JP2005069493A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】転動体にセラミックスを使用した従来のセラミック軸受や、外輪,内輪,転動体をステンレス鋼製としたステンレス軸受を、油やグリースなどの潤滑剤による十分な潤滑が期待できない水環境下で使用すると、保持器の材質や転動体の表面性状いかんでは転がり寿命の点で満足できない場合がある。
【解決手段】ステンレス鋼製の内輪1,外輪2とセラミックス製の転動体3と樹脂製の保持器4とからなり、水を主とする液体に触れる環境下で使用される転がり軸受において、そのセラミックス製の転動体3の表面粗さを0.02μmRa以下0.005μmRa以上とし、且つ、表面気孔率を8%以下0.5%以上とする。これにより、転動体3と内輪1,外輪2との接触面に水による流体膜を形成しやすくして、軸受の転がり寿命を向上させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は転がり軸受の改良に係り、例えば化学繊維,フィルム等の製造工程のように水を主とする液体に触れる環境下で使用され、油,グリースなどの潤滑剤による潤滑が十分には期待できない転がり軸受の寿命の改善に関する。
従来、油,グリースなどの潤滑剤による潤滑が十分には期待できない状況で使用される転がり軸受としては、例えば、特許文献1に示されているように、転動体として窒化ケイ素あるいはサイアロンを主体とする玉を用いた玉軸受や、特許文献2に示されているように、酸化ジルコニウム製転動体をマルテンサイト系ステンレス鋼製軌道輪に組み込んだ転がり軸受がある。これらはいずれも、セラミック製転動体の軽量性に由来する高速回転性能を生かした歯科用ハンドピース装置の無給油高速回転軸受として提案されている。
また、水を主体とする液体中あるいはその液体が振りかかるような状況(以下、水環境という)下で使用される転がり軸受としては、外輪,内輪,転動体がステンレス鋼からなるものが一般的に知られている。
特開昭62−229043号公報 特開平6−38982号公報
しかしながら、転動体にセラミックスを使用した従来のセラミック軸受や、外輪,内輪,転動体をステンレス鋼製としたステンレス軸受を、油やグリースなどの潤滑剤による十分な潤滑が期待できない水環境下で使用すると、保持器の材質や転動体の表面性状いかんでは転がり寿命の点で満足できない場合があった。
そこで本発明は、このような従来の転がり軸受の問題点に着目してなされたものであり、水環境下で使用される転がり軸受の転がり寿命を改善することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ステンレス鋼製の外輪,内輪とセラミックス製の転動体と樹脂製の保持器からなる転がり軸受において、そのセラミックス製の転動体の表面粗さを0.02μmRa以下0.005μmRa以上とし、且つ表面気孔率を8%以下0.5%以上とする。
ここで、表面気孔率は、倍率100倍で撮影された転動体表面の光学顕微鏡写真をもとにして次式(1)で定義する。
Figure 2005069493
本発明に係る転がり軸受は、その材質について、外輪及び内輪をステンレス鋼製、転動体をセラミックス製として、水環境下で使用しても軌道輪に錆による損傷が発生しにくいものとした。ちなみに、転がり軸受の寿命は軌道輪の損傷に由来する場合が殆どであり、これを積極的に防止することにより転がり寿命の向上効果が得られる。なお、本願発明者らの研究によれば、ステンレス鋼製の軌道輪に窒化ケイ素セラミックス製の転動体を組み合わせた転がり軸受水中回転試験において、転動体表面に水酸化物の生成が確認されており、そのような反応生成物と水の流体膜の形成による相乗効果で良好な潤滑状態が得られて軌道輪の損傷が防止され、結果として軸受の転がり寿命の向上が果たせるものと予想される。
本発明に係る転がり軸受は、またセラミックス製転動体の表面粗さを0.02μmRa以下として、転動体と外輪,内輪との接触面に存在する水による流体膜を形成しやすくし、これにより軸受の転がり寿命を向上させる。当該表面粗さが0.02μmRaを越えると、水の流体潤滑膜形成が困難となり、軸受の転がり寿命が急激に低下する。一方、転動体の表面粗さが0.005μmRaを下回っても寿命向上効果は殆ど飽和状態となってあまり変化しないのに対し、コストは上昇する。そこで本発明の転動体の表面粗さの範囲は、0.02μmRa以下0.005μmRa以上とする。
