JP2709119B2 - 無潤滑転がり軸受 - Google Patents
無潤滑転がり軸受Info
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- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
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- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
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- F16C33/3843—Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages
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- F16C2206/02—Carbon based material
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2208/00—Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
- F16C2208/20—Thermoplastic resins
- F16C2208/30—Fluoropolymers
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、食品工業、半導体工業等、作業室内の高
い清浄度が要求される分野において使用される無潤滑転
がり軸受に関する。
い清浄度が要求される分野において使用される無潤滑転
がり軸受に関する。
<従来の技術> 最近、無潤滑転がり軸受として、ステンレス系金属で
形成した軌道輪と、カーボン製の転動体と、フッ素系樹
脂で形成した保持器とを備えたものが提案された(実開
昭63−022425号公報)。この転がり軸受は、回転初期に
は転動体のカーボンにより潤滑作用を行わしめる一方、
回転が進行した後は保持器のフッ素系樹脂を転動体およ
び軌道輪へ順に転移させ、この転移したフッ素系樹脂に
より潤滑作用を行わしめるようにしている。
形成した軌道輪と、カーボン製の転動体と、フッ素系樹
脂で形成した保持器とを備えたものが提案された(実開
昭63−022425号公報)。この転がり軸受は、回転初期に
は転動体のカーボンにより潤滑作用を行わしめる一方、
回転が進行した後は保持器のフッ素系樹脂を転動体およ
び軌道輪へ順に転移させ、この転移したフッ素系樹脂に
より潤滑作用を行わしめるようにしている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上記転がり軸受は、保持器をフッ素系
樹脂で形成しているので、潤滑作用は良好なものの、保
持器の強度が低いという問題があった。そこで、この発
明の目的は、潤滑性能がよく、かつ保持器の強度を十分
に高めることができる転がり軸受を提供することにあ
る。
樹脂で形成しているので、潤滑作用は良好なものの、保
持器の強度が低いという問題があった。そこで、この発
明の目的は、潤滑性能がよく、かつ保持器の強度を十分
に高めることができる転がり軸受を提供することにあ
る。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するため、この発明の転がり軸受は、
耐食材製の軌道輪と、上記軌道輪間に配置される耐食材
製の転動体と、上記転動体を保持する自己潤滑材料製の
保持器とを有する転がり軸受において、上記保持器が直
径が2μm以下の短繊維を含むエチレンテトラフルオロ
チレン(ETFE)樹脂からなり、成形加工のみで作製され
ており、上記転動体への転移により潤滑作用が行われる
ことを特徴としている。
耐食材製の軌道輪と、上記軌道輪間に配置される耐食材
製の転動体と、上記転動体を保持する自己潤滑材料製の
保持器とを有する転がり軸受において、上記保持器が直
径が2μm以下の短繊維を含むエチレンテトラフルオロ
チレン(ETFE)樹脂からなり、成形加工のみで作製され
ており、上記転動体への転移により潤滑作用が行われる
ことを特徴としている。
<作用> 例えば転動体として耐食性、自己潤滑性を有するカー
ボンを使用した場合、作動初期には、転動体を形成する
カーボンにより、転動体と軌道輪間の潤滑作用が行なわ
れる。そして、回転が進むに従って、保持器のETFE樹脂
は転動体との接触によって削られ、このETFE樹脂が転動
体の表面に転移して、転移膜が形成される。この転動体
