JP2700838B2 - 自動車ホイールリム用のロール成形加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法 - Google Patents

自動車ホイールリム用のロール成形加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車のホイールに
使用されるアルミニウム合金圧延板、とりわけ2ピース
型のホイールのリムとして、ロール成形加工を施して使
用するに適したアルミニウム合金圧延板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年に至り、自動車のホイールとして
は、軽量性、耐食性、ファッション性等の点からアルミ
ニウム合金を用いることが極めて多くなっている。アル
ミニウム合金製自動車用ホイールの種類は、鋳物ホイー
ル、鍛造ホイール、圧延材成形ホイールの3種に大別さ
れ、このうち圧延材成形ホイールとしては、1ピースホ
イール、2ピースホイールおよび3ピースホイールがあ
る。
【0003】ところで圧延材成形加工タイプのアルミニ
ウム合金製2ピースホイールの製造方法としては、リム
素材としての圧延材からなる条材の両端をフラッシュバ
ット溶接、アップセット溶接等の加圧圧接溶接により接
合して環状とした後、ロール成形加工を施してリムと
し、一方別にディスク素材としての圧延板をプレス加工
してディスクを作成し、リムとディスクを組付けてMI
G溶接等によりホイールとするのが通常である。
【0004】このようにアルミニウム合金製2ピースホ
イールでは、特にリム材についてはロール成形加工が施
されることから、ロール成形加工において肌荒れや割れ
が生じたりしないように、ロール成形加工性が良好であ
ることが要求される。また自動車ホイールには当然のこ
とながら高強度が要求され、さらには外観品質が良好で
あって、特にファッション性の観点から陽極酸化処理後
に高い光輝性を有することが要求されることが多い。な
おここでリム材には前述のように加圧圧接溶接が施され
るから、陽極酸化処理後における光輝性に関しては、加
圧圧接溶接部と母材部分とで差がないことが望まれる。
【0005】従来、光輝性を重視したアルミニウム合金
製自動車ホイール用リム材としては、例えば特開平2−
8342号公報に示されているようなJIS 5000
番系のアルミニウム合金、すなわち非熱処理型合金であ
るAl−Mg系合金が知られている。
【0006】また、強度を重視したアルミニウム合金製
自動車ホイール用リム材としては、JIS A6061
P等のAl−Mg−Si系の熱処理型合金が知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来のリ
ム材のうち、前者の非熱処理型合金であるAl−Mg系
合金では、陽極酸化処理後の光輝性は高いものの、リム
を高強度化するために圧延板強度を高めれば、ロール成
形加工時に割れが発生する等の問題が生じ、したがって
高強度化にも限界がある。
【0008】一方、後者のJIS A6061P等の従
来のAl−Mg−Si系の熱処理型合金では、高強度は
得られるものの、陽極酸化処理後の光輝性が劣る問題が
ある。またこの種の従来の合金では、溶体化処理−焼入
れの状態では強度が高過ぎてロール成形加工が困難とな
り、そこで一般には焼なまし材(O材)の状態でロール
成形加工を行ない、その後溶体化処理−焼入れを行なっ
た後、人工的な時効処理により析出硬化を図って高強度
を得ているが、このようなプロセスではロール成形加工
時における加工硬化による強度向上を生かすことができ
ない不利益がある。
【0009】 この発明は以上の事情を背景としてなさ
れたもので、ロール成形加工を施してリム材に適用され
る圧延板として、高強度を得ることができると同時にロ
ール成形加工も容易であり、しかも陽極酸化処理後の光
輝性が高く、かつ母材部分とフラッシュバット溶接、ア
ップセット溶接等の加圧圧接溶接部の光輝性に差がない
