JP3931913B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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本発明は、真空中、高温中、腐食ガス中、液体中、あるいは溶融金属中など油やグリース等の通常の潤滑剤が使用できない環境で用いられる転がり軸受の改良に関するものである。
従来、油やグリースなどの通常の潤滑剤が使用できない環境で用いられるこの種の転がり軸受として、ポリテトラフルオロエチレンを主体とする自己潤滑性保持器と、セラミックス製転動体を含む転がり軸受が知られている。
特開平03−255224号 実開平04−082431号 実開平06−076720号
しかしながらこの種の転がり軸受では、その転がり寿命を保持器からの固体潤滑剤の移着による潤滑に頼らなければならないため、いかに自己潤滑性保持器から固体潤滑剤を移着させるかが重要な技術的課題となるが、上記せるような各従来技術では、この点未だ改良の余地が残されているものである。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、自己潤滑性保持器からの固体潤滑剤の移着性を改善することで、真空中、高温中、腐食ガス中、液体中、あるいは溶融金属中など油やグリース等の通常の潤滑剤が使用できない環境における転がり寿命の延長を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明がなした技術的手段は、少なくとも転動体がセラミックスからなり、外輪と内輪の軌道面の表面粗さが0.1μmRa以上3.2μmRa以下の範囲にあり、保持器が自己潤滑性材からなるものとしたことである。なお、本明細書にて「Ra」は、算術平均粗さを表す。
上記技術的手段により、軌道輪(外輪と内輪)軌道面の表面粗さが0.1μmRa以上3.2μmRa以下の範囲にあるので、その表面粗さが0.1μmRa未満の従来の転がり軸受に比べると回転中の振動が大きくなる。
その結果、自己潤滑性保持器が転動体により強く接触する機会が増えるので、自己潤滑性保持器から転動体への固体潤滑剤の移着を多くすることができる。
セラミックス製転動体を用いたため、回転初期はその優れた耐摩耗性のために転動体は表面粗さを保ちながら軌道輪軌道面をなめらかに摩耗していく。
そして、軌道輪軌道面がなめらかになった(表面粗さで0.1μmRa未満)後は、振動が低くなり、転動体に適量かつ均一に移着した固体潤滑剤によって良好な潤滑がなされる。
このように、セラミックス製転動体が摩耗しにくくなめらかな表面を保つからこそ、自己潤滑性保持器からの固体潤滑剤の移着が適量かつ均一におこり、良好な潤滑がなされる。
したがって、初期振動による移着効果の増大を軌道輪軌道面の表面粗さで制御し、軌道輪軌道面の固体潤滑剤が移着する前のなめらかな摩耗をセラミックス製転動体を用いることで成し、軌道輪軌道面のなめらかに摩耗した後の潤滑はセラミックス転動体からの固体潤滑剤の移着によって行うという兼ね合いによって油やグリースなどの通常の潤滑剤が使用できない環境における転がり寿命の延長を図ることができる。
本発明は、少なくとも転動体がセラミックスからなり、軌道輪(外輪と内輪)軌道面の表面粗さが0.1μmRa以上3.2μmRa以下の範囲にあり、かつ自己潤滑性保持器で構成し、自己潤滑性保持器からの固体潤滑剤の移着性を改善することで、真空中、高温中、腐食ガス中、液体中、あるいは溶融金属中など油やグリース等の通常の潤滑剤が使用できない環境における転がり寿命の延長が図れた。
すなわち、上記軌道面の表面粗さにより初期の振動が大きくなって固体潤滑剤の移着効果が増大し、そして、セラミックス製転動体により軌道輪軌道面がなめらかに摩耗された後は、セラミックス製転動体からの固体潤滑剤のより多い移着によって行うことができるため、油やグリースなどの通常の潤滑剤が使用できない環境における転がり寿命の延長を図ることができる。
以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
図中1は本発明転がり軸受の一実施例を示し、該転がり軸受1は、外輪2、内輪3、転動体4、及び保持器5とで構成されている玉軸受であり、以下この実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はころ軸受にも適用でき、またラジアル軸受およびスラスト軸受のいずれにも適用でき、本発明の範囲内において適宜選択適用可能である。
外輪2および内輪3は、夫々の軌道面2a,3aの表面粗さが、0.1μmRa以上3.2μmRa以下の範囲にあるように構成されている。
また、下記転動体4にセラミックスを用いているため、外輪2、内輪3の材質はスチールまたはセラミックスのいずれでもかまわない。
