-03-21 |
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ID=17509468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2272127A Expired - Fee Related JP3023799B2 (ja) | 1990-10-12 | 1990-10-12 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3023799B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP4735944B2 (ja) * | 2004-03-31 | 2011-07-27 | 日立金属株式会社 | 積層型インダクタ |
-
1990
- 1990-10-12 JP JP2272127A patent/JP3023799B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04148509A (ja) | 1992-05-21 |
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