に転移したETFE樹脂はさらに軌道輪のレースに転移し、
このレースに転移したETFE樹脂により軌道輪と転動体の
潤滑作用が行なわれる。
ボンを使用した場合、作動初期には、転動体を形成する
カーボンにより、転動体と軌道輪間の潤滑作用が行なわ
れる。そして、回転が進むに従って、保持器のETFE樹脂
は転動体との接触によって削られ、このETFE樹脂が転動
体の表面に転移して、転移膜が形成される。この転動体
に転移したETFE樹脂はさらに軌道輪のレースに転移し、
このレースに転移したETFE樹脂により軌道輪と転動体の
潤滑作用が行なわれる。
上記保持器は、直径が2μm以下の短繊維を適宜な量
だけ含むため、この短繊維により強化され、その耐久性
が高められる。そして、この強化の程度等は、短繊維の
ETFE樹脂に対する割合を変えることにより調節される。
保持器をETFE系樹脂と共に構成する短繊維は、長繊維に
比べて安価に作ることができ、また、その混入も簡単に
できるので、この保持器は、長繊維を含むものより安価
に製作される。製作に際し、保持器は成形加工のみで作
製され、切削加工によらないため、短繊維は保持器の外
面に沿い、外面から毛羽立ったりしない。このため、保
持器に保持されるカーボン製の転動体が早期に摩耗した
り、保持器が転動体を傷付けたりするのが防止される。
また、短繊維はその直径を2μm以下にした場合、カー
ボン製の転動体がこれにより実質的に傷付くことがない
ことがわかった。
だけ含むため、この短繊維により強化され、その耐久性
が高められる。そして、この強化の程度等は、短繊維の
ETFE樹脂に対する割合を変えることにより調節される。
保持器をETFE系樹脂と共に構成する短繊維は、長繊維に
比べて安価に作ることができ、また、その混入も簡単に
できるので、この保持器は、長繊維を含むものより安価
に製作される。製作に際し、保持器は成形加工のみで作
製され、切削加工によらないため、短繊維は保持器の外
面に沿い、外面から毛羽立ったりしない。このため、保
持器に保持されるカーボン製の転動体が早期に摩耗した
り、保持器が転動体を傷付けたりするのが防止される。
また、短繊維はその直径を2μm以下にした場合、カー
ボン製の転動体がこれにより実質的に傷付くことがない
ことがわかった。
<実施例> 以下、この発明を図示の実施例により詳細に説明す
る。
る。
第1図は本発明の転がり軸受の一実施例の玉軸受10の
軸に沿った半断面図であり、11,12は夫々軌道輪として
の内輪,外輪、13は上記内輪11の軌道面11aと外輪12の
軌道面12a間に転動可能に挿入された複数の玉、14は上
記複数の玉を周方向に一定間隔をあけて保持する環状の
保持器である。
軸に沿った半断面図であり、11,12は夫々軌道輪として
の内輪,外輪、13は上記内輪11の軌道面11aと外輪12の
軌道面12a間に転動可能に挿入された複数の玉、14は上
記複数の玉を周方向に一定間隔をあけて保持する環状の
保持器である。
上記内輪11および外輪12は自己潤滑性を持たないステ
ンレス系金属でできており、ここでは内,外輪はSUS440
Cで作られている。一方、上記玉13は自己潤滑性を有す
るカーボン、ここでは硬質カーボンにより形成されてい
る。また、上記保持器14は、直径が2μm以下の短繊維
(微細であるため第1図では表れていない)を含み、こ
こでは直径が0.2〜0.5μmのチタン酸カリウムウィスカ
ーの短繊維を20wt%含む自己潤滑性を有するエチレンテ
トラフルオロエチレン(ETFE)でできている。この保持
器14は射出成形等により作られている。そして、切削加
工は施されていない。このため、フッ素系樹脂ETFEが含
む上記チタン酸カリウムの短繊維は、保持器14の複数の
ポケット14aの面14bを含む外面に沿い、外面から毛羽立
ったりはしない。このように短繊維が毛羽立たないた
め、この保持器14は、保持する玉13を早期に摩耗させた
り、玉13を傷付けたりしない。上記短繊維の混入により
フッ素系樹脂ETFEは強化され、フッ素系樹脂ETFEのみで
できた保持器に比べてその保持器としての耐久性が高め
られている。ETFE樹脂に混入される短繊維は、長繊維に
比べて容易に混入され、また、短繊維は長繊維にくらべ
て安価につくることができるため、上記保持器14は長繊
維を含むものに比べて安価に製作される。内・外輪11,1
2はステンレス系金属で作られるため、油分がなくても
さびたりしない。
ンレス系金属でできており、ここでは内,外輪はSUS440
Cで作られている。一方、上記玉13は自己潤滑性を有す
るカーボン、ここでは硬質カーボンにより形成されてい
る。また、上記保持器14は、直径が2μm以下の短繊維
(微細であるため第1図では表れていない)を含み、こ
