JP2696936B2 - 短波長用ミラー - Google Patents
短波長用ミラーInfo
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- JP2696936B2 JP2696936B2 JP14984788A JP14984788A JP2696936B2 JP 2696936 B2 JP2696936 B2 JP 2696936B2 JP 14984788 A JP14984788 A JP 14984788A JP 14984788 A JP14984788 A JP 14984788A JP 2696936 B2 JP2696936 B2 JP 2696936B2
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- Japan
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- mirror
- polishing
- single crystal
- short wavelength
- short
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は短波長用ミラーに係り、特に反射率が著しく
高く、しかも製造が容易な短波長用ミラーに関する。
高く、しかも製造が容易な短波長用ミラーに関する。
[従来の技術] 近年、X線〜VUV領域の光学系が、様々な分野で応用
されるようになり、これらの短波長を自在に利用するた
めに、高精度の放射光ミラーが要求されている。
されるようになり、これらの短波長を自在に利用するた
めに、高精度の放射光ミラーが要求されている。
即ち、X線等の短波長用の放射光ミラーには、高反射
率、熱的安定性、耐久性等に加えて、ミラー表面粗さに
起因する散乱を除外するために、ミラー表面粗さが十分
小さいことが要求される。
率、熱的安定性、耐久性等に加えて、ミラー表面粗さに
起因する散乱を除外するために、ミラー表面粗さが十分
小さいことが要求される。
従来、シンクロトン(SOR)等の短波長用ミラーとし
ては、石英、Mo、SiC等のミラー材が提案されている。
ては、石英、Mo、SiC等のミラー材が提案されている。
これらのうち、SiCは、反射率、寿命等の点で最も有
望視されているミラー材である。ミラー材とされるSiC
には、CVD法により蒸着させた緻密な膜質なものが要求
される。CVD−SiC蒸着膜は、散乱防止のために更に超精
密な研磨が施され、Åオーダーの表面粗さに仕上げられ
てミラー材とされる。
望視されているミラー材である。ミラー材とされるSiC
には、CVD法により蒸着させた緻密な膜質なものが要求
される。CVD−SiC蒸着膜は、散乱防止のために更に超精
密な研磨が施され、Åオーダーの表面粗さに仕上げられ
てミラー材とされる。
[発明が解決しようとする課題 しかしながら、CVD−SiC蒸着膜は非常に高硬度である
ために、研磨が難しく、研磨工程に多大な労力と費用を
要する。
ために、研磨が難しく、研磨工程に多大な労力と費用を
要する。
しかも、超精密研磨を施したCVD−SiC製ミラーにおい
ても、反射率は高々数十%程度であり、高性能ミラーを
得ることができなかった。
ても、反射率は高々数十%程度であり、高性能ミラーを
得ることができなかった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、低コストで容易
に製造することができ、しかも反射率が著しく高い短波
長用ミラーを提供することを目的とする。
に製造することができ、しかも反射率が著しく高い短波
長用ミラーを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の短波長用ミラーは、ミラー形状に形成され、
かつ反射面が500Å以下の表面粗さ(Ra)に研磨された
ミラー本体と、該反射面に形成された未研磨の単結晶Si
C層とを有する。
かつ反射面が500Å以下の表面粗さ(Ra)に研磨された
ミラー本体と、該反射面に形成された未研磨の単結晶Si
C層とを有する。
[作用] 単結晶SiC層は、X線等の短波長の反射率が著しく高
い。しかも、単結晶膜であるがために、下地のミラー本
体の表面形状にほぼ完全に倣う表面形状となる。
い。しかも、単結晶膜であるがために、下地のミラー本
体の表面形状にほぼ完全に倣う表面形状となる。
本発明においては、耐熱性、耐食性、耐摩耗性、耐久
性等に優れ、しかも著しく優れた反射率を有するSiC層
を表面に形成するため、ミラー本体の材質を比較的幅広
い範囲から選定することができる。このため、ミラー本
体として、CVD−SiCに比し、研磨が容易な材質、例え
ば、Si単結晶等を選定することにより、低コストで容易
に500Å以下の表面粗さ(Ra)となるように高精度研磨
処理することができる。
性等に優れ、しかも著しく優れた反射率を有するSiC層
を表面に形成するため、ミラー本体の材質を比較的幅広
い範囲から選定することができる。このため、ミラー本
体として、CVD−SiCに比し、研磨が容易な材質、例え
