JP2710721B2 - 子機間通話が可能なコードレス電話機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電話回線に接続された
親機と、親機接続用無線装置部による無線回線によって
それぞれが前記親機と無線接続される複数台の子機とか
らなるコードレス電話機に係り、より詳細には、親機を
介することなく子機相互間での通話を可能としたコード
レス電話機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、生活様式の多様化に伴い、電話機
も多機能化が進み、特にコードレス電話機は急速に普及
しつつある。このようなコードレス電話機においては、
複数台の子機を備えているものがあり、子機間で通話が
行えるようになっている。

【０００３】この場合の子機同士の通話は、常に親機を
介して行われる構成となっている。すなわち、子機の無
線装置部は常に親機にのみ通じ、親機内の無線装置部を
使用することにより、子機側で電話回線を捕捉したり、
子機同士の通話が可能となっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のコ
ードレス電話機では、親機に内蔵されている無線装置部
が、子機の台数分だけ設けられていない場合には、親機
と１台の子機とが無線接続中は、他の子機同士で独立し
た通信を行うことができず、また子機の使用可能範囲は
仲立ちとなる親機によって常に制限されるといった問題
があった。また、親機はその主電源を家庭用電源に依存
するため、停電等したときには親機が使用不能となり、
その結果子機も使用不能になるといった問題もあった。

【０００５】本発明は係る実情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、親機が停電又は子機による電話回線の
捕捉等により使用不能の状態にあっても、親機を介する
ことなく子機同士の通話を可能としたコードレス電話機
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係わる子機間通話が可能なコードレス電話
機は、電話回線に接続された親機と、親機接続用無線装
置部による無線回線によってそれぞれが前記親機と無線
接続される複数台の子機とからなるものにおいて、前記
各子機は、各子機に付与されているコードを指定するこ
とにより、前記親機を介することなく、任意の子機との
間で無線回線を接続する子機接続用無線装置部と、子機
内部の通話回路と前記親機接続用無線装置部又は前記子
機接続用無線装置部との接続を切り換える切換部と、前
記親機と接続するときは、前記切換部を切り換え制御し
て前記親機接続用無線装置部と前記通話回路とを接続さ
せ、任意の子機と接続するときは、前記切換部を切り換
え制御して前記子機接続用無線装置部と前記通話回路と
を接続させる制御部とを備えた構成とする。

【０００７】

【作用】任意の子機において子機間通話が選択される
と、その子機の制御部は、当該子機の未使用を確認した
後、切換部を切り換え制御して、子機接続用無線装置部
と内部の通話回路とを接続させる。この後、呼び出す子
機を指定して内線呼出動作を行う。一方、呼び出される
側の子機では、呼び出しを受けると、制御部は親機との
未接続を確認した後、切換部を切り換え制御して、子機
接続用無線装置部と内部の通話回路とを接続させる。こ
れにより、親機を介することなく子機間での通話路が形
成されることになる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【０００９】図１は、本発明に係わる子機間通話が可能
なコードレス電話機の子機の電気的構成を示すブロック
図である。

【００１０】同図において、図示しない親機及び他の子
機との間で無線接続を行うアンテナ１には、親機接続用
無線装置部の送信部（以下、親機用送信部という）２１
の出力及び子機接続用無線装置部の送信部（以下、子機
用送信部という）３１の出力と、親機接続用無線装置部
の受信部（以下、親機用受信部という）２２の入力及び
子機接続用無線装置部の受信部（以下、子機用受信部と
いう）３２の入力とがそれぞれ接続されている。

【００１１】また、親機用送信部２１の入力は、送話切
換スイッチ７１の一方の固定端子ｂに接続され、子機用
送信部３１の入力は、送話切換スイッチ７１の他方の固
定端子ｃに接続されている。また、送話切換スイッチ７
１の可動端子ａには、通話回路８の送話部８１の出力が
導かれており、送話部８１には、図示しないハンドセッ
トに内蔵されたマイク９の出力が導かれている。

【００１２】また、親機用受信部２２の出力は、受話切
換スイッチ７２の一方の固定端子ｂと受信データの復調
を行う受信データ復調部４とに接続され、子機用受信部
３２の出力は、受話切換スイッチ７２の他方の固定端子
ｃと受信データ復調部４とに接続されている。また、受
話切換スイッチ７２の可動端子ａは、通話回路８の受話
部８２に導かれており、受話部８２の出力は、図示しな
いハンドセットに内蔵されたスピーカ１０に導かれてい
る。

