JPH09112561A - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

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JPH09112561A
JPH09112561A JP7266667A JP26666795A JPH09112561A JP H09112561 A JPH09112561 A JP H09112561A JP 7266667 A JP7266667 A JP 7266667A JP 26666795 A JP26666795 A JP 26666795A JP H09112561 A JPH09112561 A JP H09112561A
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JP
Japan
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rolling
balls
cage
outer ring
inner ring
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Application number
JP7266667A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
Yasunobu Fujita
安伸 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 往復揺動する状態で使用されるミニアチュア
玉軸受に組み込んだ場合でも、内輪軌道及び外輪軌道に
部分的な摩耗が進行する事を防止する。 【構成】 保持器6a´の回転方向に関し、ポケット
7、7の片側内周面を球状凹面13、13とし、他側を
円筒面14、14とする等により、玉5、5の転動面と
の間の摩擦特性を、回転方向両側で異ならせる。この結
果、往復揺動に伴って玉5、5が僅かずつ公転し、軌道
面の一部に摩耗が進行する事を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の転がり軸受用保持器は、
例えばハードディスクドライブ装置(HDD)を構成す
るスイングアームを支承したり、或はHDDに組み込ま
れるステッピングモータの回転支持部を構成するミニア
チュア玉軸受に組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】例えばHDD用のスイングアームを往復
揺動自在に支承する為、図5〜6に示す様なミニアチュ
ア玉軸受が広く使用されている。この玉軸受は、外周面
に内輪軌道1を有する内輪2と内周面に外輪軌道3を有
する外輪4とを同心に配置し、上記内輪軌道1と外輪軌
道3との間に、それぞれが転動体である複数個の玉5、
5を転動自在に設けて成る。図示の例の場合、上記内輪
軌道1と外輪軌道3とは、共に深溝型としている。又、
上記複数個の玉5、5は、保持器6に設けたポケット
7、7内に、転動自在に保持している。
【0003】上記図5〜6に示した玉軸受を構成する保
持器6は波形プレス保持器と呼ばれるもので、それぞれ
が金属板材をプレス成形する事により得られる、波形で
円環状に形成された1対の素子8、8を組み合わせて成
る。これら両素子8、8は、それぞれの円周方向複数箇
所に、ポケット7、7を構成する為の凹部9、9を形成
している。そして、この1対の素子8、8同士を上記凹
部9、9から外れた部分で突き合わせ、これら各部分を
複数のリベット10により結合固定して、円環状で円周
方向複数箇所にポケット7、7を有する保持器6として
いる。上記各凹部9、9の内面中間部は、上記各玉5、
5の外面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有す
る、断面円弧状の球状凹面としている。この為、1対の
素子8、8を突き合わせると、上記凹部9、9が組み合
わされてポケット7、7を構成する。
【0004】尚、HDD用のミニアチュア玉軸受を構成
する内輪2の外周面と外輪4の内周面との間部分には、
グリースその他の潤滑油等の潤滑剤を充填して、内輪2
と外輪4との相対回転が円滑に行なわれる様にする。こ
の為にミニアチュア玉軸受では、シール板やシールド板
等の密封部材により、内輪2外周面と外輪4内周面との
間の空間の両端開口を塞ぎ、この空間から潤滑剤が漏洩