ば、Si単結晶等を選定することにより、低コストで容易
に500Å以下の表面粗さ(Ra)となるように高精度研磨
処理することができる。
しかして、このように高精度に研磨処理されたミラー
本体の表面に形成された単結晶SiC層の表面形状は、そ
のミラー本体の高精度平滑表面形状にほぼ完全に倣う平
滑面とされるため、研磨処理を施すことなく、放射光ミ
ラーとして使用することができる。
本体の表面に形成された単結晶SiC層の表面形状は、そ
のミラー本体の高精度平滑表面形状にほぼ完全に倣う平
滑面とされるため、研磨処理を施すことなく、放射光ミ
ラーとして使用することができる。
[実施例] 以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
る。
第1図は本発明の実施例に係る短波長用ミラーの部分
断面図である。図示の如く、本発明の短波長用ミラー
は、ミラー形状に形成され、かつ反射面2aが500Å以下
の表面粗さ(Ra)に研磨されたミラー本体2と、該反射
面2aに形成された未研磨の単結晶SiC層3とを有するも
のである。
断面図である。図示の如く、本発明の短波長用ミラー
は、ミラー形状に形成され、かつ反射面2aが500Å以下
の表面粗さ(Ra)に研磨されたミラー本体2と、該反射
面2aに形成された未研磨の単結晶SiC層3とを有するも
のである。
このような本発明の短波長用ミラーを製造するには、
まず、例えば、Si単結晶インゴット等のミラー母材を切
り出して所望のミラー形状に加工する。ここで、ミラー
母材としては、上記Si単結晶インゴットの他、サファイ
ア等のセラミックあるいはモリブデン、タングステン等
の金属等を用いることもできる。また、ミラー形状とし
ては特に制限はないが、例えば、平面、シリンドリカ
ル、トロイダル等の形状が実用的である。
まず、例えば、Si単結晶インゴット等のミラー母材を切
り出して所望のミラー形状に加工する。ここで、ミラー
母材としては、上記Si単結晶インゴットの他、サファイ
ア等のセラミックあるいはモリブデン、タングステン等
の金属等を用いることもできる。また、ミラー形状とし
ては特に制限はないが、例えば、平面、シリンドリカ
ル、トロイダル等の形状が実用的である。
次いで、ミラー形状に切り出したものを超精密研磨処
理して、反射面の表面粗さ(Ra)500Å以下に仕上げ
る。研磨方法は、特に限定されるものではなく、ホーニ
ング、超仕上げ、研磨布加工、ラッピング、ポリシン
グ、バレル加工、超音波加工、EEM(エラスティックエ
ミッションマシニング)、メカノケミカルポリシング、
フロートポリシングなど各種の方法が採用できる。
理して、反射面の表面粗さ(Ra)500Å以下に仕上げ
る。研磨方法は、特に限定されるものではなく、ホーニ
ング、超仕上げ、研磨布加工、ラッピング、ポリシン
グ、バレル加工、超音波加工、EEM(エラスティックエ
ミッションマシニング)、メカノケミカルポリシング、
フロートポリシングなど各種の方法が採用できる。
本発明においては、Si単結晶インゴットなどSiCより
も硬度の小さい材料を研磨すれば良いから、従来のCVD
−SiCの研磨処理に比し、極めて容易に研磨処理を行な
うことができる。
も硬度の小さい材料を研磨すれば良いから、従来のCVD
−SiCの研磨処理に比し、極めて容易に研磨処理を行な
うことができる。
次いで、このようにして反射面の研磨処理を行なって
得られるミラー本体の反射面に、単結晶SiC層を形成す
る。単結晶SiC層は、CVD法等によりSiCをエピタキシャ
ル成長させることにより容易に形成することができる。
特に、ミラー本体の材質として、Si単結晶インゴットを
用いた場合には、容易に単結晶SiCをエピタキシャル成
長させることができ、良好な単結晶SiC層が形成され
る。
得られるミラー本体の反射面に、単結晶SiC層を形成す
る。単結晶SiC層は、CVD法等によりSiCをエピタキシャ
ル成長させることにより容易に形成することができる。
特に、ミラー本体の材質として、Si単結晶インゴットを
用いた場合には、容易に単結晶SiCをエピタキシャル成
長させることができ、良好な単結晶SiC層が形成され
る。
CVD法の基本反応は良く知られているところであり、
例えばSiCl4等のハロゲン化珪素とC3H8等の炭化水素と
をH2をキャリアガスとして流し、SiCを析出させるもの
である。
例えばSiCl4等のハロゲン化珪素とC3H8等の炭化水素と
をH2をキャリアガスとして流し、SiCを析出させるもの
である。
なお、本発明では珪素原料ガス及び炭素原料ガスとし
て、上記以外の各種のものを用い得る。
て、上記以外の各種のものを用い得る。
このようにして形成された単結晶SiC層は、その表面
粗さが、ミラー本体の反射面の表面粗さ(Ra)に倣うも
のであるため、極めて平滑性が高く、研磨することな
く、そのまま使用に供することができる。
粗さが、ミラー本体の反射面の表面粗さ(Ra)に倣うも
のであるため、極めて平滑性が高く、研磨することな
く、そのまま使用に供することができる。
本発明の短波長用ミラーは、散乱防止性能に優れるた
め、特に500Å以下、とりわけ10〜100Å程度の短波長用
