JP2002130300A - 真空機器用転がり軸受 - Google Patents

真空機器用転がり軸受

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JP2002130300A
JP2002130300A JP2000325953A JP2000325953A JP2002130300A JP 2002130300 A JP2002130300 A JP 2002130300A JP 2000325953 A JP2000325953 A JP 2000325953A JP 2000325953 A JP2000325953 A JP 2000325953A JP 2002130300 A JP2002130300 A JP 2002130300A
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JP
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inner ring
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JP2000325953A
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Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた真空機器用転がり軸受を提供
する。 【解決手段】 外輪1と、内輪2と、外輪・内輪間に間
挿された複数の転動体3と、転動体を円周方向に等分に
分割保持する保持器4とからなる転がり軸受において、
転動体3がセラミックスからなり、転動体3の表面、外
輪1の軌道面及び内輪2の軌道面のうち少なくとも転動
体3の表面が固体潤滑剤からなる薄膜でコーティングさ
れ、かつ保持器4が全芳香族ポリイミドをマトリックス
とし、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、グラファイトか
ら選ばれる1種以上の固体潤滑剤を5〜40重量%含有
する複合材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空蒸着装置、ス
パッター装置、半導体・液晶パネル製造装置等の各種真
空機器に組み込まれる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した真空機器のように、油やグリー
スによる潤滑が不適当な環境で用いられる転がり軸受と
して、自己潤滑性転がり軸受が従来より使用されてい
る。例えば、外輪、内輪、転動体に二硫化モリブデン
(MoS2)のコーティングを施した転がり軸受が知られ
ている。また、転がり接触面に銀被膜あるいは鉛被膜を
形成した転がり軸受(実開昭58−99521号公
報)、転動体の表面に金、銀等の潤滑性金属のメッキを
施した転がり軸受(特開昭51−42847号公報)等
が提案されている。
【0003】また、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)をマトリックスとし、これにガラス繊維やMoS
2を混合した樹脂複合材を成形した保持器、あるいは二
硫化タングステン(WS2)、MoS2と銅(Cu)、す
ず(Sn)、タンタル(Ta)等の金属を混合した焼結
材料を機械加工した保持器を用いた転がり軸受も用いら
れている。
【0004】また、ポリフェニレンサルファイドとフッ
素樹脂とを含んだ保時器を用い、転走面に潤滑材をコー
ティングした転がり軸受(特許第2850353号公
報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に転
動体の表面や転がり接触面をMoS2や金、銀、鉛等の
潤滑性の良い物質で被膜したり、あるいは保持器に潤滑
性の良い材料を混在させるのみでは、いかなる条件下で
も潤滑性能が十分で、長寿命の転がり軸受が得られると
はいえない。特に、上記のように自己潤滑性が要求され
る高温、真空の環境下では、作動に際して保持器と転動
体との間で滑りを伴うため、軸受の耐久性を低下させ
る。
【0006】また、保持器に自己潤滑性のポリフェニレ
ンサルファイドを利用した転がり軸受でも、200℃以
上の高温では保持器が容易に軟化し、また内外輪と転動
体、保持器と転動体との摩擦摩耗も大きく、耐久性に問
題がある。
【0007】そこで本発明は、上記従来の問題点に着目
してなされたものであり、特に耐久性に優れた真空機器
用転がり軸受を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、外輪と、内輪と、該外輪・内輪間に間挿
された複数の転動体と、該転動体を円周方向に等分に分
割保持する保持器とからなる転がり軸受において、前記
転動体がセラミックスからなり、該転動体の表面、前記
外輪・内輪の各軌道面のうち少なくとも転動体の表面が