自動車ホイールリム用アルミニウム合金圧延板を製造す
る方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するべ
く本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、従来のA
l−Mg−Si系の熱処理型合金を改良して、Mg量と
Si量を適切に設定すると同時に、他の合金元素含有量
も適切に設定し、しかもMg量、Si量に応じて溶体化
処理条件を適切に設定し、さらには結晶粒径を適切に設
定することによって、ロール成形加工性を損なうことな
く高強度化を達成し得ると同時に、陽極酸化処理後に高
い光輝性を有する自動車ホイールリム用のロール成形加
工用アルミニウム合金圧延板が得られることを見出し、
この発明をなすに至ったのである。
【0011】 具体的には、請求項1に記載の発明の自
動車ホイールリム用のロール成形加工用アルミニウム合
金圧延板の製造方法は、Mg0.2〜0.9%、Si
0.2〜0.7%、Cr0.05〜0,15%、Cu
0.2〜0.8%を含有し、かつMgとSiとの合計含
有量が0.9〜1.2%の範囲内とされ、さらにFeが
0.1%以下に規制されるとともに、その他の不可避的
不純物元素がそれぞれの単独含有量で0.05%以下に
規制され、残部が実質的にAlよりなるアルミニウム合
金溶湯を鋳造し、得られた鋳塊を400〜520℃の範
囲内の温度に加熱して、熱間圧延、もしくは熱間圧延お
よび冷間圧延を行なってから、次の不等式 200℃×{[Mg量(wt%)]+[Si量(wt
%)]}+250℃≦Ts≦520℃によって定められ
る範囲内の温度Tsで溶体化処理してから焼入れ、これ
によって任意断面の平均結晶粒径が300μm以下であ
ってかつ陽極酸化処理後の表面の反射率が60%以上の
圧延板を得るものである。
【0012】
【0013】
【作用】先ずこの発明における合金の成分組成限定理由
を説明する。
【0014】Mg,Si:これらはロール成形加工後の
人工時効処理により高強度を付与するために必須の元素
である。Mg量が 0.2%未満、Si量が 0.2%未満、M
g量とSi量との合計量が 0.9%未満では、陽極酸化処
理後の光輝性は良好であるが高強度が得られず、一方M
g量が 0.9%、Si量が 0.7%、Mg量とSi量との合
計量が 1.2%をそれぞれ越えれば光輝性が低くなり、ま
た強度は高くなるが成形性が低下する。したがってMg
量を 0.2〜 0.9%、Si量を 0.2〜 0.7%、Mg+Si
の合計量を 0.9〜 1.2%の範囲内とした。
【0015】Cr:Crは結晶粒を微細化して、ロール
成形時の肌荒れや割れの発生を防止し、ロール成形加工
性を向上させるに有効な元素である。Cr量が0.05%未
満ではその効果が得られず、0.15%を越えれば陽極酸化
処理後の光輝性が低下するから、Crは0.05〜0.15%の
範囲内とした。
【0016】Cu:Cuは強度向上に寄与するととも
に、化学研磨時の光輝性を向上させ、ひいては陽極酸化
処理後の光輝性を向上させる効果を有する。Cu量が
0.2%未満では強度向上の効果が得られず、 0.8%を越
えれば色調が変化してしまい、自動車ホイール用リム材
として不適当となる。したがってCu量は 0.2〜 0.8%
の範囲内とした。
【0017】Fe:FeはAl,Siと化合してAl−
Fe−Si系金属間化合物を生成し、化学研磨時に光輝
性を損ない、ひいては陽極酸化処理後の光輝性を低下さ
せるから 0.1%未満の微量に規制する必要がある。
【0018】さらに不可避的不純物としてMn,Zn等
が含有されることがあるが、これらの不純物元素は、そ
れぞの単独含有量が0.05%を越えれば陽極酸化処理後の
光輝性が損なわれるから、各不純物元素の単独含有量を
0.05%以下に規制することとした。
【0019】そのほか、通常のアルミニウム合金におい
ては鋳塊結晶粒微細化のために微量のTi、またはTi