本発明に係る転がり軸受は、またさらに、転動体の表面気孔率を8%以下に限定する。表面気孔率が8%を越えると気孔により水の流れに乱れが生じて、その結果表面粗さが小さくても流体膜を形成しにくくなるためである。一方、転動体の表面気孔率が限りなく減少することは流体膜の形成には良いが、転がり寿命の向上効果はあまり変化せず0.5%未満ではコスト高となる。したがって、コストと転がり寿命向上との両方を満たすべく、本発明の転動体の表面気孔率の範囲は8%以下0.5%以上とする。
本発明に係る転がり軸受は、また、保持器を合成樹脂製(以下、単に樹脂という)とする。これは、保持器の案内面の摩擦係数をできるだけ小さくして、保持器が軸受の転がり寿命を阻害することがないようにするためである。すなわち、一般には、水環境下で使用される転がり軸受の保持器としてはステンレス鋼製のものが使用されているが、ステンレス鋼製では潤滑性が乏しく、転動体や軌道輪と接触する案内面の摩擦係数が大きくて振動の原因になり転がり寿命に支障を来すので好ましくない。一方、保持器材質として、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体),PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)等のフッ素樹脂や、ナイロン樹脂,PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等を使用すれば、案内面との摩擦係数が小さいので滑らかな回転が得られ、転がり寿命に支障を来さない。中でも、ETFE,PTFE,PFA等のフッ素樹脂は良好な潤滑性が期待できるので好ましい。
また、保持器の案内形式としては、外輪あるいは内輪での案内形式とした場合には、その案内面(滑り面)の形状や精度に注意する必要がある。これに対して、転動体案内形式の場合はその必要がなく、転動体の表面粗さ0.02μmRa以下で十分な精度であり、したがって転動体案内形式の保持器が望ましい。
本発明の転がり軸受によれば、ステンレス鋼製の外輪,内輪とセラミックス製の転動体と樹脂製の保持器で構成して、その転動体の表面粗さと表面気孔率とを調整することにより、転動体と外輪,内輪との接触面に存在する水による流体膜が形成しやすくなって水環境下で良好な流体膜を形成でき、その結果転がり寿命が大幅に改善されるという効果を奏する。
本発明に係る転がり軸受の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明の転がり軸受を深みぞ玉軸受(名番6206;外径62mm×内径30mm×幅16mm)に適用した一実施例の断面図で、1はステンレス鋼(SUS440C)製の内輪、2は同材質の外輪、3は転動体としての窒化ケイ素セラミックス(Si3 4 )製の玉、4は合成樹脂製の冠型保持器である。
玉3の材質に窒化ケイ素を用いた転がり軸受として、工作機械主軸用の精密アンギュラ玉軸受があるが、その場合は加圧焼結窒化ケイ素であるのに対し、本発明の場合はコストを考慮して常圧焼結セラミックス製である。そして、水環境下での転がり寿命を延長させるために、玉の表面気孔率の上限を8%、表面粗さの上限を0.02μmRaに設定してある。
以下、図1の深みぞ玉軸受について、その玉3の表面気孔率と表面粗さが異なる数種類の供試体を用いて実施した転がり寿命試験(水中回転試験)により、本発明の実施の形態を説明する。
供試体の転がり軸受の水中回転試験に用いた試験機の概略を図2に示す。
ハウジング10の内部に、二個の支持軸受11を介して回転軸12が水平に支持されている。その回転軸12の一端側はハウジング10の外に突出し、Vベルトプーリ13が取付けられて図示しないモータで回転駆動されるようになっている。回転軸12の他端側はハウジング10に取り付けたカバー14の内部に突出し、その端部にワークとしての供試体の転がり軸受Wが装着されて一体回転する。ワークWの外輪側面には荷重負荷機構15により、カバー14の外部からラジアル荷重が負荷される。また、カバー14内には、外部のタンク16の水がポンプ17により循環給水される。荷重負荷機構15には振動加速度センサー18が設置されている。
供試体転がり軸受Wを完全に水中に浸漬し、純ラジアル荷重のもとで内輪回転させ、転がり軸受Wの損傷等による異常を振動加速度センサー18で検知する。検知した振動加速度値が初期値の3倍に達した時点を転がり寿命と判定して、それまでの回転数を記録した。
試験条件は次の通りである。
ラジアル荷重:490N
内輪回転速度:1000min-1
雰囲気 :室温水中
潤滑剤 :なし
供試体 :転がり軸受6206、軌道輪はSUS440C製、玉は表面気孔率2%の窒化ケイ素セラミックスで、その表面粗さが異なるものを数種類準備した。保持器はETFE製。