固体潤滑剤からなる薄膜でコーティングされ、かつ前記
保持器が全芳香族ポリイミドをマトリックスとし、フッ
素樹脂、二硫化モリブデン及びグラファイトから選ばれ
る1種以上の固体潤滑剤を5〜40重量%含有する複合
材料からなることを特徴とする真空機器用転がり軸受を
提供する。
【0009】本発明の真空機器用転がり軸受は、少なく
とも転動体を固体潤滑剤からなる薄膜(以下、「固体潤
滑被膜」と呼ぶ)でコーティングすると共に、保持器を
全芳香族ポリイミドと少なくともフッ素樹脂、二硫化モ
リブデン、グラファイトから選ばれる1種以上の固体潤
滑剤とで形成しているため、滑りを伴う転動体と保持器
との双方に潤滑性が付与され、十分な潤滑性能が得られ
て長寿命になる。また、保持器に使用される全芳香族ポ
リイミドは、それ自体潤滑性に優れており、固体潤滑剤
との相乗作用により優れた潤滑性が得られる。更に、全
芳香族ポリイミドは耐熱性に優れ、真空中で250℃以
上の高温に常時晒されても機械的劣化は少ない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の真空機器用転がり
軸受に関して詳細に説明する。
【0011】本発明の真空機器用転がり軸受は、その構
成は特に制限されるものでは無く、例えば図1に一部断
面図として示すアンギュラコンタクト玉軸受を例示する
ことができる。このアンギュラコンタクト玉軸受は、外
輪1と内輪2との間に転動自在に間挿された複数個の転
動体(玉)3を、保持器4により円周方向に等間隔に保
持して概略構成されている。
【0012】本発明において、上記転動体3はセラミッ
クスで形成される。セラミックスの種類は特に制限され
るものではないが、例えば窒化けい素、炭化けい素、ジ
ルコニア、アルミナ、あるいはこれらを組み合わせた複
合セラミックス等を好適に使用することができる。中で
も窒化けい素、ジルコニアが好ましい。転動体3をセラ
ミックス製とすることにより、転動体3と、保持器4、
外輪1及び内輪2との間で異種材料となり、潤滑が厳し
い条件下でも摩耗が減少し、焼付きも起こり難くなる。
【0013】また、この転動体3は、その表面に固体潤
滑被膜がコーティングされている。固体潤滑被膜として
は、例えばPTFE等のフッ素樹脂、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、あるいは鉛、金、銀等の潤滑性金属
の薄膜とすることが好ましい。成膜方法はタンブリング
法、焼付け法、スパッタリング法等を適宜選択すること
ができる。また、固体潤滑被膜の膜厚は0.1μm〜2
μmが好ましい。膜厚が0.1μm未満では、固体潤滑
被膜が薄すぎて固体潤滑剤による転移膜が形成されるま
での間の潤滑効果を維持できない。一方、膜厚が2μm
を超えると、余分な固体潤滑剤が摩耗して軸受内で摩耗
粉の詰り等が生じ、寿命が短くなる。
【0014】転動体3にコーティングされる固体潤滑被
膜は、更に外輪1の軌道面または内輪2の軌道面、好ま
しくは前記の両軌道面にもコーティングされることが望
ましく、これにより潤滑性能がより一層向上する。尚、
固体潤滑被膜の膜厚は、転動体3と同様に0.1μm〜
2μmが好ましい。
【0015】また、本発明において、上記保持器4は全
芳香族ポリイミドをマトリックスとし、これにフッ素樹
脂(例えば、PTFE)、二硫化モリブデン、グラファ
イトから選ばれる1種以上の固体潤滑剤を5〜40重量
%、好ましくは10〜30重量%含有する複合材料を所
定形状に成形したものである。ここで、全芳香族ポリイ
ミドとは、下記化学式で表される耐熱性樹脂であり、例
えばデュポン社より商品名「ベスペル」等を好適に使用
できる。
【0016】
【化1】
【0017】また、固体潤滑剤の含有量が5%未満では
保持器4による潤滑性が不足して十分な寿命延長効果が
得られず、一方40%を越えると保持器4の機械的強度
が不足し、摩耗が多くなり、寿命が低下する。
【0018】保持器4を得るには、例えば全芳香族ポリ
イミド粉末に固体潤滑剤粒子を前記の含有量添加して十
分に混合した後、所定形状にプレス成形し、焼結すれば
よい。
【0019】保持器4は、それ自体潤滑性を有する全芳
香族ポリイミドと、固体潤滑剤との複合材であるため、
両者の相乗効果により優れた潤滑効果が得られる。
【0020】以上の如く構成される本発明の真空機器用
転がり軸受は、転動体3及び保持器4が共に高い潤滑性
能を有しており、軸受寿命を大幅に改善する。更に外輪
1の軌道面や内輪2の軌道面にも固体潤滑被膜をコーテ
ィングした場合には、より一層の軸受寿命の改善を図る
ことができる。
【0021】以上、本発明の真空機器用転がり軸受に関
してアンギュラコンタクト玉軸受を例示して説明した
が、本発明はこれに限らず、ころ軸受やニードル軸受等
の転がり軸受にも適用することができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に明確にする。但し、本発明はこれにより何ら限定され
るものではない。