およびBを添加することがあるが、この発明の場合にも
微量のTi、またはTiおよびBを添加することは許容
され、Ti0.01%程度、B 0.001%程度は添加するの
が通常である。なおTiが0.15%を越えれば粗大な初晶
TiAl3 が晶出して成形性を害するから、Tiは0.15
%以下とすることが好ましく、またBをTiと併せて添
加する場合にBが500ppmを越えればTiB2 粒子が生成
されて筋状欠陥が生じるから、Bは500ppm以下とするこ
とが好ましい。さらにMgを含有する系のアルミニウム
合金では、溶湯酸化防止のために微量のBeを添加する
ことがあるが、この発明の場合も微量のBeの添加は許
容される。但しBeが500ppmを越えればその効果が飽和
し、経済的に無意味であるから、Beは500ppm以下とす
ることが好ましい。
【0020】 この発明の自動車ホイールリム用アルミ
ニウム合金板では、以上のように合金成分組成を設定す
るばかりでなく、任意の断面における平均結晶粒径を3
00μm以下とする必要がある。すなわち、一般に結晶
粒径が大きければ、ロール成形加工時に肌荒れが生じて
外観を損なったり、肌荒れ部から割れが発生してしまう
ことがある。この発明の成分組成のアルミニウム合金板
では、任意の断面の平均結晶粒径が300μmを越えれ
ば上述のようなロール成形加工後の肌荒れやそれによる
割れが生じるおそれがあり、そこでこの発明では平均結
晶粒径を300μm以下に規制することによって、ロー
ル成形加工時の肌荒れや割れ発生を防止して、ロール成
形加工性を向上させている。
【0021】 次に以上のような成分組成、平均結晶粒
径を有する自動車ホイールリム用アルミニウム合金板の
製造プロセスについて説明する。
【0022】先ず前述のような成分組成を有する合金溶
湯を常法に従って溶製し、鋳造する。鋳造方法は任意で
あるが、通常はDC鋳造法(半連続鋳造法)を適用すれ
ば良い。
【0023】得られた鋳塊は400〜520℃の範囲内
の温度に30分〜24時間程度加熱してから、熱間圧延
する。この鋳塊加熱温度が400℃未満では熱間圧延性
が悪く、一方520℃を越えれば熱間圧延性は向上する
ものの、Al−Cr系析出物が析出して光輝性が低下す
るから、400〜520℃の範囲内とした。なお熱間圧
延前の鋳塊加熱としては、鋳塊に対する均質化処理と熱
間圧延のための予備加熱とを分けて行なう場合もある
が、この場合も均質化処理は520℃以下の温度で行な
うことが望ましい。
【0024】上述のように鋳塊を400〜520℃の範
囲内の温度に加熱してから、その温度で熱間圧延を開始
する。熱間圧延は常法に従って行なえば良い。熱間圧延
後の熱延板に対しては、そのまま後述する溶体化処理を
施しても良いが、成形加工性等を考慮してさらに冷間圧
延を施して組織の均一性を図り、その後溶体化処理を行
なっても良い。
【0025】溶体化処理は、合金のMg量、Si量に応
じて、 200℃×{[Mg量(wt%)]+[Si量(wt%)]}+ 250℃ によって定まる温度(下限温度)以上で、かつ520℃
以下の範囲内の温度に加熱して行なう。この溶体化処理
の温度が上記の下限温度未満では、ロール成形加工を行
なってから人工時効処理を施した後の強度が充分に高く
ならず、一方520℃を越えれば陽極酸化処理後の光輝
性が低下してしまうから、溶体化処理温度は上述のよう
に定めた。なおその溶体化処理温度における保持時間は
特に定めないが、通常は0〜1時間程度が好ましい。こ
のように溶体化処理温度に加熱保持した後には直ちに常
法に従って焼入れする。この焼入れ時の冷却速度は特に
限定しないが、通常は強制空冷以上の冷却温度とすれば
良い。
【0026】 以上のようにして得られた自動車ホイー
ルリム用アルミニウム合金板を用いて自動車用ホイール
を製造する場合、例えば2ピースホイールのリム材製造
においては、フラッシュバット溶接、アップセット溶接
等により溶接した後、ロール成形を行ない、その後人工
時効処理を施して所要の高強度を得る。この人工時効処