するのを防止している。但し、この様な密封部材は、本
発明の要旨とは関係ないので、図5には省略している。
【0005】又、ミニアチュア玉軸受を構成する保持器
としては、図5〜6に示した波形プレス保持器の他、図
7〜8に示す様な、冠型保持器と呼ばれるものも知られ
ている。この図7〜8に示した保持器6aは、合成樹脂
等により造られた円環状の主部11の円周方向複数箇所
に、玉5を転動自在に保持するポケット7、7を設けて
いる。この様な冠型の保持器6aの場合、上記各ポケッ
ト7、7は、上記主部11に互いに間隔をあけて配置さ
れた1対の弾性片12、12の間部分に設けられる。こ
の様な保持器6aを使用して玉軸受を組み立てる場合に
は、上記各玉5を、各ポケット7、7を構成する1対ず
つの弾性片12、12の先端縁同士の間隔を弾性的に押
し広げつつ、これら1対の弾性片12、12同士の間に
押し込む。上記保持器6aは、この様にして上記各ポケ
ット7、7内に各玉5を抱き込む事により、これら各玉
5を、前記内輪軌道1と外輪軌道3(図5)との間に、
転動自在に保持する。
【0006】前述した保持器6或は上述した保持器6a
を備えたミニアチュア玉軸受の使用時には、上記複数個
の玉5、5の転動に伴って、上記内輪2と外輪4とが相
対回転する。この際上記複数個の玉5、5は、自転しつ
つ上記内輪2の周囲を公転する。又、上記保持器6、6
aは、上記玉5、5の公転速度と同じ速度で、上記内輪
2の周囲を回転する。更に、図示は省略したが、円筒状
の主部に玉を転動自在に保持できる大きさを有するポケ
ットを複数個形成した、もみ抜き保持器と呼ばれる保持
器も、ミニアチュア玉軸受用の保持器として、一部で使
用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えばHDD用のスイ
ングアームを往復揺動自在に支承するミニアチュア玉軸
受の場合には、内輪2と外輪4とが所望角度(例えば3
0度程度)範囲内で往復揺動する。又、従来から知られ
た保持器6、6aの場合には、ポケット7、7の内周面
の性状は、保持器6、6aの円周方向(公転方向)に亙
って同じとしていた。従って、内輪軌道1と外輪軌道3
との間に配置された玉5、5及びこの玉5、5を保持し
ている保持器6、6aは、上記内輪2と外輪4との往復
揺動に伴って同じ様に往復揺動する。言い換えれば、上
記内輪2が外輪4に対して一方向に揺動し、上記玉5、
5及び保持器6、6aが一方向に所定角度(内輪2と外
輪4との相対変位角度の1/2程度)だけ揺動した後、
上記内輪2が外輪4に対して他方向に同じ角度だけ揺動
すると、上記玉5、5及び保持器6、6aが他方向に所
定角度だけ揺動する。従って、上記内輪2と外輪4との
多数回に亙る往復揺動に拘らず、上記玉5、5の転動面
は、上記内輪軌道1及び外輪軌道3の同じ部分のみと接
触する。
【0008】この結果、上記内輪軌道1及び外輪軌道3
の一部で上記玉5、5の転動面と接触する部分のみが摩
耗(フレッチング摩耗)し易くなり、ミニアチュア玉軸
受の耐久性の面から不利になる。特に、往復揺動の両端
部で玉5、5の回転方向が変化する点(玉5、5の回転
速度が零になる点)では、上記内輪軌道1及び外輪軌道
3と玉5、5の転動面との間に油膜が形成されにくい
為、摩耗条件が厳しくなる。この結果、図9に黒く示し
た、上記内輪軌道1(及び、図示は省略したが、外輪軌
道3)の一部で上記玉5、5の転動面と接触する部分に
のみ、摩耗が進行する。図9に黒く示した部分の摩耗が
進行しても、他の部分は何ら損傷を受けていない。
【0009】そこで本発明者は、往復揺動の度に上記回
転方向が変化する点が少しずつでもずれれば、上記内輪
軌道1及び外輪軌道3全体の摩耗を均等に進行させて、
ミニアチュア玉軸受全体として耐久性を飛躍的に増大さ
せる事ができると考えた。本発明は、この様な事情によ
りなしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受用保
持器は、前述した従来の転がり軸受用保持器と同様に、
複数の転動体を転動自在に保持すべく、全体を円環状に
形成され、円周方向複数個所にポケットが設けられてい
る。
【0011】特に、本発明の転がり軸受用保持器に於い
ては、各ポケットの内周面の一部で転がり軸受用保持器
の円周方向反対側部分の性状を互いに異ならせている。
そしてこの性状を互いに異ならせる事により、上記内周
面の一部で上記転がり軸受用保持器の円周方向一端部と