(A)転動体の表面粗さと軸受の転がり寿命:
図3に、転動体の表面気孔率を2%一定とした供試体について測定した転動体の表面粗さと転がり寿命との関係を示した。図中、転動体の表面粗さ0.02μmRa以下0.005μm以上が実施例であり、表面粗さ0.02μmRaを越えるものが比較例である。
水中での供試転がり軸受Wの転がり寿命は、転動体の表面粗さが良いほど長く、表面粗さが0.02μmRaで略10×106 回転になり、表面粗さ0.005μmでは10×106 回転を若干越える程度に達している。しかし、表面粗さ0.005μmを下回っても転がり寿命向上効果はあまり変化せず、むしろコスト高になる。一方、表面粗さが0.02μmRaを越えると、転がり寿命は急激に低下して比較例では極端に短寿命であった。したがって、本発明の転動体の表面粗さは0.02μmRa以下0.005μm以上とした。
実施例の回転寿命が長いのは転動体と軌道輪の接触面で十分な流体膜(水膜)が形成されたためと考えられる。なお、軌道輪の転動面における表面粗さについて特には限定しないが、その理由は、軌道輪の転動面の表面粗さが大きい場合でも回転初期に軌道輪材質が摩耗し、なじんで滑らかな面になる結果、転がり寿命には影響しないからである。
(B)転動体の表面気孔率と軸受の転がり寿命:
図4に、転動体の表面粗さを0.012μmRa一定とした供試体について測定した転動体の表面気孔率と転がり寿命との関係を示した。図中、転動体の表面気孔率8%以下0.5%以上が実施例であり、表面気孔率8%を越えるものが比較例である。
表面気孔率が8%以下では、略10×106 回転と非常に長寿命である。しかし、表面気孔率が0.5%を下回っても転がり寿命向上効果はあまり変化せず、むしろコスト高になる。一方、表面気孔率が8%を越えると、転がり寿命は急激に低下して比較例では極端に短寿命であった。したがって、本発明の転動体の表面気孔率は8%以下0.5%以上とした。
図5は、転がり寿命試験(水中回転試験)におけるセラミックス製転動体(玉)の表面気孔率と表面粗さとの関係を表したものである。図5に示す相関曲線Sの上方の領域Bが、転動体と軌道輪の接触面で流体膜(水膜)が存在しうる領域である。そして表面気孔率8%以下、表面粗さ0.02μmRa以下の領域(編み目模様の領域)Aが良好な流体膜が形成される領域であり、換言すれば水環境下で転がり軸受の寿命性能を満たす領域といえる。しかし、表面気孔率と表面粗さとを限りなく減少させると、寿命向上効果の方はあまり変化しなくなるのに対してコストは急激に高くなってくる。そこで、本発明の範囲は、寿命性能を満たすと同時にコストを満たす範囲に限定した。
なお、上記実施形態では、転がり軸受として深みぞ玉軸受について説明したが、その他の形式の玉軸受ないしころ軸受にも本発明を好適に提供することができる。
本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。 転がり軸受の水中回転試験機の概要を示す断面図である。 転動体の表面粗さに対する転がり寿命の関係を示す図である。 転動体の表面気孔率に対する転がり寿命の関係を示す図である。 転動体の表面粗さと表面気孔率との関係を示す図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 転動体
4 保持器

Claims (4)

  1. ステンレス鋼製の外輪,内輪とセラミックス製の転動体と樹脂製の保持器とからなり、水を主とする液体に触れる環境下で使用される転がり軸受において、そのセラミックス製の転動体の表面粗さが0.02μmRa以下0.005μmRa以上で且つ表面気孔率が8%以下0.5%以上であることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記転動体は常圧焼結セラミックス製であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記保持器はエチレンテトラフルオロエチレン共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,パーフルオロアルコキシ樹脂等のフッ素樹脂製であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 前記保持器の案内形式は転動体案内形式であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
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