理の条件は、一般には160〜200℃程度で1〜16
時間程度加熱すれば良い。
【0027】
【実施例】表1の合金番号1〜7に示す成分組成のアル
ミニウム合金溶湯をそれぞれ常法に従って溶製した。な
おここで合金番号1〜4の合金はこの発明の成分組成範
囲内の合金、合金番号5の合金は特開平2−8342号
公報記載の非熱処理型の比較合金、合金番号6の合金は
JIS A6061Pに相当する比較合金、合金番号7
の合金はCr量がこの発明の下限より少ない比較合金で
ある。
【0028】これらの各合金を半連続鋳造法により鋳造
して、 450mm×1200mm×3000mmの鋳塊を得た。その鋳塊
を480℃×2時間加熱した後、その温度で熱間圧延を
開始し、厚さ 7mmの熱延板とした。次いで板厚 5mmまで
冷間圧延を行なった。そして、合金番号5の合金を用い
た圧延板を除き、490℃× 0.5時間の溶体化処理後、
水焼入れしてT4処理材とした。合金番号5の合金を用
いた圧延板については、350℃×2時間の焼なましを
施してO材とした。
【0029】以上の各板について、30日間経過後の機
械的性質と平均結晶粒径を調べたので、その結果を表2
に[母材の特性]として示す。
【0030】さらに、各板のうち、合金番号1〜4、
6,7のT4処理材について、溶体化処理後30日経過
後にそのまま人工時効処理を行なった場合の機械的性質
を調べた結果を、[人工時効処理後の特性]として表3
中に示す。同じく溶体化処理を施してから30日経過
後、2ピースホイールのリム材に対するロール成形加工
に相当する冷間加工(冷間圧延)を行なってから人工時
効処理を行なった場合の機械的性質および光輝性を調べ
たので、その結果も表3中に[ロール成形相当加工−人
工時効処理後の特性]として示す。
【0031】なおここで人工時効処理は、従来から60
00番系合金に適用されている一般的な条件である、1
80℃× 5.5時間の条件で行なった。また2ピースホイ
ールのリム材のロール成形時における加工度は、弱加工
部では約 5%、強加工部では約30%が一般的であり、そ
こで前述の2ピースホイールのリム材に対するロール成
形加工相当の冷間加工としては、圧延率30%の冷間圧延
を適用した。また光輝性は、表面を羽布研磨した後、リ
ン酸系化学研磨剤にて化学研磨し、水洗してから15%硫
酸電解液を用いて陽極酸化処理を施して膜厚 3μmの陽
極酸化皮膜を生成し、さらに水洗後、封孔処理を施し、
その封孔処理後の表面について、入射角、受光角ともに
60°として光沢度計を用いて反射率を測定した。
【0032】なお合金番号5の合金を用いた圧延板(O
材)については、ロール成形加工相当の30%の冷間圧延
を行なった後に人工時効処理を施さずに機械的性質、光
輝性を調べたので、その結果も表3の[ロール成形相当
加工−人工時効処理後の特性]の欄に括弧書きで記入し
た。
【0033】また、前述の合金番号1〜4、6、7のT
4処理材および合金番号5のO材を用いて実際に2ピー
スホイール(公称14インチ径)のリムを製造する試験
を行ない、ロール成形加工における成形性と最終的な光
輝性を調べたので、その結果も表3中に[リム製造試
験]として示す。
【0034】ここで、2ピースホイールリムの製造は次
のようにして行なった。すなわち、厚さ 5mmの各板を幅
225mm、長さ1180mmに切断した後、短円筒状に湾曲させ
て、フラッシュバット溶接により両端突合せ部分を接合
した。このフラッシュバット溶接条件は、その後のロー
ル成形において溶接部からの割れや破断が生じないよう
な所謂健全な溶接部が形成されるような条件とした。こ
のようにして溶接後、溶接部のバリを除去してから、ロ
ール成形加工によりリム形状に成形し、その後180℃
× 5.5時間の人工時効処理を施した後、自動羽布研磨装
置を用いて、ロール成形加工時の筋目および溶接部のバ
リ除去部分の痕跡が消えるまで研磨を行い、リン酸系化
学研磨液にて100℃× 1.5分の化学研磨後、流水で1