こでは直径が0.2〜0.5μmのチタン酸カリウムウィスカ
ーの短繊維を20wt%含む自己潤滑性を有するエチレンテ
トラフルオロエチレン(ETFE)でできている。この保持
器14は射出成形等により作られている。そして、切削加
工は施されていない。このため、フッ素系樹脂ETFEが含
む上記チタン酸カリウムの短繊維は、保持器14の複数の
ポケット14aの面14bを含む外面に沿い、外面から毛羽立
ったりはしない。このように短繊維が毛羽立たないた
め、この保持器14は、保持する玉13を早期に摩耗させた
り、玉13を傷付けたりしない。上記短繊維の混入により
フッ素系樹脂ETFEは強化され、フッ素系樹脂ETFEのみで
できた保持器に比べてその保持器としての耐久性が高め
られている。ETFE樹脂に混入される短繊維は、長繊維に
比べて容易に混入され、また、短繊維は長繊維にくらべ
て安価につくることができるため、上記保持器14は長繊
維を含むものに比べて安価に製作される。内・外輪11,1
2はステンレス系金属で作られるため、油分がなくても
さびたりしない。
上記構成の玉軸受10において、作動初期には、玉13を
形成するカーボンにより、玉13と内,外輪11,12間の潤
滑作用が行なわれる。回転が進むにしたがって、保持器
14のフッ素系樹脂ETFEは玉13との接触によって削られて
玉13の表面に転移し、玉13の表面に転移膜を形成する。
そして、転動と共にこの玉13に転移したフッ素系樹脂ET
FEはさらに内,外輪11,12の軌道面11a,12aの玉13との接
触部に転移してこの接触部近傍に転移膜を形成する。こ
の玉の表面に形成された転移膜および軌道面11a,12aに
形成された上記転移膜により、内,外輪11,12と玉13と
の潤滑作用が行なわれる。そして、各玉13は軌道面11a,
12a間においてスムーズに自転しながら保持器14と共に
公転する。なお、上記短繊維のETFE樹脂への混入量は、
保持器14の強度および保持器14の潤滑性能を考慮に入れ
て適宜に変えられる。
形成するカーボンにより、玉13と内,外輪11,12間の潤
滑作用が行なわれる。回転が進むにしたがって、保持器
14のフッ素系樹脂ETFEは玉13との接触によって削られて
玉13の表面に転移し、玉13の表面に転移膜を形成する。
そして、転動と共にこの玉13に転移したフッ素系樹脂ET
FEはさらに内,外輪11,12の軌道面11a,12aの玉13との接
触部に転移してこの接触部近傍に転移膜を形成する。こ
の玉の表面に形成された転移膜および軌道面11a,12aに
形成された上記転移膜により、内,外輪11,12と玉13と
の潤滑作用が行なわれる。そして、各玉13は軌道面11a,
12a間においてスムーズに自転しながら保持器14と共に
公転する。なお、上記短繊維のETFE樹脂への混入量は、
保持器14の強度および保持器14の潤滑性能を考慮に入れ
て適宜に変えられる。
第2図は、上記構成の玉軸受10に一定負荷の下で無潤
滑回転試験を行った結果の図であり、横軸は回転時間
(hr)を、また縦軸は玉13の摩耗量(玉径の減少量μ
m)を示している。試験条件は、玉数6個、回転数200r
pm、負荷荷重Faが10kgfおよび20kgfである。なお、第3
図および第4図は夫々、比較例の試験結果を示す。すな
わち、第3図は、第2図に示す試験に用いた玉軸受10と
同じ、内,外輪11,12および玉13を用い、保持器14のみ
を、直径が10μm程度と太いグラスファイバーを30wt%
混入したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製で、さ
らに自己潤滑性を高めるために二硫化モリブデン(Mo
S2)を5wt%混入した保持器に変えた玉軸受(玉軸受A
とする)で、無潤滑回転試験を行った結果を示してい
る。また、第4図は、上記玉軸受Aと同様玉軸受10の保
持器14のみを自己潤滑性を有しないS45C製の保持器に変
えた玉軸受(以下玉軸受B)で無潤滑回転試験を行った
結果を示す。そして、これら玉軸受A,Bの試験条件は上
記玉軸受10と同じく、玉数6個、回転数200rpm、負荷荷
重Faは10kgfおよび20kgfである。
滑回転試験を行った結果の図であり、横軸は回転時間
(hr)を、また縦軸は玉13の摩耗量(玉径の減少量μ
m)を示している。試験条件は、玉数6個、回転数200r
pm、負荷荷重Faが10kgfおよび20kgfである。なお、第3
図および第4図は夫々、比較例の試験結果を示す。すな
わち、第3図は、第2図に示す試験に用いた玉軸受10と
同じ、内,外輪11,12および玉13を用い、保持器14のみ
を、直径が10μm程度と太いグラスファイバーを30wt%