ミラーとして極めて有効であり、通常の場合、95%以上
の反射率を確保することができる。
め、特に500Å以下、とりわけ10〜100Å程度の短波長用
ミラーとして極めて有効であり、通常の場合、95%以上
の反射率を確保することができる。
以下、具体的な実験例について説明する。
実験例1 単結晶Siインゴットを切り出して、100mm×100mm×30
mm厚さの平板形状とし、その反射面を回転研磨法で研磨
して、表面粗さ(Ra)が約5Åのミラー本体を製造し
た。この研磨処理は短時間で容易に行なうことができ
た。
mm厚さの平板形状とし、その反射面を回転研磨法で研磨
して、表面粗さ(Ra)が約5Åのミラー本体を製造し
た。この研磨処理は短時間で容易に行なうことができ
た。
次いで、このミラー本体の反射面に、CVD法により単
結晶SiC層を形成した。
結晶SiC層を形成した。
即ち、ミラー本体に、温度:1250℃、原料ガス:SiH4及
びC2H2、キャリアガス:H2、ガス流量:3/minなる条件
の下でSiC層を形成した。この層表面を観察した結果、
単結晶SiC層であることが認められた。
びC2H2、キャリアガス:H2、ガス流量:3/minなる条件
の下でSiC層を形成した。この層表面を観察した結果、
単結晶SiC層であることが認められた。
このようにして製造したミラーについてX線反射率を
調べたところ、X線反射率97%と極めて反射性能に優れ
るものであることが確認された。
調べたところ、X線反射率97%と極めて反射性能に優れ
るものであることが確認された。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の短波長用ミラーによれ
ば、 反射面が単結晶SiC層であるため、極めて耐久性等
に優れる上に、X線等の短波長の反射率が著しく高い。
ば、 反射面が単結晶SiC層であるため、極めて耐久性等
に優れる上に、X線等の短波長の反射率が著しく高い。
研磨されたミラー本体の表面粗さが、ほぼそのまま
ミラー表面粗度となるため、表面の単結晶SiC層を研磨
する必要がない。
ミラー表面粗度となるため、表面の単結晶SiC層を研磨
する必要がない。
このため、研磨が容易となり、研磨作業が簡略化さ
れ、研磨コストも低廉化される。
れ、研磨コストも低廉化される。
等の効果が奏され、反射特性に優れ、著しく長寿命の短
波長用ミラーが低コストで提供される。
波長用ミラーが低コストで提供される。
第1図は本発明の短波長用ミラーの部分断面図である。 1……短波長用ミラー、 2……ミラー本体、 3……単結晶SiC層。
Claims (1)
- 【請求項1】ミラー形状に形成され、かつ反射面が500
Å以下の表面粗さ(Ra)に研磨されたミラー本体と、該
反射面に形成された未研磨の単結晶SiC層とを有する短
波長用ミラー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14984788A JP2696936B2 (ja) | 1988-06-17 | 1988-06-17 | 短波長用ミラー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14984788A JP2696936B2 (ja) | 1988-06-17 | 1988-06-17 | 短波長用ミラー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01316704A JPH01316704A (ja) | 1989-12-21 |
JP2696936B2 true JP2696936B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=15483953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14984788A Expired - Lifetime JP2696936B2 (ja) | 1988-06-17 | 1988-06-17 | 短波長用ミラー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2696936B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2881264B1 (fr) * | 2005-01-21 | 2007-06-01 | Commissariat Energie Atomique | Monochromateur a rayon x ou a neutrons |
JP4708891B2 (ja) * | 2005-07-14 | 2011-06-22 | 新日鉄マテリアルズ株式会社 | 光学反射ミラー |
-
1988
- 1988-06-17 JP JP14984788A patent/JP2696936B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01316704A (ja) | 1989-12-21 |
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