JP3156549B2 - 成形性に優れた缶胴体用硬質Al合金板とその製法 - Google Patents

成形性に優れた缶胴体用硬質Al合金板とその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2ピース型飲料缶
製造用の特に缶胴体材として優れた適性を有するAl合
金に関し、殊にDI(絞り・しごき)成形性およびネッ
ク・フランジ成形性に優れた特性を発揮する3004系
または3104系の硬質Al合金板およびその製法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り2ピース型飲料缶は、胴体部
と蓋部の2つのパーツから構成されている。現在、蓋材
として実用化されているのはほぼ100%が5182系
や5052系等のAl合金であるのに対し、胴体材とし
ては鉄系とAl合金の両素材が競合しており、Al合金
では3004系と3104系が主に使用されている。
【0003】胴体部の製造には、通常硬質板を絞り加工
でカップ成形後、DI(絞り・しごき)成形する方法が
採用され、ネッキング加工により胴体開口部を狭め、飲
料物を充填してから巻き締め加工(フランジ成形)する
ことによって蓋部と一体化される。このため胴体材の選
択に当たっては、特にDI成形性とネック・フランジ成
形性に優れることが重要なポイントとなる。しかして、
DI成形性に劣るものではDI成形時にティアオフと呼
ばれる胴体割れが多発し、割れ破片を除去するのにその
都度機械を停止させなければならず、生産性を著しく低
下させ、またネック・フランジ成形性に劣るものでは、
胴体と蓋との巻き締め部から充填物が漏れ出す恐れがあ
る。
【0004】そしてAl合金製の胴体材については、鉄
系の胴体材に対抗するため薄肉軽量化によるコスト低減
が進められており、素材には高強度で且つDI成形性と
ネック・フランジ成形性に優れたものであることが強く
求められている。
【0005】こうした要望に応えるべく本願出願人会社
ではかねてより研究を進めており、かかる研究の一環と
して、高強度で且つDI成形性に優れた缶ボディ用析出
硬化型高強度Al合金を提案した(特公昭61−746
5号公報:以下、公告発明という)。また特開平3−9
0549号公報(以下、公開発明という)では、ネック
・フランジ成形性に優れたAl合金製の硬質板を提示し
た。該公開発明では、Al合金硬質板を製造する際にお
ける連続焼鈍前の冷間圧延工程を積極的に省略すること
ができ、板製造コストの低減も可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近、Al合金缶に対
する低コスト化の要求は益々高まっており、そのため前
記公開発明の様に、連続焼鈍前の冷間圧延工程を積極的
に省略して低コスト化を図ると共に、DI成形時のティ
アオフ発生頻度については、前記公告発明の如く安定し
て低い値を示す様な缶胴体用Al合金製硬質板の開発が
強く求められている。ところが現在のところ、前記公告
発明レベルの低いティアオフ発生頻度を安定的に確保し
つつ、且つ優れたネック・フランジ成形性と低コスト化
を同時に達成し得る様な技術は開発されていない。
【0007】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その課題は、前記公開発明で得られる
様な優れたネック・フランジ成形性を維持しつつ、DI
成形時のティアオフ発生頻度は前記公告発明レベルの低
い値を安定的に確保し、且つ低コスト化を同時に達成し
得る様な缶胴体用硬質Al合金板とその製法を提供しよ
うとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明に係る缶胴体用硬質Al合金板は、30