転動体の転動面との摩擦特性と、上記内周面の残部で上
記転がり軸受用保持器の円周方向他端部と転動体の転動
面との摩擦特性とを、互いに異ならせている。この様
に、摩擦特性を異ならせるべく、各ポケットの内周面の
一部で転がり軸受用保持器の円周方向反対側部分の性状
を互いに異ならせるには、これら両部分の形状を異なら
せたり、或はこれら両部分の表面粗さを異ならせる事が
考えられる。更に、上記両部分の材質を異ならせる事に
よっても、これら両部分の摩擦特性を互いに異ならせる
事ができる。
【0012】尚、本発明の作用・効果を最も顕著に得ら
れるのは、HDD等に組み込まれるミニアチュア玉軸受
用の保持器であるが、360度未満の往復揺動状態で使
用される転がり軸受であれば、一般的な玉軸受の他、こ
ろ軸受、テーパころ軸受用の保持器も、本発明の対象と
なる。勿論、ラジアル転がり軸受用の保持器だけでな
く、スラスト転がり軸受用の保持器も、本発明の対象と
なる。
【0013】
【作用】上述の様に構成される本発明の転がり軸受用保
持器が、複数の転動体を転動自在に保持する際の作用自
体は、前述した従来の転がり軸受用保持器の場合と同様
である。特に、本発明の転がり軸受用保持器の場合に
は、各ポケットの内周面の一部で転がり軸受用保持器の
円周方向反対側部分の性状を互いに異ならせた事に伴な
い、転動体が一方向に転動する際に保持器との間に作用
する抵抗と、転動体が他方向に転動する際に保持器との
間に作用する抵抗とが異なる。従って、転動体を介して
相対回転する1対の軌道輪が、同じ位置で往復揺動した
場合でも、複数の転動体及びこの複数の転動体を保持し
た保持器が、少しずつ公転運動する。この結果、各転動
体の転動面と上記1対の軌道輪の軌道面との当接位置が
少しずつずれ、この軌道面の摩耗が全体に亙って均等に
進行する。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の実施例を示している。この
実施例は、本発明を冠型の保持器に適用したものであ
る。この保持器6a´は、合成樹脂により造られた円環
状の主部11の円周方向複数箇所に、玉5、5を転動自
在に保持するポケット7、7を設けている。特に、本発
明の保持器6a´の場合、上記各ポケット7、7を構成
すべく、上記主部11に互いに間隔をあけて配置された
1対の弾性片12a、12bのうち、一方の弾性片12
a、12aの内周面を球状凹面13、13とし、他方の
弾性片12b、12bの内周面を円筒面14、14とし
ている。
【0015】この様な保持器6a´を使用して玉軸受を
組み立てる場合には、上記各玉5、5を、各ポケット
7、7を構成する1対ずつの弾性片12a、12bの先
端縁同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の
弾性片12a、12bの間に押し込む。上記保持器6a
´は、この様にして上記各ポケット7、7内に玉5、5
を抱き込む事により、これら各玉5、5を、ミニアチュ
ア玉軸受を構成する内輪2外周面の内輪軌道1と外輪4
内周面の外輪軌道3(図5)との間に、転動自在に保持
する。従って上記各玉5、5の転動面は、各玉5、5が
図2で時計方向に公転する際には、図3(A)に示す様
に上記各円筒面14と摺接し、玉5、5が図2で反時計
方向に公転する際には、図3(B)に示す様に上記各球
状凹面13と摺接する。
【0016】上述の様に構成される本発明の転がり軸受
用保持器が、複数の玉5、5を転動自在に保持する際の
作用自体は、前述した従来の転がり軸受用保持器の場合
と同様である。特に、本発明の転がり軸受用保持器の場
合には、上記各ポケット7、7の内周面の一部となる一
方の弾性片12a、12aの内周面を球状凹面13、1
3とし、他方の弾性片12b、12bの内周面を円筒面
14、14とした事に伴ない、上記各玉5、5が一方向
に転動する際に保持器6a´との間に作用する抵抗と、
上記各玉5、5が他方向に転動する際に保持器6a´と
の間に作用する抵抗とが異なる。
【0017】即ち、玉5が図2で時計方向に公転する際
には、図3(A)に示す様に、これら各玉5の転動面と
上記各円筒面14とが摺接する。これに対して、玉5、
5が図2で反時計方向に公転する際には、図3(B)に
示す様に、これら各玉5の転動面と上記各球状凹面13
とが摺接する。これら二通りの状態では、上記各玉5、
5の転動面と上記各ポケット7、7の内周面との間に作
用する抵抗が異なり、これら各玉5、5の転動に対する