混入したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製で、さ
らに自己潤滑性を高めるために二硫化モリブデン(Mo
S2)を5wt%混入した保持器に変えた玉軸受(玉軸受A
とする)で、無潤滑回転試験を行った結果を示してい
る。また、第4図は、上記玉軸受Aと同様玉軸受10の保
持器14のみを自己潤滑性を有しないS45C製の保持器に変
えた玉軸受(以下玉軸受B)で無潤滑回転試験を行った
結果を示す。そして、これら玉軸受A,Bの試験条件は上
記玉軸受10と同じく、玉数6個、回転数200rpm、負荷荷
重Faは10kgfおよび20kgfである。
第2図と、第3図および第4図との比較により明らか
なように、直径が0.2〜0.5μmのチタン酸カリウムウィ
スカーの短繊維を20wt%含むエチレンテトラフルオロエ
チレン(ETFE)でできた上記保持器14を組み込んだ玉軸
受10においては、負荷荷重Faが10kgfおよび20kgfのいず
れの場合においても、その玉13の摩耗量が、上記2つの
比較例の玉軸受Aおよび玉軸受Bに比べて遥かに長期に
亘って低く押さえられることがわかる。そしてこの玉軸
受10は、玉軸受Bのように早期に回転不可になったりし
ない。
なように、直径が0.2〜0.5μmのチタン酸カリウムウィ
スカーの短繊維を20wt%含むエチレンテトラフルオロエ
チレン(ETFE)でできた上記保持器14を組み込んだ玉軸
受10においては、負荷荷重Faが10kgfおよび20kgfのいず
れの場合においても、その玉13の摩耗量が、上記2つの
比較例の玉軸受Aおよび玉軸受Bに比べて遥かに長期に
亘って低く押さえられることがわかる。そしてこの玉軸
受10は、玉軸受Bのように早期に回転不可になったりし
ない。
一方、視点を変え、上記3つの玉軸受10,AおよびBの
無潤滑回転試験後における夫々の玉13の外観状況を比較
すると、玉軸受10においては、試験後においても良好な
光沢を示した。このことより、この玉軸受10が優れた潤
滑性能を有することがわかると共に、この玉軸受10の保
持器14が含む短繊維が玉13を傷付けたりしないことがわ
かった。一方、上記玉軸受Aにおいては、上記と同じ負
荷荷重や回転数等にもかかわらず、試験後の玉は光沢を
失い、梨地状の表面状態を示した。これは、玉軸受Aの
保持器に含まれる径の太いガラス繊維により玉が傷付け
られたことによる。また、S45C製の保持器を用いた上記
玉軸受Bにおいては、試験後玉に僅かに光沢が残される
が、上記玉軸受10ほど良好な光沢ではない。これは玉軸
受Bの保持器が自己潤滑性を有しないため、この保持器
により上記ガラス繊維ほどではないが玉が傷付けられる
ことによる。この玉軸受Bにおいては、玉のカーボンの
みで軸受の潤滑が行なわれるため、荷重Faが低い方の10
kgfの場合においても、第4図に示すように、玉は回転
時間と共に加速度的に摩耗してしまう。
無潤滑回転試験後における夫々の玉13の外観状況を比較
すると、玉軸受10においては、試験後においても良好な
光沢を示した。このことより、この玉軸受10が優れた潤
滑性能を有することがわかると共に、この玉軸受10の保
持器14が含む短繊維が玉13を傷付けたりしないことがわ
かった。一方、上記玉軸受Aにおいては、上記と同じ負
荷荷重や回転数等にもかかわらず、試験後の玉は光沢を
失い、梨地状の表面状態を示した。これは、玉軸受Aの
保持器に含まれる径の太いガラス繊維により玉が傷付け
られたことによる。また、S45C製の保持器を用いた上記
玉軸受Bにおいては、試験後玉に僅かに光沢が残される
が、上記玉軸受10ほど良好な光沢ではない。これは玉軸
受Bの保持器が自己潤滑性を有しないため、この保持器
により上記ガラス繊維ほどではないが玉が傷付けられる
ことによる。この玉軸受Bにおいては、玉のカーボンの
みで軸受の潤滑が行なわれるため、荷重Faが低い方の10
kgfの場合においても、第4図に示すように、玉は回転
時間と共に加速度的に摩耗してしまう。
このように、上記構成の玉軸受10は、優れた潤滑性能
を有し、しかも上記玉軸受A,Bとの比較より明らかなよ
うに、玉13の摩耗が遥かに長期に亘って低く押さえられ
る。そして、保持器14は短繊維をETFE樹脂に適宜な量を
混入して作られるため、、従来のフッ素系樹脂のみのも
のに比べて高い耐久性を有すると共に、安価に作られ
る。保持器14が射出成形等によりつくられ、切削加工に
よらないため、短繊維は保持器14の上記面14bを含む表
面に沿い、表面から毛羽立ったりしない。このため、短
繊維の直径が細いことと相俟って、保持器14が硬質カー
ボン製の玉13を過度に削って玉13を早期に摩耗させた
り、その表面を傷付けたりしない。このように、この玉