04系または3104系Al合金からなり、板表面にお
ける(200)面積分強度の割合が32%以下であると
ころに要旨を有している。
【0009】また本発明に係る製法は、3004系また
は3104系Al合金を用いて溶解・鋳造および均質化
熱処理を行なった後、開始温度を500℃以下、終了温
度を280〜250℃とする熱間圧延を行ない、次い
で、連続焼鈍炉で急速加熱及び冷却することによって結
晶粒径を35μm以下、アスペクト比を5以下としてか
ら冷間圧延を行い、板表面の(200)面積分強度の割
合を32%以下とするところに特徴を有するものであ
り、それにより成形性に優れた缶胴体用硬質Al合金板
を得ることができる。上記製法を実施するに当たって
は、下記関係式(1)を満足する条件で冷間圧延行なう
ことにより、前述の要求特性を満足する缶胴体用硬質A
l合金板を、優れた生産性の下で一層安定的に得ること
ができるので好ましい。 R≦−40.8×Mg+110 …(1) Mg:Al合金中のMg含有量(重量%) R :冷間圧延率(%)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは前述の様な従来技術
の問題点の下で、先ずティアオフ発生原因を明らかにす
るため、ティアオフ発生部位の状況について詳細に調査
した。その結果、前記公開発明の方法で製造した硬質A
l合金板では、ティアオフ発生点が冷間圧延方向に対し
0〜30°の角度に対応する缶壁に集中しているのに対
し、前記公告発明の方法で製造した硬質Al合金板で
は、ティアオフ発生点が特定方向に集中していないとい
う新たな知見を得た。
【0011】そして、X線解析により硬質Al合金板表
面の積分強度を調査した結果、前記公開発明の方法で製
造した硬質Al合金板では(200)面成分の割合が高
いこと、また(200)面成分の割合が高いほどティア
オフ発生頻度は高く、且つティアオフ発生点は冷間圧延
方向に対して0〜30°の角度に集中しており、(20
0)面積分強度の割合とティアオフ発生頻度との間には
強い相関関係があることを知った。
【0012】そして、(200)面積分強度の割合を低
下させてやれば、DI成形時のティアオフ発生頻度は低
下し、前記公告発明の如くティアオフ発生頻度を安定的
に低くするには、硬質Al合金板表面の(200)面積
分強度の割合を32%以下にすればよく、この割合が3
2%を超えると、DI成形時に冷間圧延方向に対して0
〜30°方向に伸び易くなり、その結果板厚が減少して
DI成形時にティアオフが発生し易くなることを確認し
た。
【0013】また、結晶粒とティアオフ発生点との関係
についても調査した結果、前記公開発明の方法で製造し
たAl合金板の結晶粒は、前記公告発明の方法で製造し
たAl合金板のそれに比べて粗大であり、しかも圧延方
向に伸びた長いミクロ組織を有しており、結晶粒が微細
で且つ等軸である程ティアオフ発生頻度は低くまたティ
アオフ発生点は冷間圧延方向に対しランダムとなり、結
晶粒径および粒形状とティアオフ発生頻度との間にも高
い相関関係があることを知った。
【0014】そして、前記公告発明の如くティアオフ発
生頻度を安定的に低くするには、結晶粒径を35μm以
下で且つアスペクト比を5以下とすべきであり、結晶粒
径が35μmを超え、アスペクト比が5を上回ると、D
I成形時に冷間圧延方向に対し0〜30°方向に伸び易
くなり、その結果板厚が減少してティアオフが発生し易
くなることを確認した。
【0015】この確認実験において、結晶粒径とアスペ
クト比は連続焼鈍後の試料を用いて測定し、結晶粒径
(dL)は、板表面(L×LT)から約0.05〜0.