抵抗も異なる。一方、内輪2と外輪4とが相対回転する
際には、玉5、5の転動面と内輪2内周面の内輪軌道1
及び外輪4内周面の外輪軌道3とが僅かとは言え滑る。
そして、この滑り量は、上記各玉5、5の転動に対する
抵抗が変化した場合に、僅かとは言え変化する。
【0018】上記保持器6a´を組み込んだミニアチュ
ア玉軸受の場合には、上記各玉5、5を介して相対回転
する内輪2と外輪4とが、同じ位置で往復揺動した場合
でも、これら各玉5、5及びこれら各玉5、5を保持し
た保持器6a´が、少しずつ公転運動する。この結果、
上記各玉5、5の転動面と上記内輪2外周面の内輪軌道
1及び外輪4内周面の外輪軌道3との当接位置が少しず
つずれ、これら内輪軌道1及び外輪軌道3の摩耗が全体
に亙って均等に進行する。言い換えれば、これら内輪軌
道1及び外輪軌道3の摩耗が部分的に進行する事がなく
なって、これら内輪軌道1及び外輪軌道3の耐久性が全
体として向上する。この様な作用・効果は、図示の実施
例の様な冠型保持器に限らず、波形プレス保持器、もみ
抜き保持器を含む他の型式の保持器に本発明を適用した
場合でも、同様に得られる。
【0019】次に、本発明の効果を確認する為、本発明
者が行なった実験に就いて説明する。試験は、耐久試験
とトルク試験との2通りの試験を行ない、その結果を表
1及び表2に記載した。それぞれの試験の条件は次の通
りである。 耐久試験 使用軸受 : ミニアチュア玉軸受(内径8mm、外径22mm、幅7mm) 使用グリース : リチウム−合成油系グリース(NS7グリース) 荷重付与条件 : 10kgf のアキシャル荷重付与 回転条件 : 内輪を固定し外輪を20度ずつ往復揺動 揺動回数 : 200万回 トルク試験 使用軸受 : ミニアチュア玉軸受(内径8mm、外径22mm、幅7mm) 使用グリース : リチウム−合成油系グリース(NS7グリース) 荷重付与条件 : 2kgf の予圧付与 回転条件 : 外輪を固定し内輪を3600r.p.m.で回転
【0020】上記の耐久試験は、図4に示す様な試験
装置を用いて、ACサーボモータ15により試験軸受1
6、16の外輪を往復揺動させる事により行なった。そ
して、試験後に上記試験軸受16、16を構成する内輪
2外周面の内輪軌道1及び外輪4内周面の外輪軌道3
(図5)を目視する事により、各軌道1、3部分の摩耗
を観察した。この結果、両軌道1、3に玉5、5(図
1、5)の走行跡が存在するが摩耗がないか、摩耗があ
っても極く僅かである場合には合格とした。表1の耐久
試験の欄が○は、この耐久試験が合格である事を表して
いる。又、両軌道1、3に無視できない程の摩耗が存在
する場合には不合格とした。表2の耐久試験の欄が×
は、この耐久試験が不合格である事を表している。
【0021】又、上記のトルク試験は、上記耐久試験
を施した後に耐久試験装置から取り出した試験軸受1
6、16の回転時のトルクを測定し、平均トルクが50
kgf・cm以下で、且つトルクの変動が±5kgf・cm以下の場
合を合格とした。表1のトルク試験の欄が○は、このト
ルク試験が合格である事を表している。又、平均トルク
が50kgf・cmを越えるか、或はトルク変動が±5kgf・cm
を越えた場合(両方越えた場合は勿論)には不合格とし
た。表2のトルク試験の欄が×は、このトルク試験が不
合格である事を表している。
【0022】これら耐久試験及びトルク試験に使用した
保持器は、本発明の実施例に関するもの6種類と本発明
から外れる比較例に属するもの6種類との合計12種類
である。先ず、実施例1〜2は何れも、ガラス繊維を2
5重量%含んだナイロン46製の冠型保持器である。こ
のうちの実施例1は、図1〜2に示す様に、ポケットの
片側を球状凹面13、13とし他側を円筒面14、14
としている。又、実施例2は、ポケットの両側を球状凹
面として、両側の粗さを異ならせている。又、実施例3
は、ガラス繊維を25重量%含んだポリフェニレンサル
ファイド(PPS)製の冠型保持器で、実施例1と同
様、図1〜2に示す様に、ポケットの片側を球状凹面1
3、13とし他側を円筒面14、14としている。又、
実施例4は、黄銅製のもみ抜き保持器で、ポケットの片
側を球状凹面とし他側を円筒面としている。又、実施例
5は、ガラス繊維を25重量%含んだポリ四弗化エチレ
ン(PTFE)製のもみ抜き保持器で、ポケットの内周
面形状は全周に亙って円筒面とし、各ポケットの両側の
粗さを異ならせている。更に、実施例6は、鋼板(SP
CC)製の波形プレス保持器で、各ポケットの内周面は