軸受10によれば、何等潤滑をほどこしたりしなくても、
長期に亘って、安定した回転および軸受の必要とする精
度が確保される。そして、固体潤滑のみによるため、使
用される環境に悪影響を与えたりしない。なお、図示は
しないが、短繊維の直径が2μm以下において、有効に
玉13の摩耗量が低く押さえられると共に、玉13の表面が
短繊維により実質的に傷付かないのが確認された。
を有し、しかも上記玉軸受A,Bとの比較より明らかなよ
うに、玉13の摩耗が遥かに長期に亘って低く押さえられ
る。そして、保持器14は短繊維をETFE樹脂に適宜な量を
混入して作られるため、、従来のフッ素系樹脂のみのも
のに比べて高い耐久性を有すると共に、安価に作られ
る。保持器14が射出成形等によりつくられ、切削加工に
よらないため、短繊維は保持器14の上記面14bを含む表
面に沿い、表面から毛羽立ったりしない。このため、短
繊維の直径が細いことと相俟って、保持器14が硬質カー
ボン製の玉13を過度に削って玉13を早期に摩耗させた
り、その表面を傷付けたりしない。このように、この玉
軸受10によれば、何等潤滑をほどこしたりしなくても、
長期に亘って、安定した回転および軸受の必要とする精
度が確保される。そして、固体潤滑のみによるため、使
用される環境に悪影響を与えたりしない。なお、図示は
しないが、短繊維の直径が2μm以下において、有効に
玉13の摩耗量が低く押さえられると共に、玉13の表面が
短繊維により実質的に傷付かないのが確認された。
上記実施例では、内,外輪11,12にステンレス系金属
としてSUS440Cを用い、保持器14を構成するフッ素系樹
脂および短繊維に、ETFEおよびチタン酸カリウムのウィ
スカーを用い、玉13に硬質カーボンを用いたが、ステン
レス系金属,フッ素系樹脂,短繊維およびカーボンはこ
れらに限らず、夫々適宜なものが選ばれる。また、短繊
維はウィスカーに限らないのはいうまでもない。
としてSUS440Cを用い、保持器14を構成するフッ素系樹
脂および短繊維に、ETFEおよびチタン酸カリウムのウィ
スカーを用い、玉13に硬質カーボンを用いたが、ステン
レス系金属,フッ素系樹脂,短繊維およびカーボンはこ
れらに限らず、夫々適宜なものが選ばれる。また、短繊
維はウィスカーに限らないのはいうまでもない。
なお、本実施例は玉軸受に限らず、ころ軸受にも使用
でき、また、ラジアル軸受の他に、スラスト軸受にも使
用できるのはもちろんである。また、保持器は第1図に
示す保持器に限らず冠形保持器等他の形式の保持器にも
使用できる。
でき、また、ラジアル軸受の他に、スラスト軸受にも使
用できるのはもちろんである。また、保持器は第1図に
示す保持器に限らず冠形保持器等他の形式の保持器にも
使用できる。
<発明の効果> 以上より明らかなように、この発明の無潤滑転がり軸
受によれば、何等潤滑をほどこしたりしなくても、長期
に亘って、安定した回転および軸受の必要とする精度を
確保することができる。そして、短繊維をETFE樹脂に混
入するので、保持器の強度を高めることができる。ま
た、ETFE樹脂に、長繊維に比べて安価に作ることができ
かつ容易に混入することができる短繊維を混入して保持
器を構成するようにしているので、保持器を長繊維を含
むものに比べて安価に製作することができる。また、保
持器は成形加工のみで作製され、切削加工によらないた
め、短繊維は保持器の外面に沿い、外面から毛羽立った
りしない。このため、保持器に保持されるカーボン製の
転動体が早期に摩耗したり、保持器が転動体を傷付けた
りするのが防止される。短繊維の直径を2μm以下にす
ると、上記転動体が実質的に傷付くことはない。
受によれば、何等潤滑をほどこしたりしなくても、長期
に亘って、安定した回転および軸受の必要とする精度を
確保することができる。そして、短繊維をETFE樹脂に混
入するので、保持器の強度を高めることができる。ま
た、ETFE樹脂に、長繊維に比べて安価に作ることができ
かつ容易に混入することができる短繊維を混入して保持
器を構成するようにしているので、保持器を長繊維を含
むものに比べて安価に製作することができる。また、保
持器は成形加工のみで作製され、切削加工によらないた
め、短繊維は保持器の外面に沿い、外面から毛羽立った
りしない。このため、保持器に保持されるカーボン製の
転動体が早期に摩耗したり、保持器が転動体を傷付けた
りするのが防止される。短繊維の直径を2μm以下にす
ると、上記転動体が実質的に傷付くことはない。
第1図はこの説明の一実施例の玉軸受の軸に沿った半断
面図、第2図は実施例の玉軸受で無潤滑回転試験を行っ
た結果の図(玉の摩耗量と回転時間との関係を示す
図)、第3,4図は夫々比較例の玉軸受で無潤滑回転試験