【００１３】一方、親機用受信部２２の受信信号の有無
を検出する親機用キャリアセンス部２３の出力、及び子
機用受信部３２の受信信号の有無を検出する子機用キャ
リアセンス部３３の出力は、子機全体の動作制御を行う
制御部５に導かれている。また、制御部５には、受信デ
ータ復調部４の出力と、ダイヤル操作やモード選択等を
行うキー操作部６の出力が導かれている。そして、制御
部５から出力される送信データは送話部８１に導かれて
いるとともに、切換制御信号が送話切換スイッチ７１及
び受話切換スイッチ７２の各切換制御入力に導かれた構
成となっている。

【００１４】上記構成において、制御部５はマイクロコ
ンピュータ上で動作するソフトウエアを含む構成となっ
ている。

【００１５】本発明のコードレス電話機は、このような
構成の子機を複数台備えたものである。

【００１６】次に、上記構成の子機を含む本発明のコー
ドレス電話機において、子機間通話の動作を、図２に示
す送信側子機の動作フローチャート及び図３に示す受信
側子機の動作フローチャートを参照して説明する。

【００１７】任意の子機において、キー操作部６より子
機間通話及び相手側子機を指定するモードが選択される
と、制御部５には、子機間通話を示す例えば「Ｈ」レベ
ルの信号及び相手側子機を指定する信号が与えられる
（ステップＳ１，Ｓ２）。制御部５では、これらの信号
を受け取ることにより、親機用送信部２１及び親機用受
信部２２の使用、未使用と、子機用送信部３１及び子機
用受信部３２の使用、未使用とを判断する（ステップＳ
３）。

【００１８】この判断は、親機用キャリアセンス部２３
及び子機用キャリアセンス部３３の各出力が使用中の
「Ｈ」レベルであるか、未使用中の「Ｌ」レベルである
かによって判断する。そして、いずれかの出力が「Ｈ」
レベルであるとき、制御部５は子機間通話が不可能であ
ると判断して（ステップＳ８）、初期状態に復帰する。

【００１９】一方、ステップＳ３での判断において、い
ずれの出力も「Ｌ」レベルであるとき、制御部５は、ま
ず送話切換スイッチ７１及び受話切換スイッチ７２に例
えば「Ｈ」レベルの切換制御信号をそれぞれ出力し、各
切換スイッチ７１，７２の切り換え制御を行って、送話
切換スイッチ７１の端子ａ−ｃと受話切換スイッチ７２
の端子ａ−ｃとを接続させ、通話路を子機間通話とする
（ステップＳ４）。この後、制御部５は、子機間通話で
あることを示すＩＤコード（このＩＤコードは、本コー
ドレス電話機に対して固有のコードとなっている）及び
相手側子機を指定する指定コード（いずれも「Ｈ」
「Ｌ」の２値信号列となっている）を送話部８１に送出
する。

【００２０】これにより、ＩＤコード及び指定コードの
送信データは、送話部８１、送話切換スイッチ７１の端
子ａ−ｃ、子機用送信部３１に送出され、アンテナ１よ
り送信される（ステップＳ５）。

【００２１】一方、呼び出される側の子機の制御部５
は、親機用キャリアセンス部２３の出力及び子機用キャ
リアセンス部３３の出力を常時監視することにより、当
該子機の受信状態を判別している。このとき、両キャリ
アセンス部２３，３３の出力が共に「Ｌ」レベルである
待ち受け状態において、上記子機からの送信電波を子機
用受信部３２で受信すると、子機用キャリアセンス部３
３の出力が「Ｈ」レベルとなることから、制御部５はこ
の「Ｈ」レベルの信号を受け取ることにより、受信電波
が子機間通話であることを認識する（ステップＳ１
１）。このとき、制御部５は、親機用キャリアセンス部
２３の出力が「Ｌ」レベルであることを確認するととも
に、子機用受信部３２によって受信され、受信データ復
調部４において復調されたＩＤコード及び指定コードを
取り込む（ステップＳ１２，Ｓ１３）。