1mmを機械研磨した後電解エッチングし、光学顕微鏡
を用いて観察し、L方向にラインインターセプト法で測
定した。1測定ライン長は1mmであり、1視野当たり
各3本で合計5視野を観察することにより、全測定ライ
ン長を1×15mmとした。また、結晶粒径(dt)
は、板断面(L×ST)を機械研磨および電解エッチン
グした後光学顕微鏡を用いて観察し、ST方向にライン
インターセプト法で測定した。1測定ライン長は0.1
5mmとし、ラインの一端は板表面に合わせ、1視野当
たり各3本で合計5視野を観察することにより、全測定
ライン長を0.15×15mmとした。結晶粒径(d
L)の単位はμmであり、アスペクト比はdLをdtで
除した値(dL/dt)である。
【0016】尚、結晶粒を粒径35μm以下で且つアス
ペクト比が5以下を満足するものであっても、硬質Al
合金板表面における(200)面積分強度の割合が32
%を超えるものでは、前記公告発明の如くティアオフ発
生頻度を安定的に低くすることはできない。
【0017】かくして本発明によれば、冷間圧延後の板
表面における(200)面積分強度の割合を低下させ且
つ結晶粒を微細等軸化することにより、前記公告発明の
如くティアオフ発生頻度を安定的に低く抑えると共に、
公開発明に匹敵する優れたネック・フランジ成形性を有
する缶胴体用硬質Al合金板を提供し得ることになった
ものである。
【0018】本発明に係る缶胴体用硬質Al合金板を製
造するに当たっては、原料として3004系あるいは3
104系のAl合金が使用される。これらAl合金の成
分組成は下記の通りである。
【0019】3004合金:重量%でSi:0.30%
以下、Fe:0.7%以下、Cu:0.25%以下、M
n:1.0〜1.5%、Mg:0.8〜1.3%、Z
n:0.25%以下、その他成分:0.05%以下、残
部:Al。
【0020】3104合金:重量%でSi:0.60%
以下、Fe:0.8%以下、Cu:0.05〜0.25
%、Mn:0.8〜1.4%、Mg:0.8〜1.3
%、Zn:0.25%以下、Ti:0.10%以下、G
a:0.05%以下、V:0.05%以下、その他成
分:0.05%以下、残部:Al。
【0021】本発明では上記のAl合金を使用し、これ
を常法により溶解・鋳造した後、得られた鋳塊を熱間圧
延するに先立って均質化熱処理が施される。均質化熱処
理は常法に従って行なわれるが、この熱処理工程でα相
が形成され、しごき加工時の焼き付きが防止されてDI
成形性が高められる。またこの工程でAl−Mn系分散
粒子が析出するが、粗大なAl−Mn系分散粒子は粒界
移動に対しピン止め作用を発揮するため、結晶粒の粗大
化防止に寄与する。
【0022】α相の形成およびピン止め効果を有するA
l−Mn系分散粒子を効果的に析出させるには、熱処理
温度を500℃以上にするのがよく、500℃未満では
その効果が小さい。但し、熱処理温度が620℃を超え
るとバーニング等により板表面の性状が劣化する傾向が
現れてくるので、該温度以下に抑えることが望ましい。
好ましい保持時間は熱処理温度によって適宜変更するの
がよく、例えば500℃程度の低温で熱処理を行なうと
きは1〜20時間の長めに設定し、600℃程度の高温
で熱処理を行なうときは、より短時間に設定することが
望ましい。尚、この均質化熱処理は2度行ってもよく、
また1回目と2回目の夫々のの均質化熱処理を異なる温
度で行ってもよく、更には1回目の均質化熱処理終了
後、冷却途中で再加熱し2回目の均質化熱処理を行なう
ことも可能である。
【0023】上記均質化熱処理に引き続いて行なわれる
熱間圧延は、連続焼鈍後の結晶粒を微細等軸化するため
できるだけ低い温度範囲で行うのがよく、好ましくは開
始温度を500℃以下に設定すると共に、終了温度を2
80〜250℃の範囲に設定し、再結晶温度以下の温度
で熱間圧延を終了することが必要であり、それにより、
その後の連続焼鈍工程での急速加熱中に再結晶を生じ
さ、結晶粒をより微細等軸化することが可能となる。
【0024】この場合、熱間圧延時のパススケジュール
や圧延速度等によっては、熱間圧延終了を280〜25
0℃に管理しても結晶粒を微細等軸化できない場合もあ
るが、要するに熱間圧延終了時においても加工組織が保
持される様に熱間圧延条件を管理することが重要であ
り、結晶粒を微細等軸化するには、熱間圧延開始温度が
500℃を超えない様に設定すると共に、終了温度を2
80〜250℃の範囲に設定することが必要となる。
【0025】該熱間圧延の開始温度が500℃を超える
と、変形が容易に起こるため熱間圧延時の実質的な加工
量が小さくなり、結晶粒の微細化ができなくなるばかり