表面粗さが0.1μmRa以下では、回転中の振動が過少になるため、自己潤滑性保持器が転動体に接触する機会が少なく、自己潤滑性保持器から転動体への固体潤滑剤の移着が少ない。また表面粗さが3.2μmRa以上では振動が過大になるために移着が多すぎたり移着むらが生じてしまい、かえって潤滑の妨げになる。
転動体4は、耐摩耗性の高いセラミックス材からなり、セラミックス材料としては窒化珪素以外に、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。
保持器5は、自己潤滑性を有する材質からなり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を代表としたフッ素系樹脂、黒鉛、二硫化モリブデンなどから構成されているものがあげられる。
本発明の効果を確認するために、実施例1〜8および比較例1〜8に示す数種の深みぞ玉軸受を用いて、図2に示す試験装置で回転試験を行った。
その回転試験結果を表1に示すと共に、軌道輪軌道面の表面粗さ(μmRa)に対する転がり寿命(h)の関係を図3に示す。
「実施例1〜4、比較例1〜3」
軌道面の表面粗さが、0.05μmRa〜9.4μmRaの範囲の窒化珪素セラミックス(Si3N4)製の軌道輪(外輪、内輪)、窒化珪素セラミックス(Si3N4)製転動体およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製保持器で構成。
「実施例5〜8、比較例4〜6」
軌道面の表面粗さが、0.05μmRa〜9.4μmRaの範囲のステンレス鋼(SUS440C)製の軌道輪(外輪、内輪)、窒化珪素セラミックス(Si3N4)製転動体およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製保持器で構成。
「比較例7」
軌道面の表面粗さが、1.0μmRaの窒化珪素セラミックス(Si3N4)製の軌道輪(外輪、内輪)、窒化珪素セラミックス(Si3N4)製転動体およびスチール(SUS304ステンレス鋼)製保持器で構成。
「比較例8」
軌道面の表面粗さが1.0μmRaのステンレス鋼(SUS440C)製の軌道輪(外輪、内輪)、ステンレス鋼(SUS440C)製転動体およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製保持器で構成。
Figure 0003931913
表1および図3の結果から以下のことが分かる。
従来から使用されていた軌道輪軌道面の表面粗さが0.1μmRa未満の軸受を示す比較例1の転がり寿命に対して、実施例1〜4に示す軌道輪軌道面の表面粗さが0.1μmRa〜3.2μmRaの軸受の場合は、いずれも転がり寿命の大幅な延長が確認できた(表1および図3中の→印は、表示時間(h)以上を示し、すなわち、本試験では190hで打ち切っているが実際それ以上の転がり寿命(h)を得られたことを示している。)。
また、軌道輪軌道面の表面粗さが3.2μmRaを超える場合(比較例2,3)は、実施例1〜4の軸受に比べて転がり寿命は低下した。
さらに実施例5〜8と比較例4〜6の結果からも、同様に本発明の表面粗さの範囲(0.1μmRa〜3.2μmRa)にある軸受が、その範囲以外の軸受よりも長寿命である結果が得られた。
また、軌道輪、転動体および軌道輪軌道面の表面粗さを等しくし、保持器材質が実施例2のポリテトラフルオロエチレンとは異なるスチール鋼製保持器を有する比較例7については、保持器からの有効な固体潤滑剤の移着が得られないので、実施例2と比して極端に転がり寿命が短かいことがわかる。
そして、軌道輪材質、軌道輪軌道面の表面粗さおよび保持器材質は等しいが、転動体の材質が実施例6の窒化珪素セラミックス(Si3N4)とは異なるステンレス鋼(SUS440C)製である比較例8についても、ステンレス鋼製転動体であるため自己潤滑性保持器からの移着が得られる前に転動体表面が荒れてしまい、実施例6と比して極端に転がり寿命が短かいことがわかる。
本発明転がり軸受の一実施例を一部省略すると共に断面にて示す。 本発明転がり軸受の回転性能を確認するための試験機の概略を示す。 軌道輪軌道面の表面粗さに対する転がり寿命の関係を示す。
符号の説明
1:転がり軸受
2:外輪
3:内輪
2a,3a:軌道面
4:転動体
5:保持器






Claims (3)

  1. 外輪、内輪、転動体、保持器からなる水中用の深みぞ玉軸受において、転動体及び内外輪のすべてがセラミックス製であり、外輪と内輪の軌道面の表面粗さが0.1μmRa以上3.2μmRa以下の範囲にあり、保持器が自己潤滑性であることを特徴とした転がり軸受。
  2. セラミックスはSiであることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 保持器はPTFE製であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の転がり軸受。
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