を行った結果の図である。 11…内輪、12…外輪、13…玉、14…保持器。
面図、第2図は実施例の玉軸受で無潤滑回転試験を行っ
た結果の図(玉の摩耗量と回転時間との関係を示す
図)、第3,4図は夫々比較例の玉軸受で無潤滑回転試験
を行った結果の図である。 11…内輪、12…外輪、13…玉、14…保持器。
Claims (1)
- 【請求項1】耐食材製の軌道輪と、上記軌道輪間に配置
される耐食材製の転動体と、上記転動体を保持する自己
潤滑材料製の保持器とを有する無潤滑転がり軸受におい
て、 上記保持器が、直径が2μm以下の短繊維を含むエチレ
ンテトラフルオロエチレン(ETFE)樹脂からなり、成形
加工のみで作製されており、上記転動体への転移により
潤滑作用が行われることを特徴とする無潤滑転がり軸
受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1010735A JP2709119B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | 無潤滑転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1010735A JP2709119B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | 無潤滑転がり軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02190614A JPH02190614A (ja) | 1990-07-26 |
JP2709119B2 true JP2709119B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=11758552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1010735A Expired - Lifetime JP2709119B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | 無潤滑転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2709119B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006019142A1 (ja) | 2004-08-18 | 2006-02-23 | Jtekt Corporation | 軸受用保持器 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11125257A (ja) * | 1997-08-19 | 1999-05-11 | Nippon Seiko Kk | 転がり軸受装置 |
JP2000240666A (ja) | 1998-09-08 | 2000-09-05 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP5146561B2 (ja) * | 1998-09-08 | 2013-02-20 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
JPWO2013118202A1 (ja) * | 2012-02-06 | 2015-05-11 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受およびフィルム搬送装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0627857Y2 (ja) * | 1986-07-29 | 1994-07-27 | 光洋精工株式会社 | 転がり軸受 |
JP2628674B2 (ja) * | 1987-06-04 | 1997-07-09 | 日本精工株式会社 | 軸受用プラスチック保持器 |
-
1989
- 1989-01-18 JP JP1010735A patent/JP2709119B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006019142A1 (ja) | 2004-08-18 | 2006-02-23 | Jtekt Corporation | 軸受用保持器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02190614A (ja) | 1990-07-26 |
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