【００２２】制御部５は、この取り込んだＩＤコードと
自らに設定されているＩＤコードとを照合し、一致する
場合には、その受信電波が本コードレス電話機の他の子
機からのものであると判断する。次に制御部５は、取り
込んだ指定コードが自らに割当られた子機指定コードで
あるかを照合し、一致する場合には、子機間通話に移行
する（ステップＳ１４，Ｓ１５）。

【００２３】すなわち、制御部５は、送話切換スイッチ
７１及び受話切換スイッチ７２に例えば「Ｈ」レベルの
切換制御信号をそれぞれ出力し、各切換スイッチ７１，
７２の切り換え制御を行って、送話切換スイッチ７１の
端子ａ−ｃと受話切換スイッチ７２の端子ａ−ｃとを接
続させ、通話路を子機間通話とする。ただし、親機用キ
ャリアセンス部２３の出力が「Ｈ」レベルであった場
合、すなわち親機と通話中若しくは呼び出されていると
きは、制御部５は各切換スイッチ７１，７２に「Ｌ」レ
ベルの切換制御信号をそれぞれ出力し、親機との接続の
妨げとならないように制御を行う。

【００２４】この後、制御部５は、通話可能確認信号
（この信号は、「Ｈ」「Ｌ」の２値信号列となってい
る）を送話部８１に送出するとともに、各切換スイッチ
７１，７２の接続を固定する。これにより、通話可能確
認信号の送信データは、送話部８１、送話切換スイッチ
７１の端子ａ−ｃ、子機用送信部３１に送出され、アン
テナ１より送信される（ステップＳ１６）。

【００２５】一方、呼び出し側の子機では、この通話可
能確認信号を子機用受信部３２によって受信し、受信デ
ータ復調部４において復調した後、制御部５に取り込
む。制御部５は、この通話可能確認信号によって通話可
能状態となったことを確認し（ステップＳ６）、各切換
スイッチ７１，７２の接続を固定する。これにより、子
機間での通話が開始されることになる（ステップＳ７，
Ｓ１７）。

【００２６】なお、子機接続用無線装置部に用いられる
送受信電波の周波数帯は、コードレス電話機に用いられ
ている周波数帯に限らず、他の無線機器に用いられる周
波数帯としてもよい。

【００２７】

【発明の効果】本発明に係わる子機間通話が可能なコー
ドレス電話機は、子機内に、従来より備えている親機接
続用無線装置部とは別に、各子機に付与されているコー
ドを指定することにより、親機を介することなく任意の
子機との間で無線回線を接続する子機接続用無線装置部
を設けたことにより、以下に示すような種々の効果を奏
するものである。 （１）通話可能距離が、親機に制限されることなく子機
同士の距離に依存するため、使用形態の多様化が図れ
る。 （２）子機は主電源として家庭用電源を用いないので、
停電等により親機の有する無線装置が使用不可能となっ
ても、子機同士で通話を行うことができる。 （３）３台以上の子機を有する場合に、その１台の子機
が親機と通話中若しくは回線捕捉状態であって、親機の
無線装置が使用されていても、残りの子機同士で通話を
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる子機間通話が可能なコードレス
電話機の子機の電気的構成を示すブロック図である。

【図２】送信側子機の動作を説明するためのフローチャ
ートである。

【図３】受信側子機の動作を説明するためのフローチャ
ートである。

【符号の説明】

５ 制御部 ３１ 子機用送信部（子機接続用無線装置部の送信部） ３２ 子機用受信部（子機接続用無線装置部の受信部） ７１ 送話切換スイッチ ７２ 受話切換スイッチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電話回線に接続された親機と、親機接続
   用無線装置部による無線回線によってそれぞれが前記親
   機と無線接続される複数台の子機とからなるコードレス
   電話機において、 前記各子機は、各子機に付与されているコードを指定することにより、
   前記親機を介することなく、 任意の子機との間で無線回
   線を接続する子機接続用無線装置部と、 子機内部の通話回路と前記親機接続用無線装置部又は前
   記子機接続用無線装置部との接続を切り換える切換部
   と、 前記親機と接続するときは、前記切換部を切り換え制御
   して前記親機接続用無線装置部と前記通話回路とを接続
   させ、任意の子機と接続するときは、前記切換部を切り
   換え制御して前記子機接続用無線装置部と前記通話回路
   とを接続させる制御部とを備えたことを特徴とする子機
   間通話が可能なコードレス電話機。