球状凹面とし、各ポケットの両側の粗さを異ならせてい
る。
【0023】一方、比較例1、3、4は何れも、ガラス
繊維を25重量%含んだナイロン46製の冠型保持器で
ある。又、比較例2は、ガラス繊維を25重量%含んだ
PTFE製(比較例2)の冠型保持器である。このうち
の比較例1は、ポケットの内周面を球状凹面とし、両側
の粗さを同じとしている。又、比較例2は、ポケットの
内周面を円筒面として、両側の粗さを同じとしている。
又、比較例3は、比較例1と同様に、ポケットの内周面
を球状凹面とし、両側の粗さを同じとしているが、内周
面が比較例1に比べて平滑である(粗さが小さい)。
又、比較例4は、比較例1と同様に、ポケットの内周面
を球状凹面とし、両側の粗さを同じとしているが、内周
面が比較例1に比べて粗い(粗さが大きい)。又、比較
例5は、黄銅製のもみ抜き保持器で、ポケットの内周面
形状は全周に亙って円筒面とし、各ポケットの両側の粗
さを同じとしている。更に、比較例6は、鋼板(SPC
C)製の波形プレス保持器で、各ポケットの内周面は球
状凹面とし、両側の粗さを同じとしている。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】前述した実験の結果を表した表1、2の記
載から明らかな通り、本発明の転がり軸受用保持器は、
往復揺動する部分に組み込んだ場合に十分な耐久性を確
保できるだけでなく、回転トルクを低減できる。この
為、HDD等、往復揺動する回転支持部を有する各種機
械装置の信頼性及び耐久性を図る事と合わせて、これら
機械装置の性能向上と省エネルギ化とを図れる。尚、本
発明は、図示の例の様なラジアル玉軸受用の保持器に限
らず、スラスト玉軸受用、ラジアルころ軸受(ニードル
軸受を含む)用、ラジアルテーパころ軸受用、スラスト
テーパころ軸受用を含む、他の型式の転がり軸受用保持
器にも実施できる。
【0027】
【発明の効果】本発明の転がり軸受用保持器は、以上に
述べた通り構成され作用する為、往復揺動する状態で使
用される転がり軸受の軌道面を均等に摩耗させて、転が
り軸受の耐久性を飛躍的に向上させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、保持器の部分斜視図。
【図2】同じく平面図。
【図3】作用を説明する為の部分略平面図。
【図4】本発明の効果を確認する為の実験に使用した試
験機の部分縦断正面図。
【図5】従来から知られている玉軸受の1例を示す部分
切断斜視図。
【図6】この玉軸受に組み込まれた保持器の一部を、玉
を保持した状態で示す拡大断面図。
【図7】従来から知られている保持器の別例を示す斜視
図。
【図8】この保持器に玉を保持した状態を示す拡大断面
図。
【図9】往復揺動に伴って内輪軌道の一部が摩耗した状
態を示す、内輪の斜視図。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6、6a、6a´ 保持器 7 ポケット 8 素子 9 凹部 10 リベット 11 主部 12、12a、12b 弾性片 13 球状凹面 14 円筒面 15 ACサーボモータ 16 試験軸受

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の転動体を転動自在に保持すべく、
    全体を円環状に形成され、円周方向複数個所にポケット
    が設けられている転がり軸受用保持器に於いて、各ポケ
    ットの内周面の一部で転がり軸受用保持器の円周方向反
    対側部分の性状を互いに異ならせ、上記内周面の一部で
    上記転がり軸受用保持器の円周方向一端部と転動体の転
    動面との摩擦特性と、上記内周面の残部で上記転がり軸
    受用保持器の円周方向他端部と転動体の転動面との摩擦
    特性とを、互いに異ならせた事を特徴とする転がり軸受
    用保持器。
JP7266667A 1995-10-16 1995-10-16 転がり軸受用保持器 Pending JPH09112561A (ja)

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DE102010014482A1 (de) 2010-04-10 2011-10-13 Aktiebolaget Skf Wälzlager
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