でなく、再結晶も同時に進行するため結晶粒が粗大化す
る傾向が現れてくる。また終了温度が280℃を超える
高温になると、熱間圧延終了後の冷却過程で再結晶が完
了してしまい、その後の連続焼鈍炉での急速加熱過程で
微細等軸粒が得られ難くなり、逆に250℃を下回る
と、熱延板表面の疵発生が顕著になる傾向が現れ、いず
れも本発明の目的が果たせなくなる。
【0026】次いで行なわれる連続焼鈍炉での加熱は、
第一にCuを再固溶させることにより缶壁焼き付け塗装
時にAl−Cu−Mg系析出物を微細に析出せしめ、析
出硬化によって缶壁強度を増大させ、第二に再結晶を生
じさせて結晶粒を微細等軸化し、第三に(200)面積
分強度の割合を低下させるためMgを再固溶させること
を目的として行なわれるものであり、こうした目的を有
効に果たす上で好ましい加熱温度は400〜600℃の
範囲である。しかして、このときの加熱温度が400℃
未満では、CuやMgの再固溶の効果が得られず、一
方、加熱温度が高くなるにつれて再結晶粒の成長が起こ
り、600℃を超えるとこの傾向が顕著に現れてくるの
で、600℃以下に抑えることが望まれる。
【0027】このとき、結晶粒を微細等軸化し且つ板表
面のMgOの生成を少なくするには急速加熱する必要が
あり、望ましくは100℃/分以上の速度で加熱するこ
とが望ましい。尚この連続焼鈍に際し、高温で過度に長
時間保持すると再結晶粒が成長して成形性が著しく阻害
されるので、保持時間は実質的に0または10分間以内
に抑えるのがよい。
【0028】該加熱保持後の冷却に当たっては、第一に
Al−Cu−Mg系析出物の析出硬化を進めるため(ゆ
っくりした冷却速度では冷却途中で粗大析出物が析出し
てしまい、焼き付け塗装時に十分な析出硬化が得られな
くなる)、第二に(200)面積分強度の割合を低くす
るため(ゆっくりした冷却速度では、冷却途中にMgの
固溶度が低下し、(200)面積分強度の割合を十分に
小さくすることはできなくなる)、冷却速度を大きくす
る必要があり、好ましくは100℃/hr以上、より好
ましくは1000℃/hr以上とすべきである。
【0029】冷却終了温度は、Al−Cu−Mg系析出
物の析出が発生する温度以下まで連続して行なわなけれ
ばならず、途中で中断すると焼き付け塗装時に高い時効
硬化が期待できなくなる。また、Mgの固溶量が極端に
低下する温度まで連続的に冷却しないと、(200)面
積分強度の割合が増大してしまう。これらのことから、
冷却終了温度は150℃以下に、析出硬化を更に十分に
するには100℃以下に設定することが望ましい。
【0030】連続焼鈍後の冷間圧延に当たっては、圧延
率を高めるにつれて(200)面積分強度の割合が低下
し、DI成形性が向上してくる。(200)面積分強度
の割合を低下させる他の因子としてはMg添加量があ
り、Mg量を増大するにつれて(200)面積分強度の
割合が低下しDI成形性が向上する。これらのことか
ら、冷延板表面の(200)面積分強度の割合を32%
以下に保つには、冷間圧延率とMg添加量を式(1)の
関係式を満たす様に管理することが有効であることを確
認した。 R≦−40.8×Mg+110 …(1) Mg:Mg量(重量%) R :冷間圧延率(%)
【0031】尚本発明では、3004系合金または31
04系合金を対象とする缶胴体用アルミニウム合金に適
用されるものであるが、連続焼鈍の如く急速加熱および
冷却前の冷間圧延を省略して製造されるアルミニウム合
金板において、結晶粒を微細化し且つアスペクト比を小
さくし、更に(200)面積分強度を小さくすることに
より異方性を低減することによって特定方向での成形不
良を改善するという特徴は、上記2種の合金に対して若
干組成の異なる他のAl合金に適用した場合でも生かす
ことが可能であり、また缶胴体用Al合金硬質板以外の
用途に適用されるAl合金板にも活用することが可能で
ある。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であ
り、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0033】実施例1 Mg:1.05重量%、Si:0.20重量%、Fe:
0.3重量%、Cu:0.15重量%、Mn:1.0重
量%、Zn:0.09重量%、残部:Alおよび不可避
不純物からなる3004系Al合金を用いて常法により
溶解・鋳造し、次いで590℃で8hrの均質化熱処理
を施した後、表1に示す条件で熱間圧延して板厚2.0
mmの熱間圧延板を得た。その後、連続焼鈍炉で加熱速
度300℃/分、保持条件480℃×10秒、冷却速度
300℃/分の熱処理を施した後、引き続いて厚さ0.