0分間水洗してから、15%硫酸電解液を用いて電流密度
1A/dm2 にて陽極酸化処理を皮膜厚が 3μmとなるよ
うに行ない、流水で10分間水洗してから封孔処理を行
なった。
【0035】なお上述の2ピースホイールのリム製造試
験における成形性は次のように評価した。
【0036】○印:支障なくロール成形加工でき、外観
異常の発生もなし(合格)。
【0037】△印:ロール成形加工はできたが、肌荒れ
により外観不良が発生した(不合格)。
【0038】×印:ロール成形加工が困難で、成形でき
なかった(不合格)。
【0039】また光輝性は目視により調べ、特にフラッ
シュバット溶接部の光輝性と母材部分の光輝性を比べ
た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】 表2、表3から明らかなように、この発
明の成分組成範囲内の合金についてこの発明で規定する
プロセス条件範囲内の条件で熱処理し、かつ平均結晶粒
径もこの発明で規定する300μm以下となった本発明
例のアルミニウム合金板は、いずれもリムに成形するた
めのロール成形加工における成形性が良好であってしか
も人工時効処理後に高強度が得られ、かつ最終的な陽極
酸化処理後の光輝性が高く、しかもフラッシュバット溶
接部の光輝性も母材部分と同等となっていた。
【0044】これに対し合金番号5の比較例の場合に
は、非熱処理材であって充分な高強度を得ることができ
ず、また合金番号6の比較例の場合には、母材の段階で
強度が高過ぎ、リムとするためのロール成形加工におけ
る成形性が劣っていた。さらに合金番号7の比較例の場
合は、Cr量が少ないため結晶粒径が大きく、ロール成
形加工における成形性が劣り、肌荒れが発生した。
【0045】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、この発明
の方法によって得られた自動車ホイールリム用アルミニ
ウム合金圧延板は、ロール成形加工における成形性が良
好でかつ人工時効処理によって高強度を発揮させること
ができ、しかも陽極酸化処理後の光輝性も高く、したが
って高強度、高輝度の自動車ホイール用リム材に最適で
ある。
【0046】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/00 630 8719−4K C22F 1/00 630Z 682 8719−4K 682 684 8719−4K 684C 686 8719−4K 686A 691 8719−4K 691B

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg0.2〜0.9%(重量%、以下同
    じ)、Si0.2〜0.7%、Cr0.05〜0.15
    %、Cu0.2〜0.8%を含有し、かつMgとSiと
    の合計含有量が0.9〜1.2%の範囲内とされ、さら
    にFeが0.1%以下に規制されるとともに、その他の
    不可避的不純物元素がそれぞれの単独含有量で0.05
    %以下に規制され、残部が実質的にAlよりなるアルミ
    ニウム合金溶湯を鋳造し、得られた鋳塊を400〜52
    0℃の範囲内の温度に加熱して、熱間圧延、もしくは熱
    間圧延および冷間圧延を行なってから、次の不等式20
    0℃×{[Mg量(wt%)]+[Si量(wt
    %)]}+250℃≦Ts≦520℃によって定められ
    る範囲内の温度Tsで溶体化処理してから焼入れ、これ
    によって任意断面の平均結晶粒径が300μm以下であ
    ってかつ陽極酸化処理後の表面の反射率が60%以上の
    圧延板を得ることを特徴とする自動車ホイールリム用の
    ロール成形加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法。
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