【0023】(実施例1〜5、比較例1〜2)表1に示
す如く材料を変え、また成膜して作製した転動体(玉)
及び保持器を深溝玉軸受(呼び番方608;内・外輪S
US440C製)に組み込み、試験軸受を準備した。
尚、全芳香族ポリイミドとして、デュポン社製の「ベス
ペル」を用いた。そして、各試験軸受について下記の軸
受寿命試験を行った。
【0024】◎軸受寿命試験 ・回転速度:1800rpm ・アキシャル荷重:98N ・軸受温度:250℃ ・真空度 :10-4Pa 上記試験条件にて、軸受の回転トルクが回転初期の10
倍に達するまでの寿命時間を測定した。結果を表1に併
記するが、比較例1の寿命時間を1とし、それとの比を
軸受寿命比として示してある。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、実施例1〜5の
試験軸受では、本発明に従ってセラミックボールを用
い、固体潤滑被膜をセラミックボールや内・外輪の各軌
道面に施し、更に固体潤滑剤を含有する全芳香族ポリイ
ミドからなる保持器を用いたことにより、高温、真空下
において長寿命を達成している。これに対し、比較例1
の試験軸受では、保持器材料に耐熱性が乏しいポリフェ
ニレンサルファイドを用いたため、試験温度である25
0℃の高温では保持器の強度を維持することができず、
寿命は短くなっている。また、比較例2の試験軸受で
は、全芳香族ポリイミド及び固体潤滑剤からなる保持器
を用いたことよる潤滑性の改善は見られるものの、鋼球
を用いたため、耐摩耗性に劣り、早期に寿命に達した。
【0027】(実施例6)窒化けい素製で、その表面に
膜厚1μmのPTFE膜を成膜したボール、並びにPT
FEを2重量%、5重量%、10重量%、20重量%、
30重量%、40重量%及び45重量%含有する全芳香
族ポリイミド製保持器を作製し、深溝玉軸受(呼び番方
608;内・外輪SUS440C製)に組み込み、上記
と同様の軸受寿命試験を行った。同じく比較例1の試験
軸受による寿命時間を1とした軸受寿命比にて図2に結
果を示すが、PTFE含有量が5〜40重量%の範囲で
良好な軸受寿命を示しており、10〜30重量%におい
て特に好ましい結果が得られている。
【0028】(実施例7)窒化けい素製で、その表面に
膜厚0.05μm、0.1μm、1μm、2μm及び
2.5μmとなるようにPTFE膜を成膜したボール、
並びにPTFEを20重量%含有する全芳香族ポリイミ
ド製保持器を作製し、深溝玉軸受(呼び番方608;内
・外輪SUS440C製)に組み込み、上記と同様の軸
受寿命試験を行った。同じく比較例1の試験軸受による
寿命時間を1とした軸受寿命比にて図3に結果を示す
が、PTFE膜の膜厚が0.1μm〜2μmの範囲で良好
な軸受寿命を示している。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
転動体をセラミック製とし、外輪、内輪、転動体のうち
少なくとも転動体を固体潤滑被膜でコーティングすると
共に、潤滑性の高い固体潤滑剤を5〜40重量%含有す
る全芳香族ポリイミドからなる保持器としたことによ
り、滑りを伴う転動体と保持器との双方に、十分な自己
潤滑性を付与することができ、真空、高温等の厳しい環
境下で長寿命の真空機器用転がり軸受を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空機器用転がり軸受の一実施形態で
あるアンギュラコンタクト玉軸受を示す一部断面図であ
る。
【図2】実施例において得られた、保持器の固体潤滑剤
含有量と軸受寿命比との関係を示すグラフである。
【図3】実施例において得られた、転動体の固体潤滑被
膜の膜厚と軸受寿命比との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 転動体(玉) 4 保持器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪と、内輪と、該外輪・内輪間に間挿
    された複数の転動体と、該転動体を円周方向に等分に分
    割保持する保持器とからなる転がり軸受において、 前記転動体がセラミックスからなり、該転動体の表面、
    前記外輪・内輪の各軌道面のうち少なくとも転動体の表
    面が固体潤滑剤からなる薄膜でコーティングされ、かつ
    前記保持器が全芳香族ポリイミドをマトリックスとし、
    フッ素樹脂、二硫化モリブデン及びグラファイトから選
    ばれる1種以上の固体潤滑剤を5〜40重量%含有する
    複合材料からなることを特徴とする真空機器用転がり軸
    受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007170537A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Ntn Corp 転がり軸受
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