3mmまで冷間圧延を行った。
【0034】結果は表1に示す通りであり、本発明の規
定要件を全て満足する実施例では、結晶粒が微細等軸状
で且つ(200)面積分強度の割合が小さく、この結果
DI成形性においては前記公告発明と同等以上、ネック
・フランジ成形性においては前記公開発明と同等以上の
優れた特性を有していることが分かる。尚、表1に示し
た(200)面積分強度の割合の算出方法は、表2に示
した通りである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例2 Mg:0.8〜1.3重量%、Si:0.35重量%、
Fe:0.3重量%、Cu:0.15重量%、Mn:
1.0重量%、Zn:0.09重量%、残部:Alおよ
び不可避不純物からなる3104系Al合金を使用し、
常法により溶解・鋳造を行なった後、590℃で8hr
の均質化熱処理を施し、開始温度490℃、終了温度2
60℃で熱間圧延を行ない、その後、連続焼鈍炉で加熱
速度300℃/分、保持条件480℃×10秒、冷却速
度300℃/分の熱処理を行なった後、引き続いて厚さ
0.3mmまで冷間圧延した。
【0038】結果は表3に示す通りであり、本発明の規
定要件を満たす実施例では、(200)面積分強度の割
合が小さく、その結果DI成形性は前記公告発明と同等
以上、ネック・フランジ成形性は前記公開発明と同等以
上の優れた特性が得られている。
【0039】尚表3からも明らかである様に、Mg量と
冷間圧延率との関係が前記関係式(1)の要件を満たす
ものは、(200)面積分強度の割合が32%以下とな
り、前記公告発明レベルの良好なDI成形性を示すこと
を確認できる。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、3
004系または3104系Al合金をベースとし、 板
表面における(200)面積分強度の割合を特定するこ
とによって、あるいは更にその製造条件等を特定するこ
とによって、優れたネック・フランジ成形性を有すると
共にDI成形時のティアオフ発生頻度を安定して低レベ
ルに抑えることができ、低コストで安定した品質の缶胴
体用硬質Al合金板を提供し得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−17205(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 C22F 1/00 - 1/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3004系または3104系Al合金か
    らなり、板表面における(200)面積分強度の割合が
    32%以下であることを特徴とする成形性に優れた缶胴
    体用硬質Al合金板。
  2. 【請求項2】 3004系または3104系Al合金を
    用いて溶解・鋳造および均質化熱処理を行なった後、開
    始温度を500℃以下、終了温度を280〜250℃と
    する熱間圧延を行ない、次いで、連続焼鈍炉で急速加熱
    及び冷却することによって結晶粒径を35μm以下、ア
    スペクト比を5以下としてから冷間圧延を行い、板表面
    の(200)面積分強度の割合を32%以下とすること
    を特徴とする成形性に優れた缶胴体用硬質Al合金板の
    製法。
  3. 【請求項3】 冷間圧延を、下記関係式(1)を満足す
    る条件で行なう請求項2に記載の製法。 R≦−40.8×Mg+110 …(1) Mg:Al合金中のMg含有量(重量%) R :冷間圧延率(%)
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